2年前にヒプノセラピスト養成講座を受講した他県の中学の先生から、先日相談を受けました。
自分の受け持ちの中学3年生の生徒の最後の道徳の時間に、ヒプノセラピーを行いたいというものでした。
ヒプノセラピー(催眠療法)はセッションの仕方がたくさんあり、一番有名な退行催眠(過去世を見る)だけでなく、年齢退行(過去に戻り想いを解消する)、病気や臓器との対話、亡くなった方との対話など、様々なセッションがあります。
今回は50分という超短時間ということもあったので、未来巡行というセッションをすることにしました。
ヒプノセラピーは、自分の心の奥底にあり深くて分かりづらい本当の想いとか過去の記憶などに自分で気づき、自分で癒し、これからの生き方を楽にするための手法です。
その心の奥底には過去だけでなく、なぜか未来の記憶も入っているというのがヒプノセラピーの考え方です。
生き方を楽にする方法として、過去の想いを書き換える方法だけでなく、未来の自分にエールをもらう方法もとても有効です。
そこで、多感で自分のことを色々考え始め、しかも不安もあるであろう中学3年生に対して、未来の自分に会ってもらう未来巡行を選んでもらったのです。
そして、先日「大成功でした!」という報告をもらいました。
生徒たちは全員、活き活きと過ごしている未来の自分に会い「大丈夫!」と言ってもらうことで、これからの自分に自信を持てた様子だったそうです。
その中で一番印象に残った生徒は?とお聞きしたら、普段あまり登校しないA君について教えてくれました。
ご両親が家のことをほとんどしてくれず、自分の居場所がどこにもないと感じているらしく、ひと月数回しか登校してこない生徒さんです。
でも地頭がよいため理解も速く、運動神経も抜群で、人を惹きつける不思議な魅力を持っているとのこと。
セッション中はずっと頭を動かし続けていたので「見えてないのかな?」と先生は思っていたそうですが、振り返りをしてみたら一番鮮明にイメージができていて、はっきりと未来の自分と会い話ができていたそうです。
30歳半ばの自分はアフロヘアで自由で楽しく過ごしていて、中学の頃の自分に「まあ、大丈夫だ」と静かだが力強い言葉をもらい、終わった後は不思議な力が湧いてきたとのことでした。
中学生は大人と子供の中間で、これからまだまだ大きく伸びゆく時期でありながら、変化もしていくので不安定な時期でもあります。
その時に「今ちゃんとしないと将来困るよ!」という恐怖を植え付けるのではなく、「今を自分らしく生きていけば将来も大丈夫だよ!」という安心を与える方がはるかに力になると思うし、さらには未来の自分にエールをもらえたら、こんなうれしいことはないのだと思います。
そんな子供たちの無限の可能性を引き出す道具としても、ヒプノセラピー(催眠療法)はあるのです。
ちなみにA君の進路のことをお聞きしたら、すでに推薦で進学が決まったそうです。
A君は出席日数が極端に少なく特に実績がないので推薦で合格というのはほぼあり得ないと思うのですが、部員2人のバスケ部が(合同チームで)試合に出た時、その試合を見にきた高校のバスケ部の先生がA君を見初め、「ぜひうちの高校のバスケ部の雰囲気を変えて欲しい!」と熱望されたとのことなのです。
運動能力とか出席日数というデータよりも、A君の深いところにある人間性が評価されたわけです。
僕はA君に会ったことはないのですが、でもA君の奥にあるまだ荒削りの素敵な魂が、これからどんな光を放っていくのかなと本当に楽しみです。
子供たちの純粋でまっすぐな魂って、本当に素敵です。
その子供たちに関わる教師というお仕事の尊さにも感服した日になりました。^^