少額資金で投資できる銘柄に対する個人投資家の関心は高い。SBI証券と楽天証券のネット証券大手2社が株式の売買手数料無料化を打ち出すなど、投資家は手数料を気にせずに売買することが可能となっている。最低投資金額(株価×売買単位)が低位の銘柄は、同じ予算でも高株価の銘柄に比べ株数を多く購入できるほか、買い付けや売却の時期を分散できるなどのメリットがある。ただ、業績低迷が続いている企業も数多くあることには注意が必要だ。

 東証プライム上場企業では292銘柄が最低投資金額10万円以下で購入できる。今回は、財務体質の安全性を見る指標の1つである「株主資本比率」に注目してみた。株主資本は株主からの払込金と、過年度からの利益の蓄積で構成される。負債とは異なり返済・支払を必要としない資金であるため、総資産に対する比率が高いほど財務の安定性が高いとされる。また、割安株という観点からPBR(株価純資産倍率)が理論上の解散価値である1倍を下回る銘柄に絞り込んだ。

 下表は東証プライム上場銘柄を対象に、(1)最低投資金額が10万円以下、(2)株主資本比率が60%以上、(3)PBRが0.8倍以下――を条件に投資妙味が高まる22社を選び出し、最低投資金額の低い順に記した。(※最低投資金額、PBRは12日現在)

 なお、14日(日)16時00分に「10万円以下で買える、財務健全・低PBR【スタンダード】編」を配信する予定です。ご期待下さい。

          最低投資 株主資本    
コード 銘柄名      金額   比率   PBR
<5563> 新日本電工   28000   68.2  0.57
<5957> 日東精     54000   60.4  0.62
<6480> トムソン    57800   63.5  0.54
<4215> タキロンCI  65700   61.6  0.68
<6445> ジャノメ    68600   62.4  0.38

<6167> 冨士ダイス   68800   76.3  0.67
<7955> クリナップ   70700   62.5  0.46
<9412> スカパーJ   71400   65.6  0.77
<3608> TSIHD   72700   70.2  0.57
<5959> 岡部      75400   67.9  0.51

<4548> 生化学     77100   89.9  0.59
<5408> 中山鋼     84700   65.3  0.46
<4097> 高圧ガス    85200   62.9  0.66
<6118> アイダ     85500   65.5  0.64
<6140> 旭ダイヤ    87500   84.4  0.73

<5262> 日ヒュム    90300   71.1  0.55
<7820> ニホンフラ   91200   71.9  0.67
<4275> カーリットH  91300   64.9  0.63
<9622> スペース    93500   81.5  0.77
<6247> 日阪製     94900   78.8  0.46

<6741> 信号      98000   62.9  0.68
<5976> ネツレン    99800   75.0  0.60