これからの時代、組織としてのブランド力はあまりアテにできなくなる。絶対に潰れないと思っていた企業が倒産することも、日常茶飯事だ。終身雇用も崩れ、リストラも活発になってきた。まだまだ日本企業のリストラは下手だと思うのだが。転職も当たり前の時代になってきた。むしろ、有能な人材はヘッドハンティングされ、高待遇で色々な会社を渡り歩く。
 そんな時代で勝ち残るためには、自分の価値を高めることが重要になってくる。大企業の肩書きで営業をする時代ではない。1人1人が個人事業主という自覚を持って行動しなければ、成功することなどできやしない。だからこそ、俺は自分が常に魅力的な人間であるか、自分の時価総額はいったいどれくらいになるのかということを意識しながら行動している。
 他人の顔色を窺うわけではない。ゴマすりなど、全くもって意味がない。大切なのは、実力である。いや、厳密にいえば、いかに自分が実力があるかということを魅せることが重要なのだ。アグレッシブでない人間は、真っ先にドロップアウトする。「仲良くやればいい」なんて甘ったれた世界ではないのだ。
 
 では、学生時代の今、どのようにして自らの価値を高めれば良いのか。手っ取り早い方法は、勉強することだ。偏差値を上げて、難関大・有名大に入るしかない。学歴社会は既に終わっているので、何も就職の時に学歴で勝負するために、ブランド力のある大学に入れというのではない。ただ、試験はゲームだ。それだけを楽しめばいい。だが、それは目的とは違う。人脈という言葉は好きではないが、より素晴らしい仲間を見つけるために行くのだ。最近は、芸能人でさえも高学歴の人が増えている。実際に彼らと友達になるには、ある程度名の知れた大学にいけばいい。他にも、政治家が出るかもしれない。社長が出るかもしれない。できるだけ、価値の高い仲間を作ることで、今後の活動に有利な結果をもたらすだろう。
 だが、もちろん学校の勉強をするだけでは、人並みに追いつくだけで、自分だけの付加価値は生み出せない。自分にしかできないことをすることが必要なのだ。誰かが言っていた。

 「他人が撮ることのできない写真は、僕にだって撮れない。
  だが、他人が撮らない写真は、撮ることができる。」

 他人ができないことをできるようになれば、それは素晴らしいことだけど難しいだろう。だから、他人がやらないことをやるのだ。そうやって、個性というものは形成されていく。誰も着ないようなド派手な服を着たり、誰も言わないような意見を言ってみたり。そうやって、少しずつ自分らしく生きていけるようになるのだ。
 でも、1番必要なのは、情報力。情報を持っていない人間は魅力がないので、俺はそういう人間と付き合おうとは思わない。いくら気が合っても、時間の無駄なので。とすると、それを逆に考えて、自分が魅力的であり続けるためには、常に新鮮な情報を仕入れておかなくてはならない。また、情報はただ吸収するだけでは、何も価値は生まれない。それなら、雑誌を読んだ方が早い。情報は、自分なりの分析を加えて、初めて生きたものになる。そういったことをマメにやって、情報をストックしておくと、いざという時に言いたいことが的確に伝わるようになる。
 情報は常に収集を怠ってはいけない。テレビを見ないなんて、言語道断。誰もが知っている情報は、最低限知っておく必要がある。俺は、テレビは必ず1日1時間は見ている。ニュースだけでなく、討論番組やバラエティーの中にも有用な情報は隠されている。しかし、それだけではただの凡人。新聞は、隅から隅まで目を通す。意外なことが書いてあることもある。それから、大事なのはインターネット。ブログや掲示板はジャンクが多いが、中には砂金のような情報が含まれている。それを見つけられればいいが、そうでない場合が多い。また、1日に何時間もインターネットをする余裕はないはずだ。そこで、メールマガジンを活用する。
 首相官邸が発行するメルマガは面白い。総理の直接な意見が聞け、日本各地で話題になっている人の記事も面白い。また、感想を直接総理に読んでもらえるので、それも魅力的だ。俺は、毎週欠かさずに読んでいる。あとは、日経のメルマガ。著名なジャーナリストの独自の分析がされているコラムを読む事ができるので、なかなか興味深い。
 そして、書店には週に1度は立ち寄るべきだ。情報の宝庫である。雑誌の立ち読みはもちろん、話題になっている本はわかりやすい位置に並べられているので、それも手に取るべきだ。情報には金を惜しむな。積極的な投資をしなければ、情報は掴めない。

 結局、発想をするにも戦略を立てるにも、情報が無ければ話にならない。一昔前は、都会と地方では大きな情報格差があったが、インターネットも普及し、書店も増えた現代では格差なんて微々たるものだ。情報も金と同じで、自分で掴むしかない。情報のない人間は、つまらないどころか、既に終わっている。トレンドを理解せずに、自分の価値を高められるわけがない。受験も人生も同じで、傾向と対策が勝利の鍵となる。視野を広げるとは、多くの教科を勉強することではない。多くの情報を掴んで、それを自分の頭で吸収することを言うのだ。そして、自分なりの論理を構築してみる。最初はうまくいかないかもしれないが、慣れればそれが快感となる。巷では「情報過多」と言われるが、これくらいの情報量でそんなことを言っているようでは、降伏したのと同じである。情報を空気のように扱いたいものだ。
 情報のストックがある程度溜まって来ると、様々な発想ができるようになってくる。それには、情報を他人とは違う視点を持って分析する必要がある。一度は、常識を疑い、否定してみる。そして、その常識の真意がどこにあるのか、その常識が存在することによりどのように役立っているかを考えてみる。すると、何が必要で何が必要でないのか、見えてくるはずだ。そうやって、自分の生き方というものを確立していく。それが、モラトリアム期間にやるべきことだと思う。
 生き方を確立すれば、自分の信念の下で行動できるようになる。すると、自然と自信が芽生えてくる。自信に満ちた生活を送れば、毎日が楽しくなり、仕事のパフォーマンスも良くなってくる。明るい性格で、成果も上がれば、自分の価値は必然的に高まるはずだ。

 謙虚な姿勢も必要ではある。だが、時に謙虚は弱さとすりかえられてしまう。俺自身、そういった経験をしているからよくわかる。農村での生活ならまだいいかもしれない。もちろん、農業も戦いではあるが、直接他人と戦うわけではない以上、謙虚な姿勢を見せて好感を持たれることも多いだろう。だが、ビジネスの戦いはもっと露骨なものだ。斬った張ったの世界だ。例えていうなら、剣道。スキがあれば、すぐに一本取られてしまう。弱さを相手に見せたら負け。涙を相手に見せたら負けなのだ。また、ビジネスは怒ったら負けだ。感情を抜いて勝負しなければならない局面がたくさんある。
 「いや、そんなことはない。お客様第一と思い、心でビジネスをしている企業はたくさんある。」と言われるかもしれない。だが、俺が言いたいのはそういうことではない。精神をないがしろにすることを意味するのではないのだ。ビジネスをする時には、相手を疑ってかからなくてはならない。万引きする客もいる。相場よりはるかに高い金額を提示して、無知の企業を騙す所もある。契約を突然反故にされ、逃げられる可能性だってある。弱さや甘さを見せた瞬間、倒産に向かって一直線というわけだ。
 謙虚さというのは、大事であるものの、その要素をあまり濃くしない方がいい。謙虚さは、自分への戒め程度に考えるべきだ。他人や世間に対しては、徹底的に強気な態度を魅せる。最低限のマナーを守ったり、きちんと挨拶をしていれば、そんなに礼儀知らずという印象は受けない。謙虚の要素を濃くすると、自分を過小評価しがちになってしまう。口に出している事は精神にも染み込みやすい。「僕はダメな人間です。」といつも口に出していると、本当にダメな人間になってしまう。「俺は何だってできるんや!」と叫んでいれば、いつの日か本当に何でもできるようになっている。自慢をしろと言いたいのではない。自信を持つべきだと言いたいのである。
 自分がもし経営者だったら、採用のための面接の時には自信が漲った人物を採りたいと思う。「浅学の身なので、皆さんの足を引っ張らないように頑張ります。」というような人は、即刻お帰りいただきたい。「俺は、コレとアレとソレができる。その優れた能力を生かして、こんな企画をやりたい。そのために、いくら(金額)欲しい。条件が満たされれば、入社して即戦力になります!!」と胸を張って言える人は、多少給料が高くても来てほしい。明るく、いつも笑顔で、プラス思考ならば、結果は後からついてくる。

 結局、自分の価値を最大限に高めなければ、戦いに勝つことはできない。また、自信があってプラス思考でなければ、戦いに参加する資格すらない。謙虚さを見せて、「オトナ」をアピールした所で、今の時代は通用しない。所詮、そんなものは「偽善」であることを俺は知っている。価値を高め、それを売り込む。そうやって、初めて成果が出てくるのではないか。
 実は、この「売り込み」ができない人って結構多い。しかし、売り込まなければ始まらない。いくら優れた商品を作っても、営業をしなければ売れないのと同じだ。自分で自分の営業をしなくてはならない。「俺が最高の人材」だと売り込まなくてはならない。女性を口説く時もそうだろう。「僕よりももっと良い男がいますよ」なんて言うバカはいない。それには、決して「無理だ」と言わないことだ。「今はできませんが、次までには何とかします。」と言うか、「できるようにしたいので、やり方を教えていただけませんか。」と言うべきだ。
 だが、「自分の営業」も露骨に示すと不快感を与えるだけなので、さりげなくアピールするのがベストだ。第三者に評価してもらえれば1番良い。資格を取得することや、表彰してもらうこともいいだろう。そして、発言には細心の注意を払いたい。発言の回数はある程度は必要だが、多いことが必ずしも良いわけではない。質が重要だ。常識や受け売りは禁物である。
 人気と実力。両方が備わって初めて本物と言えるだろう。


ON MY BEAT

歌手 BOOWY
作詞 氷室京介
作曲 布袋寅泰

やる気がないだけサ バカげたふりもしたくない
ペコペコ背をまげて 生きてくタイプじゃないのサ
勉強仕事に疲れて 首をつるのは絶対いやだぜ
自分の勝手さ Life is on my beat

奴等に言われても それほど関係ないのサ
世間のはみ出しと 背中を指でさせばいい
どこかの奴等のようにさ ウソで体裁かざる鮮やかさ
それよりましだぜ Life is on my beat

★B.B.B.B ON MY BEAT…★

自分を守るのは 何かを残したあとだぜ
形にこだわっちゃ 古びたものしか見えない
やたらと計算するのは 棺桶に近くなってからでも
十分できるぜ Life is on my beat

(★くり返し)