2015年6月に決算を迎えるREITです。


証券CD 投資法人名  価格 予想配当利回り

8951 日本ビルファンド投資法人 572,000円  2.69%
8955 日本プライムリアルティ投資法人 401,000円 3.21%
8964 フロンティア不動産投資法人 571,000円  3.22%
8987 ジャパンエクセレント投資法人 153,900円 3.18%
8963 インヴィンシブル投資法人 60,800円 2.58%
3227 MIDリート投資法人 388,500円 3.06%
3249 産業ファンド投資法人 556,000円 3.19%
3296 日本リート投資法人 322,000円 4.27%


*価格、分配金利回りは6月10日時点
*分配金利回り=年間の予想分配金÷投資額(*価格、分配金利回りは2015/06/10時点)

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2015年5月に決算を迎えるREITです。

8960 ユナイテッド・アーバン 188,300円 3.07%
8966 平和不動産リート 95,900円 3.60%
8976 大和証券オフィス 625,000円 2.94%
8977 阪急リート 150,700円 3.36%
3240 野村不動産レジデンシャル 675,000円 3.44%
3279 アクティビア・プロパティーズ 1,066,000円 3.07%
3283 日本プロロジスリート 255,500円 3.04%

*価格、分配金利回りは5/1日終値時点
*分配金利回り=年間の予想分配金÷投資額(*価格、分配金利回りは2015/05/01時点)

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東京証券取引所は、2015年4月30日、再生可能エネルギー発電設備等のインフラ施設を投資対象とする「インフラファンド市場」を創設すると発表しました。
http://www.jpx.co.jp/equities/products/infrastructure/establishment/index.html

インフラファンドとは、その名の通りインフラ施設に投資するファンドのことです。具体的な投資対象としては、再生可能エネルギー発電設備、鉄道・港湾施設など運輸関係、パイプラインをはじめとするエネルギー関係などがあり、これらがもたらす収益を投資家に還元するファンドですが、ただし、現在はメガソーラーが中心になっている模様です。

形態としては、不特定多数の投資家が資金を出し合い不動産を保有し、その不動産がもたらす収益を分配するREITのイメージに近いものになります。

今はネーミングライツ(命名権)によって「MAZDA ターンパイク箱根」という名称の有料道路になっていますが、「箱根ターンパイク」は2004年にオーストラリアの投資会社のマッコーリーが取得して、日本初のインフラ投資として話題になったことがありました(既に売却済み)。
インフラに投資することは世界的にも多く行われています。

東京証券取引所の「上場インフラ市場研究会」の資料には、2013年1月30日時点で上場インフラファンドは世界で約50銘柄、時価総額は10.4兆円となっています。最も時価総額が大きいのはオーストラリア証券取引所で、同時点で3兆7,051億円と、世界の時価総額のうち三分の1以上を占めています。

次に時価総額が大きいのはカナダのトロント証券取引所で、時価総額2兆5,082億円、アジアで最も大きいのはシンガポール証券取引所で1兆3,054億円です。他にもロンドン証券取引所、ニューヨーク証券取引所にもインフラファンドが上場しています。

また、日本の財政状態が厳しいことも、インフラファンドが創設された理由のひとつといえます。財政状況が厳しい日本では、政府の支出を容易にインフラ整備へ回せない状況になっており、民間の資金やノウハウを活用することで、より費用対効果の高い、効率的なインフラ整備が可能になります。

世界的な流れや日本の財政状況を考えるとインフラファンドの登場は遅すぎたのかもしれません。
ただ、実は現在のREITでも、 3249 産業ファンド投資法人、3309 積水ハウス・リート投資法人はすでにデータセンター、地域連暖房センター、空港ターミナル等のインフラに投資を行っています。
これらの違いについては気になる点で、今後明らかになってくるのを期待しています。
このサイトはREITを中心としていますが、インフラファンドにも注目していきたいと思います。

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4月28日の日経新聞に「REIT安が映す諦観」という見出しで、REITが低迷しているという趣旨の記事がありました。
http://www.nikkei.com/markets/column/scramble.aspx?g=DGXLASGD27H9D_27042015EN1000

日経平均株価は年初来15%高に対し、東証REIT指数はマイナスであるといっています。

その理由として、まず一つが長期金利の上昇。10年新発10年物国債利回りが一時0.020%高い0.305%になり、金利低下に歯止めがかかった事。
二つ目が受給懸念。年初からREITは4000億円(時価総額の約4%)の増資が行われたこと。自社株買いが受給改善に大きな役割を果たしている株式市場とは対照的である。
また、配当性向をあげる余地が無いこともREITが不利な要素としています。
そして三つ目として、消費税の影響が残っている事。年初来で商業・物流系がプラス、オフィス系は小幅安に対し、住宅系は3%超の下落と下げがきつい。駆け込み需要が大きかった住宅市場の回復の遅れが一因とみられる。
と、三つの理由を挙げ、日銀金融緩和が停滞するムードを吹き飛ばすカギ、としています。

これらの理由はもちろん影響が無いわけでは無いですが、そもそも「配当利回り」で買われているREITです。株式との比較はあまり意味がないかと考えます。国債利回りとの比較は重要でしょうが、これも、今の国債利回りの水準ですと、変動幅は誤差に等しいレベルといってもいいと考えます。

増資による受給悪化ですが、これも、最近REIT会社が増資する際には極力希薄化(ダイリューション)による一株配当が下がることをしないよう配慮しているケースがほとんどです。増資を発表して株価が大きく下落したケースも少ないではないでしょうか。

受給に関しては、公募増資ではなく、私募REITが増えてきた影響が大きいと考えています。昨年だけで約5000億円の私募REITの資産額は約5000億円増加しました。これらは個人が買えず、機関投資家が購入しています。特に、今まで上場REITを購入していた地銀などは利回りの高い私募REITを積極的に買っています。私募REITのスポンサーは大手企業であることが多く、また、従来私募REITは上場REITに比べて配当利回りは低い傾向にありましたが、昨今の価格上昇で逆転現象が起きてしまっています。機関投資家が私募に目がいくのは仕方ありません。上場REITが割を食ったといえるでしょう。

消費税に関しては、正直、記事がよく理解できません。駆け込みで住宅販売が低迷しているならば、むしろ賃貸需要には追い風のはずです。住宅の家賃には消費性がかかりませんが、家賃が下がったという話はあまり聞きません。また、消費税が上がった影響は小売販売に直結しました。であれば、商業系、物流系のREITには逆風であったはずです。
消費税が景気全体に影響を与えたのならわかります。企業も個人も家賃負担が重くなっていますから。しかし、それであるならば株価が上昇していることと矛盾してしまいます。

私は、今のREITの価格水準は高く、これ以上の高値は難しいと感じています。もっと下がればいいと考えています。日銀の金融緩和でREITが暴騰するようなことがあれば空売りのチャンスだったかもしれません。
(だからといって、今は買わないほうがいいとも思っていません。3%の利回りは十分魅力があると思っています)
前回、受給に関して私募REITについて触れました。
私募REITとはなんでしょうか。今回は私募REITについて解説したいと思います。

2005年ごろに多く登場した不動産私募ファンドは運用期間が5年などの場合が多く、結局、その時期になると皆が売る必要に迫られ、またリーマンショックも重なりリファイナンスができないという事態になりました。多くのファンドが実質破綻したことは記憶に新しいかと思います。一方、上場REITは運用期限はありませんが、株価との連動が高く、価格変動が大きいといった課題がありました。
それらの欠点を抑えた不動産投資商品として、運用期間は無期限にしながら、価格は半年に一回の鑑定評価で決まるため価格が大きく動く事がないという私募REITが2010年に登場しました(野村不動産プライベート投資時法人)。
その後、運用開始した私募REITは順調に拡大し、2014年には9法人、資産額は1兆円近くまでに達しました。

私募REITは、上にあげた野村不動産以外に、三井不動産、三菱地所、三菱商事、大和証券、丸紅、ケネディクス、東京海上といった錚々たる大手企業がスポンサーに名を連ねています。
したがって、機関投資家は安心して買える不動産投資商品となっています。
価格は鑑定評価によるため、株式市場の影響を受けづらくなります。急激な市場の変化によって大きな含み損が発生したといった事は今までより少なくなると考えられます。株式との分散が効くことになります。

このような、一見いいことづくめの私募REITですが、デメリットとしては換金性が低いということがあげられます。上場REITの場合は売りたくなれば市場で売却することができますが、私募の場合は換金するには、投資法人に買い取ってもらうことになります。(あるいは、ほかに投資口を買いたい人に売ることも)。
そこで私募REITの各社は、REIT自体がオフィスや商業、物流系の大型アセットが中心であっても、売却しやすい10億円レベルの賃貸住宅を組み込む工夫をしています。いざ、投資家が売却したいといってきた場合に、大型不動産はすぐに売りづらいですが、賃貸マンションであれば売りやすいので、おカネを準備できる、ということです。

今のところ、5%近い分配金利回りがある私募REITを機関投資家が一斉に売るといった事態は考えられないでしょう。ただ、不動産市況が大きく変動して、多くの投資家が一斉に売却したいといった場合には対応しきれないという課題があることは認識しておく必要があります。