みなさんこんにちは。
福島直樹です。

番組(六回目の放送)では、
志望動機、エントリーシートについて考えてみました。

番組でお伝えしたように、エントリーシートとは企業が用意した履歴書と考えることができますね。
たとえば次のようなエントリーシートの質問があります(今年の某メーカーの例)。

1.あなたが生きていく上で大切にしていることは何ですか? 
2.あなたが就職活動をする上で、一番大切にしていること、または大切にしたいことを教えてください。




●学生の常識的な反応
エントリーシートを前にした時、ほとんどの学生はまず、質問の答を考えます。というか質問の答えしか考えないんですよ。条件反射のようにエントリーシートを書いてしまう人が多いようです。
上記の質問であるなら、

「私が生きていくうえで大切にしていることって何だろう?ええと、健康管理に気をつけていることかな。健康でないと仕事でも会社に迷惑かけるし、これでいいかな」。

僕はまず、このような常識的な反応を疑うべきだと思います。



●常識を疑う1「そもそも、なぜエントリーシートなのか?」
昔は履歴書を使う企業がほとんどでした。エントリーシートを使っていたのは、大手マスコミぐらいのものでした。
ところが今ではほとんどの企業でエントリーシートが使われています。ということはまず「なぜエントリーシートを使うのか?」ということから考えてみてもいいと思いますよ。

その理由はいろいろあるでしょうが、次のようなことも大切なポイントだと思います。

・ エントリーシートでは履歴書と違い、企業が聞きたい質問を聞くことができる。
・ 書式が学校ごとにバラバラの履歴書に比べ、求める人物像を判断する上で比較検討しやすい。
・ 書式が統一されていて読みやすい。
・ 人材の質によりこだわった採用をする場合、履歴書では効率が悪い。


→ということは、
1、以前の履歴書の時代に比べ、企業の、学生を見る目が厳しくなっているのではないか。
2、エントリーシートの設問から、企業の求める人物像がわかるのでは。


ということが類推できるはずです。



●常識を疑う2「なぜこの質問をするのか?」
さらにもうひとつ疑ってみましょう。
これは番組でも何度か言っているのですが、漫然と質問の答えを考えるだけでなく、なぜこの質問をするのだろうか?質問の意図、目的、背景は何だろう?と考えてみましょう。



●常識の疑い方(考え方のプロセス)
1、エントリーシートの設問をすべて読む。またホームページ、セミナーの内容も参考にしながら、企業がどのような人物を求めているのかを類推してみる

2、自分なりに答えが見つかる。ただ安易にそれを自己PRには反映させないほうがよい。
(この企業は積極性の高い人がほしいようだ。では自己PRのアピールポイントは積極性にしよう!というのは安易すぎるということ)

3、次に個別の質問について、「質問の意図、目的」を考えてみる。



●事例で確認
例1 白紙のスペース(A4、一枚)に自由に記入してください(文章、イラスト、写真など)。
→あなたの発想力、想像力や、パターン化された自己PR・志望動機から見えてこない価値観を知りたい。

例2 あなたが学生時代に打ち込んだこと(300字)
どのような問題、困難が発生したか?(300字)
どのように解決したか?工夫したこと(300字)

→経験に裏打ちされた課題解決能力の高い人がほしい。質問を3つに分けて聞くことで、困難を乗り越えた経験のない人は書きにくい設定になっている。
仕事でもさまざまな困難が起こるが、それを乗り越えていけるような、発想力、精神力がある人がほしいのでは、と類推できる。



● このような考え方を習慣にしよう。
このような考え方を習慣にしましょう。将来の仕事で必ず役に立つはずです。
仕事というのは、なんらかの課題解決です。そうでなければあまり価値のない仕事ということになってしまうでしょう。
顧客は自分自身の課題に気づいていないこともままあります。顧客の声を聞くことで、顧客自身が気づいていない課題や問題点に気づくためにも、このような考え方が役に立つはずです。
「そもそもなぜ~なのか?」「意図、目的は何なのか?」このように考えることは、あなたの将来への投資になるはずです。就職活動も内定を取るということより、自分の将来への投資だと考えてやってみましょう。

ではまた!

みなさんこんにちは。
福島直樹です。

前回は、就職活動の素朴な疑問、「リクルートスーツはこれでいい?」についてお話しましたね。
今回も番組で触れられなかった素朴な疑問をいくつか取り上げてみたいと思います。


Q.広告業界志望なのですが、親が反対しています。親は公務員になってくれというのですが、どうしたらいいのでしょうか?


A.う~ん、そうですか。では親と相談して決めてください。このような相談をすること自体、幼稚な気がしますが、まあいいでしょう。僕は次のように考えます。

・親が金融を進める理由を詳しく聞いてみる(「金融=安定」という理由であれば、そういう時代ではないのですが)。
・あなたが広告を志望する理由が曖昧なため、親が納得していないのでは?
・親を納得させられないようでは、面接担当者を納得させるのは難しい気がします。
・実は僕も親に公務員をすすめられましたが、まったく意に介しませんでした。
・親の意見で自分の気持ちが揺れるということは、広告業界への志望意欲がそもそも高くないか、親への依存度が高い人なのではないか?
・社会人になるということの意味の一つは自立するということでもあります。
親はあなたの人生の責任をとってくれません。というか誰も責任を取ってくれません。
以上です。



Q.僕は肌が白いのですが、日焼けした方が精悍な印象になって有利と聞きました。日サロに行くべきでしょうか?

A.確かに色白は弱々しい印象を与えるかもしれません。しかしそれでも希望の企業から内定を取った人はいくらでもいます。
どちらでもいいのですが、色白であることで自分に自信が持てないのであれば、日焼サロンに行くのもよいかもしれません。
しかしもっと大切なことが山ほどあるような気がしますが。



Q.エントリーシートに貼る写真は、見た目が重要視されるので、プロに撮ってもらった方がいいのでしょうか?

A.確かに見た目はバカになりません。プロのカメラマンに撮ってもらうのもよいでしょう。
しかしあまりに素敵に写り過ぎて(修正を入れ過ぎて)、現実のあなたからかけ離れてしまうのも問題です。
採用担当者が違和感を感じない程度にしておきましょう。
まあ、普通の写真で成功しているケースもたくさんありますが。



Q.趣味の欄に「読書」や「音楽鑑賞」と書くのは、ありふれているのでよくないと聞いたのですが。また「ゲーム」や「アニメ」と書くのも問題アリでしょうか?

A.「読書」や「音楽鑑賞」が一概にダメとは言い切れません。あなたが無趣味な人間で、「趣味については突っ込まれたくない」のであれば、このような書き方で問題ないでしょう。
ゲーム、アニメもそこからあなたの人柄や魅力が伝わるのであれば、問題ないはずです。
ただあなたの対人コミュニケーションに問題があり、趣味が「ゲーム」や「アニメ」ですと、採用担当者は少し不安を感じるかもしれませんが。



Q.自己PRで「体が丈夫」と書きたいのですが、書いてもいいのでしょうか?

A.健康であることはいいことです。しかしそういう人はたくさんいます。もっと他にアピールできることはありませんか?
企業は仕事で活躍してくれる人を求めています。
「体が丈夫」であることはそのための必要条件の一つですが、十分条件を満たすとは言えないでしょう



Q.自己PRで「留学経験」のエピソードはよくないと聞いたのですが…

A.確かにこのような噂は最近よく耳にします。その理由としては、「留学経験」の自己PRは似たような話が多いからかもしれません。
「初めは右も左もわからず、ホストファミリーともうまくコミュニケーションできませんでした。しかし~~なことがあり、~~に努力することで、信頼関係を作ることができました。勇気を持って踏み出すこと重要性を学びました。云々」
というような話が多いのです。

・このような話でも、その後の質疑応答であなたの答に説得力があれば、評価されることは十分ある。(その後の質疑応答のレベルを上げるためには、前に説明した「5X5のQ&A」が有効)
・自己PR以外の部分に説得力があれば、評価される可能性はある。
・この自己PRをさらに進化させることで説得力が出ることは十分ある。
・進化させるためには自分なりの「課題解決の方法」、「成果を出すコツ」を考えてみるとよい。
・どうにも進化しない、あるいはその後の質疑応答も陳腐であるなら、別のエピソードを考えてみてもよいかもしれない。



Q.自己PRや志望動機の欄の最後に「よろしくお願いします」と書いたほうがいいと聞きました。書くべきなのでしょうか?

A.どちらでも結構です。



ということで楽しいQ&A講座はおしまいです。
次回はエントリーシート、志望動機についてお話しますね。
では!!

みなさんこんにちは。
福島直樹です。

番組(五回目の放送)では、
「『カジュアルな服装でお越しください』って何を着ていけばいいの?」
「エントリーシートで強調したいところに赤ペンを使ってもいいの?」
「面接で方言が出ると落とされる、ってホント?」
などの初歩的な疑問に人事の方に答えていただきました。


●くだらない疑問も当然の不安です
社会人からすれば、「なんだか低レベルな話だな」「どうでもいいことなんじゃないの?」と感じるかもしれませんね。
しかしこのような疑問を抱く学生は少なくないし、自然なことだと思いますよ。
ほとんどの学生は仕事をしたことがないですよね。つまり仕事で要求される常識や、「一般論として~~と言われているが、実際には○○を押さえておけば大丈夫」といった「実際のポイント」がわからないわけです。だからこのような質問や疑問が出て来るのではないでしょうか。

(社会人並みのスキルが求められるアルバイトをやっていた学生や、たくさんの社会人と話した経験のある人は、なんとなく「実際のポイント」を理解していることが多いのですが)


●リクルートスーツの疑問
そして、今回は番組で取り上げられなかった疑問を取り上げてみたいと思います。
「リクルートスーツはどんな色が有利なのですか?」
「二つボタンより三つボタンのスーツの方が有利と聞きましたが本当ですか?」(男子学生)
「シャツの色は白でないとダメなんでしょうか?」


そうです。リクルートスーツ、服装について説明させて下さい。


● 服装、身なりについて企業が求めているものは特にない!?
多くの企業、面接担当者は、
「スーツは黒よりチャコールグレー(濃いグレー)がよい」
「シャツは白であるべき」
「男子のスーツは二つボタンより、三つボタンの方がのぞましい」
「女子はパンツスーツよりスカートの方が無難ですよ」
というようなリクエストやアドバイスは、まずありません

「清潔感があり(相手に不快感を与えない)、自分の服装に不安がないのであれば、何でもいいのでは?」
と考えている人がほとんどです。
中には、
「別にリクルートスーツでなくていいんだよな。個人的には」
という人もいるぐらいです。
また会社によっては、リクルートスーツを一度も着ずに内定が出たケースもありました。
つまり学生が考えているほど、リクルートスーツについて企業は注意をしていないということです。まずこれが前提です。


●しかし避けるべきパターン(失敗例)はある。
つまり大げさに言えば、正しいスーツスタイルというものはないのです。ただ「これはまずいな~」という失敗例や避けるべきパターンはあります(後で説明します)。
あなたは「企業に好かれるであろう正しいスーツ」を求めるのではなく、避けるべきパターンを知り、あとは自分の好みと予算で決めて行けばよいのです。


●面接担当者が無意識に感じている事「見た目と中身は比例する」
ただ、一つ理解してほしいこと、企業側が長年の経験則として理解してしまっていることがあります。
身なりがきっちりしている学生、清潔感のある学生は、情報感度が高く、発言内容に説得力があり、マナーや対人コミュニケーションのレベルが高いケースが多いのです(もちろん例外もあり)。
逆に言えば、ホストみたいな格好している男子学生で、レベルの高い人がいないわけではないが、とても少ないことも事実なんです。

よって面接担当者は無意識にそんな先入観を持ってしまうのものです。これは面接担当者自身が気付いていない事も多い(特に営業、企画など、人事以外の部署の社員が面接を担当しているケースで多い)のですが、大切なポイントだと思います。


● 服装で避けるべきパターン(ありがち失敗例)
以下のような服装は止めましょう。だらしない印象を与えてしまいます。

◆男子
・著しいオーバーサイズ(ぶかぶか)のスーツ。肩が落ちていたり、着丈、袖(そで)が異常に長いなど。ジャストサイズのスーツを着て下さい。
・二つボタンスーツ、三つボタンスーツどちらでもよいですが、一番下のボタンは止めません。
・パンツの折れ目が消え、よれよれになっている。
・パンツの裾(すそ)が長過ぎでダブついている。基本はワンクッションです。
・ベルトと靴の色が合っていない。黒で統一しましょう。
・シャツの首周りが汚れている、ひどいしわがよっている。
・ネクタイの結び目とシャツの第一ボタンの間の隙間が大き過ぎる
・ 靴が著しく汚れている
・ スーツの色は紺、黒、グレーの無地であればどれでも大丈夫です。色や値段よりサイズが大切ですよ。


◆女子
・男子ほどではないのですが、たまにオーバーサイズのスーツの人がいます。
・意外に多いのが、ジャケットの袖(そで)が長過ぎる人。面接で座っている時に、腕に多量のしわがよります。
・ これも意外に多いのがシャツがよれよれの人。多分、カジュアルシャツを着用してしまっているようです。しわ加工のシャツはやめましょう。
・ スカートでもパンツでも好きな方でかまいません。スカートは短過ぎるといやらしいし、長過ぎるとダサイかんじになります。
・ アクセサリー、メイクはみなさん控えめにしていますが、女子の場合、あまりに地味過ぎるのもどうかと思います。小さなピアス程度はよいのかもしれません。
・ スーツの色は紺、黒、グレーの無地であればどれでも大丈夫です。色や値段よりサイズが大切ですよ。


● 注意点
以上は一般的なケースですが、アパレル業界については、事情が変わります。おしゃれであることが積極的に評価される業界ですから、無難なスーツではなく、しゃれたスーツを着ていきましょう。シャツも白以外ももちろん大丈夫です。


ということで服装は、なかなかバカにできない問題です。今のスーツや服装に不安があれば、面接のときに影響が出るでしょう。避けるべきパターン(失敗例)で確認して、自信を持って面接に行きましょう。

では!
また!