いつも定期的にご質問が届く「アピストの色揚げに良い餌はなんでしょうか?」
これは本当に奥深く、一概にこれが良いですと言える餌は存在しないのが面白い所であり、難しい所。
基本的にアピストの体色を楽しむのに一番大事なのは「環境」
どんなに素晴らしい餌を与え続けても、背面が透明だったり白い壁だったりしたら色が飛んでしまう。
アピストは背面ブラック一択なのだ!!w
そして底床は種類ごとに色が合う合わないがある。
まぁこの辺は好みの問題なので置いておこう。
次に水質。
アピストは面白いもんで、水質がバチッとハマれば自然と色が揚がる。(正確には色揚げとは言わないけどw)
逆に水質がその種に合っていないと全体的にぼんやりとした色合いになり、弱っていってしまう。
またネット上で見れるアピストの多くは鏡を使ったフィンスプレッティング状態のアピスト。
これはまた色揚げとは違い、普段絶対見れない色が出てきます。
ビタエニとかカカトなんかの紫がかったヒレなんて特にそうですが、飼育してる上で鏡を見せた時の色合いは普段絶対に出ません。(敵が同種のメスくらいしかいないからね・・・笑)
なのでネット上で見たアピストの色合いを見たければ鏡を見せる必要もありますね。
最近ではRGBライトの登場で、以前より一層「見たことのない体色のアピスト」を見かけるようになりました。
これはライトの影響が大きすぎるのでRGBライトを使わない限りその体色のアピストは見ることはできないでしょう。笑
まぁこれは色揚げではないけども。
上記条件は色揚げにおける「大前提」部分。
ここからが色揚げのお話。
色揚げに良い餌。
私は市販されていたありとあらゆる餌を購入し、使用した。
その中で「これだ!」という餌は一つもない。
何故か・・・。
何あげても結構色が揚がるのだ。笑
色揚げ特化!みたいな売り文句の餌でも適当に買った適当な餌でも五十歩百歩。
大差ない。
じゃあ何あげたらいいんだよっていうねw
皆さんがどこまで色揚げを突き詰めるかにもよるんですよね。
綺麗になれば良い程度であればプレコタブレットみたいな特殊なやつを除けば市販の人工飼料与えたら見違えるほど色が濃くなります。
例えばこのウィンケルフレックのF1ですね。(画像借りパクしましたw)
これは私が稚魚の頃から鱗にメタリックを乗せる為だけに色揚げ(っていうのかな?)した個体です。
背面白で色飛びしていますが鱗のメタリックは一切薄れてませんね。
(メタリックを乗せるには書くと炎上するような成分もあるので企業秘密にしておきます)
赤を上げる成分を抑え、それでいて鱗に色が乗るように作りました。
本来ウィンケルフレックは普通に育ててもこんなに鱗にメタリック乗りません。
ここから人工飼料を与えていくと黄色部分が赤くなっていきます。
実はアピストに限らずだろうけど、目的の色に合わせた食材があります。
赤を乗せるにはご存知の方も多いかもしれませんが、甲殻類を餌にすると一番乗せやすいです。
理由は知りませんが、私の経験上、赤を出すのは甲殻類と決めています 笑
ということは、アピストを赤く色揚げしたい時は甲殻類の成分を多く与えると良いという事になります。
エビ・・・そう、エビさん!
人工飼料を買う時に成分表というのがパッケージの背面に必ずありますので見てみましょう。
色々並んだ呪文のような中にオキアミミールという文字があればエビです。笑
ブラインシュリンプで赤が揚がりやすいのもまぁエビだからでしょう。(雑
市販の人工飼料でオキアミミール入ってない物を探すほうが難しいレベルで入っているので赤の色揚げに関しては何あげても勝手に上がっちゃうと思えば間違いないです。
赤の色揚げが一番簡単であり、一番目立ちます。
画像ちっこいw
何度も登場してますが、この個体はアガシジィ スーパーレッドの稚魚に赤が乗るであろう餌を一切排除して育てた個体です。
本来赤いはずの部分が全て黄色になっています。
(かなり太ってますが、ブラインシュリンプなどを与えられなかったので体型維持が難しかったです(´;ω;`)ブワッ)
このように黄色と赤には密接な関係があります。
甲殻類を一切与えなければ赤い部分は黄色になる。
逆に黄色の部分は色揚げしまくると濃いオレンジ~赤くなっていくという事です。
カカトゥオイデスの稚魚も赤を抜いてみました。
(こういう変なブリードばかりしてたら、知らない人に何故かやたら怒られましたけど、昔はそういう変な時代だったんですよねwその人のブリードアピストを後ほどネットで見る機会があったんですが、めちゃくちゃ酷いレベルでちょっと笑っちゃいますがw)
ね?なんとなく赤は甲殻類なんだなぁということがわかったはずです。笑
*もちろんその他の餌でも影響出る物は多いと思いますが、私は甲殻類だけを排除して試したら赤が一切入らなかったのでそう思っています。
じゃあ青はなんなんだよと。
これはよく分かってません。
適当に人工飼料与えてると青は濃くなります。
なので気にしたことがなかったので試してないんですよね。
さて、ここまで読んで、「結局色揚げって何が良いの?」という疑問に戻りますよね。
突き詰めて変な色の個体を作ろうとしない限り、「市販の人工飼料」なら何でもよく色は揚がります。
だってまんべんなくいろんな成分入っているんだもん。笑
当店で出していた、オリジナル人工飼料「赤鬼くん」
説明文にも「市販の人工飼料まぜただけ」と記載してましたが、何を入れていたか教えちゃおう!!
・キョーリン ネオプロス
(主に青の色揚げ目的/かなり揚がりますがこの餌だけを与えすぎると何故かよくお腹を壊すので混ぜたり抜いたりしたほうが良いかもしんない..小麦粉が多いのかな)
・キョーリン ひかりクレスト カラシン
(嗜好性が異様に高く、色も程よく揚がります)
・キョーリン ひかりクレスト カーニバル
(大型魚では最もメジャーな餌ですが、オキアミミールが多く嗜好性も高いので赤の色揚げ目的に混ぜました)
・テトラ クリル-E
(完全に赤の色揚げ目的ですが、嗜好性がアピストには異様に低いので少量だけ混ぜました)
・キョーリン ブラッド-レッド パロット
(フラワーホーンの赤の色揚げ用の飼料なんですが、何故かアピストの青が揚がります・・・成分見ても赤が揚がりそうなのに、何故か青が....笑/こちらはタンパク質と脂質も低く割と愛用しましたが浮上性な上にものすごく硬いので砕いた後に水分を含ませて沈殿させる必要あります)
・キョーリン ひかりクレスト コリドラス
(単体で与えるとアピストは見向きもしませんが、混ぜるとやけに食いつきが良くなるので少量だけ混ぜてました/こちらはスピルリナによる赤と白の色揚げを狙ってます)
・キョーリン バイブラバイツ
(単品だと硬すぎてアピストがそもそも食わないので、なんとなく入れてましたが、これはアピストに向いてないと思うwでかいアピストだけはちょっと食べる感じw)
自身で使用していた時はすり鉢で適当に潰して、水を入れた容器に使用分を入れ、スポイトで水ごと吸い込み噴射していました。
なぜ水を一度含ませるかというと、すり潰しただけでは硬く、アピストが嫌がることもあり、ふりかけただけだとすごく食べにくそうだったからです。笑
なぜこんなにいろんな物混ぜてたの?
と思う方もいるかと思いますが、アピストってグルメじゃん?
あの人にオススメされたこの餌、全く食べないんですけど・・・
みたいなの多いじゃん?
赤鬼くん食べなかったアピスト見たことないんですよね、私。
輸入翌日のワイルド個体ですら狂ったように食べてくれたのでw
話は逸れますが、アピストが人工飼料食べない問題ってあるらしいですね。
解決方法を教えましょう。
ひかりクレスト カラシンを指でゴリッと軽く潰して水に少し入れておいてスポイトで与えてみましょう。
多分速攻で食います。
これでも食わない時はブラインと混ぜて与えてみましょう。
まず間違いなく食べます。
もはやキョーリンの回し者レベルでキョーリンばかり使ってますがw
色揚げに良いらしいよーって餌、何を目的に使ってますか?
一種類だけ与え続けるより、複数を混ぜたほうが食いつきいいし色も揚がるぜー。っていうなんとも取り留めのない話。笑
皆さんもざっくり「目的」を持っていろんな餌試してみてください。
奥が深いぜー。
ちなみに私は、これまた怒られるでしょうけど、実験として紅茶や烏龍茶、ジュースや栄養ドリンクなど、固形物としては様々な果実も試したことがありますが、死ぬことも多々あるので市販の餌で我慢しましょう。
現地ではとある果実の木の下にいる魚は全部赤いとか聞いたので、色々試したくなったんだよう!!
色揚げ研究に終わりはなさそうです。
ってことで今日はこの辺で。