電車にのって、3つ目の駅でおります。学校が集まっている地域。日曜日ですが、制服をきた人、大学生っぽい人が目立ちます。私たちと同じ、中学生っぽい人も。塾の同じクラスの人もいました。安心。
「あとは、地図で見た通りに行けば着くんだよね。」
「そうそう。みんないるから、着いて行けばつくよ。」
「ちょうどいい時間だね。あと20分。」
「徒歩5分って書いてあるし、ゆっくり行こう。」
「うん。」
そこは私たちにとって初めて歩く街。歩道が広くて、自転車と歩行者の通路が別れていました。並木もしっかり手入れされてて、気持ちのいい街並み。住んで見たいなあと、新しくて高いいくつものマンションをみて思いました。眺め、いいだろうなあ。私は一軒家に住んでいるのです。築30年くらい。
「あ、見えた!あれだよ。」
「なんか、建物は新しそうだね。」
「そうね。」
ようやく試験会場の高校に着きました。門をくぐり、生徒が集まっている校舎の入り口へ。
「わあ、いっぱい。混んでるね。」
「間に合うかな?受け付けしないといけないんだっけ。」
「うん、受験案内を見せて、受験票をもらうの。」
「並ぼう。」
太陽は出ているものの、風が冷たく身震いしてしまう寒さ。足をスリスリして温めます。
「次の方。」
「あ、はい。」
「案内を。」
「はい。」
「ええと、安藤リナさん・・・。こちらで間違いないですか?」
「はい、あってます。」
「では、どうぞ。4階の403教室です。階段を上がってください。靴を入れる袋はあちらで受け取ってください。」
「わかりました。」
無事受験票を受け取ると、袋を受け取ります。
「あ、リナ!大丈夫だった?」
「うん、バッチリ。」
「じゃあ、行こう。」
「うん。」
私は履いていた靴を脱ぐと、袋にいれ、白ソックスの足を校内の床に載せました。あれ・・・?
つづく