Shige(谷 栄光)のブログ

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皆様、著者名で谷 栄光と申します。よろしくお願いいたします。
ブログを見ていただいた通り、Titleで『人間とは何か?』、『人生とは何か?』、『閃き(ひらめき)』の3部構成からなっています。
内容は、主に小説とエッセイです。

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          『礼節を重んじる』

 

 

本日は2024年5月3日「憲法記念日」である。

場所は神奈川県横須賀市にある「うみかぜ公園」だ。

午前9時15分ごろ、快晴で気温18℃、すがすがしくて心地良い。

 

ゴールデンウィーク後半の初日なのもあり、朝早くから大勢の人々が来ている!

それぞれに目的がある。海釣りや、テントを張ってのバーベキューや、犬の散歩など。

駐車場を見ると横浜ナンバーを中心に関東全域のナンバーが見られる。中には東北や東海や近畿や九州地区のナンバーも何台かある。

 

この公園には、市からの委託を受けゴミ集め等の美化にあたる清掃員の方たちが何名かいる。中には自分勝手にゴミを放置して行く人達も少なくない。それでも清掃員の方たちは終始笑顔で時おり来客たちと挨拶も交わしながら作業に当たる。

通りがかりの一人の体格の良い若者が、清掃員たちにハッキリとした口調でお辞儀をしながら挨拶をした。「おはようございます。お疲れ様です」。見るからに体育会系の男子である。

 

近年このような「礼節を重んじる」タイプの人間間の交流が、残念ながら失われつつあると感じざるをえない。人間関係が希薄となり、自分の事だけで精一杯で他の人を顧みる余裕のない時代の弱点ともいえる。

 

話は変わるが、今日は憲法記念日である。自衛隊の存在をしっかりと適法化するため、憲法第9条第2項の改正が急務かと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「荒(すさ)んだ心が洗われるようだ……」

 

 

ふと自宅で CS ( Communication Satellites ) 放送のスイッチを入れたとき、たまたま昔懐かしい『まんが日本昔ばなし』が入っていた。題名は「姥(うば)捨て山」。何気なくみていた。

言うまでもなく「口減らし」のため、やむを得ず若い命を優先させ、年寄りを山へ連れて行く日本特有の古くからのならわし。

お殿様から勅令が出て、仕方なく母を山に連れて行き、置き去りにしたままその帰り道に雪に見舞われた息子は、ふと我にかえる。「女手ひとつで懸命に育ててくれた母を、やっぱりこの寒いなか置き去りになんか出来ない」と迎えに引き返す。

しばらくは見つからないようにと母を家の地下にかくまう。

その後の殿様からの無理難題なご用達に応えるのに、息子は母の知恵を借りる。2つほど用件を叶えたときに、母をかくまっていることが殿様にバレてしまう。

命令に逆らったとして、殿様は刀で息子を斬り捨てようとする。

「私はどうなっても構いませんからお願いです。母を助けてやってください。長く生きた年寄りの知恵は役に立ち大切です」

ハッとした殿様は刀をおさめた、という話。

 

ささやかなまんが物語であったが、いつの間にか目に涙していた。(自分の心は、まだ腐り果ててはいないようだ)

失われそうになっている忘れてはならない大切な何か、を思い起こさせられた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ~名言・格言~

 

 

1、「失敗や挫折こそ、成功へとつながる!」

from 五郎丸 歩

 

2、「好奇心が無くなったらおしまい」

by 秋元 康

 

3、「どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすこと。」

by 松下幸之助

 

4、「失敗を受け入れて、また挑戦して行く」

(バッティングの7割は失敗、3割だけが成功だ。それは人生に通じる)

by 和田一浩

 

5、「幸運の女神は、笑顔と謙虚な人のところに近寄ってくる」

from 王 貞治

 

6、「病気に罹ることは止むを得ないが、病人へと成り下がるな!」

 

7、「政治家として道半ばでしたが、いっぱい種を蒔いて来てるので、やがて芽を吹くことでしょう」

安倍昭恵夫人の言葉  <令和4年7月12日(火) 都内の斎場にて>

 

8、「今日を生きるための言葉」

人生はあっという間に過ぎます。だから、好きなことをやりましょう。あの時、やっておけばよかったと思うなら、やって失敗したほうがいいですよ。

瀬戸内寂聴

 

9、「あるがままでいい」 ~アントニオ猪木 最期の言葉

 

10、①「なるようになる。人生は自分次第」

②「必要なものは もうあったのに。不要なものを欲(ほっ)してしまう」

from TV

 

11、「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」

from 築地本願寺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「安倍元総理の背後の警備、ガラ空きだったのでは !?」

 

 

これは警察で何らかの警備に従事した経験がある者でないと、感じ取れないことであろうと思われる。

以下、少しばかり突っ込んで、思うところを記してみたい。

 

まず 安倍元総理死亡 という最悪の結末に至ってしまったこと、心より哀悼の意を表したい。

そしてこれは、どう考えても警察の警護の不手際と言わざるをえない。

多くの人々が、一般の方がスマホで撮影した動画、被疑者が元総理に向かって後方から発砲するものを見て、心が震える思いをしたことだろう。

だがこの映像おそらく誰が見ても、背後の警戒が手薄になっていて穴が空いているのが見て取れることと思う。

当然のことながら、この種の警戒警備というのは、警護対象者の周囲360度全面に渡って行うのが鉄則である。特に背後に危険が潜んでいるともよく言われる。

そして事件を発生させてしまったら、もうそれで終わり。それは警察の敗北。いくら素早い反応で被疑者を現行犯逮捕したところで後の祭りである。必要なのは100%事件を未然に防ぐこと、それしかない。

 

なぜこのような事態を招いてしまったのか? 漠然とした理由になるが大きく2つあると思う。

現場で警護にあたる警察官どうしの連携が不完全であったことと、もう一つは彼らが常時その耳にはめて聞いているイヤホーンから流れている本件警護に関する詳細な情報、それらを共有するという点で不備があったものかと考えられる。

 

具体的な説明をしてみよう。

安倍元総理が現場に到着する直前に、やや落ち着きのない様子であたりを見回すこの被疑者となる挙動不審な男がたしかに動画に映り込んでいる。その時点で警察官がなぜそれを事前に察知し、挙動不審者としてそこから遠ざけて職務質問を開始し、任意で所持品検査まで出来なかったのか?という疑問が残る。眼力のある警察官であれば、容易にこの不審者に気付けること当然と思われる。

そして次に犯行時の状況であるが、被疑者が何気なくゆっくりと元総理の右斜め後方から歩み寄っているが、この時点でなぜSP(Security Policeの略)なりが飛び出してこれを制止できなかったのか?警備に穴があるとしか言いようがない。どう見ても、要人の背後への警戒を怠ったとしか思えない。

 

本件警護は、奈良県警察本部警備部参事官をトップとし、現場(げんじょう)には奈良県警察の私服と制服の警察官のほか、警視庁警備部警護課からのSPもいたという。

そして警護にあたった警察官の総数は数十人であったらしい。

 

ところで警察が安倍元総理の応援演説が行われることを把握したのは、この前日の夕方だったという。選挙演説ではよく見受けられることらしいが、突発的に近いものがあるので「もしや十分な警備体制で臨めなかったのでは?」という懸念も払拭することができない。

 

いずれにせよ、治安大国と言われるこの日本において、このような銃撃殺人事件を発生させてしまったことは、とりわけ警察庁をはじめとする警視庁や奈良県警察の重大な過失ともいえ、今後においてその責任を厳しく追及されることとなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          「光る原石!」

 

 

世の中には分野を問わず、せっかくの素晴らしく輝く素材を持ち合わせていながら気付かれることなく埋もれてしまっている、非常に残念な「光る原石」が沢山あると思う。

 

特に今の時代は ‘All round player’ でなければ通用しないだろうから、初期設定から販売促進等の宣伝効果に至るまで、すべて独自で徹底管理するところまで求められる。

そこまで試みて、ようやくのこと、然るべき専門家たちの目に留まり、かろうじて底辺から掬い上げられる。

 

そうして一度波に乗ったらしめたもの。各分野のプロたちの知恵が凝縮され、その素材は更に磨きをかけられ一段と洗練されたモノになって世に出て行く。

 

ただ毎度言っているように、そこへ辿り着けるのはほんの一握りのラッキーな者たちだけ。

だが「運も実力のうち」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「中道を行って、No,2に徹する」という生き方

 

 

引き続きのコロナ禍において、いま思いつくところを短文で記してみたい。

 

おそらく、たくさんの人々がこのコロナ禍の影響もあり、多くの不満やわだかまりをその胸の内に抱えて、グッと辛抱して生きていることだろう。

しょせん人間は、それほど強い存在ではない。だから無理をする必要はない。「先見の明」というものを備えている人物など、ごく限られる。

一歩下がって楽に生きる選択肢もある。悪い表現をするなら、苦笑いをしていっそ開き直ってしまうのである。自力でどうにもならない事柄は、そのままどうすることもできない。「なるようになるさぁ。明日は明日の風が吹くさぁ」で悠然と構えるしかない。歌のタイトルにもあるではないか。『川の流れのように』『時の過ぎゆくままに』『時の流れに身をまかせ』’Let It Be’など。

そしてその中で、新しい自分を発見できれば、なお良い。

「この世は予期せぬ事ばかり」だし「一寸先は闇」である。終わりのない泥沼、底なし沼にハマる前に、波長の合う仲間たちに協力や手助けを呼びかけるべきかと思われる。

 

見出しに戻ろう。

一本の道があり、右へ行こうか、左へ行こうか、それとも真ん中にしようか? と思い悩む状況に我々はよく出くわす。この場合3択のうちの、中道を行くのが最も好ましいとする説がある。単純明快に「ど真ん中を進みなさい」との暗示である。それは無難な策といえばそうであるが、途中からでも軌道修正が可能という利便性も含まれる。

また(誰もがNo,1になりたがるのが世の常)だが、歌の詩に「ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン」というのもある。それに習ってNo,2に徹するという生き方、それもアリだ。ただしこれはナンバーツーに甘んじるという意味ではなく、むしろ欲張って高望みをし墓穴を掘らないように、との意味合いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          「お金」!?

 

 

いまさら、金銭価値について議論する余地などさらさらないが、とある居酒屋での会話である。たまたま、お金に関しての話題となった。

女性スタッフが言う。

「お金なんて、あればあるように使ってしまうし、なければないなりに済むし、あまり深く考えない方がいいんじゃない?」

もう一人の女性スタッフが、これに反論する。

「そんなの、しょせん『きれいごと』だよ。お金はないよりあった方がいいに決まってるし」

そばにいた男性店長が言う。

「けど、貧乏人には貧乏人の悩みがあるのと同様に、また違う次元で金持ちには金持ちの悩みがあるらしいよ。お金=幸せかな? どっちとも言えないね」

つまり「世の中、金か?」「いや、それだけじゃないか?」という、たいへんシンプルな議論である。

隣の席にいた初老の紳士が、こう呟いた。

「世の中お金だけとは思いませんが、ないよりはあった方が何かといろいろ便利だと思いますよ」

 

ふと思いつきだが、一方でパチンカス ( パチンコにのめり込む人 のこと ) の人達について考えてみてほしい。4円パチンコだと、終(しま)いに一万円札が100円位の感覚になってしまうとよく言われる。彼らは頭ではわかっている。合法的で何か特殊な攻略法でもない限りは、通じて勝てるはずなどないことを。過去はともあれ現在の確率変動機では、残念ながらそれは無理である。

あれは一種の脳の病気である。医学的にまでは解説できないが、大当たりしまくって いっぱい稼いだ時の あの何ともいえない快感を、脳のどこかでずっと覚えている。つまりその快感を呼び起こそうとする欲望が、自己抑止力を遥かに上回ってしまう状態にある。だから、やめようにもやめられない。射幸心(しゃこうしん)の方が、克己心(こっきしん)に勝(まさ)ってしまっている状態である。

これは、ちとピントのずれた余談になってしまった。

 

ところで随分前に、弟が貸してくれた『億男』という本の冒頭に、次のように書かれていた。

イギリスはロンドン生まれの喜劇役者 チャールズ・チャップリン の残した名言格言です。

「人生は恐れなければ、とても素晴らしいものなんだよ。人生に必要なもの。それは勇気 ( Courage ) と想像力 ( Imagination ) と、ほんの少しのお金 ( Just a little money ) さ。」

 

これらに関する読者の皆さんのご意見も、是非お聞きしたいものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「せめて3流から2流へは、誰でもなれるはず」

 

 

脚本家の話をしよう。

コロナ禍の影響により巣ごもり状態で、これまで観れなくてたまっていた過去に録画したままのテレビドラマなど、これを機会にまとめて一気に視聴している方もきっと多いのでは?と思う。

そこで今回はTVドラマの脚本家に絞って、それにまつわる話をしてみよう。

 

いま著名な脚本家であっても、最初から一流であったわけでは決してない。

その道に向かっての開始当初は、皆2流3流からのスタートであったはず。

 

例として、『東京ラブストーリー』の脚本で有名な 坂元裕二 は公募・コンクールからのデビューであったし、『家政婦のミタ』脚本の 遊川和彦 は元々ADの仕事をしていた。

また『古畑任三郎シリーズ』を創作した 三谷幸喜 は裏方として舞台で働くスタッフだったし、『素敵な選TAXI』をヒットさせた バカリズム はお笑い芸人出身である。

もちろん小説家から脚本家へ転身、という例もある。

 

ここで取り上げた脚本家たちが皆一流というのであれば、それは毎度申し上げているとおり、当然その実力とタイミングの良さと人脈を備えているからである。

「勝負は時の運」とよく言われる。

「運も実力のうち」という言葉がある。

人脈とは悪く言い換えるとコネである。

 

一流を勝ち取ることができるのは、ほんの一握りのラッキーな人達だけである。

そこには先天性の恵まれた素質や、あるいは後天的な血の滲むような涙ぐましい命を削った努力があるのかもしれない。

ただ少なくとも、覚悟を決めて本気でそれなりの行動を起こすなら、たとえ3流であっても誰もが2流にはなれるはずである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         人それぞれ2

 

 

特に昭和生まれの方は思い返してみてほしい。

昔はよく、背広を着たサラリーマンや偉そうなおっさんが、電車やバスの中で新聞を見ているのを目にしたものだった。

ひどい例だと、その新聞を両手で大きく広げ、両隣の人に迷惑をかけている光景も見かけられた。

 

現在はどうだろう?

言うまでもなく、これがスマートフォンへととって代わり、乗り物内で新聞を見ている人の姿はまず見かけなくなった。

ほとんどの人がスマホを手に絶えず下を向き、各種の情報を収集するための手段として、小さな画面を一部始終覗き込んでいるというのが現状だろう。

時代の推移というのは、たいへん恐ろしいものだ!

 

ずいぶん前に、某旅行会社主催の日帰りバスツアーで、プロ野球観戦に出かけたことがあった。

その時バス内で、初老の男性添乗員が案内の合間、独り言のように呟いた。

「まあ余談になりますんですが、今日このバスに乗っている皆さんは全員○○新聞をとっていらっしゃる方ということになりますんですが、最近ではそういう方々も少しずつ減少気味のようで......」

 

私自身も本来なら「綺麗な字で手書きで!」という方を好んでいたはずなのだが?

ただ作家や達人となれば、たぶん入力活字文字と手書き文字の両者を巧みに使い分けて併用することだろう。

 

アナログ社会からデジタル社会へと!

新聞とスマートフォンではどちらが良いか?とかいう話ではない。

当然ながら最後の選択肢はほかでもない、「人それぞれ」ということになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         「論文案内」

 

 

   このたび論文の電子書籍化にチャレンジしてみましたが、iPad 等のタブレット端末からでは実行不可で最終的にはパソコンからでないと完了できないと判明し、また自分の知識不足も手伝って成し遂げることが出来ませんでした。

   これについては『小説家になろう』で無料公開いたします。

 

URL : https://ncode.syosetu.com/n6762gm/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 生きた金と死んだ金

 

 

   この世には、生きた金と死んだ金の二(ふた)通りがあると思われる。

   

   死んだ金の方から説明しよう。例として、キャバクラホステスやホストクラブのホストに費やす(貢ぐ)要(い)らぬ金、それからパチンコとか俗に公営ギャンブルと言われる競輪、競馬、競艇にハマってしまい抜け切れなくなって費やしてしまう金。これらが典型的な例といえるだろう。

   各種被災地の存在、そして新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)、そんな中で馬鹿げたモノに興(きょう)じている自分を恥(は)じよ! と言いたい。

   

   それに引き換え、生きた金は大いに使うべきと思う。少し履き違えがあるような気がするので再確認だが、本来お金というものは使うために存在している。貯め込んで喜んでいる種類(たぐい)のものではない。

   だから「ここぞ!」と確信するなら躊躇(ためら)うことなく使ってしまえば良い。

 

   ずいぶん前にも訴えた気がするが、人生において重要なポイントは3つあると考えられる。

   もちろん実力と、その時のタイミング(「勝負は時の運!」とよく言われる)、それから有力な人脈である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貧乏人には貧乏人の生き方がある!」

 

 

   特別な理由があるわけでもなく、気がつけば5年以上も執筆活動を中断していただろうか?

   久々に書いてみる。

 

   宣伝になるので商品名は避けるが、赤い発泡ビールを飲んでふと気付かされたことがある。

   勝手な先入観で、これまで「まずい」と思い込んで発泡酒の類(たぐい)を飲むことを意識して避けてきた。

   だが今日それが間違いであることを悟った。

   貧乏人には、それ身分相応の生き方がある。何も背伸びして見栄を張って生きて行く必要はない。

   かえってそうした方が幸福であるという場合もある。

   発泡性のビールは言うまでもなく低価格で味も今一つだが、貧乏人にはそれがいいのである。

   逆にアルコール分が1%高い。名前のとおり、下から絶えず細かい泡が上へと上がり続ける。見た目が非常に鮮やかであり、思わぬ満足感と幸福感が味わえる。

   ものは考えようである。プラス思考へと転じれば良いのである。

   自分に合った人生の生き方を自ら見い出す必要があるのでは?と思われる。

   特に、今の新型コロナウイルスとの共生が叫ばれる世の中においては……。

「失敗や挫折こそ、成功へとつながる!」


これは、あの大人気の 五郎丸ポーズ で有名な、ラグビー界の 五郎丸 歩 選手の信念である。

早稲田大学スポーツ科学部からヤマハ発動機ジュビロへプロ契約で入団。その後、同社の社員選手となる。そして昨年、ラグビーW杯2015の日本代表として、誰もが知っているあのポーズと共に大ブレイクし、一躍 時の人となる。
今後は、より一層新たな世界の大舞台で、これまで以上に躍進しようと野心を抱いている!

こんな彼でも、低迷していた失敗と挫折の時代は当然あった。レギュラーメンバーに選出されることもなく、ベンチを温めるという辛い下積みの苦境も味わったが、それでも本人は決して諦めなかった。
「逆境こそ、最大のチャンス!」と発想を転換し、前向きな姿勢と強い向上心だけは、見失うことが絶対になかった!

「自分がもうこれでいいと思ってしまったら、もうそこでお終い......」。
五郎丸選手は、水泳の 北島康介選手同様、自分を戒める!











横浜高校………。


昨日 横浜スタジアムで、第97回全国高等学校野球選手権 (夏の甲子園) 出場をかけ、激戦区神奈川県の決勝で、名門 横浜高校と東海大相模がぶつかった。
結果は 9 × 0 という大差で横浜高校が敗退した。ついに 甲子園でもお馴染みの あの誰もが耳にしたことのある 力強く美しいメロディーの勝利の校歌を聞くことが出来なかった。
全国にその名と顔が浸透した渡辺元智監督……、48年間の指揮官としての仕事は終わった。
その間、春夏通じて5回の全国制覇を成し遂げた名将…。勇退となり夏は終わった。
渡辺さんは話す。「いつの時も選手を信じて任せてきた」、「高校野球は人生そのもの」

この夏、選手たちの合言葉は「監督には甲子園が一番よく似合うんだ。最後、必ず連れて行く!」だった。
惜しくもその言葉は実現しなかったが、残った2年生1年生の選手たちは異口同音に、「来年こそ甲子園に出場し、監督に恩返しがしたい」という。

一方その教え子であるプロ野球DeNAの主砲、筒香外野手はこう言う。「野球人である前に『一人の人間として』というようなことを教えてもらった気がする」

高校野球という舞台を借りて、ずっと人間教育に取り組み、また人生の道しるべを選手たちに与え続けてきた名監督に、心から感謝の意を表したい。
「長い間、本当にお疲れさまでした」と。














皆さんは、こんな経験がないだろうか?

いま、自分の目の前に、けっこうハードルの高い壁がある。
それを乗り越えることができず、後退するわけにもいかない。
右へも左へも行けない。八方塞がりだ。

というような……。

どうすればいいのか、いつまで経っても解決策が見えて来ず、長期間その場に留まったままいたりする。時の流れにずっと流され、気がつくと半年近くも経過してしまっている、といったような……。

この解答を見い出すことは、非常に困難極まりないと思われる。様々な価値観がある中で、もちろん正解は一つではない。だから悩む。考え過ぎる。思い詰める。

真面目な人ほど、それがマイナスに走る場合もある。負のみが蓄積し、時として ひきこもり や うつ病 などの症状をも引き起こす。

一つの策として、まず自分自身から一回離れてみることをお薦めしたい。幽体離脱ではないけれど、客観的・第三者的に自分を見つめ直すことである。
こんな夢を見たことがないだろうか? 夢の中で、自分の姿とその行動を別の人物になって眺めている、という夢。
そんな状態になってみることである。

また多分もう一つ大事なのは、抱えているものを一回すべて放棄してしまう、ことかと思われる。悪くいえば、開き直ってあえて楽になってしまう。そのプレッシャーから、一時的に自分を解き放つ。
そうすることで、それまで考えもしなかった真実が、冷静な視点から見え隠れしたりもする。「なんだ、こんな簡単なことだったのか」というふうに。

これらは別名 [逆方向への発想の転換] とも呼ばれる。


でもまあ、口でいうほど簡単な事ではない。もっともっと、これは複雑で深刻な問題である。














『詐欺まがいメール』への対処法

携帯電話を所持する方の大半が、一例として「身に覚えのないインターネットの有料サイト利用未払い請求等に関する、悪質嫌がらせ的迷惑メールが再三きて困る!」といったような経験をされているのではないか? と思う。ここでは、それらへの対処法について検討してみよう。

【例文】

(株)◯◯◯◯
03-0000-0000
顧客担当:◯◯◯◯

【調査予告通知】

弊社はインターネット運営会社、総合コミュニティーサイトの代理として、貴殿に対し次の通り通知いたします。
さて、依頼会社は貴殿に対しインターネットサイト利用料金の債権を有しておりますが、貴殿におかれましては本債権の弁済がなされていない状態になっております。
また本件、インターネットサイト登録の解約手続きもなされておりません。よって、インターネットサイト利用料金が常時発生している状態です。

上記の理由により弊社は運営会社の依頼により、貴殿の個人情報調査等の依頼を受け【翌営業日】までにご連絡頂けない場合には調査事務代行等を開始いたします。
しかしながら、弊社といたしましては、個人情報調査等をすることなく、お話し合いによる解決が望ましいと考えておりますので、上記連絡期日までに必ずご連絡ください。

期日までにご連絡も本債権の弁済もなされない場合には、止むを得ず個人情報調査等を開始し、その後、法的措置及び信用情報機関への照会・登録等しかるべき対応をさせて頂きますのでご承知おきください。

(株)◯◯◯◯
03-0000-0000
顧客担当:◯◯◯◯
代表取締役:◯◯◯◯

受付時間
平日・10:00~19:00
土、祝・10:00~17:00
日・定休日

【対処法】

この対処法について、専門機関あて問合せを行ったところ、以下の回答が得られた。

1、この種のアトランダム的に送信されたメールに関しては、今後一切すべて、無視して削除すべきである。(様子を見る以外ない)

2、またこれらに対して、折り返しTELするとかメール返信するとかの行為は、今後一切とらないこと! (相手方はそうやって折り返し連絡をしてくる者たちをカモにし、狙っている!)

3、全く身に覚えのないサイト利用 !?
もしこれが事実だとしても、そういった場合は、そのサイト会社より直接請求がくるのが筋であり、それを代理で委託するなどという事は、絶対にあり得ない!
また当該サイト会社からの直接請求であっても、「いつ、どこの、何のサイトの、何の分についての利用?」等、明確に表示してくるはずである。

4、上記のような代理店を名乗るものは、別名「ソフトやくざ者」とも言われ、真っ当ではない! (その都度、会社名や電話番号やメールアドレスや担当者名を変え、なりすましの脅しメールを送信してくる)=〈いたちごっこ〉

5、これらに対し折り返した場合は、相手方にこちらの電話番号やメールアドレスが知れ、頻繁に連絡が来たりして、その都度、言いがかりで金額も上がっていったり、もする!

6、ここへは、これまで同様の苦情問合せが、小学生から80歳代に至るまで、多数きている。

7、例えば、警察署の1階にある生活安全課 (住民相談係) への相談も可能であるが、おそらく詐欺等の被害額が発生していない段階では、「無視しなさい」のアドバイスだけで終わってしまうであろう……?


調査結果は、以上である。










状況判断ミス

知人の逸話である。
かねてからパチンコ「海物語」のファンであった46歳男性の大失態である。
その日は久々に、彼はパチンコ店へと足を運んだ。ほんの気まぐれではあったが、雨で足元が悪いにもかかわらず、いつもの因縁の店へと向かった。
過去の通算成績から、彼はそのお店に対し、ある種の恨みにも似たような感情を抱いていた。それは初顔で行った当初「お客さん、いらっしゃい的」で大勝ちでイイ思いをさせてもらった後、ジワリジワリと行くごとにもぎ返され、最終的には大負けを食らわせるという、その業界ならではの巧妙な手口・罠にハマった痛い戦果があるからである。
店長も店員も、毎度その接客姿勢や態度が抜群であり、お客は少なくとも悪い気はしないタイプのお店! しかし「表づらを良くして、実はその裏では事務所内コンピューターの遠隔操作による Ctrl が絶対になされている!」と彼は深い疑念を持っていた。店内スタッフは皆、いわゆる インカム という武器を身に付けている。それでもって現場とコントロール室間での極秘の情報伝達や指示が行われていることは、もはや明確! との。
パチンコ店だってただの「営利を目的とする一企業」に過ぎないのだから、このようなことがあったとしても当然であろう。しかし、立証は極めて困難だろうが、この場合の遠隔操作は、あくまでも違法行為である。

ところで彼はその日も、「今日はもぎ取ってくれる!」との野心を胸に、開店時間を少し過ぎた頃に、おもむろに入店して行った。よく言われる 射幸心 の塊である。そして台の一通りの見回しチェックをしたのち、いつものようにこれと思う台を選択し、すぐに打ち始めた。
12,500円を費やしたところで SUPER LUCKY の当たりがやってきた。「お、今日は割りとついてるぞ!」と彼は思いながら打ち続けていると、何と13連チャンもした。
その時点で約9箱を所持。金額にして63,000円相当なので、この時は5万円は勝っていた。と同時に彼女からのメールも届いていた。それを一読したあと、彼は「どうしようかな?」と迷ったものの「時間もあるし、ここは10箱目指して勝負!」と、結果から言うと誤った決断をした。
これが彼の 状況判断ミス だったのである。信じられないことに何と9箱全てを打ち込み、更に追い銭。所持金が底を付き、完全に熱くなった彼は最寄りの銀行キャッシュコーナーから5万円を引き出し、またまた追い銭。「そんなはずはない!」と、もはや後には引けない状態=つまらぬ意地を張る状態へと突入! そしてようやく回転数が考えられないような数字1926回に達したとき初めて、二度目の SUPER LUCKY を表示した。
だがこれも4連チャンだけでストップし、それも打ち込み更なる追い銭……。ここまで来たら、もう誰も止めようがない。よく言われる 克己心 =欲望を抑え、曲がった心に打ち勝とうとする自制心 など、もはや通用する段階ではない。

結局、彼は最終的に1箱も得ることが出来なかった……。通じて95,000円の負け! 5万円勝っていた時との差額は、145,000円にもなる! また最悪なことに、彼は自分の銀行口座の残金を 無 にしてしまった……。
頭では分かっていながら、彼は自分の行動を止めることができなかった。ある人によると「パチンコは一日で10万負けてもおかしくはない」という。こんなことがあっていいのだろうか?
たかがパチンコ、されどパチンコ。 怖ろしい !?









基地内留学
<2014年10月末 作成>

横須賀市役所政策推進部国際交流課では、外国との架け橋となる人材を育成するため、米海軍横須賀基地内 教育センター所在の米メリーランド州立大学ユニバーシティ・カレッジ アジア校 ( University of Maryland University College Asia ) において、入学準備コースとして英語学習プログラム ( ブリッジ・プログラムという ) を開設し、現在その受講者を募集している。
これと同様のことが、沖縄の米軍基地や都内の横田基地でも いま行われているようである。
「駅前留学ならぬ『基地内留学』」の名の通り、渡航費や滞在費など、例えばアメリカに留学するより遥かに安価で本場の講義を受けられるとあって、同課への問合せが相次ぎ高い関心が寄せられている。
対象となるのは、同基地での就業者や留学を考える大学生、また自己啓発を目指しキャリアアップを望む定年退職者など と想定されている。同課では「中高年層も多く、男女比は同等」と推測する。
第一回目の開講は2015年3月から とされており、平日夜に週2回の受講で1回相当が3時間弱、期間は約1年2カ月を予定している。同課では、以降順次年一回の新規受講者の募集を試みていく計画である。

先日、これの説明会に足を運び 詳細を聞いてきたが、定員60人程度募集のところ 大会議室に集まったのは、何と200名以上であった。そして、かなりハイレベルの、非常に専門的で難解な質疑応答が飛び交う。
学習内容はリスニングなどの英会話のみに非ず、英作文やスピーチ コミュニケーションなど、アメリカの大学と同等レベルの教育となる。当然、実用英語技能検定でいえば2級以上の英語力が求められる。
一通りの厳粛な提出書類を求められ、それをもとに上記の College が選考し、本人に結果通知となる。面接 ( Interview ) 試験などは特に行われない。

この選考は、かなりの難関のように思われる。一方で、英語教育の浸透に力を入れる 大野忠之 横須賀市議会議員 は、本事業について「反響次第では条件を緩和し、広く門戸を開いてほしい」と期待感を示している。これへのアタック チャンスは、そうなってからの方が良かろうか?

【なお本件についての詳細問合せは、同 国際交流課 TEL : 046-822-8138 まで】



とやま米


来春の北陸新幹線開業に向け、富山県では首都圏との連携強化にいま力を入れている。この事業に尽力しているのが 富山県首都圏本部 である。筆者の出身地である。
本事業は富山県が 株式会社 富山県人社 に取りまとめを依頼している。

株式会社 富山県人社 FAX : 0766-26-2500 Eメール : info@toyama-kj.co.jp
〒933-0045 富山県高岡市本丸町8-34 TEL : 0766-25-5211

宛てである。

事業の一例として、「ほおばる幸せ。」を産地から直送いたします。
のキャッチフレーズで、とやま米 の販売アピールも行っている。
「水と人の幸」と称し、
富山平野にそびえる3,000メートル級の立山連峰は富山の象徴であり、春には雪解け水が一斉に富山平野に流れ込みます。各河川の清流は、豊かな天然の恵みを含み、富山平野を肥えた大地に造り上げます。
美味しいお米の秘訣は、勤勉でまじめな富山県人の気質にあります。長年に渡り培われてきた技術と、お米に対する愛情豊かな思い入れが、一粒一粒の美味しい富山米を育んできました。
日本人にとって美味しいお米を食べられることが、一番の幸せです。そのために保管管理には細心の注意を払っています。だからいつも新米のおいしい香りと味を皆さまにお届けすることができます。毎日の食卓へおいしい幸せの一杯を……
とうたっている。
ひぞっこ倶楽部 の名称にて、コシヒカリと その無洗米 もある。
皆様、この機会に是非一度、お召し上がりになってみてはいかがか !?
問い合わせ先は、次の通りである。

(お米のお申し込み)
富山県いきいき物産株式会社 〒930-0002 富山県富山市新富町1-2-3 CiCビル5F
➿ 0120-944-008 FAX : 076-444-7133 [ こちらあて、まず「とやま米ファンクラブ」に入会の必要あり (会費無料) ] 受付時間 10:00~18:00 (定休日 第3火曜日)
(その他お問合せ)
全国農業協同組合連合会 富山県本部 (米穀課) 〒930-8535 富山県富山市新総曲輪2-21
TEL : 076-445-2235 FAX : 076-445-2220
<ファンクラブ ホームページ> http://www.toyamamai.com/















集団的自衛権の行使容認 について

賛否両論がある中で、この集団的自衛権の是非について、とやかく言うつもりは全くない。ただ安倍総理に、一つだけ問いたい。
これの実現に向け「法の整備を図る」と言われているが、具体的にどう法整備を行うというのか?
新聞やニュースでよく見受けられる「3つの要件」だが、憲法第9条にこのような長い項目を付加するはずはない。基本法といえる純然たる憲法に、そのような長文などあってはならないと断言できる。
また準憲法の制定などというのも、言うまでもなく言語道断である。しからば、これらの要件を含めた新しい法案を作成し、国会で通すというのか?
その法律名を何とする? 『集団的自衛権行使法』とでもするのか??






(追加訂正文)

ここで訂正してお詫びしたい。
上記で私が問いかけた「その法律名を何とする?」につき、ここに謹んでお詫び申し上げたい。
平成24年当時の自民党が野党時代に、石破幹事長主導のもと公約として掲げられた『国家安全保障基本法』という、いまだ未完成の法の存在を、私の方が把握していなかったのである。
この基本法に上記の「3つの要件」を盛り込み新法として制定するなら、この問題点は解消される。

ただ安倍内閣の動きは、この基本法制定を省き自衛隊法などの個別法を改正することで、最短で集団的自衛権行使の態勢を整える方向性にあるようである。















射幸心(しゃこうしん)と克己心(こっきしん)

国語辞典によると、射幸心=偶然の利益を得ようとする野心、克己心=自分の欲望を抑え、曲がった心に打ち勝とうという自制心、と出てくる。
そのまんま、射幸心は幸せを射止めようとする心、克己心は己れを克服しようとする心、と訳すことができるだろう。
射幸心の典型的な例として、言わずと知れた各種のギャンブルがあげられる。それこそ競輪、競馬、競艇、カジノなどがあるが、庶民にとって一番身近にあり取っつき易いものといえば、恐らくパチンコということになるであろう。
ただカジノは日本国内では未だ正式には公認されたものではなく、競輪と競馬と競艇は公営ギャンブルといって国内で公けに認められたものである。
しかしパチンコについては、実質ギャンブルと何ら変わりはないが、表向きは 単なる「遊技」 として社会通念上、取り扱われている。
これに引き換え克己心は、前述の通り、言ってみればこの射幸心と真っ向から対立するモノである。「いや、そうであってはならない。何とかして、自分の曲がった心を修正し、本来の自分を取り戻そう!」とする心である。
このパチンコに絞って考えれば、まず何か特殊な違法行為に当たらない攻略法のようなものでもない限りは、どうしたところで通じてプラスに転じられるわけがない。当然大勝ちする時もあるが、通算成績では遣れば遣るほど深みにハマり、勿論マイナスがどんどん膨れ上がって行き、それでも抜け切れない、いわゆるギャンブル症候群(パチンコ依存症)へと嫌でも発展してゆくこととなる…。

だが、楽観的な考え方かもしれないが、何のことはない。人生、致命的な事でない限りは、いくらでも、どこからでも遣り直しは効く!

自身の中には、常に強い自分と弱い自分が共存しているものと思え!













とあるシングルマザーへの📩メッセージ

about 'HIRUGAO'

⭕ちゃん、おはよう☁
どうやら向こう3,4日ほど☔っぽいスッキリしない天候が続いて、ようやく俺の嫌いな梅雨も明ける様子だね👍\(^o^)/
もっともその頃は、こっちは○○に居るよ! 息子の高校⚾応援のため❗

さて、昨日お話ししていたフジテレビの新番組『昼顔』を、またタイマー録画して早朝からじっくり視聴して観た今の感想を述べよう。また少しばかり長文になるよ💦
「昼下がりの情事」なんていう簡単な言葉で片付けられるほどの単純なストーリーではないな!
というのが実感である。
もっと奥の深い真面目なお話、という気がした。
現代の実情に上手くスポットを当てたドラマ❗ という感じ。
ただ、観てもらえば分かると思うが、アラサーの人妻2人と2人のイイ男の間で描かれていく物語なんだろうな、と思う。
したがって、置かれた境遇が、キミや俺よりもっと若い世代になるので、我々とはちょっと状況が異なる。
主役の上戸 彩と、相方の斎藤 工は、だけど本当に端から見てもよく似合うスゴくマッチした理想的👫だね❗
応援してあげたいカップルだよ! いっそ、このまま結婚しちゃえばいいのに❗❗
覚えてるかい? かつてNHKでやってたドラマ、ほらホストに入れあげて昏睡強盗まで犯し服役ののち出会った男との話。思い返してみると、あのカップルもまさしくこの二人だったんだ!

ところでまた、このドラマの中でも、俺の作品『間違いだらけの半生』から引用されていた💦
舞台が金沢八景駅周辺で京浜急行バスも登場した!
これ、キミはまだ俺の作品全体を読破していないかも知れないが、いずれも作品内に俺が出しているモノ💦
けど俺は今後こう考えることにした。
「ああ、自分が取り上げているものは、こうやってプロの著名な作家や脚本家やテレビ局の目に留まり、そして使われている! 俺の着眼点や目線も、まんざら捨てたものではないのでは?」
といった、客観的プラス思考だ❗

ところで、この『昼顔』の脚本の井上由美子さん、確か俺の記憶では以前「坂の上の人たち」というフレーズでブレイクしたあの鈴木京香と石田ゆり子のドラマ❗ あれを脚本した人だと思う!
舞台とされた神奈川県内の高級新興住宅地のどこかの地名、そして同じく京浜急行バスも作品内に登場していたはずだ❗

思った以上に長文になってしまったね💦
ここまで読んでくれて、どうもありがとう(⌒▽⌒)


Shige
谷 栄光














【書籍案内】

『間違いだらけの半生』 谷 栄光 著
2014年6月1日発行

人生に失敗はつきもの……。
順風満帆で何事もなく生きてこれた人など、まずもっていない!
この書の主人公・高田弘章の半生(人生)、彼のような失敗や挫折は、読む者の人生に大きな教訓を与える!

著者 : 谷 栄光 (たに えいこう)
千葉県警察本部刑事部国際捜査課で刑事の経験がある著者が綴った実録的小説!

発行 : 株式会社 湘南社 http://shonansya.com
〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸3-24-10-108
TEL 0466-26-0068 FAX 0466-47-7168

発売 : 株式会社 星雲社
東京都文京区大塚3-21-10
TEL 03-3947-1021

その他、インターネット上でAmazon等からも購入できます。

ISBN978-4-434-19263-0
四六判 ソフト 126頁 定価 1,000円+税


(追伸)
新刊本の方は、文字が小さめで行間も狭目に取りインクも薄めに仕上がっておりますが、サイト「小説家になろう」内にて無料公開した内容よりも遥かに洗練され読み応えのある作品に出来上がったものと自負しておりますがゆえ、是非一度ご覧ください !!




2014年6月吉日
谷 栄光
















抗議文 ~こんなことが許されていいのだろうか?~
谷 栄光

今だから言う。こんなことが許されていいのだろうか?
これまで私のブログやサイトで読者の皆様にお伝えした通り、間もなく本年の4月か5月に、私は「湘南社」から半ば警察小説となる127ページ相当の縦書き四六判の中編小説『間違いだらけの半生』を出す予定にしている。
ずっと黙っていたが、実は先行してサイト「小説家になろう」と「アルファポリス」で重複投稿という形にて無料公開していた同作品の中から、その世界にいた者にしか知り得ないような警察用語や表現が、ほぼそっくりそのまますっぱ抜かれて引用され、俗にいうパクリというような形で幾つかの刑事ものテレビドラマに無断で使われているのである。
今だから白状する!

問題点は一つである。表向き、「これらのインターネット上のブログやサイトにも、紙の本同様に、著作権法に規定されている著作権が、その著作者に帰属し存在する」とされている。とすれば上記の例の場合は、明らかにこの著作権の侵害ということになる。

この件で先日、ある知人の専門家に詳細を話して相談に乗ってもらったが、彼曰く、「この場合、『悪意なく参考とさせていただきました』と言われてしまえばそれまで…。それ以上どうしようもない」と。
つまりは事実上、「ネット公開の無料の作品は、いまだ紙の本に追いついていない」ということである。
これをもし電子書籍という形にしてしまえば、きっと無料公開のものよりは、この著作権がより強く確立されることだろうが、恐らく紙の本までは届かず、その中道を行くこととなるだろう。
現時点では、多分それが現状であろう。

従ってこのケースの場合、著作権の無断使用(侵害)を立証することは、まず困難であろう。裁判所あて提訴したところで、まず勝訴することは無理難題であろう。

ただ自分は、人道的に、この種の汚ない遣り方を許すことが出来ない! はっきり言えば、何の断りもなく他人のネタを盗んでいるからである。
世の中の不条理や理不尽、とも言えるであろう。

この際、具体的な実状を明かすと、どうしても許せないのが最近まで放送していたTBSの、今野 敏 原作、高橋克実 主演の『確証』という刑事ドラマである。
こればっかりは、創った本人でなければ分からないことだが、私がネット上で上記の『間違いだらけの半生』を無料公開したのち、しばらく置いて絶妙のタイミングでこのドラマ『確証』の中に、私の作品内にあるものと同一の言葉や単語や言い回しが使用されているのを私はテレビで見逃さなかった!
つまりは原作者の今野 敏もしくは脚本家、はたまたTBSのこのドラマの制作スタッフのいずれかが、私の『間違いだらけの半生』をネット上で熟読し、この作品内から幾つかを盗用していることは、もはや紛れもない事実と言わざるを得ない。
初回の放送時の、本部刑事部の捜査第一課から捜査第四課までの職務内容の一通りの説明、ほぼそっくりそのままパクられていた!
録音等の記録は残してないが、この初回放送後に私はTBSの「視聴者意見感想受付センター」あて一本の電話を入れた。突っ込んで、同番組の制作スタッフまで取次ぐことまでは要求しなかったが、電話を受けた代表の女性スタッフにこう言った。
というのはドラマ内で正確でない警察用語が使われていたからである。それは「盗品」という言葉であった。正確には、所有者の所有から離れた物のことを一般に総称で「占有離脱物」と言い、その中の盗まれた金品のことを警察専門用語で「ぞう品」と呼ぶのが本当は正しい!「ぞう品」の「ぞう」という漢字は非常に難しい字でパソコンでは表示しないので、ここでは書かない。
とにかく「元刑事として、ここは正式な専門用語をご教示しましょう」という内容の通話を、その女性あてした。
他にもこの『確証』の中で、続けて見るに、盗犯の手口の「金庫破り」や、犯罪の発生を予測して予め先回りして張込みを実施する手法「邀撃捜査」なども私の作品内から見事にすっぱ抜かれていた。そのタイミングが的確に一致していた。

その他にも同じく今野 敏 原作の現在放送中の同じくTBS、杉本哲太 主演の『隠蔽捜査』の中でも、限りなく黒に近いと言えば語弊があるが、私の作品内から引用されていると感じるのを隠せない。
ただ、かつてのヒット作となった、同じく今野 敏 原作の、佐々木蔵之介 主演の『ハンチョウ』は例外である。あれは私が本作を執筆以前から存在した名作ドラマ作品だからである。

また他局でも、テレビ朝日で現在放送中の、天海祐希 主演の『緊急取調室』についても、私の本作で扱っている「自白を強要し冤罪を生み出す取調室の実態を可視化する必要性がある」という要素を巧みに利用しているふうに感じられてならない。
最後に、日本テレビで現在放送中の、武井 咲 主演の『戦力外捜査官』についても、また然りである。

地位や名誉や知名度もない、また財力も実力もないアマチュア作家の 谷 栄光 としては、この種のわだかまりをどうすることもできない。「無理を承知で訴えを起こし、裁判に持ち込みたい!」との気持ちはあっても、先立つものは当然ない。
ただ無力である…。自分の弱さや力不足が、心底はがゆい…!
弱肉強食、ということなのか…?
長いものには巻かれる、しかないのか……?







年の瀬、そして新年に向かって!
谷 栄光

昨日の平成25年12月26日、安倍晋三内閣総理大臣が就任1年にあたり、靖国神社を参拝した。
これに伴い、中国と韓国の両者はこの参拝に強い反発を示し、アメリカも「失望した」との声明を出した。
勿論、各国の首脳陣など、これを肯定する人否定する人の賛否両論に別れたわけだが、私自身はこれを否定もしないし肯定もしない。なぜなら両方の言い分にそれなりの説得力があり理解と納得ができるからである。
安倍首相は、この参拝についての談話で「痛恨の極み」という言葉を口にした。これは正(まさ)しく世相を反映するフレーズではなかろうか?
誰もが皆、多かれ少なかれ、後悔の念を引きずって生きている! そしてそこから逃(のが)れられない!
どうか、この一年の締めくくりをしっかりとして、新たに来るべき平成26年(2014年)を[希望の光]を追い求めて前進し続けようではないか!




防衛大学校の開校記念祭!
谷 栄光

昨日、2013年11月17日(日)の午後3時から披露された、防衛大学校の体育祭メイン・イベントとも言ってよい『棒倒し』を見学に行って来た!
快晴で南風が吹き込むポカポカ陽気の暖かい日ということもあって、予想をはるかに超える見学者が殺到した。
昨年度優勝の第壱大隊(赤組)が連続優勝を狙い、グラウンドの外周道路をきちんと整列して気合いを入れながら走る! それから皆で肩を組み合い、勝利に向かって大きな声でスクラムを組みながら雄叫びを上げる! 代表者がお立ち台のような所に上がり、大声でメンバー全員に気合いを入れる! 一つのパフォーマンスとも捉えられ、周囲の見学者たちから拍手が沸き起こる!
陸上競技場並みの、広く綺麗なグラウンドで、いよいよメインの「棒倒し」競技が始まった! 選手たちは、この日のために一年間、それぞれの肉体と精神を鍛錬し続けてきたとも言われている!
第壱大隊から第四大隊までの四個大隊で優勝を競い合う。みな死闘を予知してか、気合い十分で入場して来る! だが反面、規律正しい整然さも備わった入場である。各大隊の点呼にも似た「設備点検」のようなものからまず始まった。そしていよいよ競技だ!
選手たちは皆、この日のために訓練を積んできた! 遂に、その試練の結果を出す時がやってきた! みな真剣で必死である! まるで死闘に近い! 毎年、何名かの怪我人が出るとも言われている。
ここの学生たちは皆、言うまでもなく全国からの選りすぐりの超優秀な若者たち!! 知能すなわち頭脳が極めてズバ抜け、また運動神経も人並外れたモノを持っていなければならない。当然、入学試験でもレベルの高い筆記試験や体力テストを強いられる。そしてそれらを勝ち抜いた者だけが合格者となり得る。将来の日本の、この分野でのトップエリートたち! 防衛庁の幹部クラスへと昇って行くための人材養成所と言い切っても決して過言ではなかろう!
小耳に挟んだのだが、彼らは週末とかになると盛んに教官から言われるという。「おまえら、休みの時とかは積極的に外出し、その目で世間や世の中の動きをトクと観察してこい!」と。全寮制で、平日は早朝から深夜まで勉学と身体の鍛錬に明け暮れしている彼らである。運動は、おそらくグラウンドを何周もする厳しいランニングから、柔道・剣道・空手などの過酷な武道にも及ぶであろう。たぶん連日、汗水をタップリと搾り取られているような状況下にあろう。見るに、誰もが皆、細身でスマートである。そこはまさしく人間修行の場なのである!
よってとにかく、周りが見えなくならないように、このように時には学舎を離れて社会を見つめ直す必要性も当然出てくるという意味合いで、教官方は生徒たちに積極的外出を促すのであろう。
神奈川県横須賀市所在のこの大学校から最短の繁華街といえば、京浜急行電鉄の横須賀中央駅周辺となる。そこへは同じく京浜急行バスにて同校から直通で行ける。週末などに同駅前で見かける彼らは、必ず制服を着用し何名かの集団で行動している。
ところで今回思ったことは、「この記念祭の見学者の中に、若くキレイで可愛い女性たちが何でこんなに多いのだろうか?」との驚きであった。
彼女らは、どう見ても、ただの物珍しさの野次馬根性や興味本位だけで見学に訪れている風には見て取れなかった。想像でしかないが、「こういう強く優しい日本男児への憧れが彼女たちの心の根底にあり、それに強烈な魅力を感じ惹かれて、こうやって関東地区を中心とする各所から見学にやって来るのかな?」と思わず感じさせられた。
少なくとも彼女たちの内面に、将来を約束された彼らに対し「私の魅力をアピールして、あのイイ男たちの中から彼氏や将来のフィアンセとして、誰か一人ゲットしたい」などという下心があったとは、到底思えない。






ブロガーやエッセイスト、アマチュアの小説家や評論家や事件記者など……
谷 栄光

ブログにしろエッセイにしろ、小説や評論文や記事にしろ、その書き手たちはこの創作に当たり、並々ならぬ苦労を強いられていると思う。日誌に近い手記ですら、同様のことが言えると思う。
まずは下書き文のような、メモようのものを創り、そこから一字一句と真剣に向き合い、表現法や言い回しの仕方などについて更に吟味する。細かく言うなら「ここはあえて漢字は使わず、ひらがなで書こう!」などなど…。確かに現代の文学小説などを読むと、あえてひらがなを用いる傾向へと流れが変わってきている。新聞記事やTVドラマのタイトル名にしても、その例外ではない。当然、言うまでもないことだが、誤字脱字などという次元の話は、論ずるに値しない。
さて、例えば横書きとしてA4サイズ用紙に1枚程度の作品内容であれば、磨き上げて完成品を創ることなど、半日もあれば訳のないことだろう。しかしこれが10万字にも及ぶ長編小説となると、ちと話が全然ちがう。そんな単純で簡単な作業どころの話ではない!
きっと作者は各章ごとに、誠心誠意を傾け何ヶ月もかけ、全霊を込めて集中し、その作品をブラッシュアップし練り上げて行くことだろう。改訂に改訂を重ねて、少しずつ完成や完結に近づけていくことだろう。
だが恐らく、これでいいというものはない。著者の頭の中に、次から次へと新しいアイディアが湧き起こり、「あそこはこういう風に…。ここはもっとあんな風に…」となって、永遠に終わりのない Never Ending Story となる。
つまり、悪く言えば、どこで妥協して「これでいい」としてピリオドを打つか…? 問題はそれしかない。インターネット上の作品であれば、いくらも後から修正手直しはきくが、これが一旦、本に仕上げてしまった場合はそうはいかない! 重版や再版などで刷り直しの際に「改訂版」として行う以外ない。売れっ子の作家ででもない限りは、大概はそんな出版費用などどこにもない…!
今日びの書き手たちは、非常に賢い。パソコンとインターネットを使って全部一人でこれらの作業をこなしてしまう。従来までは、作り手は作り手、その先の細かい構成やデザインなどの校正や編集は、出版社の編集者の仕事、とはっきり分業化されていた筈のものが、現在ではそうはいかない!
ブロガーやアマチュア作家たちは「何でも屋」でなければならない。All Round Player でなければならない。
それがいいのか悪いのかは別として……?。





交通人身事故…
谷 栄光

昨夜、横須賀市内のR16上で、車両4台の関係する交通人身事故の発生があった。
赤色灯点灯の上、けたたましいサイレン音を吹鳴させ、救急車やパトカーや消防車が次々と現場に駆けつける。
事故の状況は次の通りである。駐車場の無いラーメンショップに、自己車両を国道脇に駐車させ、店内で飲食中のお客がいた。その前方が信号機のある交差点となっており、3台の車両が信号待ちをしていた。そこへ後方から飲酒運転の車1台がフルスピード、ノーブレーキのまま追突のような形で突っ込んだ。ラーメン店利用で道路脇に駐車中の上記車両を避けようとして僅かにハンドルを右に切ったのも事故発生要因である。
第一当事者となる飲酒運転の車は最後尾で信号待ちしていた車両に後部から勢いよく突っ込み、自分は反対車線にあるコンビニエンスストアまで弾かれ、ガードレールを突き破り同店のガラス戸を破損させ歩道上に停止した。その際にコンビニの屋外にあった備品も同時に突き飛ばし、傍に居た犬の散歩中の女性1名にその突き飛ばした備品が当たり、同女に怪我を負わせた。
飲酒運転の男は、直ちにその場から逃走しようとしたが、車両が乗り上げていたために車輪が空回りして実行できず、現場に駆けつけたパトカーの警察官により、自動車運転過失傷害ならびに酒酔い運転の罪にてその場で現行犯逮捕された。
一方、最後尾で信号待ちしていた車両は、この勢いでもう一台の他の国道脇駐車車両に側面衝突したのち、勢い余って国道の中央分離帯まで斜めに乗り上げ、車内の運転手は大怪我を負い駆けつけた救急隊員により最寄りの救急病院へと即座に搬送された。
また同事故による出火はなく、消防隊員はそのまま現場を離れた。
フトドキなのは、この事故の第一の原因を作った最初にあげた違法駐車車両であろう。この車は同事故による接触や破損等は一切なく、店内に居た運転手は「ヤバい! 俺は関係ない。関わり合いになりたくない」とでも思ったのだろう。素早く車両と共にその場から消え去ったという。
駐車違反などにより検挙された経験者で通な方ならご存知かと思うが、駐車違反というのは現行犯的でないとツカマラない。詳細を明かすなら警察官なり交通巡視員が、まずチョークでタイヤと道路上に合わせて線をチェックし時間を書き込む。一概には言えないが最低でも15分はみる。再度戻って来て、その位置がズレて変わっていなければずっと駐車されていたものとみなし、そこで初めて違反が成立する。
従ってこの事故の場合、酒酔い運転は別として、もう一つの最大の事故原因となったこの駐車違反については追及されることはない。その前に立証しようがない。その場をズラかった者が、それを知ってか知らずかは知らないが、このようなケースは道路交通法の盲点とも言えよう…。同事故の発端を作った駐車違反、裁かれず? である。
世の中の不具合や理不尽さを象徴した、一つの典型的な例とも言えよう……?
~ご案内~ (読者の皆様へ)

他のサイト「小説家になろう」にて完結済としておりました
『間違いだらけの半生』
の校正ならびに編集作業がようやく終了し、ここに完全版が出来上がりました!
自信作です! また是非、読み返してみてくださいますよう、重ねて宜しくお願い申し上げます。
この小説のURLは
http://ncode.syosetu.com/n3183bk/
です。
URLの赤字のところを直接クリックもしくはタップしていただければ、そのまま直通でアクセスできます。宜しくお願いいたします。

2013年12月吉日
横須賀
谷 栄光






東日本大震災の大津波被災地、宮城県女川町を訪れて
谷 栄光

本震災の発生から、現在で2年3か月ちょっとが経過している。
この度、初めてではあるが被災地を訪れた。焦点は、宮城県牡鹿郡女川町であった。
JR仙台駅前から、宮交観光サービス添乗員の桜井さん引率の、震災復興応援バスツアーに参加した。桜井さんは若く元気で活発な女性で、またバスの運転手さんもしっかりとしたイケメン男性であった。
最初の目的地は宮城県石巻市であった。当所は太平洋に近い側が、大津波でほぼ壊滅状態とのことであったが、2年以上の経過に伴い、それ相当の復興が感じ取れた。またJR石巻駅付近は、少し内陸に入り込んだ地点に位置するため、津波は膝下程度で済んだ様子である。
バスは牡鹿郡女川町へと移転した。途中から、女川町観光協会のガイドとして阿部 真紀子さんも乗り込んだ。そしてバスは仮設住宅の建ち並ぶ一帯へと差し掛かった。地元小学生たちのideaにより建物は色とりどりに塗られているが、復興ボランティアや支援の会社などの利用者が沢山あり予約制だという。
同地で阿部さんが涙ながらに訴えた。「誰もが津波の恐ろしさを認識していなかった!地震発生から30分ちょっとが経過ののち、この場所は海水に飲まれ、多くの人命が失われたのですが、みな油断していた…。高台へ逃げようとはしなかったのです」。
最寄りの場所で阿部さんが、ママサポーターズ代表の八木 純子さんを紹介してくれた。そして八木さんは呟いた。「私達よりもっと若い世代の人たちが大津波で亡くなり、残された私達はきっと何かをしなければなりません。私はいま、女川町の更なる復興のため、サポーターズ代表として、残った高齢者などを受け入れる商業施設の建立を計画しています!」と言って、その設計図を車から出してきて台の上に広げた。
また「女川ガイド」のパンフレット表面には、(女川の小学生の詩)として次のように書かれている。
<女川は流されたのではない 新しい女川に生まれ変わるんだ 人々は負けずに待ち続ける 新しい女川に住む喜びを感じるために>
また「きぼうのかね商店街」の一角には、文字通り きぼうのかね が存在する。連日多くの方々が、ここで手を合わせ鐘を鳴らす。
最後に「がんばっぺ女川!」と正面に記載された蒲鉾本舗「高政」に立ち寄った。そこの広域催事営業部 部長 菊地 繁志さんのプレゼンテーションのもと、同浦宿工場内を見て回った。それは笹かまぼこと揚げかまぼこと魚肉すり身の作業工程の見学であった。
菊地さんの、復興に向けての並々ならぬ力説に、ツアー参加者の誰もが感動させられ説諭もされた…!






どっちが人間らしい…?
谷 栄光

そうだよな。所詮、物事なるようにしかならないんだよな。
むかし大学時代の長野の親友が、就職活動時期になっても、何もしないでドンと余裕で構えていたので、俺が「澤田、そんなんで大丈夫か?」と尋ねたことがあったんだが、そのとき彼曰く、「成るように成るさ…」って。
結局、彼は今、長男坊であったこともあって地元長野県の高山村というところにある実家で、嫁と子供3人と一緒に幸せに暮らしながら、近くのJAで「金融の澤田!」と呼ばれながら頑張っている!
先日、何年かぶりに彼に電話して、たまたまパソコンの話になった時に、「ああ、俺そういうののパソコンとか、ほとんど縁がなくてやんないからごめん」と言われてしまった。
でもそのとき思ったのは、「ハハア、そういう田舎での平和な生き方もあるんだな。それはそれでいいんだろうな」という実感であった。
人それぞれの人生みたいなものがあって、詰まるところそれを決めるのは他でもない、自分自身なんだ、と改めて考えさせられた。
でも自分は、たとえ悪あがきと軽く思われようとも、後悔だけは絶対したくないから、今できる努力だけは惜しまない!







~ご案内~ (読者の皆様へ)

たいへんお待たせいたしました! この度、他のサイト「小説家になろう」にて連載中でした
『間違いだらけの半生』
をようやく完結いたしました!
また是非、読んでみてくださいますよう、宜しくお願い申し上げます。
この小説のURLは
http://ncode.syosetu.com/n3183bk/
です。


2013年6月吉日
横須賀
谷 栄光







野球親子
谷 栄光

とある父と子の、高校野球春の大会にまつわる実話である。T県に甲子園出場をも狙える実力校があった。県立N高等学校硬式野球部である。ただ、この春の大会は甲子園とは直結せず、県のベスト2だけがその後の中部地区大会へ進出できるというものであった。
このN校に、冬場のシーズンオフ中に実力をつけ頭角を表し、2年生にして1番ショート背番号6のレギュラーポジションを射止めた柳沢俊哉という部員がいた。彼の父・柳沢明夫もまた、かつては甲子園こそ夢のまた夢で全然ほど遠かったが、元高校球児であった。
明夫は、俊哉がまだ幼い頃から彼に野球を教えた。左打者の方が好都合と思い、息子を右投げ左打ちに仕込んだ。この春の大会で、N高校が県内ベスト8まで勝ち上がった為、仕事で県外に単身赴任中であった明夫は、休日を利用し彼の母、つまりは本人俊哉のばあちゃんを連れて、試合の観戦にJ球場へと向かった。
しかし結果は残念……。N高校は強豪のD高校に4対2で惜敗してしまった。ただ夏の甲子園大会に向けての、県内予選の二回戦から出場のシード権だけは、かろうじて獲得した。
明夫は、その日のうちに赴任先の県外にトンボ帰りした。翌日の夜、明夫は今後の息子のためにと思い、観戦した試合について感じ取った内容を詳細な文章にして、俊哉あてに携帯メールにて送信した。以下はその一部始終である。


俊哉へ ~My opinion~

昨日5/3の春の大会J球場準々決勝、対D校戦を観戦しての具体的かつちょっと厳しいアドバイスを今後の俊哉のために送ろうと思う。長文になるが、心して読んでみてくれ。

まず、3塁側スタンドで観戦していて、試合終了時に感じた事は、「何とも惜しい…。両チームとも力は互角なのに…」という悔しい印象だった。
だとすると、一体何が駄目で惜敗してしまったのか?という問題になる。これは試合終了後のレフト側グランド上での輪になっての反省会や、帰りのバス乗車前のミーティング時に、たぶん今から書く内容と同じような事を監督さん達から言われているだろうと思うのだが…。
最初に余談になるが、このシーズンオフ中に努力して頑張ったか、よくぞ1番ショート背番号6の座を手にした! おめでとう!
「一回の表、N高校の攻撃は、1番ショート柳沢くん」のアナウンスが流れた時には、さすがに鳥肌が立って感動した! ばあちゃんは、これを聞いて横で泣いていた。

さあ、話を本題に戻そう。
まず俊哉にとって一番反省すべき点は、ピッチャーが交代した中盤の回、先頭打者の平凡なショートゴロを俊哉が捕るまでは良かったが一塁へ悪送球して、いきなりピンチを作ってしまった事。
あの後、内野がマウンドに集まり、俊哉はしきりに頭を下げ自分のミスを詫びていたようだが、得てしてそういうつまらないエラーが大量得点に結びついたりもするのが現状である。
それと前々から「おや?」と思っていたのだが、俊哉のファーストへの送球が少しライト方向へ逸れてしまう傾向がある! あのゴロもタイミングは楽々アウトなのに、正面に投げていないためにファーストがベースから離れて捕球できずにセーフとなっている。
今後の練習で、基礎となるキャッチボールで相手の正面に真っ直ぐに投げることの今一度の初心に返っての練習、ならびにシートノックの内野守備練習の時のファーストへの迅速で正確確実な送球に、今後特に留意して更なる練習に励めば、きっと俊哉はもっといい一皮むけたショートストッパーに飛躍できるだろうと思う!
とにかく、あの回、俊哉のエラーが発端となって相手打線に火がつき、3点取られて逆転されてしまったという事実を、真摯に受け止め深く反省し、今後の課題とするように!
それ以外の、三遊間寄りに転がったゴロを俊哉が追い付いたがハンブルし投げられなかったやつは、どっちみち捕って投げていても一塁間に合わず内野安打になっていたろうから、あれはあれでいい。ショートにとって、あれは一番アウト処理するのが難しいゴロである。
それからピンチの時に三塁後方に上がったフライを俊哉が上手く回り込んで捕球しチェンジになったのは、あれはあれでよく捕ったと思う。
それと相手方の終盤での追加点1点のシーン。二遊間を抜けるセンター前タイムリーヒットで俊哉が半ば横っ飛びを試みたが、あれは捕れない当たりだったから仕方がない。

次、バッティング面だ!
良かった点は2つ! 初球から三塁線にセーフティーバントを試み、ファウルにはなったが一塁への走りも良く、走塁面では特に問題点は認められない。
ファウルの後、1球ストライクを見送ってツーナッシングとなったあとに、3球目をセカンド頭上にライナーで右中間方向へミートして運んだライト前ヒットは非常に良かった! それともう一つは、チャンスの時に俊哉が送りバントの構えから全球バスターの構えに戻し、ストレートのフォアボールを選んで出塁したところ、あれも良かった!
今度はバッティングの悪かった点。初回第1打席のジックリ見て待ってからの凡打は止むを得ないとして、他の二打席のセカンドゴロに問題がある。最初のやつは相手セカンドのエラーで出塁できたからまあいいとしても、9回表土壇場でワンナウトランナー無しで回ってきた最後の打席、あのセカンドゴロ凡退はいただけない! 2点差くらいはワンチャンスだ! なぜしぶとく食らい付いて出塁しチャンスを作れなかったか? この辺も、今後の俊哉の攻撃面での課題と言っていいだろう!

それとまた厳しい事を言ってしまうが、今あるレギュラーポジションの位置も、油断をしてると直ぐさま逆転して翻ってしまう事だって十分にあり得るんだと肝に命じて精進するように! 「一寸先は闇」の言葉通り、学年を問わず俊哉のポジションを隙あらば奪い取ってやろうと窺ってるチーム内のライバルたちも何人かいるんだという事を忘れずに、今後とも高校野球に頑張って取り組んでいってほしい!

結論だが、今回のN高校の敗因は次の2点であろうと思う。
バッテリーの油断により不意をつかれてホームスチールを許してしまった事と、二度の満塁のチャンスをいずれもピッチャーゴロで、うち一つはホームゲッツーのダブルプレーで封じられ、折角の絶好のチャンスを得点に結び付けることが出来なかった事…だ!
これらが今後のN高校野球部に課せられた、試練や課題と言えよう。またそれを乗り越えない限りは、甲子園への道など遥かな夢…、ほど遠い!






WORLD BASEBALL CLASSIC
谷 栄光

本日、日本の日付けで2013年3月18日(月曜日)、WBCの侍ジャパンがサンフランシスコでの準決勝でプエルトリコに3×1と惜敗した。遂に三連覇の夢は成し遂げられなかった。山本浩二監督、半ば涙の記者会見もあった。
かつて戦前に、新開拓地のアメリカ本土において、遊び心から子供のゲームとして発祥した Baseball が、以来正式なスポーツとなって急速に全世界に広まる。今や公式種目として、一部を除く世界中で親しまれ熱を上げるよう進化し、これを職業とするプロ達もたくさん存在する。
子供の遊びゲームだったものが、いつの日か真剣に打ち込むべきスポーツへと、時代とともに変化していった。「野球道=人生につながる!」とまで言い切る人もいる。
プロ野球をはじめとする社会人野球界のみならず、全国の甲子園を目指す高校球児たち、中学野球やリトルリーグの少年たち、みな真剣にこのスポーツと取り組んでいる。
それはまさしく、「人間修行」「人生勉強」の場といえよう。

侍ジャパンがWBCで敗退はしたが、日本のプロ野球界は間もなく開幕の日を迎える。沈むことなく、引き続きこれからも、心新たに見果てぬ夢と希望の光を追い求めていこうではないか!






「サヨナラ」だけが人生…?
谷 栄光

「消えることだけを考えてた。歌う事に疲れていた。大好きなはずのものたちが、全て歪(ゆが)んでみえた。私はまるで使えないガラクタになったみたいだった」。
「両側耳管開放症」のため歌手活動休止を余儀なくされた 中島 美嘉 の、復帰後の最新アルバム'REAL'の収録曲'LETTER'の一節で、彼女の活動休止中の心境を綴ったものである。
「ウソをつくつもりもなく、格好つけることもせずに書いた。どう思われようと、本当のことだけをーー」。彼女がこの曲に寄せたコメントである。

一方、満39歳を目前に自殺した 太宰 治 が未完の絶筆『グッド・バイ』に自ら寄せた「作者の言葉」というのがある。<唐詩選の五言絶句の中に、人生足別離の一句があり、私の或(あ)る先輩はこれを「サヨナラ」ダケガ人生ダ、と訳した> という名言である。
太宰 治の言う「私の或(あ)る先輩」とは、文化勲章まで受章した 井伏 鱒二さん、広島県福山市出身である。
井伏詩集の解説に「生の法則の厳しさの前では、慰めも深刻な表情も役には立たない」と書いた歌人もおり、彼は井伏の詩に「ただ互いに笑い合うしかない世界、そのなかを共に生きているぎりぎりの実感を見た」と言う。
この世は予期せぬ事ばかり、どうにも仕方のないことが多い人生…。だが運命を恨むのではなく、ユーモアに満ちて生きよ! との教訓がそこにはある。
太宰が井伏作品に強く共感した理由もそこにある。
アメリカのかつての著名作家 Mark Twain もその晩年作品において、これと同種のことを書き描いている。





覚悟
谷 栄光

以前、何かのエッセイ作品で示したこともあったが、全国にいる五万というアマチュア作家の中からプロとして浮かび上がることのできる人は、その内のほんの一握りしかいない… という厳しい現実がある。
そのためには、僅かのチャンスも逃さないという貪欲さや不屈の精神が必要となってくるであろう。
前作で話した通り、例えばインターネット上の小説サイトで作品の大賞などを争う場合、アマチュア作家同士のネット上での目に見えない、順位を争う熾烈なデッドヒートが連日繰り広げられる。みな必死の思いで周囲に投票などを呼びかけているという実態がそこにはある。勿論こういったケースは、なにもこの世界に限った事ではないであろう。
本気でプロを目指すのであれば、まず色々な分野のセクションを手掛ける必要性もきっと出てくるであろう。各種、小説や手記やエッセイやノンフィクションの実話から、はたまた作詞や詩、俳句、川柳や落語に至るまで…。まず幅広く全体を把握した上で、個人の得意分野を選択し絞っていくというのが、最も好ましいように感じられる。
この種のチャレンジは、所詮大きな夢でしかないかも知れないが、少なくとも何もしないで受け身で、ただ手をこまねいて沈黙の不動の姿勢で見ているだけでは、あまりにもつまらなさ過ぎる人生…… という気がしてならない。
だがこれらの挑戦は、きっと永遠にゴールなんてないのであろう。それでも、なにごとも諦めてしまったらそれで終わりと思う。また「自分がこれで満足だ」と考えてしまったなら、もうそこで終わりだと思う。死ぬまでその世界でチャレンジし続ける覚悟が必要であろう。
しかし反面、結果を出さなければ誰も認めてなんかくれないことも、十分に承知しておく必要もある。
それでも死ぬ瞬間に、自分が続けてきた事に、何の後悔もなく自信満々で死んで逝けるのなら、それはそれでいいのではなかろうか?





アマチュア作家たち
谷 栄光

パソコンの普及も助長して、いま全国に五万と言われるアマチュア作家の書き手たちが存在する。そして徐々に、従来の紙の本から電子書籍へと移行してゆく。インターネットの世界では、各種の小説サイトやブログなどで色々な大賞を設け、それにエントリーした人達の中から上位の者に賞金を授与したり、また新刊本や漫画コミックへと発展させるケースも多々ある。
近年までの、手書きの400字詰原稿用紙の完成品を持ち回り、アポをとって出版社の編集者と会い、それを売り込む… といった時代からみると、大きくその手段が変貌してきている。
遠い昔なら、このように現在定着しつつあるネット上でのこれらの書籍化にも似たような手段や方法は、せいぜい直木賞や芥川賞しかなかったと思う。
時代の変化とともに、きっとこれはどんどんエスカレートしていくことだろう。いや、それが悪いと言っている訳ではない。むしろたいへん合理的な変化といえよう。
ただきっと、これからの作家志望者たちは、パソコンで巧みな人を唸らせる文章も作成できなければならない、手書きの原稿も書けなければならない、同時に自分の創った作品の編集もできなければならない、そうなってくると思われる。悪い言い方をすれば、何でも有りの、掛け持ちのできる便利屋にならなければならない。
いま言ったサイト等の大賞に近づくため、それに投稿したアマチュア作家たちは、毎日自分の作品の順位を上げるため、知人などへの投票の呼びかけに四苦八苦し、必死の努力で半ば拝み倒す。
だがこうなってくると、作品の本来の良さや出来栄え! のようなものは何処かに追いやられてしまう。知り合いの多い者だけが勝ち残る、ただ点数稼ぎに長けている者だけが浮かばれ生き残る世界に堕落してしまう。それは本当の実力ではなく、単なる友人・知人の多さにしか匹敵しないであろう。
それでいいのだろうか?





最近の世相
谷 栄光

本日の新聞テレビ番組を見て感じたことである。
黒木 瞳ら出演のテレビ朝日の新ドラマ『おトメさん』と、瑛太ら出演のフジテレビのドラマ『最高の離婚』という活字を見て、思わず考えずにはいられなかった。
前者についてだが、以前は姑(しゅうとめ)が新しくやって来たお嫁さんをイビるというのが一般的な定番であったが、このドラマではまるで反対のようである。嫁に翻弄される姑のお話しのようである。
また後者は、これまでならば本来、「最高の結婚」と祝福される題名になろうかと思われるところを、意表をついて誰もが想像しない全く逆転した「最高の離婚」と題された物語となっている。しかも本日のサブ・タイトルが「あなたなんて死ねばいいのに」などと…。
つまり現代の世相は、上記の通り、昭和の後半あたりから比較してみると、正反対方向に逆行しつつある? と思うのである。
これまで当たり前とか常識とかいう言葉で認められ片付けられていたものが、いまでは通用せず非常識とまでなってしまった気がしてならない。
同時にスマートフォンやタブレットの急速な普及により、世の中はかつてのアナログ社会からデジタル社会へと急激に、どんどん変化、いや進化してゆく。いいか悪いかは別として。ただこれらの普及に伴い、当然マイナス方向に働く弊害のような、犯罪にも近い事案も発生してくる。個人情報の流出は日常茶飯事のこと、最近では気付かぬうちにパソコンごと乗っ取られて、警察の取調べで犯人に仕立て上げられた事例もある。だが、そういう目に合わされた当人にも油断があった事は隠せない。実態を明かせば、パソコンやスマホなどのケータイに送信されてくる、意味不明の怪しいサイトや嫌がらせ迷惑メール気味たものに、興味本位でアクセスして入り込む方にも責任や過失があるのである。これは触りだけ触れて覗く程度では、そこまでの被害には遭わない。それ以上に深く最後まで入り込むからそうなるのである。でなければ、そこまでの泥沼には至らない。

何が正しいのか?…は知る由も無い。ただ、なぜこうなって行(ゆ)くのかが、解せない。その理由が分からない?
それでも、必ずしも進化した新しいものが絶対正しいとは限らない。古き良きものだけは、そのまま残して継承しながら、それに加えて最新のものも素直に認め採り入れていくという生き方が、妥当なのではなかろうか…? しかも細心の注意を払って! としみじみと考えさせられる、今日この頃である。






夢と現実
谷 栄光

先日iPadを持参して、市内の中央図書館へ執筆活動に出向いた。週末につき、そこの社会人読書室はたいへん混雑していた。皆それぞれに真剣な眼差しで、読書している人、何か書いている人、険しい表情で目を瞑り腕組みをして何か考えている人、など…… ここでは様々な方々と遭遇する。皆各々に目的がある。
そこで、ある人と出会った。もちろん館内は物音一つ無い静寂の世界であるため、たまたま傍の公園に出て少しだけ話をした。その人は某地方紙の記事を書く記者であり、時々来館して主に観光関係の記事を書いていると言う。つまり彼は書く事をビジネスとして、それで生計を立てているという、言い方は悪いが現実主義者であった。
一方、読書室内では、かたや作家らしきものを夢としてか、ひたすら本を読むか文章を執筆しているかパソコン操作をしている若者から高齢者までが、必死で一生懸命の状態で居る。彼らは必然的に、今やっている事=収入ではない。自分の将来に向かって限りない夢を抱き、精いっぱい努力している。確実な保障はどこにもないのに… いわば夢追人の浪漫チストでもある。アマチュア作家の私のように…
どちらが正しいか? とかいう、そういう問題ではない。 作家志望者たちよ! 願わくば、その夢が実現するといいね…! と心からそう期待する…。

だがプロになるには、多くの本を読みドラマや映画を鑑賞し、より多くの人と接して会話を持ち、作品の題材(ネタ)探しに没頭せねばなるまい。情報収集活動の一環として。
プロへの道のりは、どんなことでも例外なくそうだが、決してそんなに甘くはない!
全国にいま五万という無名の書き手が存在する中で、浮かび上がれるのは、その内のほんの一握りしかいない!という厳しい現実がある。そこには実力に加えて「時の運」も当然あるであろう。
しかし反面、声を大にして言い切りたい。全国の書き手たちよ! それでも決して、その夢を諦めるな!! と……。







少年時代 ~恩師のひと言~
谷 栄光

父が富山県の特別地方公務員であった事もあり、その異動に伴い私は何度か県内での転校を余儀なくされた。転校というものは当人にしてみれば本当に嫌なもので、物心がつくにつれ、それに伴う辛さも増してきていたように感じられる。
先生に連れられて教室に入り、「今度新しくみんなのお友達になる谷クンです。仲良くしましょうね」と紹介されるのだが、誰もが新しいものに対する興味本意の眼で自分を見ているように感じ、次の瞬間、思わず目を伏せてしまうのである。
しばらくは転校生ということで色々と話しかけてくれるクラスメイト。しかし何日もしないうち、その中に『侵すべからず、何年かを費やし築き上げられてきた同級生間の和や絆』のようなものを感じ取り、「ああ、この中に完全に溶け込めないなあ…」と意気消沈してしまうのである。自分の少年時代の苦悩は、主にこの事に始まったのである。
小学校四年生のニ学期、黒部市所在の三日市小学校へ転校となった。また母がパート勤務に出るようになったため、"鍵っ子"へと…。さりとて、クラス内でもそう簡単には皆と仲良くなることもできず、孤独感で小さな胸が一杯になっていた。
五年生進級と同時にクラスの編成替えがあり、また担任の先生も代わった。しかし私の心の中は、相変わらず暗くて劣等感に満ち、授業でもさほど目立つこともなく、「もうどうでもいいや」と半ば投げやりな気持ちになっていた。
そんなある日、今でも忘れはしない担任の國友先生が私を職員室に呼び、「谷、何も自分をそんなに悪く考えることはないんだぞ。キミは体育とか音楽が得意だろ、それを伸ばしていけ!」と言ってくれたのだ。
自分は体育(中でも球技)が大好きだったので、「よし、それじゃあ好きなもので一丁頑張ってみるか」と密かに希望を抱いたのである。そして中学・高校と通じて6年間、野球部に入部し、それに没頭した。
今でも本当に、あの國友先生の激励の言葉、特に"生徒たちのあらゆる可能性を導き出し、それを発展させてやろうという恩師の姿勢"には頭が下がり、心から感謝している。
いま色んな人達と接する機会が多い中で、毎日毎日がまるで転校生のようだが、その中で曲がりなりにも元気でやっていけるのも、あの日あの時のあの先生のひと言のおかげなのかもしれない。








<著者プロフィール>

著者名・谷 栄光 (たに えいこう)
1959年3月22日生
出身地:富山県
現住所:神奈川県横須賀市
学歴:大東文化大学文学部英米文学科 卒業
職歴等:1、千葉県警察官拝命(最終・千葉県警察本部刑事部国際捜査課刑事,階級 巡査部長)
2、1回目の離婚に伴い、上記を依願退職⇒北陸地方にて一転して計2箇所のリゾートホテルフロントマン等に転身
3、2回目の離婚に伴い、神奈川県横須賀市に移転⇒現在に至る。

[著書]
処女作~『大いなる屈折した半生』 株式会社 文芸社 発行
2011年5月1日より全国の書店にて発売! (エッセイ集 合計31篇)
104ページ、定価 : 本体価格 1,000円+税
第2作~『保佐人解除の答申書』 株式会社 湘南社 発行
2012年2月1日より発売! (ノンフィクション作品)
74ページ、定価 : 本体価格 800円+税
第3作~『間違いだらけの半生』 株式会社 湘南社 発行
2014年6月1日より、書店等にて発売開始 !!
(ノンフィクションに限りなく近い中編小説)
126ページ、定価 : 本体価格 1,000円+税

[ブログ&サイト]
1、『Shige(谷 栄光)のブログ』~URL: http://ameblo.jp/00-police-activity/
2、『キャバクラ』 Cabaret Club ~そこで働くワケあり女性達~
URL: (「18歳未満閲覧禁止作品」につき表示できません)
3、『間違いだらけの半生』~URL: http://ncode.syosetu.com/n3183bk/
4、『人間とは何か?、人生とは何か?』~URL: http://ncode.syosetu.com/n4083bk/
5、『閃き(ひらめき)』(連載中) ~URL: http://ncode.syosetu.com/n4189bk/


2014年6月吉日
横須賀
谷 栄光







"Which do you like the best?"

例えば私のようなアマチュア作家が本物の書き手として立ち上がって行く場合、おおむね次の4つの方法が考えられる。
1、自費出版にて、現在打ち出されている最低限の費用を使用しての手段
2、作品の何らかの賞を得て、周りから認められ、本にしていく方法
3、立ち上げたブログやサイトを通じて人気を得、読者をたくさん獲得して、やがて本になっていく方法
4、自ら出版社や雑誌社等に呼びかけ、編集者等とアポイントをとり、道を切り拓(ひら)いていく方法(いわゆる「持ち込み」)
さて、読者はどれがふさわしいと思われるか?







読者の皆様へ!!

これまでこのブログ内で公開してきたエッセイのうち厳選したものを、他のサイト「小説家になろう」へも重複投稿という形にて改めて掲載いたしましたので、また是非ご覧ください!
1、『人間とは何か?、人生とは何か?』(完結)
URL: http://ncode.syosetu.com/n4083bk/
2、『閃き(ひらめき)』(連載)
URL: http://ncode.syosetu.com/n4189bk/
です。 宜しくどうぞ!

2012年11月吉日
横須賀
谷 栄光





読者の皆様へ!!

新作の連載小説を、他のサイト「小説家になろう」に発表いたしましたので、また是非ご覧ください!
タイトル:『間違いだらけの半生』
この小説のURLは
http://ncode.syosetu.com/n3183bk/
です。
なお本作は連載ですので、定期的に随時更新して掲載していきます。
宜しくどうぞ!

2012年11月吉日
横須賀
谷 栄光






宇宙の果てから
谷 栄光

我々は、よく夜空を見上げて「ああ、きれいな星が輝いているなあ」などと呟く。無数の星の中には、何億光年離れた遥か宇宙にあるものもある。ご存知の通り、光の速さは1秒間に地球を7回り半する速度である。そのスピードをもってしても何億年かかる距離を想うに、気の遠くなる話である。その位置にある星たちを我々は観察して「美しい!」と言っているのである。
それらの星は、いま現在もう既に実在せず消滅しているのかも知れない。我々は、その消滅から何億年経過後にようやく地球に到達した光を眺め、「ああ、きれいだ」と言っているだけなのかも知れない。過去の光を見て、感動しているだけなのかも知れない。もう存在しないものを見て…
また宇宙の果ては一体どうなっているのか? という疑問にもぶち当たる。地球が存在する太陽系、それと同一のものが複数に渡って構成されている巨大な銀河系、その銀河系が無数に集まって成り立っている宇宙…
はて? 宇宙という超巨大な物体があるとして、人間の頭で普通に考えるなら、物には果て、つまり ここまで! という限りというか区切りというのか最終部分が必ず絶対ある筈である。宇宙は堪えず膨張している!という説もあるが、もしそうだとしてもその瞬間瞬間に必ず区切りの果てというものが存在している筈である。
遠い遠い遥か向こうに、例えば宇宙の果てがあったとしよう。宇宙という物体が、仮に丸い球体だったとしよう。では、その向こうに何があるのか? との疑問に再度ぶち当たる。宇宙の向こう側に、また別の何か? があったとしよう。では、その先にはまた何があるのか? という事になってしまう。
こういう事を考え出すと、もう頭がおかしくなってくる。異次元とか時空を超えるとかタイムスリップとか『宇宙戦艦ヤマト』等に出てくるワープなどと言われてしまっても、全く理解し得ない。
同時に我々は、もっと認識すべきである。日頃、滑った転んだと大騒ぎし悩んでいる事が、これらの壮大な宇宙規模の視点から見つめれば、いかにくだらない馬鹿馬鹿しい取るにも足らない些細なつまらない出来事であるのか、ということを… たかが宇宙の中の1個の銀河系の、太陽系にある小さな惑星地球の、それもアジア州にあるちっぽけな島国日本の、何県何市で起きているどうでもいい問題など、取り上げるに値しない事なのだということを、いま一度よく知るべきである。
詰まるところ、どっちみち世の中なんて、所詮成るようにしか成らない… のもまた事実である。どう仕様もないとき、ではどうするか? すべて笑い飛ばしてしまえばいいのである。その位の器量と度胸が欲しい!





プロフェッショナルな脚本家…
谷 栄光

ドラマの脚本家に絞って書いてみる。『家政婦のミタ』を創作した男性脚本家がいる。遊川和彦さん、56歳である。
彼が少年の時、父親の経営する工場が倒産し、父は妻と子供4人を置き去りにし、他の女と蒸発してしまったという境遇を持つ。ドラマのADから始め、その合間を縫ってドラマ脚本の執筆活動を続けていたという。
あるチャンスから、彼は脚本家として脚光を浴びるようになる。20年以上もドラマ創作活動を続け、これまで40作以上もの人気作品を手掛けている。落ち目の時期もあり全く書けなくなった時を乗り越え、今や著名な脚本家である。
彼はよく撮影現場に顔を出し、俳優たちに時に厳しく時に優しく声を掛ける。特有の毒舌と言う人もいる。
彼はNHKの新朝ドラ『純と愛』の撮影現場・沖縄に居た。役者のセリフ一言一言を、真剣に見つめる。妥協は一切しない。納得がいくまで一晩中、縦書きの台本の手直しをしたりもする。
純役の新人女優は、三度目にして漸く、何百人の中からのオーディションで選考された夏菜! ホテルウーマンであり、「お客様を笑顔に変えてあげられる仕事がしたい!」と奮闘する。
ある日、撮影の合間、夏菜は上手く演技が出来ない、セリフが上手く言えない自分に苛立ち、悩み抜いて一目を偲んで陰で隠れて泣いていた。遊川和彦は、そんな彼女を優しい視線で見守る。但し言葉はかけない。
この物語は、失われつつある人の心を呼び覚ますようなストーリーである。今後の展開に大いに期待したい!
遊川の信念は、「物語は、自分の中にある」、「創作意欲のあるうちは、ずっと書き続ける」である…
そしてドラマが人々に共感を与えるのに一番大切なものは、「人間愛」だと言う……







読者の皆様へ!!

大変お待たせ致しました。 前ページに掲載の恋愛小説
『キャバクラ』 Cabaret Club
~そこで働くワケあり女性達~
の完全版を、下記の小説サイトにて発表いたしましたので、また是非ご覧ください!



「小説家になろう」~(18歳未満閲覧禁止作品) 作者名:Tani Eikou URL:(誠に残念ですが、R-18につき表示できません)

宜しくお願い致します!


2012年8月吉日
横須賀
谷 栄光






『Shige(谷 栄光)のブログ』
Page1~Title:「人間とは何か?」Sub-title:Police activity
Page2~Title:「続・人間とは何か?」Sub-title:Something!
Page3~Title:「続々・人間とは何か?」Sub-title:Anything!
Page4~Title:「人生とは何か?」Sub-title:What is Man?
Page5~Title:「続・人生とは何か?」Sub-title:What is Woman?
Page6~Title:「続々・人生とは何か?」Sub-title:What is Woman?
Page7~Title:「閃き(ひらめき)」Sub-title:Idea!
Page8~Title:「続・閃き(ひらめき)」Sub-title:New idea!
ブログのURL:
http://ameblo.jp/00-police-activity/
著者名・谷 栄光 (たに えいこう)
<プロフィール>
1959年3月22日生
出身地:富山県
現住所:神奈川県横須賀市
学歴:大東文化大学文学部英米文学科 卒業
職歴等:1、千葉県警察官拝命(最終・千葉県警察本部刑事部国際捜査課刑事,階級 巡査部長)
2、1回目の離婚に伴い、上記を依願退職⇒北陸地方にて一転して計2箇所のリゾートホテルフロントマン等に転身
3、2回目の離婚に伴い、神奈川県横須賀市に移転⇒現在に至る。

1、新刊本~『大いなる屈折した半生』 著者・谷 栄光
新宿・株式会社 文芸社 発行
2011年5月1日より全国の書店にて発売開始! (エッセイ集 合計31篇)
104ページ, 定価 1,050円(消費税込)
*このブログ内で公開した作品内容から、本の方は大幅に改訂され良くなっています。是非ご覧ください!
2、第2弾~『保佐人解除の答申書』 神奈川県藤沢市・株式会社 湘南社 発行
2012年2月1日より発売開始! (ノンフィクション作品)
74ページ, 定価 840円(消費税込)
3、『キャバクラ』 Cabaret Club ~そこで働くワケあり女性達~
*このブログ内で発表したものを改訂し、仕上げたものです!

2012年8月吉日
横須賀
谷 栄光


追伸:前ページ「続々・人生とは何か?」に、上記3、『キャバクラ』~ の最終稿を再度改めて掲載し直しておりますので、是非ご覧ください !!
ご案内

拝啓 読者様!
ここに、これまでこのブログ内で公開してきた
『キャバクラ』 Cabaret Club
~そこで働くワケあり女性達~
の完成品が出来上がりましたので、再度改めて掲載し直しいたします。(最終稿です)
ただ、このAmeba blogの健全な運営に支障をきたす可能性のある言葉や表現のある部分、すなわち露骨なSEXシーン2箇所は外してありますので、どうかご了承のほどを…
それらを含めた完全版は、また後日何らかの方法で、他の恋愛小説サイトへと投稿していく予定でおりますので宜しくお願い致します。 (それは決定次第、またこのブログ内にて紹介いたします)
という訳で、どうぞ以下を読み直してみて下さい。ページ数も増え、内容も更に吟味され磨きがかかったと自負しておりますゆえ…
敬具
2012年8月吉日
横須賀
谷 栄光






『キャバクラ』 Cabaret Club
~そこで働くワケあり女性達~
谷 栄光 Tani Eikou

* この作品内で取り上げた題材はあくまでもフィクションであり、実在する人物、団体、企業、地名などとは一切関係しない。
尚これは、現役キャバクラホステス数人への取材や、専門家の意見や、潜入ルポ実体験に基づきフィクション化された物語である。


(来店1) めぐり逢い

主人公 延幸(のぶゆき)が、ある夜、友人の貴志と居酒屋で一緒に飲んでいるところから、この物語は始まる。二人は高校時代の同級生で、年齢は共にジャスト40歳であった。
貴志:ノブ、おめえ最近、女と別れたんだってな。
延幸:ああ、結局2年半の付き合いだったけどな。
貴志:そうか…
延幸:簡単なことだよ。金の切れ目が縁の切れ目ってやつか…
貴志:なるほど… どうだ、これからキャバクラでも行ってみるか?
延幸:ああ、そういう所もいいかもな。
二人はほろ酔い状態で、近くの Club Gold に入店。すぐ右サイドのカウンター・ボーイ:いらっしゃいませ。二名様、どうぞ!
二人はおもむろに奥のテーブル席につく。 この時、客待ちカウンターで待機中の二名のホステス、美由希と真奈美は、女同士お互いの最近の出来事について雑談していた。
美由希:ねえ、ここ何日あたしエロスケベジジイばっか相手にしてる感じ。イイ男来ないかなあ?
真奈美:私もどっちかっていうとそう。今夜当たり週末だし、このあと誰か素敵な男(ひと)がやって来るかもよ~
と、この会話が終わらないうちに二人に声が掛かる。
副店長:フリーの二名様! 美由希さん、真奈美さんお願いします!
この瞬間、美由希と真奈美は仕事モードに切り替わり、一瞬真剣な表情となる。二人共ゆっくりとした歩調でテーブルに向かうと同時に、途中から接客モードの笑顔へと変わる。 歩きながらテーブルを見、彼女らは共に内心思う。「ラッキー!」

延幸と貴志は向かい合わせ状態。主人公延幸の横にはアラフォーの比較的美人系の中肉中背の美由希が…。彼女は丸顔で脚線美の良い体型、胸はやや大き目で形が整ってはいたが、左乳房にほくろが一つあり、やけに目についた。
美由希、明るく挨拶する。
美由希:いらっしゃいませ。初めてですか?
延幸:ああ、昔キャバレーって言ってた頃は行ったことあったけど、キャバクラって言うようになってからは、そういえば初めてだな。
美由希:(名刺を差し出しながら)美由希といいます。また宜しくね! (名刺には同女の携帯番号とメール・アドレスの記載あり)
延幸:俺達そんな酔っ払ってないからさ。まあ、楽しくやろうよ。
美由希:はい! でも、あなたどこかで見たような気が…
延幸:そうかい? 俺はそんな、知ってる女も少ないし。
美由希:そうかな、私の気のせいかな。
延幸:キミはこのお店は長いのかい?
美由希:そうね、二年半ぐらいかな。(正面の貴志横を指し)、彼女は真奈美っていうの。私達これでも仲がいいのよ、このお店で。
延幸:そうかい。たまたま俺たちに偶然ついたって訳かい。
やがて場は4人交えての会話に発展。そのうちカラオケタイムへと移行していった。
貴志がまず、郷ひろみ『二億四千万の瞳』を熱唱。場が盛り上がり、皆で拍手! 続いて延幸の番となる。
美由希:何、歌います? (と言いながらカラオケリクエスト操作機、いわゆるデンモクを手にする)
延幸:ううん、なんか思い浮かぶもんがねえな。 (次の瞬間、延幸はキッと目を上げ瞳を輝かせて答える) じゃあ、桑田佳祐の'EARLY IN THE MORNING'にしよう。
延幸が歌い終わった瞬間、場が更に盛り上がる。
美由希:きゃー、この歌けっこうイヤラシイわね! でもおもしろい。
延幸:(笑みを浮かべながら)ま、男と女の歌っていうか。これで結構 内容が深いよ。
二人はジャスト2時間その店に滞在。ホステスを通じてチェックを入れてもらうと、費用が一人11,500円ついた。

時間が深夜1時。外は週末につき未だ人出が多い。二人は結構真剣な眼差しで言い合った。
貴志:ノブ、どうだキャバクラ初来店の感想は?
延幸:まあ、こんなものなのかな…? でも店内を見回してみたら、何か熟女が多かったな。
貴志:うむ、確かにな。でもノブ、熟女は男の肌を恋しがる年齢… 一夜限りの恋でも期待できるかな?!
延幸:なんだそれ!?
貴志:うん、だが逆に俺の経験からだと、熟女ほどそうは簡単に例えばベッドに付き合ったりはしないだろうな。むしろ彼女たちは「寝たら、それで終わり」って考え方だろうに。
延幸:それって、どういう意味だ?
貴志:ああ、男の下心を操り、気のあるそぶりを見せながら、「いつかは抱ける」と男に希望・期待を持たせつつ、一定の距離を保って、そうやって店のお客としてある意味ズルズル引っぱる! これがキャバ嬢の手口と言えるんだよ。言うまでもないが彼女たちにとって、指名客を沢山とり繰り返し何回も足を運んでもらう事イコール自分の収入が大幅にアップする事だからな。
延幸:貴志、おまえどうしてそんなに詳しいんだ?
貴志:おめえには言ってなかったが、俺 本気になりかけたキャバ嬢に夜の世界の裏側を聞いて怖い思いをした事があるんだ。その辺の情報をその女から聞いたんだよ。
延幸:そうか… つまり男は自らの欲情と淋しさとが邪魔をしてマジックにかけられてしまう、そういう事か… ならば男は非常に単純でかわいい生き物なのかも知れないな。
貴志:だいたい、あの種のお店にやって来るお客というのは、たいがい最終的にそれが目的って男が多いだろうに。口説いて落として、シメシメこれで何人切りみたいなのを勲章としてるみたいなさ。
延幸:でも中には本気で真のパートナーを求めてやって来るような奴もいるんじゃないかな? 例えば俺とおまえのような…そういうワケありの男達…?
貴志:それも確かにいるだろうな。あとは酔った勢いで、たまたま二次会・三次会的に流れで立ち寄っただけの連中とかさ。
延幸:そうだな。まあ俺は、おまえには想像がつくと思うが、どっちかって言うと本心で付き合える女を探しに入るのかもな…!?
貴志:それから参考までだけど、そのキャバ嬢が言ってたよ。お店での疑似恋愛が本気に変わるのではなく、恋愛する相手とは最初っから本気だよ~って。
延幸:そんなんありかよ? お互いに第一印象が良くて、しばらくお店通いしてるうちに、いつの間にかイイ関係に発展していくってケースもあり得るのでは…? 流行りの想定外ってやつだよ。
貴志:そりゃまあ、キャバクラホステスだって人間だし… 情が無い訳じゃあないから、少しはそんな事も起こり得るかもな。でも確率は低いだろうに…
延幸:それとさっきさ、「寝たら、それで終わり」って言ってたけどさ。ヤッたから、ハイそれまでヨって去っていく客ばかりじゃあないと思うんだ。逆に、そういう仲になったからこそ、もっともっとのめり込んでいく男だっているはずだ!
貴志:そうか、つまりはおめえの言いたいのは、キャバ嬢たちに、そういった器の広い心を持ってゲストをお迎えし接客に当たってほしい、男だって十人十色で、相手によっては必要とあらば身体も開け! それが自分の利益に還元される場合もある! 目覚めよ!キャバ嬢たち! と、そういうことか? ちょっとムシが良すぎるかも知れないが、おめえらしいな。
延幸:俺は、それに期待したいね。


(来店2) 継続、再会

翌朝10時、延幸は美由希から貰った名刺を思い出す。とりあえずお礼だけ言っておこうかと思い、次の携帯メールを送る。
昨夜はたいへん世話になったね。なかなか楽しかったよ。機会があったら、また会おう。
延幸、3LDK自宅2階アパートから外出。下町風の街中を歩く。携帯メール着メロ音が鳴り響く。美由希からだった。
きのうはどうも。久し振りに私も楽しかったよ。良かったら番号と名前教えて。登録したいから!
延幸、これに素直にそのまま事実を返信。併せて、「また宜しくね」 と付け加えて…
その後、仕事公休日につき久々にパチンコ店へと向かう。端台の『巨人の星』打ち始める。4,500円つぎ込んだところで、大リーグボール3号の当たりが… 「勝利!」が5連チャン継続。差引き21,000円の勝ちで終わる。彼は内心ニヤリと微笑む。この金でまた昨日のClubへ飲みに出ようかな…と企てる。

翌朝、延幸は会社Officeに居る。彼の職場は、文房具の営業販売事務所である。
延幸:(横のデスク女子事務員に)ちょっとこれ、2課まで持って行ってきます。
クール・ビズの軽装服で立ち上がった延幸にその事務員が:高橋係長、お電話が入ってますよ。外線2番です。
延幸:(直ぐデスクに引き返し、この電話をとる)はい、お待たせ致しました。高橋です。
それは文房具契約の依頼申込みのTELであった。
延幸:はい、分かりました。10:30、渋谷区のcoffee春日ですね。お伺い致します。宜しくお願いします。
喫茶店内、商談中に延幸の携帯電話呼び出し音が鳴る。
延幸:すみません、ちょっと失礼します。
店外に出て表示を見ると、美由希からだった。
延幸:はい。いま仕事中なんだけど… 初めてかけてきたね。どうかした?
美由希:ごめ~ん、何か気になってさ。営業の一環みたいだけど、またお店に来てくれないかと思ってさ。昼間っからゴメンなさい。
延幸:ああ、また近々な。じゃ切るよ。

8日後の21時頃、延幸単身でClub Goldに再度来店。美由希を指名。指名料が通じて2,000円であった。
延幸:今夜ちょっと時間が空いたから来てみたよ。お客さん、少ないなあ…
美由希:うん、平日はこんなもの。でもお客さんの出入りだけは読めないから、突然団体さんが入ったりして、急に忙しくなる事もよくあるよ。今日は来てくれてホントありがと。 この前、あなた凄く好印象だったから… 何か忘れられなくてね。
延幸:はは、それお客みんなに言ってるんじゃあないの?
美由希:あのさあ、わたし思い出した! 半年程前に新宿のイタリアン・レストランみたいなとこで男女4人ずつ合コンみたいなのやったじゃん。あの時、一回会ってるよ!
延幸:いやあ、覚えてないな。結構酔っ払っていたのかな?
美由希:多分、パートナーが違ってたし。
延幸:ねえ? 今度一回、外で会わないかい? お茶程度でいいから。
美由希:ううん、これでも忙しくてナカナカ時間取れないけど、また考えてみるね。
この夜はこれで終わった。滞在時間、1セット1時間のみであった。


(来店3) 運命

5日後、延幸は美由希の携帯あてTEL。呼出音10回で留守電メッセージに切り替わる。
延幸:あのさあ、もし今週日曜日空いてたら、ちょっと会わない? 折り返し待ってる。
その夜、美由希から延幸にTELあり。
美由希:日曜の朝、お店終わってからちょっとだけなら、まあ… その日、お店から一回電話するね。
延幸:それならキミのクラブから目に付かない所で、少し離れた豊島区のファミレス・フランにしよう。
土曜深夜、美由希からのTEL:5時位だったら行けると思う。
延幸:分かった、待ってる。
延幸、5分前にファミレス入店。だが、半信半疑で彼女を待つ。10分遅れで美由希がやって来る。
美由希:お待たせ。今日は忙しかった!
延幸:お疲れ様。何でも頼んで。(と言いながら、彼女がアルコールを頼んでチョットだけ酔ってくれないかな? と心のどこかで期待感を抱く)
美由希、ウエイトレスに:マッチしないオーダーだけど、メロンソーダとツナサラダください。
延幸:どのくらい時間取れる?
美由希:午後からは、ちょっと用があるの。少し寝なきゃいけないし。ゴメンね、1時間ぐらい。
美由希この時、やや茶髪。服装・膝丈の淡いブルーのワンピースに白の短目のカーディガンを羽織っていた。
延幸:うわあ、私服だと、またイメージが全然違うね! そのあたりで見かけるイイ女みたい!
美由希、延幸に顔を近付かせて小声で言う。
美由希:ねえ。これはあまりお客さんに言ってはいけない事だけど、私達お店絡み以外で個人的に男性と会ったりしてるのがもしバレたら、もうそれだけでどんなに人気があってお客さんを呼ぶホステスでも、その時点で即クビ! 実際にそういう女性達も何人か見てきたわ…
延幸:でもそれ、皆な隠れて陰でやってることだろうに。バレないように上手くやれば済むことと思うよ。
美由希:そうね。最後はその男性をとるか、お店をとるか… バレてもいい覚悟でその人をとるか… それはそのホステスの判断だね。
延幸:どっちかっていうとキミのお店は熟女ばっかり。ワケあり女性が集まってる様子?
美由希:そうね。確かにね。
延幸:(顔を上げて)もしかして子持ちかい。
美由希:……
延幸:……
美由希:ええ、17の息子が一人いるわ… バツイチ…
延幸:だと想ったよ。俺もそうだから。13の娘が一人。もっとも親権は手放したけどね…
少しの間、互いに視線を合わせる。共に見つめ合って苦笑いを交わす。
延幸:なんかの縁かな? キミには同じ匂いを感じるよ。これ必然的なめぐり逢いの予感?
美由希:そうかも…
この日はこれで終わる。


(来店4) ジレンマ

延幸、単身で3度目のClub Gold来店。週末につき、ほぼ満席状態。カウンターで約15分待ちの後、テーブル席につく。指名で美由希が横に付く。
延幸:一ヶ月近く振りかな?
美由希:ええ、お久し振り。
延幸はタバコ・マイルドセブンと焼酎の水割り、美由希はタバコ・細めのメンソール系とウーロン茶を手に、他愛もない世間話をする。20分すると他の席から美由希に指名がかかり本人中座。ヘルプで初回来店時、友人・貴志に付いた真奈美が偶然来る。指名外なので彼女は前方ソファーに座る。真奈美、他のお客からビールを戴いておりホロ酔い状態。明るく振舞う。
真奈美:あら、お久し振りです。その後元気? ずっと美由希指名の様ね。いいわね、羨ましいわ。ワタシ最近全然、モテないから営業成績悪くて! 馴染みのお客さんも中々来てくんないんだあ。(彼女、明るく苦笑いして振る舞う)
延幸:そんなこと言って、ホントは人気モノなんじゃないの?
真奈美:ねえ、ところで美由希とはどう?
延幸:どうって、そんな深い関係じゃねえよ。
真奈美、少し酔っているせいか、急にこんなことを言い出す。
真奈美:ねえ~、美由希の秘密おしえてあげる! 美由希は全身 性感帯なんだよ !!
延幸:えっ! それ、ほんとかよ。(と、つい下心が出てしまい、男の単純さを発揮してしまう。 と同時に、座っていた位置よりはるか前に身を乗り出していた自分に気づき、ハッとする)
延幸は真奈美にのせられ、ハイペースで水割り3杯を空ける。そのうち美由希が戻って来る。真奈美はずれる。このとき延幸はハイテンションに近い。
美由希:大変お待たせ。
延幸:元気が出てきたから、またカラオケでも唄おうか!
二人でデユエット曲『ロンリー・チャップリン』を歌う。酔った延幸、左手で美由希の肩を抱き、歌いながら時折、彼女の左胸をま探る。そのたびに美由希、少し払い退ける仕草を見せ、歌も乱れる。今度は延幸、左手を彼女の右太腿に置く。右手はマイク。徐々にその左手を上の方に這わせる。彼女は歌いながら、その都度両腿を絞める。
歌い終わって今度は彼は、彼女の髪を撫でながら右頬にキス。
美由希:ねえ、もう時間なんだけどどうする、延長する? まだ大丈夫?!
延幸:飲み過ぎたし、今日はこれで帰るよ。
酔った延幸、店出口で見送りの美由希を、向かい合って強く抱き締める。
美由希:つぶれっちゃうよ。
直後DEEP KISSの体勢に入ろうとするが美由希が身を引く。
美由希:ダメ、見られてるから。
延幸:(我に返った様に開き直り)じゃあまたな。連絡は取り合おう。
延幸、手を振ってそのまま帰る。 だが延幸、満たされない表情… 延幸は振り向きざま美由希にひと声放った。
延幸:今度一回、同伴ってやつやろうか!


(来店5) 忍耐

二人は暫く携帯での通話やメール連絡を、ほぼ連日とり合った。
ある夜、延幸は平日のClubに勤務中の美由希に携帯メールを宛てた。
延幸:いまテレビでAKB48の『ヘビー・ローテーション』ってやつやってるよ。
美由希、お店からこれに返信:ああいう若い娘たちに興味ある?
延幸:そうだな。まずキミたち熟女とは、その新鮮度が全然違うな。キミたちの方が、当然一歩ババアだし…
美由希:それが食べ頃なんだよ!
延幸:だったら食べさせて! ハハハ~
美由希、これに対してお店で冷や汗… だがまた、一歩ババアの言葉に嫉妬したりもした。
二週間後、延幸は美由希に約束を取り付け、まずClub近くの居酒屋で待ち合せ、彼女と1時間半ずっと軽く飲みながら話し込む。
だが美由希は、先日の携帯メールでの「一歩ババア」の言葉が頭から離れず、最初そしらぬ顔。
延幸:なあ、キミが外で会うのがヤバいと言う以上、結局俺がこうやって同伴したりする以外、方法がないんだよなあ…
美由希:アタシは慌てず一歩一歩ゆっくりと進みたい。
延幸:またそんなこと言って…
美由希:いくらキャバ嬢やってても、やっぱり恥ずかしい事は恥ずかしいんだ。
延幸:……
美由希:あなたを男として見てるから、逆に急ぎたくないの。この心理わかる?
この時点で延幸は、「ああ、こいつは半分ホステスで、半分女なんだな。母でもあるんだろうし…」と内心、悟った。 (それでも半信半疑…)
延幸:でもそれ本当かな? 例えば俺はキミの中の何番目の男? 金銭面で離れられない、他にイイ男がいないかい?
美由希:疑い深いのね。そんな人いたら、昼も夜もこんな思いして寝不足状態で働いてなんかいないよ。
延幸:……
美由希:それに私これでも、誰とでも同伴する訳じゃないんだよ。
(延幸、これについても尚、半信半疑?)
互いに居酒屋で少し酔って、Club Goldに移動。美由希が着替えて来るまでの間、また真奈美がヘルプで付く。
延幸:うわあ、またキミか!
真奈美:こんばんは、ホント偶然ね。(このとき真奈美は未だシラフ状態)
延幸:前にキミと美由希は仲がいいって言ってたよね。
真奈美:ええ、住んでるアパートも近くなの。終わり時間が合った時は、いつもタクシーで一緒に帰ったりするのよ。
延幸:失礼だが、キミもやっぱり何かワケあり? でも皆がみんなそうでもないのかなあ…?際どい風俗嬢ではないので、社会勉強を兼ねて遊び半分気分で気楽にやってる子もいるって聞くし… キミはどう?
真奈美:美由希からは何も聞いてないのね。
延幸:ううん、いや何も。
真奈美:彼女と同じだよ。バツイチ娘一人… 私の場合は相手が社長だったから、お金に不自由なく裕福な暮らしをしてたわ。でも彼に若い愛人ができて、結局すてられた…
延幸:そうだったか。ううん…
真奈美:このお店は熟女ばっかりだから、皆んなそれぞれに過去を引きずって生きてるわ。仕方ないの。
延幸:そうか…
美由希が着替え終わって席に来る。体のラインが強調された黒のミニドレスで、なかなかセクシーである。 真奈美がここで外れる。
美由希:お待たせ。真奈美、何か言ってた?
延幸:いやなに、ここで働くホステスさんら について…
同伴はカラオケ・チケット付き、お店での持ち時間が90分であった。この日は普通のお喋りとカラオケで終了し、時間が来てまた美由希が出入口に出て、延幸を見送る。
延幸:じゃあ、またな。
延幸はまた美由希を強く抱き締めた後、手を振りその場を後にする。

数日後、延幸は美由希あてTELする。
延幸:またこの前と同じようにさあ、キミがお店終わった後、日曜の朝早く前行ったファミレス・フランで会えないかなあ?
美由希:うん、当日お店からまた電話するね。
当日TELがあり、延幸が先にまた入店後、早朝5時頃、美由希がやって来る。
美由希:大変お待たせ。今日も忙しかったわ。
延幸:今日は少しは時間取れるかい?
美由希:そうね、ただ午後からは息子とデートなんだ。
延幸:ええ? 息子はもう17の高校生だろう? もしかしてマザコンかい?
美由希:そんなんじゃないけど、前から約束してた事があって。
延幸:ったくどこまでホントか分かんねえよ。どこか別の男とデートとかってんじゃあないの?
美由希:またそんなこと言って… 今の私に、男なんかいないわ。
延幸:(少し合間を置いてから顔を上げ) チェッ、折角ちょっと散歩でもしてからラブホにでもしけ込もうとかって企んでいたのに… もうそろそろ、許してくれたっていい頃だろうに。
美由希:ゴメンね、きょう女の子の日なの。
延幸:ヘッ、どこまでホントかどうか。(延幸、欲求不満状態を全身に表す) キミは俺にとって、ホントに都合の悪い不憫(ふびん)な女だよ。
美由希:……
延幸:逆に俺はキミにとって大変都合のいい男だよ。指名もしてくれるしね。 それと突然思いつきで話してしまうけど、男って、個人差はあるとしても一般的に、衝動的・突発的な性欲に駆られ、女性の肉体を求めたがる動物。例えば、ミニスカートの女性を見た時や、夢枕に性的に女性が登場した時など、急上昇で異性を求める。セックス・アピールが強ければ強いほど… 一方、これに対して女性は、同じく個人差はあるだろうが一般的に、時間をかけてむしろ緩やかに上り詰めて行く方の動物と思う。 この点で、男女のタイミングのズレが生じるんだと思う。
美由希:急に何を言い出すの?
延幸:男は、悲しい事に心がなくても一時的な性処理で、その場を満足できるタイプが多い。しかし女性は、むしろ逆… 初めに相手をおもう心というモノが先行して存在しないと、どうやら行きつかない様子…? 但し、お金の為の半ば売春行為などは、この例外だろうけどね。
美由希:何で突如そんな話に? ノブさん、ちょっとハイテンションじゃない?
延幸:とにかく全てひっくるめて、男は女が、女は男が永遠の研究課題なのではなかろうか? だからこそ、お互いに引き合う…!?
美由希:うう~ん、確かにそうかもね。
延幸:それとキミはさっき息子とデートなんて言ってたけどさ。 最終的に、女性(母親)にとって一番可愛いのは、自分が産んだ自分自身の子供達だという事! 男なんて、夫であろうとなかろうと、二の次にされてしまうという事! 所詮、子孫繁栄の為の道具でしかないという事! ただの種付けやそれ以降の子育ての、極端な話がその為のある意味稼ぎ道具でしかないという事! その辺は俺もバツイチだから、ある程度わかるよ…
美由希:そんな… そんな事はないと思うよ!
延幸:その意味で、本当の意味で世の中を支配するのは、実は何を隠そう女性であるという事! そもそも出産をしない男性は、自分の躰で人類の存続にも関わる子孫を残す訳ではないから、この点でもはやどうやっても、女性には勝てない! 一般的に、出産時の地獄のような痛み・苦しみには、男はどうやっても耐えることが出来ないとも言われている。 明治・大正・昭和時代初期の頃に存在した男尊女卑から高度経済成長期を経てウーマン・リブという言葉が騒がれ、今は女性上位とまで囁かれている。
美由希:そんな……
また約1時間、その場で話したあと別れる。


(来店6) 辛抱

それから11日後、延幸単身でClub Gold 5度目の来店。この夜は美由希に他から指名がかからず、1時間ずっと美由希を独占。
美由希:3日前さあ、わたし体調崩してお店お休みしたんだ。この世界はさあ、休むと罰金あり! という所なんだ。
延幸:成る程、そういうものかね。
美由希:それとさあ、きのう米軍基地の外人さんが来て私が付いてさ。英会話、話せないけど単語並べてカタコトでやったらさ、少し通じて…
延幸:そうだよね。これからの時代は、特に英語ぐらいできないと、色々都合悪いかも…
美由希:何か話が通じて、ちょっと楽しかった、みたいな…
延幸:単語や身振り手振りだけでも意外とコミュニケーションとれたりするんだよな。俺も仕事でそういうこと、何回かあったし。
美由希:ねえ、ノブさん。突然だけど、これだけは信じてね。わたしカラダ売ったりとかの売春は、絶対やってないから。
延幸:いや、誰もそんな風に疑ってなんかいないよ。急にどうしたの?
美由希:いえただ、誤解のない様に、と思ってさ。
延幸:分かった。その辺は信じるよ。
美由希:それとさあ、話は全然変わるんだけれども、ワタシの昼間の仕事の直属の上司がさあ… とんでもない理不尽な人でさあ… 「人の振り見て我が振り直せ」で、駄目な例みて日々お勉強させていただいております。
美由希はこの夜、生理前でイライラしている様子もあり、会話内容がいつもと違って支離滅裂(しりめつれつ)であった。


(来店7) その後

半月後、延幸お店に6度目の来店。その日は土曜日で、美由希を指名はしたが、彼女に他から2度の指名がかかり、1セット一時間のあいだに彼女は2回中座する。
1回目、ヘルプで幸代と名乗るアラフォーのホステス、延幸の前に座る。
幸代:今晩は、幸代で~す、宜しく! 乾杯~
延幸:初めまして。
幸代:お兄さん、何回か来てるのを、ワタシ控えの所から見て知ってる。何か優しそうねえ。
延幸:うん、それはよく人から言われるね。根っからそうなんだ。でもSMのSかも…?
幸代:ええ? それほんと?
延幸:冗談だよ。むしろMだろうな。
幸代:やっぱり、そうかあ。
延幸:それと庶民的なんだ、俺。
幸代:ねえ、このお店には15人位のホステスがいるんだけど、お客さんの目から見て私達、印象どう? それと今だ、このキャバクラの世界って、世間から偏見の目で見られてると思うんだ。仕方ないのかも知れないけど…
延幸:偏見の目かあ? 俺はあんまりそんな風には思わないけどな。だってホステスによって色んなタイプの子がいる訳でしょう。いつか社会がこの種の仕事を認め、受け入れてくれる日がきっとやってくるよ! それと前にも言ったことあるんだけど、このお店には、まず熟女が多いね。なんかワケありの…? キミもそう?
幸代:初めてだからあまり言えないけど、勿論そうよ。
延幸:まあ、深くは聞かないよ。
幸代:バツ2で子供2人。おまけに首とか背中が悪くてさあ。CTスキャンやMRIも何度か経験したわ。
延幸:そうかあ… それと思うんだけどさ。キャバ嬢って、だんだん増えてきてない?
幸代:そうねえ。キャバレーって言ってた時代から更に進化したのが、いまのキャバクラかなあ。それだけ素人の女の子も増えたってこと。
延幸:そうだね。素人女性を求めてやって来る男性たち、つまり需要が増加し、同時にそれに答えて供給も増し、それで自動的にこの世界の女の子たちも増えてきてるって事なのかなあ…?
幸代:そうね。そしてまあ、ホステスに依(よ)りけりなんだけど、基本的にカラダ売ったりとかの売春じゃなく、あたし達お酒や会話や それからカラオケで気分良く歌ってもらったりして、日常のイヤなしがらみから解放してあげたりしてるだけなの。
ここで美由希、一回帰って来て延幸横に付いたが、またほどなく別席からの指名により再度中座。 ヘルプでレイナというホステス前方に付く。
レイナ:レイナでーす、初めまして、乾杯!
延幸:宜しく。
レイナ:わたし美由希ちゃんが羨ましいわ! なんかあなたみたいな良さそうな人がいつも指名してくれて。
延幸:でもキミだって、馴染みの客は何人かいるだろう? 案外、若くて可愛いいじゃん。
レイナ:まあ、そうだけど、でも特定の人っていないの。
延幸:それは今後また探していけばいいじゃないか。
レイナ:昔っから、男運が悪いんだあ。左薬指に男運が悪いって言われたほくろもあるの、ほらっ! そのせいか分からないけど、何回も男に捨てられた。スナックのホステスから始めてバーやキャバレーや、今のキャバクラだって何軒目だろう?
延幸:色々あった様だね。
レイナ:ほんと、今は最低…
延幸:でもきっと、今がドン底なら、もうこれ以上落ち込む事は絶対にないんだ! あとは上がっていくのみ! それに少々の努力を加えてやれば、急上昇するかもよ。
レイナ:だといいけどね。それに期待したいね。
この時、他の席からこのレイナに指名がかかり、入れ替わりで舞と名乗るホステスがやって来た。延幸は一瞬目を見張った! 目の前に現れた彼女は年齢を感じさせない若さと美貌を備えていた。そして堂々と見つめるその眼差しはとてもエロチックであり、延幸はゾクッとした。
舞:こんばんは。
延幸:ああ…
他愛もない日常会話を2,3言話したが、彼女の視線は延幸から逸れる事はない。営業スマイルなどというありきたりなものも、そこには存在しない… 延幸は彼女の「男をすべて知り尽くしている」かの様な瞳に怖ささえ感じた。
延幸:何かこれまでにキミみたいなタイプの女に巡り会ったことがないよ。
舞:初めまして。ようこそ。
下心はさておき、ミステリアスな彼女に延幸は興味を抱き、怖いもの見たさという名の好奇心に駆り立てられ、彼女をもっと知りたくなった。
延幸:たいへん失礼だが、キミの身の上話を少し聞いてもいいかな?
舞:ええ、答えられる範囲内であれば…
彼女は何の躊躇いもなく簡潔に語ってくれた。かなりの修羅場を潜り抜けてきた、女の強さなのだろうか?
彼女は最後に一言放った。
舞: 労 はあったけど 苦 はなかったわ。だから、同情する人もいるけど 苦労 はしてないの
軽く笑みを浮かべ、そう言った。 ズバリ! カッコイイ女?
延幸が次の言葉を言いかけた瞬間、非情にもチェンジタイムとなってしまった。
延幸は思わず、次回また是非「華麗なる男性遍歴」について彼女に尋ねてみたい衝動に駆られて止まなかった。

この夜は、美由希が戻ると同時に時間となった。
美由希:ねえ、時間だけど、どうする? 延長する?
延幸:いや、帰る。 なあ美由希… そろそろ許してくんないと、そんないつまでも下手な事してると、俺はそのうちどっかへ飛んでっちゃうぞ! キミはそれを引き戻す自信ありか !?
美由希:……
また出入口で2人は、きつく抱擁。延幸は前回同様、キスの体勢に入ろうとしたが、美由希はこれを拒否。
美由希:ダメなの。お店では、禁止!
延幸、そのまま去る。 徒歩にて夜風に当たりながら、延幸その夜関わった他の三人のホステスとの会話を連想する。特に、舞とのやり取りを… タバコを深く吸い込みながら……

[続・人生とは何か? へつづく]

(来店8) 三角関係 ?

6日後、延幸が営業の仕事でJR新宿駅西口構内を歩いていた その時、前方からこちら方向に何やら妖艶な女が近づいて来た。延幸は最初分からなかったのだが、側に来たときに驚いた! それは先日の舞であった。
延幸:キミは、この前の…
舞:あら、偶然ですね。 お仕事ですか?
延幸:ええ、そうです。ちょっと外回りで…
舞:お時間おありなら、少しだけ そこの喫茶でお茶でもします? 私、時間あるし。コーヒーぐらいなら奢りますよ。
延幸は返す言葉も無く これに従った。 喫茶店内にて
延幸:聞いた話によると、こうやって外で会うのはルール違反なのでは…?
舞:いいんですよ。見回したら、特に誰もいなかったから。
延幸:でも「壁に耳あり。障子に目あり」って言いますよ。それに他のホステスの指名客とこうやって個人的に会ってるのはマズいのでは…
舞:ええ。確かに。お店との雇用契約の時、書面にはないですが、暗黙の了解でそうなってますね。それもお店に依りますけど。
延幸:やっぱりマズいんじゃ…
舞:皆んなやってる事ですよ。ただのお茶ぐらい…
延幸:僕は その世界を あまりよく知らないので 何とも言えませんが。
舞:けっこう裏のある世界ですよ。醜いホステス間の人間関係とか。一方、経営者側は「来る者は拒まず。去る者は追わず」だし。
延幸:そうですか。僕みたいな素人には、その辺の深い実態は知る由もありませんが…
舞:私達は ある意味お店で女優を演じているだけなんです。舞台に立つコーラスガールと同じ… ホステスによっては、それに快感を見い出してる子もいる! でも逆に、現実から逃げ出せず、嫌々それを演じてる子もいる… それが実態ですよ。
延幸は、更にもっと突っ込んで舞に男性遍歴など聞きたかったが、そういう雰囲気にはならず、またその勇気もなく、30分で舞と別れて その場をあとにした。

後日 7度目の来店時、延幸は これまで通り美由希を指名はしたが、それでも店内の舞の存在がどうしても気になった。そして美由希は延幸の店内を見渡す仕草にイラついていた。そんな折、美由希に他から指名がかかり、彼女は外れて代わりに そのとき偶然に空いていた舞がヘルプに付いた。延幸は訳もなく焦りと緊張を感じていた。
舞:いらっしゃいませ。美由希さんが戻るまでね。
延幸:ああ、宜しく…
前回同様、また他愛もない世間話を少しだけしたが、延幸は導かれるように、何の躊躇いもなく、舞に自分の携帯番号とアドレスの入った名刺を差し出してしまった。

3日後、延幸の元に舞から挨拶の短い携帯通話、少し合間を置いて同じく短文の携帯メールが送信され、延幸は彼女の番号・アドレスを知ることとなる。
舞は、このメールの中で次のように述べた。
美由希さん…別に彼氏がいるのよ。昼の職場の同僚。その人が彼女のこと気になって、時々お店に来て他のホステスを指名しながら様子を窺っている…
これを読んだ延幸は、流石に驚きと動揺を隠せなかった。そして短期間ではあったが、これまでの美由希との経緯(いきさつ)を回想した。
そういえば、これまで美由希はキスすら許してくれた事もなかったし、延幸の心の何処かに彼女に対する不信感や疑問や不安が存在していたのは確かだった。
舞からのメール内容が、暫く延幸の頭の中から離れなかった。

一週間後、延幸は自分のイノシシ年の猪突猛進をもってして、美由希あて以下の惨いメールを送ってしまった。
もうママゴト遊びは止めにしよう。短い期間だったが、俺はどうやら都合のいい客として引っ張られていた様だね。この辺が限界かな… 俺はただ貢いでくれる相手として利用されそうになっただけ。弁解は聞きたくない。それがいわゆるキャバ嬢の手口なんだろう? いつかは抱ける! という期待を持たせつつ、ずっと引きずる手法ね。
ただ一つだけ忠告しておこう。人によっては、むしろ身体を開いた方が自分の稼ぎに結びついたりする場合もあるという事を! ああ、ヤッたからもういいヤ と離れていく男は確かに沢山いるけれど、逆に俺みたいに純情な奴で反対にのめり込むヤカラもいるんだって事を十分知っといた上で今後の仕事に役立てると良い。
美由希、頑張れよ! 陰ながら応援している。

美由希、2日後に これの返事をメール送信する。
メール読んだよ。弁解はするつもりなんてないよ。あのメールがあなたの感じたままというように理解します。ただ腑に落ちない点もあるのでメール書きます。
都合のいい客、貢ぐ客とありますが、それは一週間に最低1回3時間以上来店するお客様の事を指します。この業界では 太い客 と呼ぶ。従って 太い客 として あなたを引っ張ろうと思った事ありません。私自身があなたと居ると、ホステスではなく本当の自分に返れる時で、その心地良い時間を楽しんでいただけかも知れません。
一つあなたにも忠告。女は男達のように赴くままに行動したり考えたりの前に、必ず心!感情というものの方が大きく自分をコントロールしているということ…
その辺の男とは違う、この人なら って心通う気持ちがあっても… 男って…あなたって…
ノブさんが分からなくなる…… 人間ってキライ………
男と女は、良きも悪きもタイミングだと思う。もう少し理性 道徳 モラルある男性として意見して欲しかったな。少なくとも私には、ノブさんの事… そう感じていたから… 残念です…


(来店9) 葛藤

延幸は このメールを読んで、心の底から思い悩んだ。そんな矢先、舞から延幸あて携帯TELが入った。
舞:この前は変なメール送ってごめんなさい。
延幸:いや、いいんです。それより まあ、あなたにとってはどうでもいい事なんだけど、実は美由希と決裂しました。
舞:ええっ? 美由希さんと別れたんですか? 嘘でしょ~ どうして? びっくり! それって あなたの方から別れ話したんですか?
延幸:ええ、そうです。でもあなたのメールが原因ではないんですよ。と言うか、前々から何となく、こういう予感はあったので…。
舞:もうちょっと詳しく教えていただけませんか? 良かったら、明日の夕方でも お茶しませんか? 内容を知りたいわ!
延幸:済みませんが舞さん、暫らく僕を一人にしておいてもらえませんか… いろいろ自分で考えてみたいこともあるので。

後日、延幸は覚悟を決めて 美由希あて携帯TELを入れた。呼出音6回で美由希が出る。
美由希:はい…
延幸:キミに別に彼氏がいると、ある信用できる筋から聞いている。きっと多分、キミは一応付き合ってる彼氏というものがありながら、一方で俺に本当の自分に戻れるような癒しの空間を求めようとしたんだろうと思う。だからキミの言ってた事に丸っきり嘘があった訳ではなくほとんど本音だったんだろうと思うし、俺は決してそのまんま騙され利用され続けてきた訳ではないんだろうと思う。
美由希:えっ、私に彼氏がいるって? もう3年程前からオトコはいません。そんな情報、どこから仕入れてきたの? そんな事実はありません!
延幸:俺はちょうどキミと知り合い始めた頃から既に覚悟はしていた。そういうことだって十分にあり得るだろうと。キャバ嬢の世界って、悲しきかな そういう可能性もきっとあるんだろうな と。まあ、可哀想だからこれを公にするつもりもないし、せいぜいこれまで通り、男を食い物にして沢山稼ぐことだな。少なくともClub Goldでは人気キャバ嬢の様だし。ババアに成る前にな。
美由希:だからそんな事実はないって言ってるのに! その罵声 暴言 真実とは異なる内容。心が傷つき苦しいわ。私を蹴落とそうとしている誰か欲深い他のホステスの言葉? 私よりそっちを信じるのね。
延幸:………


(来店10) 結論

延幸は数日、考え込んでしまった。そして美由希あてメールを送信した。
ここ何日か、ずっとキミのことを考えていた。猪突猛進の俺は、周りに振り回されて、キミを凄く傷つけ、悩ませ、心に深い痛手を負わせた事と思う。
そして美由希、いま俺の思うことは、もう一回キミを信じてみたい! と思うのである。
キミの身体はいらない。キミの心だけほしい。全く下心などない。ただキミと分かり合えるなら、それでいい。
美由希はこれに直ぐ返信した。
けど私 思うけど、ノブさん あなたは与える愛ではなくて 与えられる愛を求めているんだね。自分の真意をただ通してるだけみたい。
延幸、これに直ぐさま返信。
そう言われると どうなんだろう? 十分愛は与えてきたと思うのだが、その戻りが足りなかった様な気がする。俺が我が儘だったのかな? GIVE & TAKE の TAKE の方に飢えていたんだろうな…
それと、キミがかつて言っていた「お互い正直に本音をぶつけようね。嘘はイヤ」という意向に基づいて、どうかこれからも宜しくね!!

数日後、舞が突如お店から姿を晦(くら)まし、行方不明となってしまった。この理由については、誰一人として、知る由もなかった。永遠の謎であった。


(来店11) 好転

その後、延幸と美由希は何事も無かった様に、携帯通話やメールのやり取りで以前の状態へと徐々に仲を取り戻していった。
そしてそれから半月後、延幸 再度美由希にデートを申し込む。彼女あてのTELにて、
延幸:今度の日曜午後3時、代々木公園で会いたい。キミは日曜日、何も仕事ないだろう? 嫌と言わせないぞ。
美由希:う~ん、ホントは見つかったらヤバいんだけど、もう知り合って長いし、じゃあ~一回だけね。内緒でだよ。
日曜当日、二人で同公園内を散策した後、一緒にベンチに座る。2人とも何も言わない。延幸、優しく左手で美由希の肩を抱く。
美由希:ありがとう、優しいのね。
延幸:皆んなそれぞれに悩みを抱えて生きているんだ。キミも、僕も…
美由希:そうね。
延幸:人生において最も大切な事は、物事に対して問題意識を持つこと、向上心を持つこと、人を思い遣る心を忘れないこと、と思うんだ。
美由希:そうだよね。
延幸:それと、人から好かれ愛され、世間と関わっていける人生と、「あいつは駄目! 何を言っても無駄だ」と人に無視され相手にされない人生と、どっちがいいか言うまでもないね。

二人で近くの居酒屋へ入る。共にジョッキ・ビールを飲む。ツマミが少々。
延幸:言ってみれば、キミと俺を引き合わせてくれた友人・貴志に感謝だな。あいつには恩の字だよ。
美由希:でも私がこの夜の仕事してる限りは、公には会えないわよ。
延幸:この前は、あんなこと言ってしまったけど、それはもとより承知の上。男女間は、その始まりだけ、価値があるんだよ…

居酒屋を出て、二人は少しだけ酔った状態で路地裏のラブ・ホテル方向へ…
ホテル前で、美由希 恥じらいを見せて立ち止まる。
延幸:なあ、いいだろう… やっぱりキミのこと大好きだ! 愛してる !! 本気でキミのこと、抱きたい !!
美由希:ええ?… でも……
延幸、美由希の右手首を引っ張り、中へと誘導する。美由希 そのまま入ってしまう。
部屋内にて、入口ドアを入ってすぐの所で、延幸、美由希を強く抱き寄せ、そのあとDeep Kiss… 思い切り舌を絡ませる。 そして暫らくの間、ずっとKissを… それから延幸、キスしたまま美由希のカーディガンからスカートへと、服を一枚一枚脱がせる。自分も同時に脱いでゆき、やがて二人とも裸になる。そして延幸、初めて美由希を抱く!

(来店12) 迷い

その後、数回に渡り、延幸は美由希を抱くこととなる。
だが延幸の心の中に、一つの疑問が生じた。2度目以降、美由希は行為が終わったあと暗い表情をする。4回目に抱いたあと、延幸は思い切って美由希に切り出してみた。
延幸:俺の思い違いかもしれないけど、キミは何か性交渉に対するトラウマのようなものでもあるのかい?
美由希は、しばらく間をおいて話し始めた。
美由希:ノブさん… 実は私、バージン喪失がレイプだったんだ……
延幸は一瞬 躊躇ったが、おおむねを察した。
美由希:あたし… あれ以来、いつもこういう心理状態に陥ってしまうの……
延幸:…
美由希:だからゴメンね。
延幸は暫し何も言えなかったが、しばらくして口を開いた。
延幸:忘れろ! というには余りに非情で酷かも知れないが、もし俺に出来るのなら、キミのその傷を癒してあげたいと思う。
美由希:あなただから告白するけど、そのとき私18歳だったんだけど、それ以来グレてしまってね。悪い仲間とツルんで、その遣られた男 捜して突き止めて、別の男に協力してもらって、そいつを半殺しの目に合わせて思いっ切り仕返ししてヤったりした事もあったんだ… 実は……
延幸:ああ… そうなのか… そんなことまで… あったか…… 話してくれて、ほんとありがとう。俺は今後もずっとキミの力になってあげたい。
美由希:ありがと… やっぱりあなたって、優しいのね。
延幸、場の空気を変えるため こう言った。
延幸:キミはさあ、うまくは伝えられないけど 男から見て凄く魅力的だし、いつの日か全部忘れてしまおうよ。俺の手で救ってあげたいよ! ほかでもない、俺はキミの協力者だ! 味方だ!!
美由希、少し微笑みながら
美由希:ホントありがとう。わたし、ノブさんを信じてみるわ。
延幸:そうか、ありがとう。それとこれからも、お互い何ごとも包み隠さず、本音で付き合っていこうね。
美由希:わかった。


(来店13) どんでん返し

二週間後、延幸Club Gold 8度目の来店。この夜は、延幸気まぐれで美由希と真奈美をダブル指名する。
真奈美:わたしも指名してくれてありがとう!
美由希:今宵は3人で楽しくやりましょうよ。
延幸:そうだね。何かいい話ある?
美由希:実はいい話じゃなくて悪い話だったらあるんだけど… わたし悩んでるんだ。
真奈美:どうかしたの? 美由希ちゃん…
延幸:なんかあった?
美由希:別れた旦那、復縁しようって最近うるさいの。私じゃあなくって息子の方に未練があるのよ。
延幸:……
美由希:ノブさん、できたら私の男になって、あの人を撃退してくんないかなあ? 俺の女に近づくな! とか言ってさあ…
真奈美:それだったら私もその場に立ち会おうか? 男2人、女も2人いた方が心強いじゃん。美由希に協力するよ!

8日後、4人で中央区のお好み焼き屋にいる。美由希の元夫の名は、山崎道夫という。
延幸:山崎さん、美由希さんはあなたとの復縁は嫌がっています。僕はいま、彼女と付き合っている状態です。諦めて頂けませんか?
山崎道夫:私は今、フリーの売れないライターの身ですが、今だ美由希と息子を愛してます。 離婚したこと、後悔してます。
美由希:わたしは絶対イヤだからね。
真奈美:山崎さん、身を引いた方がいいんじゃないですか…
延幸:では山崎さん、復縁されたい その辺の具体的な理由は何なんですか?
山崎:いま言ったように、二人とも未だ愛してますし、それに今回書いた記事のようなモノがまとまったお金になりそうなんです。だから金銭面でも大丈夫かと…
延幸:でもそれは、もう決定した内容の話なんですか?
山崎:いや、まだそうではないんですけど十分に見込みはあります。
延幸:それだけじゃ、ちょっと… 山崎さん、私はまだ美由希さんの息子さんには会ったことありませんが、彼女のこと本当に愛しています。
山崎:それじゃあ、あなたは息子のことも含めて面倒を見る、結婚をするつもりなんですか?
延幸:いつになるか分かりませんが、将来的にはそうするつもりです。
山崎:でも私は、美由希と息子の両方とも愛している… あなた以上ではありませんか?
延幸:……
山崎:……
延幸:そうは言われても、当の本人の美由希さん自身が、こうやって嫌がっているではありませんか。山崎さん、この辺はどうですか?
山崎:いや、美由希は表向き、そうは言っているけど、本心は違うと思いますよ。彼女の心の声は、きっとまだ、私を求めている筈です。
延幸:どうしてそんなことが言えますか? 美由希さんのコメントの通りではありませんか!
山崎:……
延幸:山崎さん、じゃあこうしましょう。言うまでもないことですが、どうするかは ほかでもない、美由希さん本人自身の意思に任せる!! という事で… それで宜しいですよね。異議はありませんよね。

均等の立場のフリを装う為、美由希と真奈美を残して、延幸は山崎と一緒にタクシーに乗り込み、互いに帰路につく。 タクシー内 後部座席にて、
山崎:延幸さんとおっしゃいましたよね。あなた、お仕事は…?
延幸:ええ、某会社で営業の係長をしています。詳しくは営業1課の主軸となる販売部門を任されています。
山崎:そうですか。彼女は間違いなく、あなたを選ぶでしょう。 なぜなら、あなたの方が条件がいいから………

延幸は後日、この山崎とのタクシー内での会話の遣り取りについては一切、美由希には話さなかった。


(来店14) 最終結末

約一ヶ月後、美由希は延幸の住んでいるアパートで半同棲状態に至る。美由希の息子と、勿論、Club Goldにも、極秘・内緒で……
2人は、人生の幸福を実感し始めていた。
延幸:美由希、週一ぐらいで俺んとこ来てくれよ。
美由希:うん、できるだけ努力するね。
延幸:当分の間、このまま二人共いまの仕事を継続していこう。
美由希:そうだね。それがいいね。最低、週一回会えれば幸せだし…
延幸:特に夜のお店にはバレない様に… キミみたいなタイプの女は、きっと男ウケするんだろうし。性格穏やかで話し易いし、それに接客も上手だし。ブスでもないし、どちらかというと性格美人?


半年後、延幸の勤務する文房具取扱会社が、東日本大震災の発生に起因し、大手(株)新川に吸収合併となる話が持ち上がる。延幸は係長であったにも関わらず、リストラを促される。
そして直属の安田営業部長から、次の内容の申し渡しを受ける。
安田部長:高橋くん… こうなってしまった以上、私としてもどうする事もできない。誠に残念だが、専務の方も、キミの退職金を大きく上乗せするから、本当にお疲れ様、とのお達しだ……
延幸:私は新会社でも、これまで以上に頑張っていきたい意欲で満々です。 部長! 何とかなりませんか?
安田部長:申し訳ない……
延幸は無職となってしまった…

一方、美由希は延幸との半同棲が最終的にClub Goldに発覚してしまい、即解雇された。いきさつは、こうである。
35歳の、熟女というには比較的若い年齢の新人ホステス 陽子 が新入りし、たまたま美由希がその指導に当たることとなった。
陽子:先輩! ヨロシクお願いします。
美由希:こちらこそね。
陽子は一見、明るく人懐っこいタイプの女性だったが、反面穏やかに接してくれた美由希に対し、反逆精神をもった。自分が持ち合わせていない、美由希の男性からのウケの良さや会話のしなやかさに、むしろ嫉妬心さえ感じていた。
陽子、客待ち待機カウンターにて正面にいた副店長にひそひそ話をした。
陽子:あの… 美由希さんが言ってたんですけど、どうやらあの人、ここに来ていたお客さんと同棲してるらしいですよ。
翌日夜、美由希は店長から事情聴取された。
店長:美由希、キミがお客様と暮らしてるっていう噂があるんだが本当か?
美由希:そんなことはありません。事実無根です。
だが時の経過と共に、必然的に事実は明らかとなり、美由希は解雇となった。
しかし彼女の方は、昼間帯の派遣契約会社はそのまま継続した。

延幸:俺達、この先どうなるんだろうな?…
美由希:さあ…? なるようになるでしょう……


4ヵ月後、二人は自然の成り行きで徐々に遠ざかり、やがて音信不通となり消滅していった………


それから2ヵ月後、美由希は延幸に次の内容のメールを送った。
ノブさんは真っ直ぐで人間味のある良い男だから、きっと素敵な女性と巡り会えるよ。心配ないよ…
延幸これに対して次のメールを返した。
キミからメールを貰ったあと一晩考えてみてやっと分かった。この2ヶ月間ほど、何だか心にポッカリと穴が空いたようだった。キミを失うということが、これほどショック・打撃の大きい事とは正直思わなかった。
もしかしたら俺達は、もはや運命共同体ではないのか? 勿論そこにはキミの気持ちがあってこそ初めて言えることだが…
もうどうやっても離れられない、逃れられない言わば宿命・さだめにあるのではないだろうか?
キミはどうだった? この間、少しはショックだったかい?
もう一回だけ、一からやり直さないか? 全て忘れて…
俺は今一度、初心に返ってキミのこと愛し直すし、キミの方も願わくばそうあってほしい!
生きてると、恐らくその時々で色んな波がやって来る。今回はその一つだったと思う。
でもそれらの局面を乗り越えて行けるなら、そんな素晴らしいことはない!
繰り返す! 今一度やり直そう! キミの気持ちはどうかな?

美由希、これに対して次のメールを返す。
ノブさん、急にそんなこと言われても… 暫らくの間…… 考えさせて…

延幸、これに返信。
ならば俺はキミを遠くで見つめる神となろう。 迷った時、悩んだ時、人生に困った時は、いつでも遠慮なく相談してこい。


二週間後、美由希からのメール着信メロディーが鳴り響いた。
延幸は、高ぶる気持ちと、後悔のない自分を確信したあと、携帯メールの扉を開いた。










あとがき


この作品の執筆終了に当たり、次のことを申し述べておきたい。
作品冒頭においても唱った通り、本作は現役キャバクラホステス達の全面的な協力がなければ、その完成があり得なかった。
対象とした特定のクラブ名を出す訳にはいかないが、そのお店で私が指名していた某アラフォーのホステスとその周りにいた他のホステス数名ならびに同店の店長をはじめとする男性スタッフたちに、心より感謝の意を表したい。
さて最終部分、携帯メールの扉を開き、美由希の回答はいかに? YESであったのかNOであったのか?、解釈は大きく二つに分かれると思われる。もちろん読者によって、その判断が異なることは言うまでもない。プラス思考の人もいればマイナス思考の人もいる。おそらくロマンチストの人は前者であり、リアリストの人は後者であるのだろう。
自分は常にニュートラル(中立)の立場を保持したい。否定もしなければ肯定もしない。読者自身の見解に任せたいと願う。
ところで、私はこれでこのキャバクラの世界を極め尽くし、一通り知り得たとは全く思わない。お客サイドには到底解らない、ホステスやその関係者だけが知っている何か?があるのだろう。それは真実であったり事実であったり実態であったりもするであろう。
興味のある男性諸君! もっともっと深く掘り下げて、追究してみては……?!!

2012年8月吉日
谷 栄光
アマチュア作家からプロへ!
谷 栄光

全国に、作家志願者というのは、きっと五万と存在するであろう。
まずは、この様な形の無料ブログや同じく無料のパソコン・ケータイ小説サイトなりへの投稿掲載から入っていくのが今の通常である。
いきなり無名のアマチュア作家に出版社等から声がかかる訳もない。どうしても手持ちの作品を書籍化したい人は、最初は自費出版の形を取らざるを得ない。と言っても、自費で出版するには、販売ルートの幅や発行部数も含めて多かれ少なかれ、それ相当の費用がかかるというのが現状である。言うまでもなく費用のない人には出来ない。
他の手段として、公募(作品コンテストなどへの応募、賞金なども有り)という方法もある。公募ガイド社が毎月9日に発売する「月刊公募ガイド」なりの雑誌も存在する。
その他、極端な話が、直木賞や芥川賞を受賞するしかない。

いずれにせよ、未だ売れない無名の駆け出しアマチュア作家がプロに成っていく過程は、それこそ容易な事ではない…。





AKB48第4回選抜総選挙
谷 栄光

これは一個人の見解である。
この総選挙は、もはや国民的行事となりつつある。一種の社会現象でもある。
今夜、日本武道館にて行われた。
メンバーが各々この一年間どう頑張ってきたか? を問われるドラマとも言える。
先だって、前回1位の前田敦子が卒業を表明した。彼女も見守る中で、今回実施された。
手に汗握る! 緊張感が高まる…! 若手が頭角を表してきている。だが、そう簡単に新しい風に世代交代されても困る。後輩に、直ぐさま席を譲る訳にも中々いかない。
場は たいへんリアルである。泣き崩れる者、微笑む者、見方によっては非常に残酷でもある。
選抜メンバー16人の発表から、TV放送が生中継へと変わった。そして108,837票獲得で、大差をつけて第1位に輝いたのは大島優子であった。彼女が、その出演するCMで呟く。「ライバルがいるからこそ、いまの自分がある!」と。
すなわち彼女らは、共にライバルであり、かつ良き友でもあるのである。つまりは一つのチームとして躍動しなければならない。だが頼れるのは己れ自身… 最終的に、みな孤独である。
今後の日本を背負っていく、特に若い世代の人達! このドラマから何かを気付かされ、学ばされるように願う…。





Idea
谷 栄光

1、10年程前に大ヒットした携帯小説で、'Deep Love' by Yoshi という作品がある。
取扱いの題材は、強姦、売春(援助交際)、自殺、拷問、殺人である。
『アユの物語』~2005年 映画化!
『ホスト』、『レイナの運命』、『パオの物語』と4作シリーズとなっている。
その中から学んだフレーズを、思い付いたまま順不同で以下に羅列しよう。
金… 金… 金… 金のためなら、心をも捨てる…
再度、「人間とは何か?」「人生とは何か?」という疑問に立ち戻る。これは死ぬま
で解らない、いや死んでも解らない!
ホームレスの言葉:恥ずかしかった。金や地位、名誉のためにウソをついた自分が…
人が二番目に辛い事、それはきっと後悔にちがいない。決してやり直せない大きな十
字架を背負うこと…。
希望があるために人は迷う。夢など見なければ叶わないことで苦しむこともない。
絶望から、自分を傷つけることでしか生きていけない…
主人公の生き方~ただ黙って成り行きを見る。
主人公の周りに小鳥たちが自然と集まる⇒'Close to you' by Carpenters そんな不思
議な魅力をもつ人間になりたい!
ホスト通いする女⇨「夢、見させてもらえるなら…」
ワン・クッション置く! という生き方.
そう、人には2つのものが与えられた。悲しみと喜び。
指をくわえているよりはマシだと思った。
どうしようもない理由(わけ)
海よりも深い愛
"Simple is the best!!" とそう思う。
まるで女神のような心。
~いや、現代を生きる迷える人々すべてを救い出してくれる……。
「誰かがいじめられている間は、自分はいじめられない」
閉じこもっていてはいけないと…
沖縄の空…
自分をこの世に送りだしてくれた。その事だけは、感謝しなければいけないのか
もしれない。
自分を売ることで… 何かがわかると…。
どんなにつらく悲しいことがあっても… 決して、下を見て歩いてはいけない…。
愛 があれば救われる…
「あの笑顔があれば大丈夫だよ」⇒微笑み?

そして著者Yoshiは、自らのその著作 あとがき において こう訴えている。
「自分を見つめなおすキッカケ」
「夢を叶えることのすばらしさを伝えていきたい」 と


2、NTT docomo が しゃべってコンシェル を発表した。
標題が ワタシは、あなたの声で 魔法のランプになります。 である。

新聞によると、
こんなに近い距離で、いつも一緒にいるのだから。
ワタシとあなたの間で、もう「入力」や「キー操作」なんて水くさいと思うのです。
知りたいこと、したいこと、そのまま声に出してください。
はじめて行く町の地図、夕飯のレシピ…すぐにお調べいたします。
ひと声かけるだけで、メールやカメラもすぐ起動しますよ。
なんてことない世間話だって、お付き合いします。
ちょっと大げさですが、あなたにとって
アラジンの魔法のランプみたいな存在に、なりたいのです。
(中略)
あなたの笑顔を、いちばん近くで、もっともっと見たいから。

だそうである。





Women are more than men.
谷 栄光

1、Body
男は、個人差はあるとしても一般的に、衝動的・突発的な性欲に駆られ、女性の肉体を求める動物である。例えば、ミニスカートの女性を見た時や、夢枕に性的に女性が登場した時など、急上昇で異性を求める。セックス・アピールが強ければ強いほど…
一方、これに対して女性は、同じく個人差はあるだろうが一般的に、時間をかけてむしろ緩やかに上り詰めて行く方の動物である。
この点で、男女のタイミングのズレが生じるのが、日常言われているところである。
これ以上は言わない。
2、Soul or Heart
男は、悲しい事に心がなくても一時的な性処理で、その場を満足できるタイプが多い。
しかし女性は、むしろ逆… 初めに相手をおもう心というモノが先行して存在しないと、どうやら行きつかない様である。(但し、お金の為の半ば売春行為などは、この例外である)

全てひっくるめて、男性は女性が、女性は男性が永遠の研究課題なのではなかろうか?
だからこそ、お互いに引き合う…!?
3、Others
最終的に、女性(母親)にとって一番可愛いのは、自分が産んだ自分自身の子供達だという事!
男なんて、夫であろうとなかろうと、二の次にされてしまうという事! 所詮、子孫繁栄の為の道具でしかないという事! ただの種付けやそれ以降の子育ての、極端な話がその為のある意味稼ぎ道具でしかないという事!
バツ2の私には、その辺はある程度よく分かる。
その意味で、本当の意味で世の中を支配するのは、実は何を隠そう女性であるという事!
そもそも出産をしない男性は、自分の躰で人類の存続にも関わる子孫を残す訳ではないから、この点でもはやどうやっても、女性には勝てない!
一般的に、出産時の地獄のような痛み・苦しみには、男はどうやっても耐えることが出来ないとも言われている。
明治・大正・昭和時代初期の頃に存在した男尊女卑から高度経済成長期を経てウーマン・リブという言葉が騒がれ、今は女性上位とまで囁かれている。





大江戸温泉物語
谷 栄光

東京 お台場周辺に、格好の保養リゾート地が存在する。その名は 大江戸温泉物語!
〒135-0064 東京都江東区青海2丁目6番3号 所在 (TEL代表) 03-5500-1126
ゆりかもめ で テレコムセンター駅 南口より徒歩3分ぐらいの所に位置する。
月一回のメンテナンス日のみ23時にクローズし、その他は年中無休で朝9:00~11:00の2時間のみ閉鎖となる。
大浴場や客室や仮眠室などがあり、数店のテナント店舗が入っている。風呂上がりに浴衣姿で、午前11時から翌朝9時まで自由にくつろげる空間である。
店舗は、居酒屋に近い形でお客に飲食を提供する。ラストオーダーは深夜3時である。
お祭り広場形式にもなっており、一晩中 朝食開始時間の6時まで飲んで騒げる絶好の場である。価格もリーゾナブルになっている。
日常のストレスを発散するのに、もってこい の温泉である。連日、世代を問わず多くの人々が利用している様子である。合わせてマイクロバス送迎なども行っている。
皆様、是非一度、行ってみられたし…!!







TBS 3夜連続ドラマ 『ブラックボード』 ~時代と戦った教師たち~
第1夜~軍国主義[未来]
第2夜~校内暴力[生きろ]
第3夜~学級崩壊[夢]
本日は第2夜となる。
私の目から見て、この作品は是非、特にこれからの時代を担う若い世代には絶対観て欲しいと確信する!
今後の学校教育という視点において、教師のあるべき姿や指針が、見事に描かれていると痛感するのである。
2012年4月6日(金)
横須賀
谷 栄光




題名のないコメント
谷 栄光

いま思い付くことを書いてみようと思う。

この春先からテレビでは、人が忘れかけている かつての日本の古き良き精神を備えたドラマやアニメ作品が復活してきているようである。プロ野球開幕に合わせて、あの不朽の名作ど根性漫画『巨人の星』、それから若者の新しい生き方を唱えた カースケこと中村雅俊 演じる『俺たちの旅』、また現在も引き続き放映されているテレビ朝日の人気刑事もの『相棒』の初期版、佐々木蔵之介 演じるTBSの同じく刑事もの『ハンチョウ』、最近のものでは松嶋菜々子主演の『家政婦のミタ』などがそうである。

現在、科学者たちが必死になって研究している地震発生のメカニズムがある。近日のマスコミ報道では、「南海トラフ」と総称して日本列島に再度巨大地震が来る可能性が大!と立証もされている。
悲しい現実だが、我々は明日一日生きていられるという保障はどこにもない。自然の偉大な力 マグニチュードや大津波には 正直どうやっても勝てない…
いま出来ることは、その日その日を悔いのないように力一杯生きることでは……






ハケンいじめ
谷 栄光

某レストランで勤務した時の話である。
そこへは4度目のハケンであった。人手不足につき、ハケンはやたらイジメにも近い様な文句を言われ、時間目一杯こき使われる。派遣を要請する側のお店としても、高い時給を支払う上で応援要請している訳だから、いわば当然のことである。これが現状である。

ある日、勤務を終了し下がる際に「では失礼します。また宜しくお願い致します」と挨拶したところ、スタッフの一員から次のように言われた。「また はもうないよ! おまえ今日の自分に点数を付けるとしたら何点だ!?」
意外な質問に驚いたが以前からその方の体質に気付いていたので、自分では80点位と思ったのだが、そこは控え目に「前回よりはできたと思いますが、60点です」と答えると「それでは時給の60%分しか払えないな。お前なんか、もう二度と来るな!」と言われた。
この発言に対して私は正論をぶつけた。「時給の60%なんてそれはちょっと… もし私が使えない! と本当に思われるのでしたら、派遣会社を通じて『あいつは要らない! もう二度と寄こさないでくれ!』等の苦情なり何なり申し出て下さい。私は一向に構いませんよ」と。
その日、派遣者4名の代表を任されていた私は、通常通りこの出来事を派遣会社あて一通りありのままを報告した。

ハケンという仕事は大変厄介なものである。もちろん行き先によりけりだが、一般的に正スタッフ達の日頃の仕事上のストレスやうっぷんのはけ口とならなければならない役割も担っている……




『僕の半分』
谷 栄光

SMAPの最新ヒット曲である。スローなバラードで人気を集めている。あの、いま大変注目されている 斉藤和義 作詞・作曲・編曲 の作品である。
まず中居正広の「今の僕は半分」の囁きから始まる。続いて草彅剛の「ルールのない自由なんて悲しすぎる」のひと声。香取慎吾の少年の描写へと切り替わる。
ニ題目冒頭で稲垣吾郎がタイトルの「あなたは僕の半分」を呟く。そして木村拓哉の甘い美声で再度情景描写が行われる。
最後に皆の合唱で「いつの日か二人でこの道を行く」とのこの曲の最大のテーマ(主題)で結ばれる素晴らしい楽曲である。

先日、SMAP&明石家さんまのバラエティー番組をTVで見た。締めくくりでこの曲が熱唱された。明石家さんまが言った。「この曲ほんといい曲やでえ! 最後のところが…」そのあと曲を聴きながら、あのさんまが真剣な表情で目に涙を浮かべていた。

早速DVDを購入した。いま重要なカラオケレパートリーの一つとなりつつある。





日々、雑感…
谷 栄光

この世には未解決という名の地獄がある。たった一度の人生において、人はどう生きたら本当の意味での幸せを得ることができるのだろうか?
これはきっと死ぬまで解らない。いや、死んでも解らない。
例えば金銭的に満たされていて、何ら不自由なく安定した人生を送れればそれでいいのだろうか? 自分はそうは思わない。
東日本大震災の発生も含め、今の世は別名 平成地獄 とも言われている。太平洋戦争の時は別として、その後の日本の高度経済成長期からバブルの崩壊までの頃とは全く違う。

我々は、今後をどう生きるべきなのか??




雑念…
谷 栄光

1、明日は「節分の日」である。自分より10歳は若い世代、いわゆる新人類と称すが、彼らは「鬼は外、福は内」ではなく「鬼は内、福は外」と明言する。なぜか? この言葉の裏には深い意味が隠されていると想うのだが…? この言葉の意味するところをどう解釈するか? 読者自身の見解に期待したい! (ヒント:価値観の多様化…)
2、「人事を尽くして天命を待つ」から「果報は寝て待て」へと皆さま、一歩飛躍して頂きたい!
3、「雨降って地固まる」とか「失敗は成功の基なり」とか「災い転じて福と成す」という言い回しからの教訓もあり!
4、若い世代の人達へ特に~~昔の武将、月に向かって曰く「我に七難八苦を与えたまえ」と。 これぞ人間修行と思われる。人生は教訓に満ち溢れている。特に若いうちは「人生において 決して安全な株を買ってはならない!」と……
5、よく、外部との積極的な関わり合いの中で、一日を振り返って人は言う。「あゝ、今日は無駄な一日だった。身になるモノが無かった…」と。しかし本当にそうだろうか?一見そう感じられても、実はその中から将来に向け何かしら得ているものがあるのでは?
「世の中に、決して無駄なものなんてないんだよ~」と言ってくれる人もいる。これがいわゆるプラス思考である。全て含んで(有意義な一日)とのとらえ方でいいのでは…
6、この世には、「信じられる人」と「信じられない人」の極端に分けてふた通りの人間が存在するものと認められる。要は外部との接触において、それを見分ける眼力を養う事である。
7、周囲からの貴重なアドバイスを大切にせよ。だがしかし、最終的状況判断の決定権は他でもない自分自身にある。なぜなら自分の人生だから… すべては心の決めたままに…
8、こと人生において最も重要視されるもの、それは、もちろん実力、その時のタイミング(勝負は時の運 とも言われる)、もう一つが人脈(悪く言えばコネ、然るべく然るべきして例えばそれ相当の地位や財産や身分のある顔のきく実力者に見初められたりして浮かび上がること) この3つが上手く融合して作用してこそ、初めて人生の成功者になれるということ!
9、また翻すようだが、その人の持って生まれた運勢というのもある。だが、ある人によると、「人の運命は変えられる!」、「DNA(遺伝子)の10%までは変えられる」そうだ。
10、それと人生において最も大切なのは、物事に対し問題意識を常に持つこと、向上心を忘れないこと、いつの時もハングリー精神を持ち続けること。 以上3点であると思われる。





平成を働く…という事とは?
谷 栄光

引き続きハケンを通じて某披露宴会場で勤務した。
その日は新郎新婦とも、Wedding,Bridal関係のプロ! いつも以上に気を張った。
ゲストも当然リゾートホテル関係のプロ… そんな中で重要視されるA卓を受け持った。
A卓は新郎の友人グループ男性5名でホテルスタッフの同僚である。婚礼フルコース料理の出し方、接客マナーなど全て見られている覚悟で仕事に当たった。
アルコールも入って程良い雰囲気になってきた頃を見計らって、同卓の一番近く居た男性に声を掛けた。たまたまの偶然で一ヶ月半後にそのホテルへの宿泊予約手続き中であったことから、その事を話すと、グループ全員で「是非お待ちしてます」と返された。おかげで場が更に盛り上がり、和やかなムードとなった。

披露宴も無事お開きとなり、今度は一気に切り替えて後片付けから次回の設営まで行った。賄い食無し、水分も満足に補給出来ない。当然タバコなど喫う暇もない。

翌日この出来事を友人女性に話すと、次のように言われた。
「栄光さん、お金を稼ぐってこういうこと… お給料じゃなくって我慢料って言う人もいるみたいだよ」と……






第二弾 『保佐人解除の答申書』 の発売開始 について

1、発売開始日
2012年2月1日より発売開始!
2、販売書店等
(1) 神奈川県茅ヶ崎市所在~長谷川書店
(2) 神奈川県平塚市所在~サクラ書店
(3) 神奈川県小田原市所在~伊勢治書店
(4) 一部、Amazon等のインターネット販売
3、著書
四六判、74頁、定価 840円(消費税込)、著者・谷 栄光
神奈川県藤沢市所在~株式会社 湘南社 発行
4、お問合せ先
〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸3丁目24番10号 108
株式会社 湘南社 代表取締役 田中康俊 様
TEL 0466-26-0068 FAX 0466-47-7168 URL http://www.shonansya.com
E-mail:info@shonansya.com
5、作品内容
民法上の実際に執り行われた、保佐人解除に纏わる家庭裁判所に於いての民事訴訟の遣り取りの実話を、特定の知人宛て徹底取材し記録したノンフィクションです。
興味のある方は、是非ご覧ください。

2012年2月吉日
横須賀
谷 栄光
ハケンの辛さ…
谷 栄光

そもそも時代の流れによって派遣会社というシステムが確立された当初は、ある一定期間、例えば三ヶ月なり半年なり一年間契約にて同一の職場へと出向き、一定期間働くというのが主流であった。
ところが最近、職種にもよるが、東日本大震災の発生にも起因し、これらのシステムが大きく変動しつつある傾向にある。類似の職種の勤務先へ、日毎に「今日はあっちへ行って! 明日はこっちに行って! 来週はここ!」という風にである。
派遣社員たちは奔放発初演の場所で、最初からそうそう上手く仕事をこなせる筈もない。彼らはこの点で専ら苦労を強いられる。
逆らったり反論したりすれば、その場所には二度と呼んではもらえないだろうし、何よりも大元の派遣会社自体に多大な迷惑を及ぼす事にもなり兼ねない。

全て引っくるめて、時代の流れ_というものだろうか?





癒やしの空間
谷 栄光

このたびは手記の様なものである。

ハケンを通じて、相模湾に面した某マリンリゾートホテル内のレストランで初めて勤務した。例によりその場所のやり方を覚えるのに苦労し、メモ帳に盛んに走り書きでメモを取ったりもした。主体は夜の部のレストラン宴会であった。ビュッフェスタイルの50人位の二時間宴席であった。
その日は大変天候も良く、空気も澄んで見晴らし絶好の日であり、遠方に富士山も見えた。
聞いた話によると、森繁久彌さんが創設者であり、日産グループ関連のホテルの様であった。
スタッフたちは皆、低姿勢で優しさと穏やかさを備えており、都会から解放された雰囲気を味わえる印象だった。家族的でアットホームな感じの様子を醸し出す、従業員間の職場であった。
調理長は、厨房では勿論真剣勝負だが、我々スタッフに昼食・夜食共こさえてくれる大変面倒見の良い、思いやりのある、人間味のある方だった。

我々ハケンの仕事内容は、勿論ハードではあったが、それでも何だかやり甲斐を感じた職場であった。また行ければと思う。

私有車両を所持していない私は、いつも電車・バスの通勤である。東京湾側と相模湾側で、直線距離は割と近いのであるが、交通機関のアクセスが今一つ整備されていないこともあって、この派遣の仕事に就く前までは殆んど未知の一帯であった。
主に、湘南海岸沿いの海を眺めながらのドライブコースで、そのついでにMorningかLunchかDinnerで立ち寄るお客様の多いホテルレストランであった。
またマリンスポーツをやる人、小型船舶の免許を所持して船やヨットをする人達の集まる場所でもあった。

22時に仕事を終えてバスで帰宅の際に、同じく厨房の調理人と一緒になった。互いに、疲労もあって会話の口数は少なかったが、聞いてみると青森県出身で、長崎など全国各地を、厨房の調理一本で渡り歩いてきたと言う。

皆それぞれに、過去を背負って生きている… トラウマの様なものを引きずって……



人それぞれ
谷 栄光

引き続き、某披露宴パーティー会場での出来事である。この度は、金曜土曜と連日の派遣会社を通じての勤務であった。
初日、若い世代の新郎友人男性7人グループのテーブルを受けもった。例により、おしぼり出し後、担当の挨拶を済ませた際に、お客様のお一人から「今日は我々たくさん飲みますから宜しく!」と言われたのでアルコール飲み物類にウエイトを置いて専らサービスに努めた。その為、どうしても料理出しが遅れ気味となった。
翌日、女性責任者よりアドバイスを受けた。「谷さん、料理出しを最優先させて下さい。温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに、というのがウチの売り・主義やり方なんです。逆ですよ」と。
なるほど! 自分はとんでもない思い違い・はき違えをしていたようだ。また同女から次の様にも言われた。「居酒屋ではないのですから…」
ここで、おもてなしの心とか気配りという言葉が重要視されてくる。礼を重んじるタイプの挙式披露宴会場である。節度をもって品位をもって接客に当たる、という事だろうか…?

それと二日目、3つのミスをおかしてしまった。疲労感からか、ビールをグラスに泡立て過ぎてしまい溢れさせてしまった。僅かの料理が未だ皿に残っているのを見落し下げようとしてしまい、お客様から「まだです」と言われ冷や汗を掻いた。最後の方でお出ししたお寿司料理がまだお済みでないのに箸と箸置きを不注意でそのまま下げてしまった。 いずれも今度は男性責任者から注意指摘を受けた。
この事につきお客様がお帰りの際にこちらから謝意を述べた。「本日は至らない点が多々ありまして誠に申し訳ございませんでした。どうぞお気をつけてお帰り下さいませ」少々ご立腹だったのか返事が無かった… 私の過失責任である。
翻す様だが、それでもだがしかし、「気にしなくていいよ。今後も頑張って」と優しく声を掛けてくれる方もいる。こんなことを言える立場ではないが、やはり人それぞれである。

その夜、帰宅した後、自室ベランダで一服しながらふと我に帰り冷静に考えてみた時、何の事はないミスの原因は極めて単純明解であった。連日の疲労で集中力が衰え、普段やらない様なミスを連発しただけの話である。言い訳かも知れないが、そう思って自分を慰めた。

どちらにしても、これも言い訳かもわからないが、最初から無難に順風満帆で失敗なくいける人なんてまずいないのである。多かれ少なかれ誰でも失態を繰り返し、百戦錬磨で切磋琢磨されていくのが現実ではなかろうか?



CITY HOTEL での 一般宴会サービス の業務
谷 栄光

前作と同一の派遣会社を通じて、今度は横須賀市の中心部に位置する某CITY HOTELで一般宴会のホールサービススタッフとして勤務した。当然、初めて行くところであり、奔放初初演であった。全く右も左も解らない。建物の造りすら、どこに何があるかも全然知る由もない。
またサービスの基本は同じでも、所変われば遣り方も違って、その勝手方法も必然的に異なってくる。一般的に派遣で勤務に従事する者は、当初この点で専ら四苦八苦し、思い悩む。その場所の要領とコツを掴むまで…
そんな中で、即担当のテーブルをチーフにより割り当てられ、いざ実践! 周囲の若いスタッフたちの動きを見ながら、それを真似る。だがどうしてもミスが生じる。慣れないが故に…
御寿司や各種料理出しに際して、各々人数分を別皿に取り分けてそれぞれお出しする形での料理出しであったが、ここで一回目のミス… とあるテーブルへ間違った人数分の寿司桶ごと出してしまった。一度出したお料理をまた下げる事は許されない。ここで周りに迷惑を掛けてしまった。帳尻を合わせるのに皆、汗を掻きながらそのフォローをしてくれた。
続いて、お出しした料理の空き皿を下げる段階で、またミスしてしまった。スペースがなく、止むなくお客様の有視界内で下げ物を整理していた私は、側に居た女性スタッフから注意を受けた。「お客様の見えない所でそれはやって下さい」 一見して20歳代半ばの可愛らしい女性で、そういえば仕事開始前に事務所で、やたら戯けて通りのいい声で明るく振舞っていた子だ。そんな彼女も、いざサービスに入ると別人の如く切り替り、真剣な眼差しとなる。他のスタッフ、誰を見ても皆、同じ表情である。

結局、私は皆に迷惑ばかり掛け、殆んど何の役にも立たなかった。
こんな状態で、はて時給など貰って良いものだろうか…?



披露宴パーティー会場のホールスタッフサービス
谷 栄光

先日、派遣会社を通じて何日間か、神奈川県三浦郡葉山町所在の某披露宴パーティー会場のホールサービススタッフとして勤務した。
目の前が海水浴場でウインドサーフィンもやっている大変ロケーションの良い場所であった。
ここ15年ほど、ウエイター等のホールスタッフからずっと遠ざかっていた私は、最初とても緊張した。だが体力的には確かに衰えを自覚したが、それでも身体がある程度うまく反応し、体が昔の経験を覚えてはいた。
まず会場の設営から始まり、これが体力勝負である。大汗を掻く。それが終了すると少しの休憩を挟んで一気に切り換えて、今度は笑顔Smileでお客様のお出迎えから入らなければならない。
料理出しのキャプテン、要するに新郎新婦のメインテーブルを担当する代表は、通じて女性であった。一見してその道のプロ。プライドも高くスタッフ全員、厳しくミスを指摘される。
お客様出迎えから開始し、それぞれのスタッフ受け持ちのテーブルへの御挨拶から始まる。決まり文句は「本日はおめでとうございます」である。
前菜出しから始まり、そのあとスープ。続いて魚料理、「白ワインはいかがですか?」肉料理、「赤ワインはいかがですか?」という風に運ぶ。
締めでデザート、Wedding Cake 入刀後のカットケーキをお一人様一個づつ配る。最終でコーヒー出しとなる。
最後にお見送り体勢、その後皆で写真撮影等も行われる。場合によっては前後して、披露宴開始前のウエルカムパーティー、披露宴後の二次会などもある。
そこで働くスタッフ達は皆若いが、この披露宴を一日午前午後と二つこなす。早朝から深夜に及ぶ重労働・激務である。

誰もが生きるために必死である。




会社側の方針

前述の要望書をホテル・会社側あて提出したところ、最終回答は以下の通りであった。

夏休み期間の繁忙期限定にて谷さんを雇用しましたが、その時期が終了し利用客数が大幅に減少となったため、申し訳ないのですが給与締めの9月10日をもって臨時雇用を終了とします。


想えば8月いっぱいでフロントから3人の男女アルバイトが姿を消している。私はまだ延長された方…
再度職を失ったが、私は開き直って解雇を申し告げたフロント課長に対し次の内容の再要望を出した。

私が別の仕事をしていない限りは、いつでも応援に来ますよ。例えば金曜・土曜の週末や祝前日、また最低限年末年始には再度アルバイトしたいと思いますので、また必要な時には声をお掛け下さい。


東日本大震災発生の影響もあり、一時の臨時雇用でしかなかった。会社側も引続き継続雇用でアルバイト等を賄える余裕などどこにもない。
当然、新しい者から斬られる。 現実は厳しい…

谷 栄光




要望書



株式会社 四季の自然舎
マホロバ・マインズ三浦 御中
人事採用担当者 様
宿泊部宿泊課 深夜フロント業務 アルバイト
藤田 繁美

不確定ながら、万が一本年9月以降も雇用継続して頂けるなら、私は次の条件を付します。

1、引続きアルバイトのまま、深夜フロント業務のY勤務限定でお願いします。
2、一箇月の最高勤務日数は、15日迄を限度とします。
3、これまでのアルバイト雇用条件と同一のもので継続をお願いします。

(追伸)
当アルバイト採用募集の際に既提出の履歴書・職務経歴書に記載の通り、私は著者名・谷 栄光としての仕事もあるが為、上記の労働条件にて宜しくお願い致します。

以上


リゾートホテルでバイト!
谷 栄光

夏季期間限定にて、神奈川県内の某リゾートホテルの深夜フロント業務員としてアルバイトを始めた。言うまでもない。金欠病だからだ。
この夏休み期間は特に繁忙期で、それこそ猫の手も借りたいという内容のホテルである。「より良い場所・空間」の標語で売出しのリゾート! 近くには海水浴場もある。週末を問わず、連日老若男女を問わず家族連れ等が押し寄せて来る。
その中で、当然ながらそこで働くホテルスタッフ達は、日々激務に忙殺される。なかなかお客様に十分満足して頂けるサービスを提供できるまでいかない。何事も、完璧には成し得ないのが現状である。
フロントを例に取れば、集中して列ができる状態であり、一方で内線・外線電話も鳴り響いている。身体は一つしかないから、どうしたところでこれらを同時に捌くことは不可能である。もちろん人手が足りないという事情もそこにある。
フロントマン&フロントウーマンは、瞬間的に3つぐらいの行うべき事柄を同時に抱え込む。2,3秒の間に… そして瞬時にその遣るべき事に、優先順位を付けて判断する。そういう職場である。油断や予断は、正直許されない。一般的に、リゾートホテルにありがちな傾向である。
当然、各々のスタッフの実務能力が問われる。その個人個人の人間性や器が問題となってくる。一般常識や、当ホテルのシステムその他周辺の地理や観光地などについても熟知していなければならない。個人のそれまでの人生経験や人間修行にも関わってくる。
またスタッフ同士でも、いわゆる相性が悪い、馬が合わないというのがある。これはどうしたところで避けようがない。それはどの世界でも同じである。連携プレーとかチームワークとも言い換えることができる。

ホテル総務課の横に(改善・提案用紙)なる物が置かれていた。深夜勤務10日経過の時点で、以下の内容のものを作成して提出してみた。日も経っていないので、未だ回答はない。

起案-平成23年8月1日 件名-フロントマン・フロントウーマンの接客のあり方について
所属名-宿泊部宿泊課(アルバイト) 氏名-谷 栄光
*改善・提案内容
フロントにアルバイトとして入って、わずか一週間ですが、第一印象として思うところを記します。
ことリゾートホテルにおいては、シテイ・ビジネスホテルの様な事務的なフロントの応対ではなく、もっと心のこもった言わゆる「おもてなしの心」がなくてはならないと実感いたします。その接客姿勢・態度・言葉遣いや電話応対について、一見してリゾートホテルのそれではない! と確信して認められます。
当ホテルの目指す理念が「より良い場所」というのであれば、フロントを代表に接客に当たるスタッフ達は、もっと朗らかで明るくメリハリの効いた反応を示さなければならない。それによってお客様は、「ああ、いいホテルだった。フロントを始めスタッフの応対が良かった。また再度、ここを訪れたい」という気持ちになり、リピーターの確保に繋がるのです。

先日とある朝、支配人が偶々カウンター内で一時だけ接客されているのを拝見しましたが、その声のボリュームといい全てが、「ああ、さすが支配人! プロだなあ…」と痛感いたしました。

偉そうな事を書いてしまいましたが、これまでやってきた一リゾートホテル元フロントマンとしての正直な意見でした。
参考までです。以上です。


*上記改善・提案による効果(メリット)
上記記載の通り、当ホテルに対するお客様の印象が当然良くなってリピーターを呼び、口コミでまた別のお客様を呼ぶという効果が期待できます。

(追伸) 日々、職務に忙殺され、なかなか上記の様な接客が不能という状況は理解できますが、出来るだけその方向性で改善していく個人個人の意気込みが必要不可欠かと思われます。



ところが翌日、私は考えを改めた。その夜は、課長と係長と私の3人トリプルの勤務体系であった。その2人の接客等の様子を見てビックリしてしまった。
2人共、何とスマートで柔軟で癒し系の接客をすることか…!!
上を見ても切りがないし、下を見ても切りがないという事をマジマジと実感した!
ああいう確立されたできた人物もちゃんと存在するんだと、ある種の安心感や希望の様なものが持てた! 嬉しい!





徒然なるがままに
谷 栄光

ふと気まぐれで、常日頃 思っている事を記す。

1、「人事を尽くして天命を待つ」だと何か切羽詰まって余裕が感じられない風だが、これに比較して対照的に「果報は寝て待て」だと十分な余裕が感じ取れる。
2、昔の武将 呟く。自ら好んで己れの人生修行のため、「我に七難八苦を与えたまえ」と。
3、天下太平であることが望ましいのだろうか?
4、高校の野球部に所属しショートを守っていたときでノックを受けていた時、監督から「目が死んでる!」と言われたのを思い出す。人は目がいつもギラギラと輝いていなければならない、ホントそう思う。
5、いつの時も、ハングリー精神! を忘れるな。
6、有事即応態勢or即時対応の姿勢であれ!
7、臨機応変 という言葉もある。
8、切り換える! ことが大事。
9、いつも、闘争心 を忘れるな。
10、順応性の高い人間 となれ。
11、真剣に自分と向き合う姿勢・態度で =真摯さ
12、「古きを訊ねて新しきを知る」という生き方もある。
13、三寒四温=三日間さむい日が続くと、次の四日間があたたかくなることをくり返す。大陸の冬にみられる気候の型。
14、原 辰徳 『原点』 より
自信のなかったことが、何かにより、確信へと変わる。
15、口下手である俺が、何かによって世の中を正しい方向へ導き出そうとするとき、それは「文章によって」&「カラオケの歌によって」という形以外ない。
16、今度、『Clubの店内』という作品を書いてみようかな?
17、「自分だけで生きてるんじゃない! 自分は周りによってむしろ生かされているんだ!」という境地へ!!

以上である。




人生…
谷 栄光

ある日、私はふと物思いにふけり、ついマイナス思考に入ってしまって、次の様な内容の携帯メールを皆に送信してしまった。以下の通りである。

ふと、考えて… 下手に動き回って失敗するよりは、まだ現状に留まっていた方が…とか思って。
でも今日から6月に月が変わって、ここで心機一転巻き返すべきかとも思って。
なぜ人は、こうも流されるのだろう?
今だに、人生が解らない…

これに対して、次の3人の知人女性から、次の内容のメールが返信された。

1、おはよう。 どうしたの? メールの意味が…?
2、真面目に一生懸命生きているから、その悩みは当然だと思います。
人生を諦め切ったら、楽かもしれないけど、それじゃ悲しいでしょ…
ここに、信心の神髄があるのです。日蓮大聖人の法華経の本読んでみない?
送るよ。答えは見つかるよ。だから大丈夫だよ。
3、なかなか難しい問題で… 年齢を重ねるごとに、余計な事ばかり考えちゃって。もっと若かった頃の自分を取り戻したい、と私は思ってます。
この3つ目のメールに対し、私は返信した。
ならば人は年齢と共に夢やぶれていくのだろうか? その辺が疑問… どう思います?
答えが一言で返ってきた。
人によりますよ。






各種酔っ払いの取扱い
谷 栄光

木更津警察署に勤務当時、夜間やたらと酔っ払いの取扱いが多かった。110番通報のものもあれば、住人からの連絡通報もあった。
市内の清見台という所は、居酒屋やスナック等の集まる繁華街であった。対象者はサラリーマンであったり土木作業員であったりトラック運転手であったりホームレスであったりもした。
一般に、酔っ払いの種類としては次の二つに分けられる。ある程度の酔い状態でまだ記憶や意識がはっきりした状態の者を酩酊者、それ以上の極めてひどい状態の者を泥酔者という。

こんな取扱いがあった。夜11時頃、スナックのママから署あて一本の電話が入った。無銭飲食という。現場に急行したところ、年齢50歳位の男性1名が半分眠った状態でソファーに腰掛けていた。未払い金額が13,000円。直ちに職務質問を開始した。
男は泥酔状態で言葉にならない。この種の取扱いは、やたらと時間がかかる。ようやく事情を聴取し、市内外れに所在する土木会社の日雇い人夫であることが判った。
一方スナックのママは、「お金は結構ですから早く連れて行って下さい」と言う。この場合、実務上、無銭飲食は親告罪的な要素が多分にあるので、警察は無理やり検挙したりなどはしない。正式な被害届の提出があってこそ初めて論ずる、というのが実務上のやり方であった。
結局、パトカーを一台要請し、同人を作業所まで送りとどけるという事で治まった。到着すると、彼はそこで親方から平手打ちを一髪食らった。

その他にも、わざわざ交番に来て、職務中の警察官に言い掛かりを付けてくる酔っ払いなど多々ある。時にはここで警察官に暴行・傷害を加えてくる者もいる。この場合、本人の責任能力の問題も絡んでくる為、これも実務上その場で直ちに公務執行妨害で現行犯逮捕という訳にもいかない。この様な事のないように、上司は朝礼などにおいて「受傷事故防止!」という言葉を、口を酸っぱく部下に諭す。
ただ状況により、上記の様な場合は、彼らは警察署の保護ぼうに、一晩保護となる。

飲酒して我を忘れてしまうような事には、くれぐれも気を付けたい!




自殺者阻止!
谷 栄光

千葉西警察署、交番勤務時の夜9時30分頃、署の当直から緊急連絡が入った。10階建てビルの屋上に不審者1名が居るという。
即座に現場へ急行すると、40歳前半位の女性が放心状態の様子で突っ立って居る。場所は屋上の柵を越えたいちばん縁。明らかに飛び降り自殺を試みようとしている。
この種の対応は緊迫を要する。決して相手を刺激してはならない。まずは落ち着かせること。心穏やかに、静かに話し掛けていく。「どうした? 急ぐことはないと思うよ…」
女性は呟いた。「借金まみれで、もう生きて行けない。夫の借金の肩代わりで、いまサラ金に350万もの借りがあります。夫は行方不明。もう駄目! 取り立てに負われるし、これ返せないし…」
一時間半に及ぶ説得が開始された。こちらは答える。「けど生きていれば、またきっといい事もあるよ。お子さんはいないのかい?」
この瞬間、彼女は泣き崩れ、その場にうずくまった。しかし、これで安心と安易に判断してはならない。一変して、気がわりして飛び降りる危険性だってあるわけである。だから油断や余談は許されない。
少しずつ相手に近寄る。優しくひと言ふた言話し掛けながら歩み寄る。目の前に来たと同時に片方の警察官が柵を乗り越え保護に当たる。もう片方の警察官は腕を引き寄せ、2人で柵の内側へと誘導する。これで一件落着である。





国際犯罪捜査こぼれ話
谷 栄光

前述の通り、元警察官は地方公務員法第34条第1項の規定により、その職を退いた後も職務上知り得た秘密を漏らしてはならない、とある為、ここでは外国人犯罪捜査にまつわる触りだけお話しよう。千葉県警察本部刑事部国際捜査課の刑事として巡査部長でいた頃の話である。
連日、各警察署から応援派遣要請がくる。全て外国人の関わる犯罪に伴う捜査協力依頼であり、主に事情聴取や取調べの際にまず言語の問題がどうしても生ずるが為、我々は専ら英語圏の言葉を話す対象を相手に捜査活動を展開した。
県内では主として新東京国際空港(成田空港)、幕張メッセ、千葉港あたりがその活動拠点となった。そこには言うまでもなく外国人が集まる。
成田空港でいえば税関から向こうは遥か彼方の外国、それ以上は手が出せない。千葉港でいえば日本国の領海内から一歩離脱してしまえばそこはもう海外、日本の捜査権は法律により及ばない。在日米軍基地内などの治外法権と同様の事実である。
このような水際作戦を、我々は数多く体験・実施した。瀬戸際のところで逮捕に至る場合もあれば、ギリギリのところで残念ながら捕り逃がしてしまうケースもある。

こんな出来事があった。大麻ならびに拳銃の密輸・密売組織の追求捜査である。
我々はまず犯人に目星を付けて張込み捜査に当たった。専門用語でこれを「よう撃捜査」と呼ぶ。千葉市内の繁華街でブツの交換取引が行われるのを現認!相手方に気付かれ、そのままこの現行犯人らは側に停めてあった私有車両にて逃走開始!こちら2名も覆面警察車両にて直ちに追跡開始という局面であった。勿論、赤色灯点灯の上、サイレンも吹鳴させ追尾する。向こうも必死だからそう簡単に停まるはずもない。
逃走車両は東関東自動車道へと入った。成田方面へと向かっている。延々と1時間以上も緊急走行した後、彼らは成田空港の専用道路へと入って行った。そして第2ターミナル前路上に車を乗り捨て中へと逃げ込んだ。ここで見失った…。ターミナル内を隈無く捜すも、人混みで同人らを発見できない。引続き捜索活動は続行された。
1時間以上も経過したであろうか。出発ロビーの前方はるか先に走り去る2人を発見!出発ゲートの方に向かっている。駄目だった!税関を通り抜けてしまった…。後でJALロスアンゼルス行きの便と判明した。いつの間に搭乗手続きを済ませたのであろうか? 悔しい… 空しい…。

このような場合は後日、我々刑事は次の様な手段・方法をとる。重要犯罪であるに連れ、警察庁を通じニューヨークにある国際連合の機関、ICPO「国際刑事警察機構」あて、被疑者らの国際指名手配を世界に向けて発信する。すべて英語でこの手続きは執り行われる。これは別名、国際捜査共助体制とも一般に言われる。
ICPOとは、Interpol=International Criminal Police Organization の略であり、この手続きの窓口となる捜査機関である




留置場の実態
谷 栄光

警察社会の一つの流れとして、刑事を志望する者はその前にまず留置場の看守を経験するというのが一般的である。これは、まず被疑者の事をよく認識する、という意味において絶対不可欠だからである。被疑者の心理状態を読むという点において、いずれ将来必要となってくるからである。

千葉西警察署に勤務していた頃、私はこの看守に異動となった。そして将来的には勿論刑事を目指していた。最初は何も解らずおどおどしていたものだった。だが慣れてくるに従って、だんだん留置人の気持ちが読めるようになっていったのを覚えている。
人様々である。男女によっては異なり、年齢によっても異なる。身柄を拘束され留置場へ入って来たばかりの人間は、大概おどおどし落ち着きがなく不安そうな瞳をしている。膝を抱えて壁にうずくまる者、放心状態で床を見つめているだけの者、その他食事も一切取らずただ寝そべっているだけの者とか色々である。
彼等もまた、罪を犯したとはいえ人間であるから十人十色である。留置場では彼らの人間性がよく表れる。連日、取調べで呼ばれる者もいる。決まって皆、取調後その顔を曇らせ帰って来るというのが殆どである。
取調べの状況により異なるが、早かれ遅かれ皆、捜査書類と共にいずれ検察庁にその身柄を送致される。そしてまた、入れ替わりで別の犯罪者が入って来るとそんな場所であった。
窃盗犯も居れば、強盗・殺人・詐欺・横領・傷害・強制わいせつ等、ありとあらゆる被疑者が出入りする場である。

喫煙者には、定時にわずか10分位の喫煙時間が与えられる。喫煙者たちは、この時間を楽しみにいつも心待ちにしている。四方を高いコンクリート塀によって囲まれた極めて狭いスペースで何人かに分けて取り行われる。その時の彼らの嬉しそうな顔といったらない。唯一の憩いの場の様で、寄り添ったお互い同士、笑顔がこぼれ会話が弾む…。
だが我々看守は皆、知っていた。それでも彼らの心の奥底には、留置場に入ったことにより、もはやどうやっても拭い去ることの出来ないトラウマの様なものがあることを…。





' Headhunting ! '
谷 栄光

北陸に所在のリゾートホテル、久屋間国際ホテルのフロントに勤務し始めてから、おおよそ2年半が経過した。ようやく仕事にも慣れ、概ね順調に事は運んでいた。フロント業務のコツも覚え、もはやそのホテルのフロントには無くてはならない存在にまで成長していた。
だが勿論、不満はあった。ハードな激務の割には給与が少ない、高速の北陸自動車道を使用し遠方から通勤していたのだが交通費すら満足に貰えない、当然高速代など出るわけもない、フロント主任からなかなか上へは上がれない等のわだかまりがあった。

そんなとき、一本の電話が私のところに入った。山代温泉のリゾートホテル、平川グランドホテルの支配人からだった。「キミのフロントマンとしての名声は聞いている。ウチへ来ないか?給料は月25万お支払いしよう。それと一年後には、キミをフロント係長に推薦することを約束しよう。考えてはみてくれないか?」との内容だった。
私はどちらかというと思慮深い慎重な人間であったので、この絶好の話を暫くの間そのまま放置した。でも良く良く考えてみると、確かに車で下道20分位で通えるし、こんな条件の良い話は滅多に無いと思えた。
翌々月の終わりで久屋間国際を依願退職し、この平川グランドへと一気に転身した。
しかし、ところ変わればやり方も違う、ということで、ここではフロント・レセプション業務と会計業務を同一で行っていた。前ホテルで精算業務を全くやった経験のなかった私は、当初たいへんと戸惑った。支払い計算を過ってみたりと、しばらく失敗が続いた。

約一年が過ぎた。春先の異動で、私はフロント係長に昇進した。ところがうまくいかない。平社員から、いきなり2段階アップして上がったものだから、周囲が動揺した。それまで居た主任を追い越して係長に昇ってしまったものだから、部下たちが受け入れ認めてくれるはずもない。逆にむしろ、大いに反感を買った。
私は思い悩んだ。部下たちとどう接したら良いのだろうと…。彼らは上司の業務命令としては私に従ったが、人間的に認めてはくれなかった。
そんな中で時は過ぎて行った。だが、この重要な問題点は、やがて時の流れが解決していった。いつの間にか、周囲は皆私に理解を示す様になり、こちらも同様、周りに溶け込み彼らを信頼するようになっていった。

ところがである。私はフロント責任者として重大な過失を冒してしまった。接客上のクレーム処理で、真夏の猛暑の寝苦しい夜、お客様から「この部屋はどうしてこんなに暑いんだ! エアコンクーラーも全然きかないじゃないか! 一体どうなってるんだこのホテルは!」という苦情であった。
一瞬ひや汗を掻いた。その部屋はいつもクレームのつく部屋であり、真下が機械室となっており、その機械の熱によりどうしてもそうなる問題の部屋であった。通常は満室にでもならない限りは絶対に使用しない部屋であった。
当日は勿論のこと満室状態であり、従ってルームチェンジも不可能である。この場合、最寄りのホテルに空室状況があれば即時に分宿の手配を行い、お客様にお詫びを申し上げると共に速やかに同所までホテル車両にてお送りし、その宿泊費用については全て当ホテルにて負担するというのが例説である。
ところがその日は夏休み期間という事もあり、周辺のどのホテルを当たっても全て満室状態であった。こうなると他に方法がない。いつも以上に懇切丁寧な謝意をもって私はその客室に出向いた。無料宿泊ならびにフルーツの差入れをお約束したが、お客様は納得しない。些細な言葉のやりとりで、遂に揚げ足を取られてしまった。お客様が怒鳴り始めた。「支配人を呼べ! 」

この一件につき、私は再度部下からの信頼を失った。回復するのに、おおよそ一年近くかかった…。



" The guest is always right. "
谷 栄光

北陸地方に所在するリゾートホテル、久屋間国際ホテルのフロントに勤務していた頃の話である。
そのホテルの形態により異なるが、大きく分けてフロント・オフィス課はレセプション
'Reception'、会計'Cashier'、予約'Reservation'の3部門から構成されている。
当然、Check inはレセプションが担当し、Check outは会計が受け持つ。ここではフロント・レセプションにまつわる話をしよう。
個人のお客様のチェック・インは勿論のこと、他に小・中グループ団体の受け入れも熟さなければならない。旅館形式で行うホテル(温泉地)等においては、まず玄関口にて接待さんらがお客様を出迎える。そしてロビーへとお客様をお連れし、そのあとフロントマンが主に館内案内を実施する。「本日は久屋間国際ホテルをご利用下さいまして誠に有難うございます」のひと言から始まる。そこでフロントマンは状況を見極めなければならない。お疲れ気味の団体様へは手短かに、と状況判断をせねばならない。長くて4分位のものである。業界で言うPresentation プレゼンテーションというものである。
そしてこれが終わると、今度はラウンジ等において、付添いの添乗員さんとの宴席等の細かい打合せ確認に入る。まずは名刺交換から始まる。添乗員さんも意外と無理難題を押し付けてくる。こちらもサービス業であるから、ある程度は要望をお聞きし、それでもできないものはできないと、はっきりとお断りしなければならない。
これが終わると打合せ内容につき、支払い方法などは会計係へ、宴席関連は宴会場の接待さんらへのスタッフへ、また料理関係は調理長へと全て手配しなければならない。ここまで終えるのに、ひと汗もふた汗も掻く。お客様の見えないスペースで、殆んど走り回った状態に近い。
久屋間国際ホテルの場合、別個に宴会係という部門が存在しなかった為、宴席の時間になると打合せから担当した同一のフロントマンがこの宴席会場に赴き、開始冒頭の女将の挨拶後のホテルよりの挨拶及び出だしの司会進行役まで行うというものであった。

フロント・オフィス課長はいつも部下に諭した。"The guest is always right."と。
「お客さんはお客さんだから、いつのときも常に正しいんだ!」とするホテルマンの基本的精神を唱えたものである。この人の言っている事はどう考えてもおかしい、変だ、間違ってる、と例え思ったとしても、それでもお客様は絶対正しいんだ、とする接客の立場にある者の理念ともいえる。

警察社会という極めて堅固な世界からこの接客業のサービス社会へと一転してその身を転じた私にとって、それは全くの正反対の別世界であった。正直、当初はたいへん戸惑った。だがしかし、慣れというのは恐ろしいものである。やがて私は、それに染まっていった。


日本国の過去の戦争について
谷 栄光

いまNHK朝の連続ドラマ小説で、井上真央主演の『おひさま』がヒットしている。
そして私は、このドラマが題材として取り上げている、その当時の日本の戦争状況について少し調べてみる必要があると思った。以下は、その内容である。

1、日清戦争 1894年(明治27年)~1895年(明治28年)
2、第1次世界大戦
(1) 日露戦争 1904年(明治37年)~1905年(明治38年)
(2) 1914年(大正) 日本、ドイツに宣戦布告
(3) 1915年(大正) 日本、中国に二十一ヵ条要求
3、満州事変 1931年(昭和6年)9月18日~1937年(昭和12年)7月7日
4、日中戦争 1937年(昭和12年)~1945年(昭和20年)
真珠湾攻撃以降は、終戦時まで、太平洋戦争と同時進行した。
5、第2次世界大戦
1939年(昭和14年)9月1日のドイツのポーランド侵攻~1945年(昭和20年)9月2日の日本の降伏文書調印(ポツダム宣言の受諾)までの間
ドイツ、イタリア、日本の枢軸国側 対 イギリス、フランス、アメリカ、ソ連、中国などの連合国側 の闘い(戦争)
アメリカは当初、中立国としての立場を維持していたが、日本の真珠湾攻撃を発端に、ドイツのナチズムと日本の軍国主義に対する〈正義〉の戦い として、参戦した。
太平洋戦争-1941年(昭和16年)12月8日の真珠湾(Pearl Harbor)攻撃~1945年(昭和20年)9月2日の日本の降伏文書調印(ポツダム宣言の受諾)までの間
東条英機内閣により天皇制ファシズムが確立され、真珠湾攻撃より太平洋戦争へと突入したが、敗戦によりこの天皇制ファシズムは崩壊した。
1942年(昭和17年)6月7日のミッドウエイ海戦まで日本軍有利に展開したが、ここから形勢不利へと転じていった。
おりしもアメリカで、1945年(昭和20年)7月16日、最初の原子爆弾実験が成功、アメリカは戦争の早期終結のためその使用を決意し、7月26日、日本に早期降伏を勧告するポツダム宣言を送ったが、日本がこれに応じないのをみて8月6日広島、9日長崎に原子爆弾を投下した。
ソ連も日ソ中立条約を破棄し、8日にこれに参戦したのもあり、この事態をみて日本は15日に降伏し、上記ポツダム宣言を受諾した。
太平洋戦争は、満州事変および日中戦争とともに十五年戦争と総称され、この十五年戦争の第3段階に当たる。







文芸社5月の新刊
『大いなる屈折した半生』
谷 栄光
TANI EIKO

苦味のきいた人生
自らを「屈折した」と言い切る男の強さ、そして優しさ。
順風満帆ではないけれど、ブラックコーヒーのような歩み。
それは苦いだけじゃない、豊かな香りと、
深いコクに満ちています。

警察に奉職し、職務に邁進したけれど、
あるキッカケで退職し、ホテル業界に転身。
七転八起の歩みは、皆さんへの応援歌ー
「六何の原則」「留置場の実態」「自殺者阻止!」など、
その警察ネタは、なるほど納得、
涙を誘います。

四六判・並製・104頁 定価1,050円(税込み)

ご注文は、お近くの書店にて、またはクロネコヤマトのブックサービス(フリーダイアル
0120-29-9625、携帯電話からは03-6739-0711)への電話注文、セブンネットショッピング(www.7netshopping.jp)にお申込み下さい。

文芸社 東京都新宿区新宿1-10-1 TEL03-5369-2299 FAX03-5369-3066


2011年6月吉日
横須賀
谷 栄光








パチンコの厳しさと現実
谷 栄光

知人に三郎という50歳になる男がいる。彼はその昔20年ほど前、ギャンブラーでありパチンカーであった。連日このパチンコをしていた。
今でこそ法律の規制もあって確率変動機となったが、当時は連チャン機といって底知れぬほど恐ろしいものであった。勝つ時も負ける時も、その金額は中途半端なものではなかった。
詳しくは言えないが、彼は攻略法というものを身に付けていた。最高で一日240,500円勝った経験があった。そしてその翌日にもまた99,500円勝って、二日で合計340,000円勝ったことがある。一ヶ月の給料以上である。
機種は'Soldier'(ソルジャー)といって、その当時は皆んなハマっていたらしい。一日5万円使って10万円を得、差し引き5万円勝つのが彼の毎日の目的であった。だがそう簡単にうまくいくはずもない。いくら攻略法を身に付けていても、それが100%実る訳では決してない。当然、勝つ日もあれば負ける日もある。ただこの攻略法があったために、通じて彼は半年間に111万円を儲けるに至った。
当初から彼はこう考えていた。「こんなくだらない馬鹿馬鹿しい世界から早く足を洗いたい!」知っての通り、一般的に同じ数字が3つ揃えばパチンコ台は当たりとなる。それで彼は「よし!これに合わせて、勝ち分が3ケタのゾロ目の数字、すなわち111万に達したらキッパリとこの世界から身を引こう」と決心していた。

彼がパチンコ狂いから離脱してから概ね20年が経過した。幾度かの離職や離婚を経て、彼はいま未だ売れない無名の駆け出しのエッセイストとして生活している。
最近自分の作品を本にするという事で努力を重ねていたが、ようやくその作業が一段落した日の出来事であった。たまたま散歩中に偶然パチンコ店の前を通りかかった。ふと見ると、そこには店頭に大きな看板が掲げられていた。(年末に向け、爆出中!)と。
彼は誘惑に負け、導かれる様に店内へと入って行った。魔が差してしまった。あれほど「もう二度とあの世界には戻らない!」と誓いを立てたのに…。
店内は大盛況の状態であった。彼は「新・海物語 with Agnes Lum」という機種に着目した。たまたま一席だけ空いていた。彼はおもむろにその席へと座り、間髪を入れずに打ち始めた。
幸いにも、1,500円つぎ込んだ時点でSuper Luckyの当たりが来た!延々と11回の連チャンが続き、その時で55,000円ほど勝っていた。彼は"Time is money."という観念のもとに生きていた。集中した。
これは後ほど本人から聞いた話であるが、「ことパチンコは、その止めるタイミングが全て!」と言う。ところがこの日、彼は半分遊び気分でやっていたものだから、ここで終わらなかった。結局3箱ほど打ち込んでしまい、33,000円の勝ちで終了した。
恐ろしいのはそれからである。彼は「いずれにせよ勝ちは勝ちだから」と安易に考え、その一回だけで終わらなかった。少し日を置いて、また同店に足を運んだ。
彼は読売巨人軍の原辰徳監督が好きだったものだから、今度は開店と同時に来店し、その背番号である88番台にてプレーを始めた。元もとゾロ目数字が好きだったのもある。
特に問題なく順調に事は運び、4箱程を得た。「今日も負けはないだろう」と余裕で打っていたが、状況は一変した。当たりが全く来ない。そんな筈はないと彼は意地になって継続し打ち続けた。「こんなもんで終わってたまるか!」というプライドの様なものもそこには存在した。だが、彼のそれまでの経験や研ぎ澄まされた感性を幾ら持ってしても、台は一向に言うことを聞かない。結局、獲った4箱全て打ち込み、追い銭して見栄えなく現金を投資した。
気が付くと、トータルで何と約15万円を失っていた。台の回りの回数も2652と今までかつて遭遇したこともない数字に直面した。
閉店と同時に彼は店を後にし、暫し冷静に熟考した。「平常心をすっかり忘れ独りよがりで熱くなってしまった。タイヘンな金額だ!どうしよう!」
しかし彼はこうも考えた。「翌日あの台は、今日の履歴があるんだから必ず爆発するはず。よし、明日一番でラスト勝負を今一度かけてみよう。それで駄目なら、金輪際終わりにしよう」
翌朝、この88番台は最小額500円でSuper Luckyを表示し、ずっと続いてぶっ続けで15ラウンドを記録した。金額にして10万相当である。
しかし彼は、この日そこで断念した。確率変動機の場合、昔の連チャン機とは違い、どうしても限度がある。この辺が限界と勇気をもって決断し、早々に店を後にした。遊戯時間にして、僅か2時間余りの事だった。
でも彼は知っていた。前日もぎ取られた15万円を、この日どうやってもほぼ全額取り返すことは実際問題、不可能である事を。この金額は奇跡でも起こらない限り、一日では取り戻すことが無理である事を。
それ以来、彼はこの種のお店へは一切行ってはいない。彼のケースを判断しても、結果的にはほんの数日間で数万円は負け込んでいる計算になる。

彼は先日のことだがパチンコ業界の総評としてこう語ってくれた。
「各々のお店には、それぞれ常連客がいる。連日来ている人も沢山いる。ただ多かれ少なかれ、皆んなそれ相当に痛い目にあっている。でないと、本来パチンコ店の経営が成り立つわけがない」と。








犯人逃走! ( 部長のプライド )
谷 栄光

木更津警察署、当時でいう外勤課、今でいう交番に勤務していた頃の出来事である。
その夜は、たまたま時間が空いて、珍しく仮眠の取れる日であった。
仮眠室にて休憩中、深夜の2時過ぎに電話が鳴った。署の当直からで「SGSの異常感知」という。これは一般家屋でいうところのホームセキュリティの作動にも似たもので、
不審者の侵入時などに発報するものである。
私と組んでいた巡査部長は、いつも通り非常に立ち上がりが速かった。この種の感知は、いつも瞬時を争うものであった。即座に着替え、派出所バイクに二人共飛び乗った。
現場に到着したと同時に、先を走っていた部長がバイクを乗り捨てた。こちらは何が起こったのか解らない。
スーパーマーケットの裏手にはしごがかかっている。部長が先にはしごを上がった。私も後に続いた。
目の前に犯人(被疑者)が二人居る。罪名・窃盗、手口・金庫破りの現行犯!
向こうの内一人がこっちに気付いた。あと一人は暗がりで動きが読めない。
最初の一人が屋上から飛び降りた。部長も同人を追って飛び降りた。僅かのタイミングの差で私はその場に残り留まり、もう一人を捜索したが何処にも見当たらない。
捜し回ったあげく発見には至らず、はしごを使って再度、地上へと戻った。
そのうち警備会社のガードマンも現場に到着した。そして共に犯人の捜索に当たった。
暫くして向こう側で犯人が飛び降りるのを現認!距離にして約15メートルであった。直ちに逃走し始める同人を追尾。「止まれ!」の言と共に警棒を投げたが届かない。そして裏通りへと入り込んだ。外灯も無く、暗過ぎて何も見えない。見失った。失尾してしまった…
直ぐに携行の無線機を使用し、本件の詳細を署の当直宛て、緊急報告した。110番を経由し、本件は本部刑事部機動捜査隊等へも伝達された。

結局、私の失尾した被疑者については、逃走を図られ、最終的に逮捕に至らなかった。
一方、もう片方の巡査部長の追尾した被疑者については、彼が見事に現行犯逮捕し、手錠を掛けられ現場に連れ戻され、別途パトカーにより警察署へと連行された。

同巡査部長は、前述の飛び降りの際に右足首を負傷したが、彼は後日、これに対する公務障害の申請は一切行わなかった。一見して小柄で痩せ型、人懐っこく庶民的で性格が明るく話し易く、部下の面倒見が良くて頼り甲斐のある部長であった。

この申請を拒否したのは、彼のプライドと認められる。少くとも私は、そう信じている。







犯罪の多発
谷 栄光

警察署の当時の外勤課(現在は名称が変わって、地域課という)の実態は、以下の通りであった。
各地域の警察官派出所(現在は交番と名称変更)は、24時間体制の3交替で勤務していた。主として窃盗の被害届の受理やその実況見分、交通物損事故の処理あるいは交通人身事故における現場保存、各種苦情や願出の対処、巡回連絡等、もちろん地理教示もある。
その中で大半を占める職務が、窃盗被害届の受理及び実況見分である。最も多いのが乗り物盗の被害届である。1番が自転車盗。派出所内で被害者が車体番号の控えを持って、列を作って順番を待っていたりする事も頻繁に起こる。その次に多いのが、オートバイ盗である。そのほとんどが少年による犯行。少しだけ利用されて乗り捨てられるといったケースも多いのが実態である。
乗り物盗以外で多いのは、車上狙い。窓ガラスが割られるか鍵穴をこじ開けられるかしてやられる。勿論、主に車内からの指紋採取の現場鑑識活動も、当然お巡りさんの方で行う。
侵入盗で多発するのが、空き巣ねらいと忍込みである。これは日中行われるか深夜家人の就寝中に行われるかの違いである。交番員はこの実況見分がまた大変である。全ての捜査活動合わせて約2時間はかかる。
交番に戻って来て、今度はその実況見分調書の作成に当たらなければならない。これがまた大変である。まず現場見取図5枚は書かなければならない。こと細かい地図から入り、物色されたタンス引出しが何センチであったかまで詳細に図面上に書き表わさなければならない。それが完了すると今度は、その図面の詳しい説明文報告書を作成しなければならない。大きな事件だと短編小説並みの厚さにもなる。
この作業がそう簡単に終わるはずもない。まずもって、交番員は24時間中一睡もできない。一晩中この調書を書き続けたところで、朝の交替時までに書き終わらない。
勤務交替を終え警察署へ引き上げてからも、当時の外勤室においても尚、継続して書き続けていたものである。午前中いっぱいはずっと書き続ける。署で昼飯を食って、やがて疲れ果て、帰路へと向かう。
この調書は自動的に自宅へ持ち帰りとなる。お巡りさん達は、非番・休日の自分の時間を割いて尚、自由時間をこれに費やす。少なくとも当時の外勤課の警察官は皆そうであった。
現在は、パソコン等の普及により、これらの処理が随分と合理化された様に見受けられる。これに費やす時間や手間は、大きく削減されているはずである。現に、当初縦書きであった各種報告書は、供述調書も含めて全て横書きへと変貌している。またその分、他の警察活動へと別に力を注げるよう、日々進化しているものと認められる。

続いて交通課の仕事についてである。特に交通人身事故の処理に当たる警察官は、連日の激務に苛まれる。ほぼ同時多発的に、所管区内においてこの人身事故が発生する。同事故処理班は、現場から現場へと渡り動く毎日が続く。
交通人身事故に限っていえば、現在名称が変わって業務上過失致死傷から自動車運転過失致死傷となったが、この罪名が絡んでくるが故、一件一件の取扱い事故に関し係員は、こと細かな事故現場見取図ならびにその報告書を添付する事がもはや義務である。
この作成については大変な労力と時間を費やす必要が出てくる。忙しい中、係員はこれらを処理し切れない実状がそこにある。交通裁判となって、これらは全て裁判所へ行く重要な書類である。
実態を明かせば、精神的ストレスが充満した係員が、時たま発作的に自殺を試みたりもする。

最後に刑事課についてである。一旦、刑法犯に該当する事件なりが発生すると刑事たちは外への聞込み捜査へと回る。そして10件当たって1件実ればまだ良し、という世界である。
刑事たちは足を棒にして連日、この捜査のため歩き回る。早期の段階で証言なり何らかの手掛りを得、事件が解決していくなら、それは初動捜査の成功という事となる。だが未解決のまま、捜査が打ち切りとなり、事件が時効を迎えて迷宮入り、という事もある。
自分の所属した本部刑事部国際捜査課の次長は、常日頃からこんな事を口にしていた。
「明日を考えるな! 今日一日をめいいっぱい捜査活動してこそ、初めて明日という日がやって来るんだ! 」と。
この格言にも似た言葉は、今も尚、私の頭脳に浸透している。







この作品は、先般公開した同名作品の改訂版である。
時間ゼロの世界
谷 栄光

千葉県警察学校時代、我々は次の様な状況下にあった。

教官はいつも言った。
「おまえら、時間などあってないものと思え。卒業後、いずれ第一線に出て、キミ達は県民のために全力で働かなければならない。そのために与えられた時間はゼロと思え!
脇見などしている暇はどこにも無い。おまえ達はそれで給料を貰うんだという事を、ようく覚えておけ!」
確かにその時代を振り返ると、少なくとも分単位で動いていた様な気がする。例えば食事。約10分間のあいだで済ませてしまわなければならなかった。総代が先に済ませて皆が食べ終わるのをジッと待っている。頃合いを見て彼がひと声発する。「御馳走様でした」後に続いて同じ文句を皆で合唱する。再度、「御馳走様でした」。そういう世界であった。

学校の課程も最終段階に入った時、我々は皆各々の警察署へと実務修習に出た。今で言う交番にて、専任の先輩一人に付随して色々と実務を学ぶのである。
その際、こんな事件を取扱った。罪名・手口は窃盗(自動車盗)であった。
一方通行の道路を逆行して来る車が一台認められる。私の付いていた先輩がとっさに走り出した。こちらは何が起こったのかも解らず、反射的に一緒に走り出した。本当に瞬時の出来事であった。まさしく時間ゼロの境地であった。
直ぐに車は停められ、職務質問が開始された。そして友人の車を断りなしに勝手に持ち出し、若い女性を難破して助手席に同乗させ、一方通行を逆行した無職の19歳の男と判明した。同人は直ちに自動車盗(使用窃盗)の被疑者として、その身柄を確保された。

実務修習が終了し、卒業も間際となった段階で教官は更に言った。「このクラスの同期となったオマエ達は、共に助け合って今後生きて行け!」
また教官は、最後にこう皆に言い残した。
「自分自身の中には絶えず強い自分と弱い自分の二つがある。願わくば、その強い自分が弱い自分に打ち勝つ人間となれ!つまりは人生とは、ひとえに己れとの闘いなんだ。それと常にどんなときも、向上心を忘れるな!」
この言葉は今も尚、私自身の心の中に強く宿り、根付き残り、繁栄されている。




アナログ社会からデジタル社会へと…
谷 栄光

2011年7月より、テレビ放送がアナログから地上デジタル化される。これに伴って当然の事ながら、地デジ内蔵の大型画面のテレビというのが今後の主流となる。

3ヶ月程前に、アメリカアップル社のiPadという物を購入した。要するに、これを外部に持ち出し、どこででもエッセイの文書作成ならびにブログからインターネット上への公開まで全てやってしまおう、と考えたのである。
本年5月28日、アップルストア銀座を大元に各店舗で発売が開始されたもので、当日、大行列となった。予約済みの人に限らず、当日購入を目的とした人達も併せて、大変な行列となった。列を付いたはいいが、その大半の人が結局は購入に至らなかった。私もその一人だった。当日で完売状態であった。
約1ヶ月待って、ようやく地元横須賀のお店でこれを入手した。併せてインターネット発信無線機Pocket Wi-Fiなる物も同時に購入契約した。これで準備が整った訳である。
いま現状を見るに、このiPadが言わゆる現在日本にある新型最新兵器とも認められる。私のチャレンジしている文書作成や、写真・音楽・ビデオ映画・カーナビ並みの地図、その他、ありとあらゆる機能に対応する。将来的には、新聞・本・雑誌など、全て要らなくなる、とまで言われる。ただしかし、本に関して申せば、ある意味、記念貯蔵物的要素が存在するから、図書館等において継続し居残ると思われる。
このiPadについては、今だ様々な問題点が雑誌等において指摘され続けている。要するに、使いこなせない!、という事である。今だ研究課題となる部分が沢山残されている。発売から未ださほど経過しておらず、あくまでも発展途上の段階なのである。
銀座Apple Care Supportへは、連日多くの問い合せが殺到し、係員は四苦八苦しているというのが現状である。
さて私の場合には、まずiPadからSONYのVAIOへの文書情報の同期という事から問題が始まった。持っているiPadが16ギガバイトで最も容量の小さい物であった事から、いずれ書き続けるに当たり最後にはオーバーフローを来たし情報がそれ以上入らなくなってしまう理由から、別途パソコンにこの情報を保存しておく必要があった為である。
これでまずトラブルにぶち当たった。ことパソコン関係に対しては全くの素人であった私は、当然の成り行きでことごとくまずその操作方法から思い悩み、また機械上のトラブルにも見舞われた。それを何とかクリアし進むに当たり、また別個の問題点が次々と浮上して来る。
今度は前述のインターネット無線機Pocket Wi-Fi上のトラブルである。電波が飛ばない!ネット上に接続できない!、といった具合いにである。買い求め先へと走り、徹底して聞込み調査に当たる。お店側も同時に、iPadに関しては未だ研究中につき、即答も得られず簡単には解決し得ない。と、そんな日が続いた。
それをようやく回避できたと思ったら、次にこのAmeba blogでの文章作成上の問題点が浮彫り?、という風に、散々な目にあってようやくここまで何とか辿り着いた。
しかし想うに、やはりこのパソコンの世界という所は、ある点で非常に奥行きが深いものが大いにある様に感じ取れてならない。一方同時に、「自分はまだまだ甘いなぁ!未熟だなぁ!」と痛感させられもする。このパソコン世界=デジタル社会!とも言い切ることができる。

この度は、このiPadという物を題材として取上げ、アナログ社会からデジタル社会への移行の一つの例を示してみたが、他にも諸々の電化製品等、全てこれに該当するものと認められる。

" Only in the beginning "
谷 栄光

男と女は、ある意味、例えば運命的な出逢いをし、お互い好印象を持ち、また会おうということになる。
その間に、今で言えば携帯の番号・メールアドレスの交換というのが一般的である。
そして逢う度に、相手のことが段々と好きになり、徐々に恋愛へと発展して行く。
逢う毎、その想いはどんどん募っていき、人生の幸福を実感する。

その時はまだ良い。交際が深まるに連れ、彼、彼女のよい点を踏まえた上で、いずれ知りたくなくても双方の嫌な部分(短所)というものが必然的に見たくなくてもみえてくる。これは、どうやっても避けることができない。生身の人間であるから、誰しも長所・短所とも持ち合わせていて言わば当然のこと。この事は、もはやどうしたところで避けようがない!

その意味で、私は、‘ only in the beginning ' を主張する。こと男女間の交際関係において、最重要視されるのはその「始まり」だけ。その時が一番、言わば最高なのである!
決して深入りをしない。きっかけがあってめぐり逢い、意気投合してやがて恋愛感情へとお互い至る。その初期の段階こそが理想とされる最重要素なのである。

普通の場合、男女は出逢ってその後まず携帯等で連絡をとる様になり、それからお茶程度の軽いデート。そのうち頻繁に会うようになり、露骨な話になるが、いずれA⇨B⇨Cとの過程を経ていく。その中で、嫌でも相手が段々と見えてくる。時には喧嘩口論ともなり激しくぶつかり合う事もある。
ただそういう行程をクリアし、諸々の障害も乗り越えてそれでも尚、付き合いが継続しているカップルについては、いずれやがて結婚というゴールに辿り着くであろう。
そして待望の子供が一人二人と生まれる。親との同居生活であれば、それは彼らにとって可愛い孫ともなる。

ただ、4組に1組の夫婦が離婚している、という現状がある。
この点、昔の人は、例えば妻なら「一度嫁いだならば、何があろうと絶対にこの人と添い遂げる!」という信念みたいなものがそこには存在した。
時代と背景が異なるとは言え、現世のカップルたちは、この種の古き良き思想・観念から、大いに学ぶべきところがあるのではなかろうか?





( 参考文献 )
1、アメリカのブラスロックグループ Chicago の初期のアルバム ‘ A Great Chicago ' 「栄光のシカゴ」の中からの作品 ‘ BEGINNINGS '
2、NHKドラマ 上戸彩主演「10年先も君に恋して」






六何の原則1
藤田 繁美

私は警察官時代に次のことを学んだ。
特に各種報告書などを記す際には、必ず「六何の原則」というものがその基盤となった。
この六つの必要内容とは、次のとおりである。
いつ、どこで、誰が、何を、どうして、どうなった、この六項目である。
別名、4W1H・Rとも言う。
これは英語でつまりは、When、Where、Who、What、How、Resultという事である。
これらは、例えばニュースや新聞記事などで、必ずその基本となってくる要素といっても過言でない。
この事は実社会の様々な出来事の説明時においても、全く同じことが言える。
その点、今現在こうして私が書いているエッセイや、その他小説、コラム、ポエム(詩)、俳句、歌の歌詞などの様なものには、この原則の到底及ばない、極めて自由なものの作成の世界、フリースタイルといったものがそこにはある。
前者と後者は全く異なった世界であり、ある意味非常に対照的と言える。
しかし疑問に思うのは、このどちらとも同じ文章であり言葉であるのだから、どこかに共通点のようなものがあるのでは?という事である。
これは今だに、私自身が試行錯誤を繰り返し、悩んでいる点である。
警察の報告書などは、その出だしが必ず決まって、1、日時、2、場所(以下略)という形式で書かれる。一方、エッセイ等においてはこれは定まった決め事はなく、例えば「私はいま、無性に腹が立っている」などと書き出されもする。
どちらが正しいとか、そういう問題でもない。

(追伸)
これ以上、警察内部の事について言及することは極力避けたい。
なぜなら千葉県警察官は当然、地方公務員であり、地方公務員法第34条第1項(秘密を守る義務)に、
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
*「秘密」とは、一般的に了知されていない事実であって、それを一般に了知せしめることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものをいい、「職務上知り得た秘密」とは、職務執行上知り得た秘密を指す。
という下りがあるからである。




普天間基地問題など
藤田 繁美

政府情勢というものは、決まって日々絶えず変化していくものだろう。これはあくまでも、2010年5月29日現在の時点での政治批判である。あしからず…。

米軍普天間飛行場移設問題について、昨日鹿児島県・徳之島への移転案が極めて有力であった。その時点で、かつて鳩山首相が明示、口約した「少なくとも最低限、沖縄県外へと移転する」の発言は一応面目が保たれていたはずである。
しかし同日の政府閣議決定を経て、またまた逆戻りの、県内名護市辺野古周辺へ、という方針案へと遡ってしまった。
これに関連して、同案への署名を拒否した社民党党首・福島瑞穂消費者・少子化相が首相により罷免された。この揺れ動く普天間基地移設問題だけを取り上げても、恐らく政治、政府は大変と混乱している。
だがしかし、同時に政府がやらなければならない事がもう一つある。今の高齢化社会問題の抜本的見直しである。
介護保障制度というものが確立され、それはそれで考え方は間違ってはいないと認めるものの、現実を見ると特に後期高齢者等は大変と高額ともいえる掛金を毎度納めているという実態がそこにある。これを何とかする具体策は果たしてないものだろうか?と多くの人は考える。
一方、子供手当月額1人当たり13,000円は、様々な見解はあろうとも、妥当な政府案と見受けられる。
残された社会的問題を今後どう処理していくか。与党民主党鳩山政権の自力が問われるところである。




貴重な女友達
藤田 繁美

これは先日、とある女性にあてた、携帯電話メールの送信内容である。

一週間ほど前から、左肺の下あたりが痛くてどう仕様もない。良くて肋間神経痛、悪ければ悪性の癌かも知れない。
ふうー、3時間ぐらい寝て、余りに痛くて目が覚めた。でも命ある限り、俺は次の事を信条に生きていくつもりである。
男は誰も皆、無口な戦士。黙って死ねる人生、それさえあればいい。
男は、自分のエネルギーを充電させてくれる女の元へは必ず帰る!(フジテレビ・ドラマ「プライド」、木村拓哉の言葉から引用)
今の俺にとって、それは多分、いやもう九分九厘間違いなく、それはキミだよ…!
ただ、いま言った通り、俺はもしかしたら余命幾ばくもないかも…。

キミも最近体調を崩していると言ったね。どうだい、その後。治ったかい!?
一昨日は俺、独りでエキサイトしてキミの状態を一向に考えていなかったね。「大丈夫?」のひと言が無かったね。心より反省している。一方的で、キミの心理状態を全く無視してしまっていたね。
一つだけ要望。回復したなら、俺が一昨日訴えた内容に対し、大いに反発して来い。キミの意見を聞いてみたい。

だけど最近の俺たち、なぜか心がスレ違ってしまい、ちょっとタイミングが悪すぎたね。でも俺達、いくらでもやり直しは効くさ。お互いの体調が良い時、もう一回出直せば良い。

キミが日々忙しいのはよくよく解っている。けれど暇をみて、俺に真髄の、心から溢れ出るキミの本筋のメッセージを一度ぶつけて来い!
ありふれた文章じゃあ、はっきり言って全然物足りない。もうちょっと、上のランクを行こうとは思わないか!?

俺は無い金をはたいて、いま家に帰って来たところ。でも今夜、決して無駄な金を使ったとは思わない。
日々、俺にとって全ての事が真剣勝負なんだ。例え酒の場であろうとも。

でも今、俺の思う事はただ一つ。
キミと真実で結ばれたい…。




' English Conversation' 「現世の英語教育について」
藤田 繁美

先日、こういう事があった。
いま正に英会話に取り組んでいる最中の私に対し、横須賀米軍基地の仕事に携わる、とある米国人が囁いた。
「Mr.Fujita! あなたはこの位の日常英会話ができるのだから、いっそのこと、これからの時代を担う5,6歳の子供たちを対象に、実際に英会話教育を施してみたら如何か?」と言うのだ。
極めて貧困である私は返した。「それは大変と良い案ではあるが、例えば今現在の私には、そういった教室等を運営する資金すらどこにも無い…」と。
彼はすかさずまた返してきた。「ならば家庭教師という手もあるし、場合によってはハローワーク等にもそういう窓口はあるでしょう。 Mr.Fujita! 或いは自分自身で例えばチラシの様なものを作って、横須賀中央駅前あたりでそれを配るんだよ!」
大変と新鮮な意見として心に響いた。本件については、現在熟考中である…。

人それぞれに違った生き様がある様に、物事の考え方、人生観、価値観に至るまで、各々異なって当然の成り行き、という気がする。
では人生において、我々は一体何を重視すべきか? という事になる。
各人の嗜好、或いはそれは趣味という形となって表面化してくるはずである。
当然、時代を先取りした人は、まず将来においてもっともっと必要となってくると思われる「国際共通語、すなわち英語」にその原点を見出すであろう。
近年においては日々、この英会話教育というものが最重要視され、見直されて来ているという現状がある。
日本は正直な話、英語失敗国家、すなわち受験英語国なのである。だから駄目なのである。
老若男女を問わず、心ある人物は皆、この英会話に没頭する。
特に、今後の将来を担う比較的若い世代の人達、特に子供・男女を問わず、最低限日本語と英語の二カ国語は話せないと、もはや生きては行けない。いま正に、そういう時代に突入している。




CTスキャンならびにMRI検査の意義 「検査がくれたもの」エッセイ 公募作品
藤田 繁美

かつて私は、九死に一生を得た体験がある。
大学時代、あの自由に大空を飛び回る鳥たちに憧れ、ハンググライダー愛好会に所属した。ちょうど鳶が上空で気持ち良さそうに羽をいっぱいに広げて飛行している状態、あれがまさしくこのハンググライダーの飛行状態と同じなのである。
当時私は、このスポーツへと没頭した。1980年ぐらいを前後に、アメリカから普及し、多くの人達がこれに夢を懸けた頃の話である。
最初、専門のインストラクターから要所を教わり、やがて独自でやる様になった。
ここで私自身に、一種の自惚れが生じた。相当な実力も無いのに、いきなり丘の頂上から飛び出した。そして墜落、意識不明となり、最寄り長野県上田市の脳神経外科医院へと救急車にて即座に搬送され、そのままICU(集中治療室)に収容された。
私はこの時の事を未だに思い出せない。飛び立って、足が地面から離れたところまでは確かに記憶しているが、その後どういう経路を辿ってどういう風に墜落したのか、全く思い出すことはない。
同病院にて即刻CTスキャンの検査が行われたと聞いている。それだけでは詳細が判明する事なく、引き続きMRI検査が行われたという。
そこで明らかになった内容は、脳から僅かの血が滲んでいる、いわゆる脳挫傷である。
当時、ちょうどこのMRIが出回った頃だと後日聞かされ、その時私は、「ああ、この新型機種医療機器のおかげで俺は命を救われたんだな」と改めて実感した。
以後、これといった後遺症もここ30年程全くない。

私は、「自分はこの病院の最新医療機器によって命を救われたんだな。心より感謝したい」と今になってつくづくそう思う。
それと、この一件で大変とお世話になり、御迷惑をお掛けした、両親・祖母・弟ならびに愛好会の仲間たちにも、心から謝意を述べたい。




別れた息子たち 「家族のきずなエッセイ」公募作品
藤田 繁美

私には別れた息子が2人いる。双方とも、親権が相手方に渡っている。言わゆるバツ2である。
上の子は21歳で千葉県木更津市に居住しており、下の子は富山県の中学2年生で今ひたすら野球に取り組んでいる。
付き合いはある。共に年一回ずつ会うことにしている。
木更津市へは、私の住む神奈川県横須賀市から東京湾アクアラインバスを利用してすぐに行ける。
また富山県へは、毎年お盆の時期に墓参りを兼ねて、同じく同県出身である私の両親や弟の家族と合流して出向き、その際に県内の温泉地に一泊して下の子と会っている。
先日、父の日であった。私が予想した通り、どちらとも私に何の連絡もして来なかった。
悲しい…。





" Change ! " on June 3 (THU.), 2010
Shigemi Fujita

若者よ、中年よ、今こそキミ達は言える時だよ。何をジレンマし、そして何を感じたかを。
おい、おまえらそこで立ち止まってていいのか? 止まってしまったら、もはやそれ以上前へ進むことは絶対ない。 それでいいのか。本当にそれでいいのか?
進取の気性を忘れるな! 踏みとどまるな! 自分がもうこれでいいと思ったなら、繰り返すがもはやそれ以上前へ進むことはない。まだまだもっとやれると思ったら、目の前に自ずと道は拓けてくるはず…。
キミ達、かつてのアメリカのフロンティア・スピリット"the frontier spirit"を持って、願わくばこの世をより良い方向へとチェンジ"change"して行く必要が大いにある! そうは思わないか?

今こそキミ達は立ち上がる時だよ。現況を打開するために。新しい政権を築き上げるために。繰り返す。この世をより良い方向へ、変革するために…。




とある居酒屋にて
藤田 繁美

これはつい最近、ある人にあてた携帯電話メールの通信内容である。
(中 略)
お店を覗いてみると、30歳位の男性が一人、カウンターで飲んでいた。私も横に座り、おもむろに日本酒を飲み始めた。
その男、聞くに横須賀海上自衛隊に所属していると言う。四曹とかで、会社でいう主任クラスに当たると言う。
彼は悩んでいた。どうやらパソコンが苦手の様で、以前部下の一人にその操作方法を詳しく教わったそうだ。が、一回聞いただけでは覚えるに至らず、また最近同じ質問を繰り返すと、その部下に言われたそうだ。「えーつ、先輩、この前あんなに詳しく教えたでしょう。またですか?」と。彼にしてみれば、たとえこんな事でも深刻な悩みであったのだろう。
一方、この話を聞いていたお店のママ。的確に彼に対しアドバイスを送っていた。一見して65歳位の苦労人といった雰囲気のあるママであった。
引き続き、その場はカラオケタイムへと移行していった。その自衛官、歌声の第一印象はかなり好感が持てたのだが、いま一つ何かが足りない。訴え切れていない。それはきっと、彼の若さ・人生経験の未熟さが歌をそうさせるのだろうと感じ取れた。
しかしながら、彼は、言葉ではうまく言い表せないのだが、なかなか人間味のある男で、何か無限の可能性の様なものを秘めている風に見受けられた。極めて将来有望な青年として、少くとも私の眼には映し出された。
長時間が経過して行った。気が付くとやがて朝の光が差していた。お互いの会話が混沌と弾み、知らぬ間に2人はお店のママを介し連絡をとってまたここで是非再会を果たそうと約束していた。
やがて別れの時間がやって来た。我々はママに大変とお世話になった旨、謝意を述べその場をあとにした。
思えば、全く初対面の見知らぬ同士がこの種の酒場で出逢い、そして仲間となってゆくその光景が、ある意味非常に奥ゆかしくもあり、また大変と微笑ましくもあると改めて痛感させられる出来事であった。
世代を超えて解り合える、もはや理解し合えるといった姿勢、あるいは見解。これぞ人間関係の基本、人同士の巡り逢いの台帳、原点であると考えるのだが…。




"Easy Rider"
藤田 繁美

デニーズ横須賀米ヶ浜店での出来事である。
40歳位の男性が一人、黙々とモーニングセットを食べている。外は晴れ渡るような快晴。
その男、250CC位のバイクに乗っていた様なので、外に出て話を聞いてみた。
本人、曰わく。「自分は東京から来た。以前からずっと、この横須賀という土地に興味をもっていた。その前にまず、横浜にあこがれた。かつてのテレビドラマ、『あぶない刑事』、『探偵物語』など、全て横浜が舞台だった。随分と昔、ダウンタウン・ブギウギバンドの『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』や山口百恵の『横須賀ストーリー』というソングが大ヒットした。その意味で、繰り返すけど以前から横浜とこの横須賀に一度是非行ってみたい、自分愛用のこのバイクで!とずっと思い続けてきた。幸いに今日はいい天気で、私は大変条件に恵まれた」と言った。
「でもこの横須賀は、環境も良く住み良い土地ではあるとは思うけど、全然いなかだよ。街角を見てみなさい。高齢者が多く、はっきり言って余り目に留まる美人とかも歩いてない。横浜あたりへ行けば、それこそ足が長くてスタイルの良いイイ女が沢山いるよ」と返した。
その男、答えた。「でもここは米軍基地もあるし、外人さんが街中に大勢くり出す。英会話のいい練習になるのでは…。それに私は、どちらかと言うと都会の女よりは、こういったイナカ娘の方がむしろ好きですね」と。
なかなか趣のある会話だった。




ホテルマンのキャリア?
藤田 繁美

昨日の朝、顔馴染みの横須賀米軍基地所属のアメリカ人が英語で訴えた。
「Mr.Fujita!あなたはそれだけの英会話力と、併せてホテルフロントマンやナイトマネージャーの経験もあるわけだ。横須賀中央駅から米軍ベース基地までの間には、知っての通り幾つかのシテイー・ホテルやビジネス・ホテルが点在する。そこには米軍関係の宿泊客等も沢山いるわけだ。キミはなぜそれをやらない!?」
確かに自分には、地方のリゾートホテル二箇所での、フロント係長・婚礼係・料飲サービス係及び送迎バス運転手等の経験がある。
私は「あゝ、そうか!その手があったか!」としばし考えて、すかさず行動に移した。かつての千葉県警察での捜査官の勘を武器に、各ホテル宛ての聞込み捜査を開始した。
捜し当てたホテルが計四件!明後日、早速TELにて問合わせて、事情を聴いてみることにした。
とにかく自分の足で歩き回り、自分の足で稼ぐ、開拓していくという事。俺は元刑事!その経験をいま正に生かす時。今をおいて他にはない。また自分は、同時に体育会系の人間である。

明後日、結果は大変と残念なものに終わった。各ホテルあて、全面的に過去のキャリアを述べて徹底して洗いざらい自己PRを行ってはみたものの、いずれも現在のところ募集は全くしていないとの事。もしあれば、ハローワーク等を通じて求人募集をかける、との事であった。

現実は、甘くない…。




時間ゼロの世界
藤田 繁美

千葉県警察学校時代、我々は次の様な状況下にあった。

教官はいつも言った。
「おまえら、時間などあってないものと思え。卒業後、いずれ第一線に出て、キミ達は県民のために全力で働かなければならない。そのために与えられた時間はゼロと思え!脇見などしている暇はどこにも無い。おまえ達はそれで給料を貰うんだという事を、ようく覚えておけ!」
確かにその時代を振り返ると、少なくとも分単位で動いていた様な気がする。例えば食事。約10分間のあいだで済ませてしまわなければならなかった。総代が先に済ませて皆が食べ終わるのをジッと待っている。頃合いを見て彼がひと声発する。「御馳走様でした」後に続いて同じ文句を皆で合唱する。再度、「御馳走様でした」。そういう世界であった。
何をさせてものろまであった私は、ある意味皆の足手まといとなった。この食事にしても、食べ終わるのがいつも最後の方だった。
その他、場所移動にしても何でも、のんびり屋でオットリとした持って生まれた性格の私は、いつでもビリの方に位置した。その意味で同期生らには多大な迷惑をかけていた。
教官は更に言っていた。「このクラスの同期となったオマエ達は、共に助け合って今後生きて行け!」
想えば私は周りの皆に助けられて学校生活を送っていた様な気もする。お互い支え合っていくというのが同期生同士のあり方であった様にも思える。

卒業間際に教官は、こう皆に言い残した。
「自分自身の中には絶えず強い自分と弱い自分の二つがある。願わくば、その強い自分が弱い自分に打ち勝つ人間となれ!つまりは人生とは、ひとえに己れとの闘いなんだ。それと常に向上心を忘れるな!」
この言葉は今も尚、私自身の心の中に強く根付いて残り、繁栄されている。




" My best friend "
藤田 繁美

私の親友にこんな男がいる。
彼は輝かしい学歴・職務経歴等を持っているが、今はなぜかフリーでいる。
某一流大学の外国語学部英米語学科を卒業後、某県警察を拝命。警察大学校国際捜査研修所語学研修科英語課程において同時に学んだ。
のちに、離婚が原因で同県警を依願退職し、一転してリゾートホテルフロントマンへとその身を転じた。
同職を継続中に、かつての同窓会で昔付き合っていた人妻と再会。諸々の障害を乗り越えて同女と再婚し、二人目の息子を得る。
だが同人の患った「うつ病」が直接原因となり、同女とも離婚。流れ流れて、ここ横須賀の地に転居して来たという、誠に波乱にとんだ半生を送っている。
同人、再就職の意向もあり、同横須賀市内にてシテイー・ビジネスホテルあて雇用を求めた。しかしこの不景気の折、同人ほどの経歴・職務履歴があっても、答えは「ノー」だったと言う。勿論、彼の年齢的な原因・理由もそこにはある。極めて厳しい現世がここにある。
彼は再度、二度目の挑戦を試みた。ハローワークにて、子供向け英会話教室の求人募集を見つけたのである。彼の持つ実質的な英語資格は、実用英語技能検定2級のみ。TOEIC等の採点資格は所持していない。
早速彼は、自身の履歴書・職務経歴書等を同募集先あて郵送した。またまた答えは「ノー」。
本人、これについてこう曰く。「自分は大学で教職課程を取得しておけば絶対良かった。それともう10歳若ければなあ…」
大変と同情してしまう話である。
一方彼は、あくまでも趣味の域を越えないのであるが、エッセイの執筆ということも手掛けている。未だ駆け出しの全く売れないエッセイストではあるが、少なくとも近未来においてこれでビッグになってやろうという野望・野心のようなものが感じ取れる。
彼には大いに期待できる。そう思われる。




六何の原則2
藤田 繁美

私は警察官時代に次のことを学んだ。
特に各種報告書等を書き入れる際には、必ず「六何の原則」というものがその基盤となった。
この六つの必要事項とは、次の通りである。
いつ、どこで、誰が、何を、どうして、どうなった、この六項目である。
別名、4W1H・Rとも言う。
これは英語でつまりは、When、Where、Who、What、How、Result である。

実は、こういう事件があった。
私はその事件の捜査報告書を記載するに当たり、その内の原則の一つを書き入れるのに逡巡・躊躇した。それは「誰が」である。その被疑者は、知人だったのである。
その瞬間、ペンが止まった。正直、大変と戸惑った。しばしの空白の時間が生じた。様々な思いが、私の頭の中を去来した。

罪名は窃盗、手口は空き巣ねらいであった。
まず豪華邸宅のホーム・セキュリティーが作動した。専門用語で言うところの「SGSの異状感知」というものである。これは自動的に110番通報に入ることになっている。
警備会社のガードマンとほぼ同時に、警察の交番員も現場に到着した。
中に人が居る。何やら人影が動いている。すかさず交番員・ガードマンとも中に踏み込み同人を捕り押さえ、窃盗犯・空き巣の被疑者として現行犯逮捕した。
刑事課へ同人の身柄を引き渡され、取調べに当たることとなった私は、いつもと変わりなく取調室へと入った。
入った瞬間、私は自分の目を疑った。そこに居たのは、かつての高校時代の同級生であった。
だが職務を遂行せねばならない。取調べはまず、本人の生い立ちから供述調書に記載していくものと決まっている。
書きながら、ペンが震えるのが解る。自分の心も乱れているのが解る。
犯罪の動機を聴く段階へとやって来た。被疑者がこれについて話し始めた。
「私には愛娘が1人います。四歳児で近いうちどうしても眼の手術を行わなければならない。その費用として100万弱の大金がかかる。私は今お話した通り、現在失業中です。自分の預貯金に、いまこれだけのお金すら無い。だからやってしまった…」
順次、調書を作成していく過程において、被疑者の氏名等の人定事項を書く順番がやってきた。
私は涙をこらえてこれらを書き留めた。

常に冷静沈着であることが求められた。
時として、非情をも要求された…。


衝撃の交通人身事故
藤田 繁美

幕張メッセ警察官派出所に勤務していた時の話である。
深夜の時間帯に110番入電。交通人身事故という。
現場に急行すると、トラックの運転手一人が落ち着かない様子で立ちすくんでいる。
傍にペシャンコに押しつぶされた普通車が一台。車内を覗くと、虫の息の若者4人が横たわっている。
直ちに無線でレスキュー隊を要請。到着と同時に救助活動が成され、一人ずつ救急車で搬送となった。
交通係到着まで現場保存に当たっている中、立て続けに無線が入った。
「救急1号、0時35分、被搬送者死亡」、「救急3号、0時47分、死亡」、「救急4号、0時59分、死亡」、「救急2号、1時08分、死亡」
職務を忘れ、その場に呆然と立ちすくんだ。目からは涙が溢れ出ていた。
事故原因は、変則の交差点での勘違いによる、同普通車の信号無視。
救急車内で、若い命が一つずつ、次々と散って行った。返す言葉も無かった、ただ無念だった。
後の調べで、某一流大学の二回生四人組と解った。幕張メッセ出来立ての頃だったので、恐らくドライブがてら、幕張の見学に訪れたのだろう。
将来有望な若者たちが、救急車の中で次々と、息絶えて逝った…。
今だに忘れることが出来ない。


息子のいま現在
藤田 繁美

夕刻、離婚して離れ放れとなった自分の息子に電話をした。彼は今年、中学二年生となり、野球部に所属している。
ただ進級祝いのひと言を述べたく、電話をとった。
彼からのひと言。遂にレギュラーになったと言う。二年生であり、上に当然三年生の控え選手の先輩もいる訳だ。
この冬場までポジション・ショートの控えであったのが、この春からコーチに抜擢され、セカンドのレギュラーポジションを獲得したのだと言う。
彼は右投げ左打ち。これは彼が物心つく頃から左打者が有利であると見込み、私が指導し教え込んだもの。今それが実ったという実感で、私は心底満足している。
勿論、彼自身が小学校・中学校と下積みの努力を重ね、自分で勝ち取った成果であることに間違いはない。
また彼は非常に足も速い。特に走塁面に関していえば、盗塁成功率という事も含めて右に出る者はいない。またスライディングの上手さという点においても格別なものがある。
こんな状況下で、私は彼に言ってやった。「祐哉、決して有頂天になるなよ。人生いろいろあって、たまたまキミに運が向いてきたという話だ。ここで自分に浮かれる事なく、更に厳しい練習を積み重ねなさい。そうすれば、自ずと結果はついてくる」と。
すると彼は「俺、更に向上するにはどうしたらいいのかな」と聞き返してきたので私は懇切丁寧に答えてやった。
「まず、野球というのは九人でやるチームワークのプレーなんだから、とにかくその事を念頭に置きなさい。時として送りバントとかで自分が犠牲になる事もある。決して腐ってはならない。最終的に得点してチームの勝利に結び付けば良い事であるから、サイン等によりある時は自分を殺すというのもある意味大切なことなんだ」
彼は納得はした様だが更に質問を続けてきた。「でも俺、やっぱり格好いいのがいいな」
そこで私はすかさずもう一度アドバイス。「ならばチャンスに強い打者となれ。塁にランナーが溜まっている時など、ここぞという時にタイムリーヒット等で走者をホームに返せるバッターとなれ。もう一つ守備面で、セカンドというのは内野手の要と言っても過言でないから、とにかくチームプレイだね」と。
彼は果たして、自分なりに解釈してくれたであろうか。
ここで私は、自分自身の過去の経験を振り返ってみてこう思った。「はて、こう言っている私自身は、果たしてチャンスに強い打者であったのだろうかどうだろうか。現役選手時代に」と。



"Which do you like the best?"

例えば私が書き手として立ち上がって行く場合、おおむね次の4つの方法が考えられる。
1、自費出版にて、現在打ち出されている最低限の費用60万円を使用しての手段
2、作品の何らかの賞を得て、周りから認められ、本にしていく方法
3、立ち上げたブログを通じて人気を得、読者をたくさん獲得して、周囲から声が掛かり、やがて本になっていく方法
4、自ら雑誌社等に呼びかけ、例えばコラムニストとして身を立てて行けるよう、編集者等とアポイントメントをとり、道を切り開いていく方法
さて、読者はどれが私にふさわしいと思われるか?

Shige



“ A great Police activity "
Shigemi Fujita. June 19(SAT.),2010

This is an E-mail sent by my cellular phone that I transmitted to my girlfriend the other day.

An incident occured at the Denny's restaurant this morning. A man bilked on a restaurant bill.
The suspect ran away after all, because he didn't have enough money.
First, a doubtful middle-aged man came up when I was sitting at the table. After he was at the counter table, he began to talk to himself aloud. He seemed to be a worker in his mid. 50's and thin.
Then he ordered a ¥990 hamburger and began to eat it.
I watched him for a while. Because Denny's is a no-smoking restaurant, he went outside
to smoke. I also wanted to smoke, so I went out later, too.
This man told to me, "Hey, you! Do you live near here?"
I had a chat with him for 7 or 8 minutes. He said, "I came here after drinking at two or three Japanese style bars near here. And now, I have only a little money, so I can't pay for this hamburger."
Finally he said to me, "Will you please lend me some money? If you show me your address or something, I'll certainly pay back it later."
I refused it clearly, "I don't have my duty to lend you any money!"
He bowed his head and muttered, "Oh, I must be taken care of again in the Yokosuka police station. I've had enough!"
And while I was in the toilet, he finally disappeared.
I searched for him around there, but I couldn't find him.
I returned to the restaurant soon and told toward my favorite stuff boy, "Call the police and explain about the situation of this incident!"
After a while, a policeman arrived. Soon he started questioning the witness who knew about the incident. The identification activity and the inspection of the scene were done.
As I was the most involved, in this situation, I got some questions from this policeman soon, naturally. And I answered as fully as I could.
I thought that the Police activity I just witnessed was wonderful. The policeman seriously
investigated the bilking at a restaurant for only ¥990. Present Police has changed extremely in comparison with the time of my Chiba Police period. They've evolved!
I asked the policeman, "Shall I go to your police station and reply for a written statement of witness if you need it?", but he said to me, "Thank you, but we don't need it. Thank you very much for your explanation and cooperation. We appreciate your very important criminal investigation information. Thank you!"

Anyway, one point what I want to say is the following.
' My past experience has been just availed! '


“ Crime! " 「見事な警察活動」
藤田 繁美

これは先日、私が彼女に宛てた携帯電話メールの送信内容である。

今朝デニーズで、一つの事件があった。それは無銭飲食。
被疑者は、持ち金が無く逃走。
まず俺がテーブル席に座っていると、挙動不審な中年男が一人やって来てカウンターに腰掛け、何やら独りでブツブツ小言を言っている?見るからに、50歳半ばぐらいの作業員風の体形が痩せた感じの男。
そのうち990円のハンバーグを注文し、食べ始めた。
しばらく様子を窺っていると、全席禁煙につき外に出て煙草を吸い始めた。少し遅れて俺もタバコが吸いたかったので、俺も外へと向かった。
本人が話し掛けてきた。「おい兄ちゃん!近くの人かい?」
7,8分話をして聴いてみるに、「近場の居酒屋2,3軒で飲んで来て小銭わずかしか残っておらず、ここのハンバーグ代が払えない」と言っている。
更に、「そんな訳で、兄ちゃん少し貸してくれないかい?連絡先を教えてくれれば、必ず返すから」と言う。
俺は「あんたに貸してやる義理なんかねえよ」と言って突っぱねた。
同人は「あゝ、これでまた横須賀警察署にお世話になんなきゃいけないのか。もうコリゴリだ!」とうなだれた。
そして俺がちょっとトイレに行っているスキに、遂に消えてしまっていたんだ。
俺は直ぐに付近を捜索したが、同人はどこにも見当たらなかった。直ちに店へと戻り顔馴染みの男性店員に、「この事すぐに110番通報しろ!」と命じた。
しばらく経ってお巡りさんが現場へと駆け着け、直ちに事情聴取、鑑識活動及び実況見分が取り行われた。当然、事情に一番詳しい俺がまっ先にいろいろ質問を受けたので、知っている限りの事は答えてやった。
しかし俺はつくつく思った。「今の警察活動は実際ここまで突っ込んでやるのか。990円の無銭飲食ぐらいで。俺が千葉県警察でやっていた頃とは随分と変わったな。進化したな!」と。
俺は「必要があれば警察署まで行って参考人供述調書にでも応じましょうか」と差し向けたが、「いえ、その必要はないです。色々と説明して頂いて、御協力どうも有難うございました。大変有力な捜査情報が得られ感謝致します」と返された。
とにかく一つだけ言える事は次の通り。
昔の俺の経験が、正に生きた!


私流、会話の原点
藤田 繁美

私はだんだん腹が立ってきた。
こんな事もあった。私も相手も、共に自分の信念に基づく自己主張があまりにも強過ぎて、どうやっても解り合えない、つまりは意見が一致せずどうにもまとまらない、といったケースだ。
人それぞれ、詰まるところ、本来全く別個の言論・言動、また思考回路といったものを持ち合わせているからだ。
比較的言える事は、私が人以上に人の話によく耳を傾けるということ。
人と話を持つという場において、決まって私はまずその相手の言い分から聞き入ることにしている。あえて最初から自分を主張する事は決してしない。
まずその人が、果たしてどういう考えを持った人間であるのか、はたまた最後には彼がどういった人間性の持ち主であるのかまで、まずはじっくりと観察してしまう。そしてその後にやっと、私は自分の意見を述べ始める。
例えば酒の席での語らい。得てして特に男同士の会話においては、この酒というものがたいへん重要な潤滑油となってくれる。お互いの自分自身を出すという要素においては、もはや必要不可欠な存在と言っても過言ではない。
そうこうしているうちに、やがて会話は弾み、気が付くと絶好調に達して行く。しかし、問題はむしろここから。
その状態に至った時、私は初めて口を開く。つまりは前述の自己主張を開始する。
当然別個の人間であるが為、自ずと意見が対立する部分も表れる。その場合、時としてけんか口論に発展するまでも、状況によりけりでやり合っても良いであろう。暴力行為までいかないのであれば。
私の場合、人の主張をそのまま鵜呑みにするというのではなく、まずその意見を私自身の中で分析検討し、いらないものはその場で瞬時に切り捨ててしまう。そうして残ったものだけを、もう一度更にかみ砕き、最終的に存在するものだけを自分の中に取り入れ、己れの栄養素とする。
この様な状況の中で、時として私は強く自分を主張するといった場面も出てくる。というのは、私の中にもはや誰がどうやっても動かない信念みたいなものがあるからである。
けれども、時として私のその信念が大きくぐらつく、といった様な事も確かに起こる。それは相手方の主張に充分な説得力がある、といった場合に限られる。
こうやって、話し合いの中で双方が相互の長所・短所というものを見極め合いながら、共に自分自身を高め合ってゆく、これすなわち会話の原点である、と私は信じて疑わないのだが。



人生の教訓
藤田 繁美

私は最近、某ラーメン店での仕事を解雇された。
その理由は至って簡単。腰を痛めてしまい、作業ができなくなったからである。
思えば、わずか4日間の労働であった。
日頃から全く身体は鍛えておらず、加えて長年働く事をしなかった私は、いきなり初日、週末忙しいさ中の職場へと駆け込んでいった。
当然、初めての経験であるが為、言うまでもなく右も左も解らない。そんな私にお店側はいきなり、「人手不足につき、ラーメンは手を出さなくていいから、とりあえず餃子とチャーハンだけ作ってくれ。頼む」と無理難題を押し付ける。
両者の基本的な作り方だけ簡潔に教わり、いざ実戦。訳もわからないまま無我夢中で冷や汗をかきながら、一生懸命に作った。
餃子に関しては比較的早くにマスターしたものの、いざチャーハンとなると非常に難しい。
できた物を先輩に見せると、「駄目、焦げ過ぎ。もう一回やり直し」と怒鳴られる。必死で作っても何回もの間その繰り返しだった。
そうしているうちに、いつの間にか初日が終了していた。足腰ともガタガタになった。だが私は、「身体がたとえ悲鳴を上げても、俺の精神は負けないぞ」と自身に一喝した。
熟睡し目が覚めると、足の痛みは消えていたが、肝心の腰の方がどうも言う事を聞かない。すぐに整形外科へと赴き、応急処置として注射二本を打ってもらい、現場へと直行した。ところが腰が原因で、止むなく仕事に支障が出る。
遂に5日目の朝、私は成るべくして解雇されてしまった。想えば貴重な短期間の人生勉強であった




"Every day" 「日々、思うこと」
藤田 繁美

延々と眠れない夜が続く。
はて、私は、日々何かに精進しているのだろうか、前進しているのだろうか、努力しているのだろうかという疑問が湧き出てくる。
自信はある。けどそれが空回りはしていないだろうか?
ふと自分を見つめ返した時、とてつもない不安にかられる。
今の自分がこれでいいと妥協したなら、それ以上前へ進むことはない。
まだまだ、もっとビッグになれるんだ、と思えば、そこに必ず道は拓ける。
自己満足してはそれで終わりと思う。日々自分を高めていく気持ち、これが重要と思う。
また自分に多少なりとも人間的魅力というものがあれば、自然と人は自分の周りに寄って
来るはずである。
いま、私は何かに届きそうな、そんな予感がする。しかし未だ現在、私はまだそれに至っていない。
あくまでも発展途上なのである。
この歳になっても尚、私は自分自身を叱咤激励し、戒める。

私は心底、「自分はエッセイスト」、そう思う。たとえ趣味でも構わない。もはやこの道しかない、と常日頃自分自身に言い聞かせている今日この頃である。