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石川県、風呂で思う

ざざざざざ・・・

石川県、日本海に面する砂浜の音。
もちろん寄せては引き、引いては寄せる波の音・・・ではなく、車の走行音なのである。

※ ※ ※

日本で唯一、一般の自動車やバスでも砂浜の波打ち際を走ることができる数少ない道路であるここ『千里浜なぎさドライブウェイ』は、普通の砂浜の砂と違いより細かいため、水を含み砂が締まるということらしい。

前回は雪の京都でそりゃあもう滑りまくる経験をしたため、『砂浜を車で走れる』と言われてもそれなりのドラテク(ドライビング・テクニック)が必要なんじゃないの?と疑わざるを得なかったが、実際目を疑いたくなる不可思議な光景で、ほんの2mくらい横まで波が迫っているにもかかわらず、我らがクロメガネ号はスイスイと走っている。

そしてこの季節、波打ち際は海水浴を目的とした駐車スペースとなっていて、『車を降りたらそこがビーチ』状態。しかも暗黙の了解で自分の車の前がプライベートエリアになっているので、ファミリーもカップルも干渉されずに楽しんでいるのだ。さらに、ここならではのテクニックで、ワンボックスカーはリアゲートを跳ね上げて日陰を作り、そこにビーチチェアなんかを置いて休んでいる常連も!

今回は水着を持って行かなかったため、波打ち際でパチャパチャやるだけだったが、それでも愛車との距離がこんなに近いのは不思議な感覚だったわけで。

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『千里浜なぎさドライブウェイ』


※ ※ ※

さてビーチサンダルの砂も落として走ること1時間ちょい。
いよいよ昨年の雪辱を果たすかのように、クロメガネ号は金沢の街へとすべりこんだ。

お昼も近いということで、まず向かうは『近江町』の市場。
もちろん昨年も訪問した場所である。

※ ※ ※

キュキュキュキュ・・(ハンドルを左に切る)
ガチャ!(ギアをバックに入れる)
キュキュキュキュ・・(ハンドルを右に切る)
ガチャ!(ギアをドライブに入れる)
・・いわゆる『切り返し』ってヤツですね。

近江町市場の上に強引に作ったかのような立体駐車場は、よくぞこの通行幅を設計しましたねという狭小駐車場で、これでも世田谷杉並の住宅街、別名『凶悪極細路地』でならしたはずなのに、ほぼ満車で屋上までいくだけでどれだけ神経使ったことか。何かの特訓のような感じ。近江市場ドライバーは神がかりですな。

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※ ※ ※

近江市場内でのランチなので、ご他聞に漏れず海鮮系・・・寿司とか海鮮丼とかにしようと思ったのだが、長蛇の列だったことと、夜の予約で絶品寿司屋を決めていたので、『金沢カレー』を食べることに。

金沢カレー?なにそれ?聞いたこと無い・・・という意見が大多数だろうが、かくいう自分も実はよく分かっていなかった。のでウィキペディアで調べてみると、

『主に金沢市を中心とする石川県のカレーライス店で供される独自の特徴を持ったカレーライスを言う。
・ルーは濃厚でドロッとしている。
・付け合わせとしてキャベツの千切りが載っている。
・ステンレスの皿に盛られている。
・フォークまたは先割れスプーンで食べる。
・ルーの上にカツを載せ、その上にはソースがかかっている。
・ルーを全体にかけて白いライスが見えないように盛り付ける。
※なお、すべての店舗が上記の特徴を満たしているわけではない。』

とのこと。
なんだかつまり、味の特徴云々よりも盛り付け方なだけでは・・・?
事実を確認すべく、『秘密のケンミンSHOW』でも紹介された、『チャンピオンカレー』にいってみた。


まずフォーク。なぜフォーク?・・・ははあ、なるほどカツを食うにはコリャ便利!ざくっとさせるし!・・・でもご飯はどうなんだろうか?
結論を言うと味はまあ普通。もちろん美味しいという意味で。
ただその独自性があるかっていうとそうでもないような。フォークくらい?
とはいえまあ、こういうカレー屋さんが会社の近所にあるといいなとは思うけど。

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※ ※ ※

市場をくるっとまわり、その辺のお店を散策して、
観光雑誌(立ち読み)に載っていた地元の酒蔵『福光屋』により
冷酒グラス(ぐい飲み)を買ってみた。
今回の旅の晩酌は全て日本酒を呑むのだが、どこも綺麗なガラスの
ぐい飲みで登場するので、うちにも欲しいなと思い、大きさバラバラで
3つ買ってみた。

そんで折角なので兼六園前でクロメガネを撮りたかったけど、
なんだかお祭りがあるらしく、道路規制なんかもやっていて
当然ながら観光客もわらわらいたりして、とても入り口には停める
ことができず、しかたないので脇道で渋滞中にパチリ。一応バックに
写ってるのが兼六園なんだけど、もはやどっかの金持ちの和風邸宅とも
変わらない気がする。

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※ ※ ※

見事なまでの田園風景、というか一面田んぼの真ん中に、コンクリ打ちっぱなしのモダン建築がポツンと建っている。

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予約していた今夜(まだ17:00だけど)の寿司屋である。

さて寿司の味がどうこうと美食家気どりをする前に、まず建築評論家にならなくてはいけない。

コンクリ打ちっぱなしの建物は学生時代は憧れのモダン建築の基本だったが、今は正直あまり好きではなく、それは単純に巷に溢れる『オシャレ建築=コンクリ打ちっぱなし』みたいな図式に飽きたからでもあり、前職でその夏暑く冬寒いというオシャレ事務所を体感したからというのもある。

で、田んぼの真ん中のそれはどうかというと、なかなかどうしてデザインがいい。
まず全体の形として、『壁一枚』というコンセプトがいい。店の入り口も脇に入ったところにある。
そして窓がいい。水平方向に細長く、腰の高さにある。つまり来客の足は見えるが目線は合わない。これはカウンターに座る僕らにも嬉しい配慮である。店側にしてみても、おもての気配を感じとれてよいのでは。
そして中もいい。入り口からスコーンと抜けた空間。カウンターの中も外も広々で、まったく窮屈な感じがしない。
きれいな木のカウンタートップは、コンクリ打ちっぱなしにありがちな冷たい感じをうまく打ち消し、メリハリをつけている。うーん、いいなあ。

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※ ※ ※

『壁』の脇に入り、戸を開ける。
『…いらっしゃいませ』

こころなしか若い大将の声が小さい。笑顔もない。
何だよ、そりゃまだ17:00だし、一見さんだし、寿司の味なんてそんなわかんないけどさー、もう少しこう、歓迎ムードっていうのかなあ、せめてニコっと笑って茶くらいだせよなー、と思っていると素敵な笑顔の奥様(だと思う)が、オーダーを聞きにきてくれた。

さてここのメニューはちょっと面白く、よくある『おまかせコース』の他に、なんだか名前が面白い『まかせないコース』というのがある。

基本のおまかせの握り八貫のほかに、二品を自分で選べるというもので、今回はそれにしてみた。

まずは『鱧の小鉢』
やっぱり季節ですしね、鱧ですよね。僕梅肉ソース苦手なんですけどね、いや食べますよもちろん。経験上、苦手食材であってもこういう高レベルお店の皿で、味に目覚める場合が多いので。そう、昨晩の蟹味噌のように。

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続いて『炙りシメサバ』、そして岩ガキ(ステーキ!?)。
『まかせない』で選んだ二品、絶品が続く

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さらに二品、『賀茂茄子の揚げ出し』、『』

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美味い美味いと感激しながらカウンターを見ると、例のコンクリ壁に空けられた横長の窓からクロメガネ号が見える。やっぱりカッコイイ建物からみてもカッコイイ車だよなとつぶやきながら、きゅっとぐい飲みを空にする。

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さあそしていよいよ寿司の登場。
まずは 『甘エビ』 『赤イカ』そして『白エビ』

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続いて『能登マグロ』 『アジ』 『キス』

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『カイワレ昆布締め』

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写真レベルでもこの宝石のような絶対美味の雰囲気が少しは伝わるのではないか。海鮮のレベルはもちろんシャリ加減にしても、なんというか、なんともいえないというか。美味い以外に言葉が見つからない。

いやあそろそろお腹も一杯ですよ、と思っていたら、『ウニ丼』です、と奥様が。
ウニ丼?ええ!今からですか?と驚いたのもつかの間、その可愛らしさとギャップにさらに驚いた。いやあうまいことするもんだ。そしてもちろん味については説明するまでもないわけで。

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『寿司は玉にはじまり玉に終わる』と言ったのはだれだっけ。
モーレツに旨い寿司の〆にはやっぱり玉子だよなと思っていたら本当に玉子だった。
そしてもちろん味については・・・

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※ ※ ※

惜しむらくは大将の愛想の無さ、やはりそこに尽きる。
僕らみたいに『グルメ雑誌を読んで美味しいと評判だから来た、寿司の味もろくに分からない観光客』
にはそういう態度なんですかね、でもそういう客ってかなり多いんじゃないの?むしろ比率的にはそっち
のほうが!と残念に思っていたらどうやらそうではなく僕ら以外の年配客や家族連れや
常連と思われる夫婦にも同じような感じ。仏頂面ではないけれど、愛想は無い。ぼそぼそっと
つぶやくように料理の説明をしたり。もったいない。

『一貫』


※ ※ ※

『山代温泉 ゆのくに天祥』
http://tensyo.yunokuni.jp/

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「温泉」といいながらプールとかそれもウォータースライダーとかがついているだけで、「ああこりゃ子供向け、というかファミリー向け旅館でうるさそうだな。あ、でもブセナテラス(沖縄のリゾートテラスホテル)のようにいい感じかもしれないしな』とおもって予約をした温泉宿だが、やはり当初の予想通り『超ファミリー向け旅館』だった。

廊下をどたどた走り、ゲームコーナーできゃあきゃあ騒ぐ子供たち。もちろんホテルのレベルが低いとかいうわけではなく、むしろどこかの寿司屋と大違いで従業員はみんな笑顔でサービスも良く(卓球をやりたかったが予約で埋まっていてがっかりしていたら、『予約までの余り時間20分なら遊んでください、お代はいりませんから』とニコッと笑ってラケットを渡してくれたり)、建物全体も広々で、雰囲気もいい。さらにお風呂が広々で種類も多く、タイミングよく人がいなくて貸し切り状態だったのも良かった。
きっと文字通り家族できゃあきゃあ騒ぐにはもってこいのいい温泉だと思う。

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さてその貸切の広々大浴場で、ひとり釜茹でになりながら
なんでこの浴場は五右衛門風呂がこんなに多いんだろ・・・・ああそうか石川県!
と、勝手に納得しながら石川の夜は更けていくのであった。

明日は福井県。


※朝食もものすごいバリエーションのバイキングスタイルで『洋風』・『和風』・『金沢風』と3食おかわりしたくらい美味しかった。

ますます富山に(魚・肴・酒な〜♪)

夏休み初日AM8:54
黒メガネ号は富山市街を流していた。

※ ※ ※

兵庫生まれ、東京育ち、田舎は三重で初就職先は静岡という根っからの東海道ボーイは、日本海というものに全く縁がなく、まだ北海道や九州沖縄のほうが旅行でよく遊びに行ったし東北及び北関東はスキーで何度も訪れたことがある。

実は一年以上前に、M47プロジェクトとして石川県をターゲットに決めたことがあるのだが、直前になってスタッドレスが必要な上にかなりの雪上ハンドリングテクニックが要求されるということがわかり、泣く泣く断念したのである。(その時は折角だからと電車で訪れた)

※ ※ ※

あらためて確信したのだが、ウチをAM3:30~4:00に出発すれば、正月だろうが盆休みだろうが大型連休だろうが、どこに行くにしてもまず渋滞に引っかかることはない。
今回も渋滞40キロのニュースはどこ吹く風か、富山駅まで4時間ちょっとで来てしまった。もちろんちゃんと休憩もして。

※ ※ ※

『本日分は売り切れました』

富山の鱒の寿司といえば『源』が全国的に有名(筆で描いた鱒のイラストのパッケージ)だと思うが、地元の人は何だか人それぞれこだわりがあるらしく、ネットを見ても『俺はここの鱒の寿司が好きだ』とか、『私はあそこのをいつも買う』だとか、少なくとも『源』以外のお店が数多く挙げられる。ならばせっかくなので、食べログ(でた!)人気No.1の『扇一』にむかったのである。

『扇一』http://r.tabelog.com/toyama/A1601/A160101/16000559/

ナビを頼りに辿り着いた超レトロというか、昔ながらの引戸の住宅然とした店構えの玄関先には、張り紙が一枚。

『本日分は売り切れました』

え?

今8:54ですよね?確か開店時間は8:00からですよね?本日分売り切れました?どういう商売ですか儲ける気ないんですか?というかそれでよく成り立ちますね。

金沢城趾公園で早朝ピクニックよろしく食べた『高田屋』のそれは充分美味しかったけど、今度来た時にはやっぱり『扇一』食べてみたいな。

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※ ※ ※

富山の宿泊先は、富山駅から数分のホテルなのだが、せっかく車なのでちょっと足をのばしてみた。まずは高岡市。

高岡市出身の著名人は誰かと聞かれると大多数の人は分かりませんと答えるだろうが、そりゃあもちろん藤本弘ですよね、と即答できるのは、単にドラえもん好きとかそういうレベルではなく、藤子不二雄信者だからに他ならない。

しかし残念ながら、本格的な作家活動初期の中心となった、トキワ荘が椎名町にあったり、長く住んでいたのが川崎市だったりで、出身地の盛り上がりは悲しいほどに無く、お土産屋の片隅にホンのお情け程度にキーホルダーなどが置いてあるだけなのだ。
今回もウェブで調べて訪れた『おとぎの森公園』は、連休にも関わらず閑散としていて、『ドラえもんに出てくる空き地を再現した』広場にも子供の姿は無く、キャラクターの像たちだけが笑顔で佇んでいた。
まあ、大ファンの38歳少年は歓喜して土管に跳び乗ったワケだが。

『高岡おとぎの森公園』
http://www.city.takaoka.toyama.jp/kikaku/0204/kou/kou2/1012/featuer/index.html

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※ ※ ※

さて高岡市から南下すること約一時間、眼下に望む古民家群は、
世界遺産にも選定されている『合掌造り集落』である。

http://ja.m.wikipedia.org/wiki/五箇山

まるで映画のセットのような町並み・・・いや村並は、誰もが経験したはずは無いのにもかかわらずノスタルジックな気持ちになるのではないか。この村の夕暮れを、雪景色を、想像するだけでグッとくる。

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※ ※ ※

実は今日の夕食は東京から予約しておいた、最高級にうまいと評判の富山料理である。

・・・にもかかわらず、ホテルへ帰る途中の大型スーパーで「ふくらぎ」の刺身と「白えび」を買って、車の中でパクついたのは、その脂がのったピチピチ・・・いやキトキトなその刺身っぷりと、「氷見港」「富山のおいしいお魚」「朝とれ」というものすごい魅惑的キーワードに誘惑されたからに他ならない。


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※ ※ ※

大量の白えびを頭から尻尾まで飲み込んだクロメガネのクルーは口内や喉をひりひりさせながら、今夜の宿にたどり着いた。

オークスカナルパークホテル富山
http://www.oarks.co.jp/canal/

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ベッドの上で出迎えてくれる小熊はこのホテルの特長のひとつで、このクマを集めるファンもいる。まあそれにしても部屋の広さ、寝具のレベル、清潔さや朝食などなど、さすが楽天トラベルでもじゃらんnetでも超高評価の宿は安いプランにもかかわらず、快適にすごせる素晴らしいホテルだった。富山(駅周辺)に泊まるなら、またここにしたいなと。

※ ※ ※

ごちゃごちゃと行き交う乗用車の列の脇をゴトゴトと音を立てて走る路面電車。
例の超楽しみなディナー予約は19:00だけど、せっかくなので少し前に富山の町をぶらぶらしようと駅前にそして中心街へと繰り出した。
路面電車そのものは東京だって走っているし、珍しくもないが、何だろうか、屋根の上にある赴きある看板のせいだろうか、合掌造り集落と同じく映画の中に入り込んだかのような、体験したこともないくせに、昭和初期のような懐かしさを感じてゾクゾクしながら、交差点の角からシャッターを切りまくる、BGMは井上陽水の「少年時代」がいいなあ富山だし。ああこれが鉄男という人種の気持ちなのか、と勝手に納得しながら再びシャッターを切ると、残念ながら最新式のトラムが写っていた。

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いよいよ待ち兼ねたディナータイムも近づき、繁華街(といえるのか?)から少し外れた場所へと歩くこと7~8分、一見フツウのきれいな居酒屋然としたその店こそ、富山市内屈指の名店(といっても例の食べログナンバーワンというだけだが)『だいどころ屋』である。
http://r.tabelog.com/toyama/A1601/A160101/16000062/
(お店のサイトでは今イチ雰囲気が分かりにくいため、食べログのページ)

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『ぃらっしゃいませ!』
若いあんちゃんがカウンターの向こうから笑顔で迎えてくれる。
そして大将とおぼしきオヤジ、あんちゃんと同い年くらいのお姉ちゃん、茶髪のバイト君の4人体制だ。
予約していたカウンター席に座り、飲み物を頼むやいなやお通しが置かれる。
『海老をまるごと揚げたものです、頭から尻尾までよろしければどうぞ!』

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2日前、東京で電話予約をした際、食べログを見て知っていながら再確認の意味でメニューと価格を尋ねてみた。

『ええ、うちは基本的には全てコースになっております。お値段ですか?そうですねえ、お一人様7~8000円と考えていただきたいのですが』

その時の答え通り、カウンターにもどこにもメニューが無い。お酒はもとよりドリンクさえも。

カラッと見事に揚がった海老を頭からかじる。まるでスナック菓子のようなサクサクとした歯ごたえと磯の香り。

『エイヒレの煮こごりです』

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二品目がすぐに出たかと思うやいなや、

『本日のお刺身です』

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まるでお通しかというスピードで期待の一品がでてきた。
どれから手を付けようかと迷う幸せ。そのどれもがいちいち美味しいので困る。たかが煮こごりとあなどるなや、薄味なのにしっかりとした香りと深み、刺身に至ってはもうメインとしても良いのではないかと思うレベルと量。ふくらぎと赤いかが特に美味い。

ふととなりの席を見ると、丸焼きにされたデカイ魚が。しかも一人一匹。もしかしてと思っていると、

『続いて焼き魚です』

ぎょぎょぎょ、やっぱり二匹きた。しかも違う種類が。

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サッパリとした絶品白身をついばみながら、トップバッターの生ビールを空けてお酒に変える。もちろん富山の酒だ。

『氷見のお酒なんですよ』

若いあんちゃんが爽やかに一升瓶から片口へ注ぐ。
氷で詰まった大椀に埋れる片口。キンと冷えた一杯は素晴らしい辛口で、さらに白身を引き立てる、氷見の銘酒『初嵐』。

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さらに『桃と玉葱のスープ』

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絶品スープを挟んでからも、くいくいと酒は進み、さて次の肴は…いや魚は?とワクワクしていると、

『写メは勘弁して!』

と、大将の一言とともに運ばれてきたのは強靭な赤いボディに覆われた、横移動しかできないアイツである。(しかもものすごい量!)

そのふわふわした身はいつまでもチューチューと殻をすすっていたくなるくらいの代物だが、そこで箸が止まる。・・・というのも、どうにも昔っから味噌が苦手だから。なんちゅうか本中華、あんなに臭み(?)があって、苦みもあって、それでいてギトギトしていて。いや他にも臭いのや苦い食材はいくらでもあるし、食べれるのだけどどうにもこの味噌だけはダメだ。まあとはいえ、せっかくのお店だしきっとまあまあちょっとは食べられるだろ勿体ないし、とひとつまみを口に運んだ。

・・・?なんだこりゃ?臭くない?っていうかむしろ香りがいいじゃんか。クリーミーでいてコクがあり、ほんの少しソルティ!美味いじゃないか!美味すぎるじゃないか!

と、味に目覚めたほろ酔い野郎はカウンターの大将に「蟹味噌にがてだったんスよ!なんですかこれはー、こんな美味いの食べたこと無いですよッ!」と感じたままに絡んでみた。「やっぱり新鮮だからじゃないですかね?少しでも時間をおいちゃうと味が悪くなりますからね」と答える大将。さすがだな。
そしてこの後に来たのが

『チーズトーストです、先程のカニ味噌を添えてどうぞ』

なのだ。もはや味噌の説明は不要だが、こんがり焼けたトーストとの相性は想像以上であった。

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いよいよここから(やっと!)は終盤戦に入るので、お酒をおかわりすることに。
やっぱり折角だから富山のお酒を、と同じようなリクエストで大将を悩ませ、登場したのが
『苗加屋(のうかや)』という一本。

『基本的にはあんまり市販はしてないお酒なんですよ』

後で調べてみるとこういうことらしい↓
『若鶴酒造の主力銘柄は「若鶴」だが、一部の限られた酒販店向けに無濾過の濃醇なお酒を提供しようと、2000年に入って商品化したのが苗加屋』

とにかく味が濃い酒。無濾過どうこうもあるかもしれないけど、味わいがある。濃厚な蟹味噌トーストとのマッチングはちょっと勿体なかったが、流石というかなんと言うか。東京シテーボーイはこれですよ、(東京ではなかなか呑めないというプレミア感も手伝って)こういうお酒が呑みたかったんですよとご満悦。

『海鮮サラダの上に、氷見牛のザブトンを乗せました、よく混ぜてお召し上がりください』
牛が魚を、魚が牛を!グッコン(グッド・コンビネーション)!というのか名協奏曲っつーのか、もうたまげた。

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※ザブトンとは
http://www.daidomon.com/words/zabuton.html

『最後に、氷見うどんをお持ちしてよろしいですか?』

まだくんの!?いえいえ、ぜひお持ちしてください!このハイクオリティでどれだけ量がくるんだよ!と嬉しい叫びを心であげていると、なんと

『大盛りもできますが、、どうしますか?』

すげえ、何ですかこのサービスは。いつかどこかで行った大盛りもできない高飛車な蕎麦屋もあったけど、大衆蕎麦屋感覚で若いあんちゃんは聞いて回る。

ちゅるちゅるちゅると薄味(もちろん素晴らしく美味しいレベルで)の細麺をすすりながら、苗加屋最後の一滴も喉へ流し込む。

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『抹茶と黒ごまのアイスです』

抹茶も黒ごまも、当然ながら自家製の手間隙かけた優しい味で、感激していたところへ

『水だし珈琲です』

と、12時間かけて落とした琥珀色が。
いつか吉祥寺の近江屋でこれを1000円くらいで飲んだなと思い出しつつ、苦みの角が取れた優しい味のブラック珈琲で締めることになった。

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『おなかいっぱいになりましたか?』と大将。

外までお見送りいただき、本当に美味しかったです、必ずまた来ます。と別れを告げ帰路につく。
二人で18000円はハッキリ言って安い。安すぎる。ビール&お酒2杯含んでだから、2000円引いたとしてもあれだけの味とボリュームで一人8000円ですよ。

※ ※ ※

ほろ酔いシテーボーイは折角なのでと、本来歩いても帰れる距離を件のトラムにのり、先程までの料理についての反省会を行う。あれは美味かった、お酒はもう一杯いきたかったなど、議題は尽きない。
正直富山県に対する期待度はかなり低かったのだが、ここまでとは驚いた。

さて明日は石川県だ。

※ ※ ※

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※ホテルからの眺望 眼下に行き交うトラム。
※ホテル朝食 ビュッフェスタイルではないが、きちんと作った富山の食材の朝ご飯が嬉しい。

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20110731

1990年11月8日

僕はセブンティーンなりたての、高校生活真っただ中の、文化祭も終わった平凡な秋の日をおくっていた。

バイトに励み、部活に汗を流し、暇を見ては中村橋のスタジオ(カラオケ屋)で喉を嗄らしてシャウトしていた高校生。

※ ※ ※

『ぬのぶくろとらやす?』

中学生当時『BOΦWY』の名は知っていても、その天才ギタリストの名前までは
知らないヤツも少しいた。

絶大な人気を誇った『BOΦWY』が解散したのが1988年4月4日、中学3年生の時。
そして同じ年の12月10日、ギタリスト布袋寅泰とアイドル歌手(笑)吉川晃司が融合したのが
伝説のユニット『COMPLEX』である。

※ ※ ※

たかだか極東の小さな島国の演奏ユニットを、まあ何をもって『伝説』なんだといわれるとそれまでだけど、わずか2年で解散したことも含めて、その男っぽい(というかいわゆるカッコいい男のイメージの)歌詞やメロディは思春期の僕らの胸にグサリと刺さり、スタジオ(カラオケ屋)ではすっかりヘビーローテーションとなり、仲間うちではお互い全曲ほぼソラで歌えるほどになっていたし、CDの歌詞カードにもないコーラス部分とかも奇声をあげあって、上手いじゃないか!、いやおまえこそ!と、悦に入っていた。

※ ※ ※

彼らは活動期間2年という短い間だけに、やはり2枚しかオリジナルアルバムをリリースしておらず、
3枚目は最後の解散ライブを収録したものだった。そのタイトルは1990年11月8日という日付をそのまま冠している。

その頃僕はセブンティーンなりたての、高校生活真っただ中の、文化祭も終わった平凡な秋の日をおくっていた。

アルバムタイトル『19901108』

収録されている彼らの最も有名な曲の一つに『恋をとめないで』というのがあり、『土曜の夜さ、連れ出してあげる~』というこれまた名台詞があるのだが、そのアルバム(つまり解散ライブ)の中では『木曜の夜さ、連れ出してあげる~』と歌われている。
もちろんライブ当日が木曜日だったからである。

当然ながら僕らもカラオケ…いやスタジオではレーザーディスクの画面に映る文字を無視して木曜~と叫んでは、そこは俺が歌いたかった!とか、今日は金曜日だろ!とか、キャアキャア楽しんでいた。

※ ※ ※

地震がきっかけだということは正直複雑な気持ちだが、21年経って『COMPLEX』は再結成することになった。たった2日間だけ。

不謹慎だと言われようが、こんなに嬉しいニュースはなく、早速チケット抽選に応募し、見事に落選し落胆していた……が、2日目の追加公演になんとか当選したのである。

※ ※ ※

2011年7月31日

東京ドーム前は凄まじかった。
何が凄まじいかというと、
とにかくオーバー35かつアンダー45なのだ。
その10歳の間の人間で溢れる水道橋、そして後楽園。異様な雰囲気。

ふと見るとなんだか子育てに疲れたような金髪のオバさんが『Don't Stop My Love!(先述の名曲の英訳)』とプリントされたポシェットを下げているのを見ては、アンタの恋は誰もとめないから!と心の中でツッコミ、『俺、すっげえ覚えてるぜ。ほとんどの曲よぉ~』とビール片手に興奮気味に語るオヤジを見ては、ほとんど?ぷぷぷ…たいしたことねえなあ、中村橋のスタジオ育ちは全曲暗詞なんだよ、と密かに優越感に浸るのであった。

※ ※ ※

まあ言ってしまえば、オジさんオバさんが青春時代に戻った気分でキャアキャア叫んだわけだけど、当時を含めて、生でそのメロディを、声を、体感したのは初めてなわけで、とにかく最高な夜だった。

50前にして、あれだけのことができるのはやっぱりスゴイや。

※ ※ ※

iTunesのプレイリストに
今回のライブのセットリストを
登録した。
タイトルはもちろん

『20110731』
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