中期経営計画の作り方はどうすれば良いですか? (2/5) | 社長入門講座 

中期経営計画の作り方はどうすれば良いですか? (2/5)

◆ユウタの質問◆

経営幹部も社員も共有できる中期経営計画を作るには5W2Hを明確にすることで、人が育ち、役割と責任が明確になって、強い組織になることが何となく分かってきたように思います。
では、具体的にどんな手順でつくっていけばよいのでしょうか?
また、Whyが重要とのお話でしたが、どうすればWhyが明確にすることができるのでしょうか?


◆孔明の教え◆

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 計画づくりの5ステップ
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では、今回は中期計画の作り方に入ろう。
3年間の中期計画を作るとすれば、次の5つのステップでつくっていくんだ。

1.経営環境と自社の分析 
2.戦略コンセプトと重点課題の設定
3.3カ年のロードマップづくり
4.初年度アクションプランづくり
5.予想損益、キャッシュフロー計算書の作成

大まかな流れは理解できたかな?

では、最初のステップに入っていこう。

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 ”What”と”Why”を明確にする5つのステップ
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まず、経営環境と自社の分析から戦略コンセプトや重点課題を出していくステップだ。

ここでは、WhatとWhyを明確にすることになり、計画の要の部分になるよ。

1.経営理念の確認

会社がこれから3年間で何をしていくかを明確にしていには、経営理念の確認が必要だ。
どんな計画であれ、会社のミッションを示す、経営理念を逸脱してはならない。

例えば、「わが社は快適な住環境を創造する」という理念のある会社が、工場向けのサービスを提供すると、理念を逸脱したことになる。
あくまで、住宅や家庭生活に密着した分野で考えるべきで、会社の理念を更に高めていくことにフォーカスした理念にするべきだ。
 
2.外部環境の分析

計画を立てる上でまず大事なことは、会社を第三者的に見て、評価することだ。
特に、「企業とは環境適応業」と言われるほどで、時流に乗って行くにはしっかりと環境分析をすることだ大事なんだ。
外部環境には、2つの方法がある。

 a.ミクロ分析
  自社の業界内部の分析で、代表的なのが、3C分析と言われる。
  3Cとは、お客様(Customer)、自社(Company)、ライバル(Competitor)で、
  ここで重要なのは、お客様の理解とライバルの理解だ。

  〇お客様はどんな変化を起こしているのか?
   ・個人なら収入はどうか?
   ・ライフスタイルはどうか?
   ・どんな問題を抱えているか?
   ・家族構成の変化はどうか?
   ・住宅の耐震性はどうか?
   ・何を望んでいるか?  などなど

  〇ライバルの強みは何か?弱みは何か?
   ・ブランドイメージは?
   ・サービスの質やコストはどうか?
   ・人材のレベルはどうか?
   ・資金力はどうか?
   ・企画力はどうか?  などなど

ミクロ分析では、まず自社のビジネスに直接かかわりのある領域の分析をして、社内の共通の認識を作るんだ。

 b.マクロ分析
  ここでは、間接的にビジネスに影響を与える要因を分析するんだ。
   ・人口(人口動態、高齢化、少子化など)
   ・経済(消費、輸出、輸入、住宅着工戸数、設備投資、貿易など)
   ・文化(流行、社会トレンドなど)
   ・国際(国際分業、他国の経済動向や政策)
   ・金融(金利、株価動向など)
   ・為替(各国通貨の動向)
   ・法律(税法、労働法、会社法、そのた法律の強化と緩和など)
   ・政治(政治の安定度、政策動向など)
   ・環境(温暖化、環境規制、リサイクルなど)
   などだ。 

  大きくどんな潮流が起きているかを理解することが大事だよ。 

3.内部資源の分析

次に内部の分析に入ろう。

内部の分析は、自分の会社の経営資源のレベルを知る上で重要なステップだ。
全社的な視点で日頃から考えているのは、社長と数人レベルだから、幹部で客観的な認識を一つにしるんだ。
人は案外自分のことは分かっていないものだから。

内部の力を知るには、2つのステップがある。

 〇個々の経営資源のレベルがどうか?
  ・人のレベル(1)階層別(経営陣・管理者・社員)
  ・人のレベル(2)部門別(技術・営業・施工・総務など)
  ・もののレベル(1)商品(品揃え、品質、納期、コストなど)
  ・もののレベル(2)設備(設備の質、幅、供給力など)
  ・カネのレベル(資金力、収益性など)
  ・情報のレベル(特許、ノウハウ、IT活用レベル)
  ・ネットワークのレベル(仕入先、銀行、技術パートナー、各種専門家)

 〇ビジネスプロセスの分析

ここでは、お客様の満足度を高めるために、組織の連携が効率的に進められているか?
どこがボトルネックになっているかを分析するんだ。

業務プロセスの例を挙げてみようか。
 (1)市場調査
 (2)商品やサービスの企画
 (3)プロモーションから引き合い 
 (4)見積もり・商談
 (5)契約
 (6)施工と予算管理
 (7)納品と回収
 (8)収支分析

このビジネスプロセスにおいて、
 ・どこに余力がありどこが弱いか?
 ・どこがボトルネックか?

を明らかにしていくんだ。


では、ここで一旦ブレイクしよう。

<宿題>
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 1.今後の業界はどう変わっていくと考えるかね?
 2.自社がライバルより優れている点、劣っている点は何かね?
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