再び体育館へ向かう。廊下ではもう掃除が始まっており、箒であちこち、床を掃いていた。結構ごみが集められている。こんなに汚い所を裸足で歩いているなんて・・・。足、しっかり消毒しとかないと。


 体育館ではほかのクラスがモップがけをしていた。それを横目に、体育館前部のステージ横のドアを開け、中の部屋に入る。その部屋の奥にあるドアが体育館倉庫の入口だ。フユミはここには初めて来た。いかにもごみがたまっていそうな様子である。現にいまいる部屋も、埃が目に見えるほど、掃除されていない。こんなとこ、裸足で入るの?

 体育の先生がドアを開けると、埃っぽい空気がもわっと出てきた。階段があり、地下に降りる構造になっている。ステージの下の空間を使っているようだ。階段はコンクリートで、歩くとひんやりと冷たい。長く掃除していないようで、電気にてらされた階段には埃や砂がたまり、汗で湿った靴下にまとわりつく。砂で大変に汚れた靴下にまたさらにごみがついてしまう。フユミは泣きそうになった。
 急な階段を降りると、けっこう広い空間があった。電気をつけると、そこには壊れた机やその他備品が置いてあるのが見えた。床はここもコンクリートむき出しの安っぽいもので、埃がたまっていた。土足となんらかわりのないほど汚い床だ。靴下には埃がまとわりつき、砂で黄色くなっていたものがまた灰色になっていた。今朝の真っ白な靴下の面影はそこに残っていなかった。今日やることは、床の掃除と備品の整理。他のクラスの人も合流して、15人体制で早速作業が始まった。
つづく