翌日から、私はラフな格好で登校するようになった。裸足にスーツは合わないだろう、と思った。カジュアルなシャツにジャケット、7分丈のパンツ、サンダル。華美なものはだめなので、色も落ち着いたもの。アクセサリーも最小限に抑えた。
職員専用の靴箱で靴を脱ぎ、裸足のままで職員室へ。ぺたぺたと床に足が張り付く感じがする。少し蒸れていたのだ。上履きは靴箱においたまま。いざという時に必要になるかもしれない。昨日教頭先生と話していて、そういわれた。教頭先生も、私が裸足になって、少しうれしそうだった。当の本人はばっちり靴を履いていたのだが。
教室に入る。おはよう!>
「おはようございま~す!」
「あ、先生、なんか服がいつもと違う!」
「なんか若い!」今日が初めての、スーツ以外での登校。ジャージ姿は見せていたが、こんなラフな格好はしたことがない。子どもたちが驚くのもうなずける。
「ありがとう。裸足になったから、スーツじゃあね。」
「かわいい・・・。」
最後のはクラス一太ったふとしくん。見ると顔が真っ赤になっている。クラス中笑い声が満ちた。窓の外では、新緑の生えた校庭の木が風に揺れ、みんなと一緒に笑っているようだった。
つづく