イタリアでパーティ大好き元首相が復活か? 繰り返されるおバカ発言 | フォグ HID イエロー、フォグ HID リレー

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伊吹太歩の世界の歩き方:
 日本では総選挙が終わり、来年の参院選まではしばらく政界も落ち着きを見せそうだ。
 選挙では自民党が第一党に返り咲いた。首相経験者である安倍晋三総裁に対しては総選挙前から、彼がかつて難病で総理を辞したことがあちこちで取り上げられた。日本人のワークエシックス(職業倫理)はかなり高いということだろう。

 病気で職を辞することになった首相といえば、脳卒中などで倒れた大平正芳や小渕恵三がいる。だが、安倍氏に向けられたのは「胃腸の難病くらいでは辞めるな」ということなのだ。仮病ならまだしも難病なら仕方あるまい。もう1度くらいチャンスをあげてみればいいのではないかと思うのだが。

 とにかく日本では一度辞めた人物がまた首相になった。そんな勤勉な日本とは正反対の国――失業率が高く、ワークエシックスも低いといわれることもあるイタリアでは、1度ならず3度も過去に首相を務めた経験のある人物が、首相復帰に色気を見せている。

 シルビオ・ベルルスコーニ元首相だ。そして日本が安倍氏の復帰で騒がれているように、イタリアも揺れている。揺れているといっても、地震が起きたわけでも、サッカーの八百長でトップチームが降格させられたという話でもない。豪華客船の船長が乗客を見殺しにして逃げたわけでもない。

 震源はベルルスコーニの過去のむちゃくちゃ具合だ。特にイタリア人の知識層はベルルスコーニの復活に頭を抱えることになるだろう。

●総資産62億ドル、ベルルスコーニという男

 2012年12月、ベルルスコーニは翌年2月に予定されている総選挙に出馬の意向を示した。その経緯はこうだ。

 現職の首相マリオ・モンティは、2011年11月に数々のスキャンダルや経済問題で行き詰まり辞職したベルルスコーニに代わって首相に就任した。そのモンティに対する信任投票の採決で、ベルルスコーニが党首を務める最大与党の自由国民党の議員が議会を退場して投票を放棄した。この動きを受けてモンティは辞意を表明した。このような状況でベルルスコーニがまた閣僚もしくは首相として政権復帰すべく発言を始めているのだ。

 ベルルスコーニといわれてもあまりなじみのない読者のために簡単に彼の経歴をまとめると、1946年に銀行員の息子としてミラノで生まれ育ち、大学卒業後に建設業で大成功する。若いころにはナイトクラブなどで歌手をしていたこともあり、まさに成り上がり。その後テレビ業界に進出し、メディア王と呼ばれるまでになった。現在ではイタリアの民放テレビ局の半分近くは、ベルルスコーニの創業したメディアグループが支配している。イタリアの人気サッカーチーム、ACミランのオーナーでもある。

 私生活では2度の離婚を経験。1度目の結婚は不倫で破綻し、その不倫相手と結婚した2度目の結婚生活は、2009年の首相時代に「ブンガブンガ」と呼ばれる売春パーティ疑惑が浮上したことなどが原因で終焉を迎えた。この妻には毎月生活費を4億円以上支払っているようだが、そこは総資産が62億ドル(およそ5286億円)の男だけに痛くもかゆくもない。

 さらに政権復帰宣言直後には、ベルルスコーニが27歳の一般女性と結婚することが明らかになりメディアを騒がせた。76歳のベルルスコーニとは49歳の年の差だ。

●ベルルスコーニの狙いは首相返り咲きではない

 一方で、「ベルルスコーニがもう首相の座に未練はないと語っている」という声も漏れ伝わっている。過去に3度も首相に選ばれていることもあるのか、今彼が狙っているは財務相の椅子だ。現在、財務相はモンティ首相が兼任しているのだが、さすがはベルルスコーニ、国民の支持をつかむのに財務相の座はかなり魅力があるとみて、すかさずそこを突いてきた。

 イタリアは、財政危機で長く苦境のどん底にあるギリシャのように、財政的には危機的状況にある。モンティの緊縮財政政策(公務員削減、徴税強化、財産税の復活)は国民を苦しめていることもあり、国民の間にはユーロに不快感を持つ人が非常に多く、リラに戻したいと考える人も少なくない。

 最近、ベルルスコーニは「モンティが欧州諸国のいいなりで、自分が政権にいたときよりも経済低迷を招いている」とモンティを批判していた。次の選挙では、ベルルスコーニの自由国民党は「反ユーロ」「ユーロからの離脱」をあおるのではとみられている。

 ベルルスコーニが財務相に興味があると語ることは、イタリア人の大きな関心事であり、ドイツが中心となって欧州諸国が押し付けてくる緊縮財政を「変えられる」という期待に変わる。財政政策に大きな発言力を持つことで、再びイタリア政界の台風の目になろうとしているのだ。

 ベルルスコーニが政府で再び重要な地位を手にすることになり、国際会議などに出席するようになれば、賢明なイタリア人には頭痛の種になるだろう。そう、ベルルスコーニの大胆すぎる失言だ。

●ベルルスコーニの大胆すぎる失言の数々

 これまでのベルルスコーニの発言に対して、イタリア人のイメージを悪くするという批判が国内から出ていた。とにかく首相とは思えないものばかりなのだ。いくつか紹介してみたい。

 イタリアに緊縮財政を押し付ける当事者であるドイツのアンゲラ・メルケル首相のことを「色気のかけらもないデブ」と呼ぶ。ちなみにイタリアで開催されたサミットで、街灯の後ろに隠れたベルルスコーニは、イタリア語で「Cou-Cou(いないいないばー)」と突然登場し、彼女を驚かせようとしたおバカな場面もあった。

 2003年のサミットでイタリアが議長国を終了した際には、「じゃあみんなでサッカーと女性について話をしようではないか」と切り出し、当時ドイツ首相だったゲアハルト・シュレーダーに向かって「ゲアハルト、君からはじめてくれ」と話を振った。ちなみにシュレーダーは過去に4度結婚している。

 ドイツ訪問ではこんな発言をしている。「イタリアでは私は、仕事中毒だからドイツ人のようだとみられることもある……仕事、仕事、仕事。私はほとんどドイツ人だとみられている」

 オバマ米大統領へのコメントは有名だ。黒人であるオバマの印象を「ハンサムで、若くて、日焼けしていた」と語り、黒人差別だと批判を浴びた。さらにファーストレディのミシェル夫人に対しても「信じられないだろうが、彼らは一緒にビーチにいったらしい。奥さんも日に焼けている」。

 ミッシェル夫人が、ドイツのメルケル首相や当時の英首相だったゴードン・ブラウンとは挨拶でハグ(抱擁)したにも関わらず、ベルルスコーニとは握手だけで済ませた気持ちも分からなくない。

 イタリアに対しても「吐き気がするこのクソみたいな国をもう少しで去ることができる」といったことが判明。さらに「この国の女性にオレとセックスがしたいかと聞いたら、30%が『はい』と答えて、あとの70%は『え、何! もう一回彼と?』と答えた」と発言。ニューヨーク証券取引所では「イタリアに投資するもう1つの理由は、美しい秘書がいること……最高の女たちだ」。

 売春疑惑で捜査対象になって当局から電話を盗聴された際に録音された話も表に出ている。「昨晩、11人の女がいて、8人とだけしかできなかった。それ以上は無理だった。さすがにみんなとは無理だな。でも今日朝目覚めたら気分が良かったよ、自分のスタミナに満足している」

 このような自分に対するおバカ発言も多い。薄くなった髪を植毛したのだが、「私の髪が薄いのは、脳みそが大きすぎて髪の毛を押し出してしまうからだ」と語った。

 ちなみにベルルスコーニは、自分の背の低さをかなり気にしている。それでこんな発言もした。「私よりも物事を達成したのはナポレオンだけだ……でも間違いなく私のほうが背は高い」。さらに「私をチビという人がいるが、サルコジ(当時のフランス大統領)とプーチン(ロシア大統領)よりは背が高い」と発言している。

 ベルルスコーニの復活とともにこんな調子の発言もまた復活することになるだろう。トンデモ発言を繰り返すベルルスコーニが、世界中のメディアに話題を提供していることは否めないが。

 もっとも多くのイタリア人にしてみれば、こんな風にイタリア人が取り上げられるというのはやはり「頭が痛い」に違いない。

[伊吹太歩,Business Media 誠]

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