小学一年生の夏休みだったと思う。我が家は沖縄旅行に行くことになった。
しかし記憶の中では、ビーチでキャハハとかそんなイメージが全く残っていない。
その旅行には僕の祖父(母方の祖父)が参加していた。
彼は当然ながら戦時中徴兵され、中国戦線を戦ったと聞いている。
突撃隊のようなこともやらされたと聞いたが、何せ僕が小五の時に死んだので、記憶が曖昧だ。
だから祖父の強い意向だったのだろう、沖縄旅行は完全に戦跡巡りとなっていた。
牛島中将が自決した地下壕なども案内され、ガイドの説明を訳も解らず聴いていた。
『沖縄戦』という写真集も買った。集団自決の遺体の写真やらが大量に載っていて、当時の僕はどちらかというとホラーとかそういう怖いもの見たさで読んでいた。
しかしまぁさすがに折角の沖縄で景気が悪いというかしんみりしているというか、ビーチでキャハハとか海きれいー!とか、そういうことはまったくなかったと思う。 美ら海水族館はかろうじて行ったかも知れないが。
一番この旅行に胸膨らませていた母はこの旅行に満足だったのだろうか?まぁ聞いたことないけど。
それだけ祖父のこの旅行に懸ける想いは、相当なものだったのだと想像できる。
そしてひめゆりの塔を訪れた。
石碑が飾られてあったが、やはり印象的だったのは浅めに掘られた洞窟だった。
幼心に、何とも言えない気持ちになった。
こんなところで女学生たちが懸命に戦ったのか……。
沖縄戦の悲惨さは、僕が言うまでもなく明白なものだ。
「日本本土」として唯一戦場となり、94000人もの民間人の死者を出した。
その後アメリカに占領され、1972年に日本に返還されたが、未だに米軍の「極東最前線基地」として機能している。
日本に翻弄され、アメリカにも翻弄され、それを今になって「なんくるないさ~」で済ませられる訳がなかろう。
沖縄が日本領となった歴史的背景はひとまず置いておいても、沖縄という地に対する贖罪の気持ちを我々日本人全員が持つことは、「同胞として」当然だと思う。
……で、今回の西田なんとかとかいう「戦争を知らない子供たち」の発言だ。実に情けなく、薄っぺらい。
京都出身だという。お公家さん気取りなんどすなぁ、田舎もんはぶぶ漬け食べてさっさと帰っておくれやす。
こんな無知無学な人間が参議院議員をやってること自体が信じられない。そりゃセクシーナイトもSPEEDもおニャン子も堂々と議員名乗れるわ。
もちろんだが、「日本軍が沖縄に入ってきてひめゆり学徒隊が亡くなり、その後米国が入ってきて沖縄が解放された」などという叙述は、 ひめゆり平和祈念資料館のどこにもない。
こういう「ネット原人」には「ググレカス」ということばも通じないのだろう。ただの土人だ。
日本本土と沖縄(と、ここではあえて分けて捉えてみる)のセンシティブな関係に、何も知らないバカが茶々を入れる。
こういう輩こそが、真の意味での「非国民」ではなかろうか?