サロメは聖書に登場する女の子。
洗礼者ヨハネ(ヨカナーン)の首を欲し、
銀のお皿に乗せられた彼の首を持つ姿が有名で、
たくさんの西洋絵画に描かれています。
とくに19世紀末にオスカー・ワイルドが「サロメ」を戯曲化して以降
欧州ではサロメがブームになったようです。
リヒャルト・シュトラウスのオペラ作品なでも有名ですね。
そんなサロメの絵画を集めてみました。
生首が登場するような絵なので、若干のご注意を。
奇怪な雰囲気はなく落ち着いた感じです。
ヨハネの首も、首と言われなければ、単に男の人を
抱きかかえているだけのようにも見えます。
妖しい魅力が強く、好きな絵です。
北方ルネサンス特有の過剰に細密で装飾過多な服装もいい感じ。
首の断面を手前に描かなくてもいいのに・・・と思います。
・カラヴァッジオ
バロックの巨匠カラヴァッジオのサロメ。
なぜか首を直視せず顔を背けるサロメ。
画面左側から光が当たる。
光の効果が劇的なカラヴァッジオらしい絵です。
・モロー
象徴派の画家モローのサロメ。
タイトルは「出現」
銀のお皿の上ではなく、なぜか空中からヨハネの首が現れています。
この絵は何パターンか描かれているようですが、
そのうち一つは2005年に日本に来てました。
実物はヨハネの首から滴る血の赤がやたらと印象的でした。
・ビアズリー
このサロメはオスカー・ワイルドの戯曲の挿絵です。
ヨハネの首にキスする瞬間のサロメ。
首の血は装飾的な線となり画面下の植物に注がれる。
画面構成と線が楽しい絵です。
・パスキン
エコール・ド・パリの画家パスキンのサロメ。
大阪市立近代美術館(準備室)が所蔵している絵です。
全裸のサロメ。
ヨハネの首は左下にありますが、サロメの意識は違うところにありそうです。
首との遊びに飽きたんでしょうか。
パスキンらしい淡い色がい感じ。
聖書に登場する「首」といえば、
ユディト(ホロフェルネスの首)やダビデ(ゴリアテの首)などもあり、
これらもよく絵画に描かれています。
これらの絵については、また次の機会に。