さて。
なにがなんだかわからないままに受けた前回のWISC-Ⅲを反省して、下準備をしてから聞きに行った今回のWISC-Ⅳ。
予備知識があったぶん先生の話もわかりやすく、とても実のある面談となった。
聞き取ってきたこと、忘れないようにまとめておこうと思います。
※なあ太 検査時年齢…8歳11ヶ月
全検査IQ 115
(109~120 90パーセンタイル)
言語理解 133
(123~137 90パーセンタイル)
知覚推理 127
(117~131 90パーセンタイル)
ワーキングメモリー 91
(85~99 90パーセンタイル)
処理速度 81
(76~91 90パーセンタイル)
【検査態度】…新規場面での反応、課題への取り組み、体の使い方など
緊張はなくリラックスしていた。
受け答えも「です、ます」を使って、きちんと答えられた。
「利き手」を聞くと自信なさそうにしばらく考えていたが、正解することができた。
始まってから20分くらいは非常によく集中していたが、その後はモゾモゾと身体を動かしたり、後ろを向いたりして、その都度 声かけを必要とした。
しかし、1対1の落ち着いた環境の中では声かけのみでスムーズに作業に戻ることができた。
全体的に落ち着いていて、とてもスムーズに進行することが出来た。
難しい問題も真剣に取り組み、間違えてもすんなりと切り替えられていた。
【言語理解】・・・言語的な情報や自分自身が持つ言語的な知識を状況に合わせて応用する能力
言葉の概念の獲得は非常に高い。
クローズクエスチョン(答えの決まっている問い)は強いが、オープンクエスチョン(決まった答えのない、抽象的な問い)に少し弱さを感じる。
得意な部分の中でも、本人の中で出来るところと出来ないところを比べてしまうため、出来ない部分に強い苦手意識がある。
【知覚推理】・・・視覚的な情報を取り込み、関連づけて全体としてまとめる能力
視覚的な情報を取り込み関連づけてまとめる力は高い。
図形の構成やパターン認識も得意。
ただし平面上のものを「書き写す」、「選択する」ときの視線の動かし方に苦手がある。
ビジョントレーニング、点つなぎ、迷路などをやることで困り感を減らすようにする。
【ワーキングメモリー】・・・注意を持続させて、聴覚的な情報を正確に取り込み、記憶する能力を測定
指示を覚えて作業することは、その時々の集中している、集中していないに大きく左右される。
なるべく刺激を排除し、机には必要なものだけ置くようにすること。
【処理速度】・・・視覚的な情報を事務的に、数多く正確に処理していく能力
作業は丁寧だけれど、ゆっくりしている。
視線の動かし方に滑らかさがない。手と目がうまく連動していない。
ミスはなし。
将来、板書などに困難が出る可能性があり、その場合は支援が必要。
【支援について】
非常に能力の内差が大きいため、得意分野にも苦手意識が強い。
まわりはその苦手意識を認め、支援していく必要がある。
また、一問一答のような問題には抜群に強いが、抽象的な問題に自信がない。
抽象的な物事が多い日常生活上のルールや問題解決方法をSSTなどの取り組みを通して、身につけられるようにする。
注意集中のための環境整備を学校側に働きかける。
集中が途切れた時は、こまめな声かけ、肩に触れるなどして集中を促す。
自信を失わないよう良い部分をたくさん褒めて伝えるようにすることが大切。
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ここからは感想。
結果の凸凹自体はほぼ思っていた通り。
言語性優位で、実務が苦手。
考えること、口で言うことは得意でも、それを実現する手先、体がともなわない
まんま、ふだん見ている通りのなあ太の姿。
頭の中には完成形がはっきり見えているの。
でも、それを実現するスキルがないの。
そりゃあ、やきもきするよね、って思う。
なあ太が癇癪を起こしても、もう少し優しく見守ろう
なかなか守れないけど…。
検査結果で一番嬉しかったのは 検査態度。
「とても落ち着いていて、わからないところがあっても投げ出さず、それでいて、どうしても無理と思えば切り替えて、次の課題にも一所懸命取り組んでいました」
泣ける。
3年前は「このビルを壊して!僕を壊して!」って言ってたのにね。
成長した。成長出来たんだなぁ。
ホント、これを聞いたときは嬉しかったな~。
ただ前回は36だった内差が、今回は52に広がっていたのはちょっとショックだった。
つまり、もともと高かった言語理解はより上がり、もともと低かった処理速度はより下がるという結果に。
WISCは同じ年齢層の平均を100として差を数値で表しているので、なあ太の中で高いところは同年代よりもより伸びたけれど、低いところは成長が遅かったということ。
「内差が大きいと生きにくい」
よく言われること。前回の結果をみて、なるべく凸凹を少なくするために意識して過ごしてきた3年間。まるきり無駄ではないと思いたいけど、思うようにはいかないなあ。
とにかく、基本的な関わり方は間違いなかったことが確認できた。
あとはまた、出来ることからひとつひとつやっていくしかない。
とりあえず、いちばん問題視された目の問題。動きと、手との協応の悪さ。
強く勧められたビジョントレーニングを調べてみようと思います。