あるカップルに比べて、私と弟分の仲は冷めている。
弟分から愛していると言われているが、
私からは絶対に言わない。
私は誠意を返すと言ったし、
私は男女の性愛は返せないとハッキリと言った。
私は意地悪というよりか、恋愛を悟ったのだ。
美輪明宏の境地だと言ったら、
俺ヒロシと言われた。
美輪明宏はヒロシが売れない時に、
ずいぶんと助けた時代があったらしい。
9年前の哲学青年の恋の悲劇を反芻していたら、
恋愛の達観の境地に入った。
私は弟分を幸せにしたい。
だから冷静なのだ。
9年前の今、哲学青年と情熱的な盲目の恋をしたら、
拉致監禁事件に至り、お互いに結局不幸になった。
あの悲劇をどう防げたか、いつもいつも9年間考えていた。
今思えば、人間の距離感が壊れ、社会性も欠けてしまった。
恋愛を大切にしたければ、その外をしっかりと見ること。
だから私は弟分には可哀そうだけど、愛していると言わない。
その代わり弟分の幸せを考えている。
愛していると言う言葉よりも、弟分の全体の幸せをとった。
それで冷めた愛情なのだ。
それでいいと思う。
一つの言葉よりも多くの事態を選んだのだから。
私も寂しい人間だ。
まあ、それでいい。
人間は独りなのだ。
しかし弟分とは一生付き合いたいと思っている。
なんせ13歳も年下だからなあ。
33歳か、それは羨ましい……。
年下だからお互いにいい関係かもしれません。