そして寝たきりになる前に。
父と、竹下景子似のミチコが上京してきた。
空港まで迎えに行った。
父は私に気が付かなかった。
娘の顔も分からなくなったのかとショックを受けた。
でもそうではなく、私があまりにも太ったから分からなかったようだ。
それはそれでショックだが。
父は車椅子で、自分の足では1歩も歩けなかった。
1人でトイレに行く事も出来なかった。
薬を飲む時も1錠ずつゼリーと一緒にしか飲む事が出来なかった。
大分で死にかけた事が何度かあった話を聞いた。
それでも『辛い時には、いつでも大分に戻って来い』と言ってくれた。
顔を歪ませ涙を堪えた表情で。
これが今生の別れになるかもしれないと思うと、私の胸は張り裂けそうだった。
夜は1人で泣いた。
かつて父もミチコも地獄に落ちろなんて言ってた私だが、今はまた会いたいと思ってる。
生きてる間に。