少し前にCS-5800にラインナップされていない12-28Tのスプロケットを試してみた記事を書いたわけだけど、そのあと検索ワードでけっこう引っかかっているようなので改めて記事にしてみた。
シマノのHPを見てみると11速モデルの105(イチマルゴ)シリーズには3種類のスペック(12-25T、11-28T、11-32T)しかリリースされておらず、今回ネタにした「12-28T」は2つ上の最上級グレードデュラエースにしかラインナップされていない(9000系、R9100系)。
ちょっと試してみたくてもお値段が(定価で)クソみたいに高く25,000円近くしてしまうので、ケチで貧乏な僕は105にラインナップされている2つのスプロケットがたまたま手元にあったので組み合わせて試してみようと思う。
スプロケットとは外装式変速機を備えた自転車の主に後輪についているギア(歯車)の塊のこと。
このスプロケットの山数を変化させる(変速)ことで出力を変化させ最適な速度やパワーを維持することができる。
山数はメーカーやグレードで数種類リリースされていて コースの性格やレースシーン、乗り手の好みに合わせて自由に換装できることが魅力の1つ。
今回用意したのはシマノ11速モデルのCS-5800-11-28T(左)と同じくCS-5800-12-25T(右)の2つのスプロケット。
シマノのスプロケットは(グレードにより差はあるけど)ロー側がブロック構造の一体型になっていてバラすことはできないので、ある程度の制限はあるもの分離できるミドルギア〜トップギアが交換対象になる。
クロスレシオ(各ギア同士の歯数差が少なく変速比が近いもの)の12-25T(左側)と、一般的なロードバイクに標準装備されている11-28T(右側)。
山の裾野に向かうほどなだらかな11-28Tはギア比を広く取れる反面各ギア間の比率が離れている箇所が多いため 慣れてくると「こことここの中間のギアがあれば…」という気持ちが出てくる…んじゃないかと思う。
各ギアの山数を表にしたもの。
標準装備と思われる11-28Tを使っていて不足していると感じるのはミドルギアの16T、18Tあたりではないかと。
11Tを踏めない貧脚の僕は潔くそれを諦め、12Tスタートの12-25Tで組み合わせる。
そうすることで12〜17Tまではクロスレシオで、最大ギア28Tまで備わったワイドレンジのスプロケットが完成する(はず)。
(16、18Tの補完のクロスレシオに関してはジュニアスプロケットの14-28T、ロード用最大ギア32Tのクロスワイドとしては変態スプロケットの14-32Tのほうが優れていると思う)
(マウンテン用は除く)
先の表のようにトップ側は12-25Tの12、13、14、15、16、17T(下段右)を、
ロー側は11-28Tの19、21、23-25-28T(上段左)を使用する。
5800系105はロー側3段だけが一体型のブロック構造だけど、1つ上のグレード6800系アルテグラはロー側3段、ミドル2段がそれぞれ一体型になっている。
(12〜16、17〜28Tの組み合わせでも同様)
同じ5800系105でも両スペックの17Tギアは品番が異なるため、フリーボディのスプラインに合わせると刃先の位置が半コマ分ズレていることが確認できる。
2つのスプロケットを組み合わせると 17T、19Tを境にギア刃先の配列プロファイルが変わってしまうため この箇所を跨ぐ変速時にほんの少しラグが発生する。
上の画像のように12〜16、17〜28Tの組み合わせの場合でも同様に、16〜17Tの区間でタイムラグが発生する(黄色と赤のライン参考)。
この記事を参考に同じことを試すのは自由だけど事故や機材故障などのトラブルは一切保証しないので、全て「自己責任」で判断してほしところ。
※6800系アルテグラのスプロケットでも同様のミックススプロケットができますが、グレード違いはもちろん 同グレード内でのギア歯入れ替えはメーカーの保証対象外。
無論D/Aでそんなことする人はいないと思うけど…。
この個体に関しては今の所不具合はありません。
2017/01/03 記