パチン、
泡の弾ける音がした




言葉のピースが重なったことに
きっとあなたは気付いていないよね

嬉しそうに話す横顔
頭に浮かぶリアルな光景
君の表情なんて安易に想像できる




どうして今口にしたのか
どうして私に話したのか

私が傷つくことまでは考えてくれなかったの?





沈黙
さめざめと、静かに泣いてみる

いつものように心配してくれるけれど
泣いた理由は教えてあげない
君が泣き始めたって動揺するけど関係ない

絶対、ぜったい




これでさようなら、
あなたの憧れだったひと


残念ですね
もう貴女の居場所はそこにありません










恋に盲目だったあの頃は
ぜんぶ信じることが出来たのに

あなたの笑う顔とか
好きだよって言う声とか
私を心配する仕草とか
そうゆうものが全部キラキラして

抱きしめる腕が暖かくて
撫でる手が優しすぎて

すぐそばにある絶望すら忘れていた



『じゃあね、バイバイ』でお別れ出来たら
『また会おうね』の約束で満足出来たら
カレーライスとかうどんを好きなレベルで
人を好きになれたら
夏の暑さを冬に忘れるように
冬の寒さを夏に忘れるように
あなたの事もそんな風に忘れられたら

忘れられたら






そんな風にできたらこんな苦しくない

そんなんで満足できたら悲しくない





全部許せるほど愛せなくて
自分の主張や想いも潰せなくて
割り切れなくて、わりきれなくて、
心に折り合いをつけられないまま
縛り付けて縛り付けられたまま
泥沼のような時間が続く

最後に見えてくるのはなんだろう

なんだろう?








ずっと向かい合ってきたから
あなたが見てるものすら見えなくなったよ

同じ方を見つめたら今度は
あなたの事も見えなくなったよ















そんでもって「せーの」で


私まるごと、消える事ができたら



欲を言えばあなたも


ちょっとは傷ついたらいいのに


*忘れられたら*
クラウチキヨシさん