"朝、起きると何だか背中に、痛いようなかゆいような、おかしな違和感を感じました。
鏡で確認してみようとしましたが、合わせ鏡にしてみても、うまく映りません。
手で触ってみると、何かプツリと膨らみのようなものがあります。
お母さんを呼んできて、確認してもらうことにしました。
見てもらうと、ちょうど背中の真ん中より少し上のあたりに、やはり何かできているようです。
帯状疱疹だったら大変だし、看護師の資格がある妹が帰ってきたら、見てもらおうということになりました。
夜勤明けで帰ってきた妹に見てもらうと、帯状疱疹やイボといった類のものではなく、どうやらニキビだろう、という結論に達しました。
確かに、そういわれてみると、あのニキビ独特の芯のようなものがあるのが、手触りでもわかり、そこがどうやら痛痒いような気がします。
とりあえず、顔のニキビに効く薬をつけて、一日様子を見てみることにしました。
会社に行くために、着替えようとすると、ちょうどニキビのある場所に、下着のホックが当たり、擦れる度にヒリヒリと痛みます。
これで、一日は到底我慢できないと、ホックのないスポーツタイプの下着に付け替えて、何とかやり過ごすことにしました。
少しはマシになったものの、やっぱり何かのはずみで衣服に擦れると、芯の部分がシクシクと痛く、歩いていても気になってしまいます。
特に、満員の通勤電車の中では、背中を人に触れられずに過ごすことなど、まず不可能で、気にすれば気にするほど、痛みが増すような気がして、散々な目にあいました。
たかがニキビ、されどニキビ。
背中にできた小さな一つのニキビに、悩まされ続けた一日でした。"