ここからは、現実の話。先程の物語は、半分フィクションであり、半分ノンフィクション。つまり、ある程度は、現実の話をモチーフにしたというわけだ。まぁ、どこまで本当かは読者の想像にお任せする。文学の味わいというのは、作者が決める問題ではないと思っている。確かに、ある程度は作者が読者をコントロールしないと、話の展開はおかしくなる。感想は違って良いが、内容は違っては困る。だが、深いところは個人におまかせ。だから、夜の歌舞伎町の話はフィクションだけど、実際に歌舞伎町を歩かないと細かい部分は書けないのだから、歩いたのは事実だろう。そんな風に見てくれればいいと思う。
 昔からひねくれ者で、天邪鬼である。人に媚びることが大嫌いで、一匹狼である。少し話がそれるが、静高を受験するような中学生の一部は教師にゴマをする。内申点を上げてもらうためだ。実力で正々堂々と勝負しない。ハッキリ言って卑怯者である。僕はそんなことはしていない。別に、自分を擁護するわけではない。実際、僕は担任とケンカをした。それも、クラスの皆の目の前でケンカをした。当然のように、成績は下げられた。でも、それでも良かった。自分のプライドを捨ててまで、内申点を上げたいとは思わなかった。
 部活でもケンカをした。普通、運動部であれば、どんなに理不尽でも先輩の言うことは聞くものだと思うが、僕は一切聞かなかった。「バカに服従するのはバカバカしい」が、当時の口癖だった。もちろん、それなりの制裁は受けた。それでも、屈しなかった、よく「部活の目的は上下関係を学ぶことだ」と言われる。それは正しい。だが、それは「どんなに理不尽でも先輩に従う」ことではない。理不尽ならば「それはできません。あなたは間違っています。」と言える勇気を養うことだ。企業でも、上司に提言できないような組織は廃れていく。部下が上司にハッキリ提言できる企業は、成長する。それを僕は、自分の身をもって示したかった。
 上下関係で、自分が不利益を被ることだけは許せない。だから、僕は、無所属を貫いている。部活だけではない。人間関係においてもだ。もちろん、仲良くすべき所では仲良くする。仲間を作らないことではない。ただ、相手の要求が理に適ったものでなければ、言うべきことは言う。それは、無所属という立場でないとやりにくい。だから、精神的には、無所属という立場を貫いている。「無所属」は、媚びないことの証だ。いつまでも、どんな時でも媚びることなく生きていきたいものである。

 そんな俺が、東京へ行く際に、必ず立ち寄る場所がある。渋谷だ。ショッピングではない。ウィンドウショッピングならしたことはあるが。皆さんも渋谷に行くことはあるだろう。しかし、おそらくは西側ではないだろうか。ハチ公口を出て、道玄坂方面にある東急系の店。僕が訪れるのは、東側。長い歩道橋を渡り、首都高をくぐった徒歩5分くらいの所に、クロスタワーというビルがある。そこの3階のテラスだ。そこには、尾崎豊の記念碑がある。その周りには、ファンが書いたメッセージが至る所にある。僕が書いたものもある。ちょうど記念碑の真下あたりだろうか。修正ペンでしっかり書きこんできた。そこへ着くと、毎回合掌し、しばらく尾崎と会話をする。もちろん、心で。周りから見ればアホみたいに見えるだろう。でも、何と思われようが関係ない。「十七歳の地図」を彼はここで描いたのだと思う。記念碑の横にこの曲の歌詞がつづられている。記念碑に向かって立ち、前を見ると素晴らしい光景が見える。特に、夕方に行くと最高だ。

 「人波の中をかきわけ 壁づたいに歩けば
 しがらみのこの街だから 強く生きなきゃと思うんだ
 ちっぽけな俺の心に 空っ風が吹いてくる
 歩道橋の上 振り返り 焼けつく様な夕陽が
 今 心の地図の上で 起こる全ての出来事を照らすよ
 Seventeen's map」

 ここでその風景を見ると、元気が出る。闘う勇気が湧いてくる。このクロスタワーは、いつも強風が吹いている。その強風が嫌なものを吹き飛ばしてくれるような気がする。だから、僕はこの場所が好きだ。特に用事が無くても、必ずここには寄る。
 もう1つ、好きな場所がある。新宿駅のサザンテラスだ。そこにスタバがあるのだが、そこの席に座って見る景色は最高だ。アイスコーヒーを片手に、新宿の高層ビルを見る。すると、壮大な気持ちになれるのだ。日本一のこの駅(利用客数日本一)で、日本一のビル街の中心で・・・いつかは、自分もこの街を手に入れたい、と強く思う。
 「都会は人ばかりで嫌だ」という人へ。それでは、土曜日の朝、甲州街道を歩いてみてはいかがですか?所用で4丁目に泊まった時、歩いてみた。やっぱり、朝の新宿はいい。都会の息苦しさを感じさせない。確かに、人は少なくはなかった。でも、何か雰囲気が違うのだ。
 「それなら東京に住めよ」と怒られるかもしれない。でも、僕が言いたいことはそういうことではない。静岡の良さも知りつつ、日常から外れて違う土地へ行ってみると何か感じるものがあると言いたいだけだ。もちろん、僕は静岡が大好きだ。いつかは、故郷のために何らかの形で貢献したいと思っている。ただ、旅は良いものです。日常から抜け出すと、違った視点を持てるというか、見えてくるものがある。旅とは、それを確かめるためにする行いだと思う。勉強や部活で忙しい奴等には厳しいかもしれないが、たまにはサボってもいいじゃない(笑)たまには、一人旅に出ることをオススメする。
 友達と行くのもいい。楽しむための旅行なら、それが一番だろう。でも、何か違う発見がしたければ、何かを得たいのなら、一人で行く方がいい。日帰りでもいいから。やっぱり、普段は道端のタンポポに気付かないように、日常では見落とす部分が多い。そのタンポポに気付くためには、日常を全て捨てることが必要だ。勉強道具を持っていくなんて、言語道断。何のための旅なのか、目的が曖昧になる。持って行くのは、一冊の本だけでいい。新幹線の中で読むために。
 とにかく、旅をしていく中で、「自分だけの大切な場所」を見つけられた人は幸せだと思う。僕も、もっと金を貯めて、色々な所を訪れてみたい。




MASS AGE

歌手 BOOWY
作詞 KYOSUKE HIMURO  作曲 TOMOYASU HOTEI

お前ら乗ろうと乗るまいと 俺には全然 関係ねェ
仕事だなんて思っちゃいねェ お前らと一緒に騒ぎたいだけさ

※熱くなる事も知らねェ奴の気げんをとって
右手をあげて下さい なんて言いたかねェぜ
たいした事も出来ねェくせに 気取った奴ら
そんな奴らは どこかに消えな 邪魔になるだけ※

お前ら すかした顔してても ちょっとはどこかが熱いはずさ
お前らみたいなカスでも出来る レールにはまって走る事

大した事も出来ねェくせに わかった顔で
腰をおろすのは まだまだ先でも 間にあうはずさ
理屈じゃねェのさ その時間だけが おもしろかったら
それでいいだろ つまんねェ事は 忘れちまいな