今年もそろそろ、スイスの受験シーズンがやってくる。
日本だと大学受験以外にも節目節目に受験はありうるが、スイスでは受験はほとんど人生で一回きりの出来事で、ギムナジウム(大学進学用の4年ないし6年中高一貫校)に入るかどうかである。
チューリッヒ州では共通テストが行われ、合格基準が共通で決められている。
4−6年生の学校の評価も、ギミに入れるかどうかを大きく左右する。
なぜなら、選考の50%が学校の成績(ドイツ語と算数)、残り50%が試験の成績(こちらもドイツ語と数学)であるためだ。
全部平均して、4.8あたりが今の合格基準だ。(スイスは小学校から中学校まで共通して1から6の成績で、4が合格=60点、6が最高点=100点)
正直、試験自体(チューリッヒ州の共通テスト)は結構難しく、特に長文を書かせるドイツ語の記述式試験(1テーマA4一枚、5テーマほど出題)では減点方式(文法間違いで容赦なく減点される)のため、合格点4.8を試験のみで取るのは、おびちゃんの時の経験上、はっきりいって至難の業である。
4.8どころか、おびちゃんのときも少なくともドイツ語の方のギミ試験では4ちょっとだったと記憶している。
バイリンガル、いやセミトリリンガルもどきの彼は、生来なのかマルチリンガル環境の悪影響か、語学がそんなに得意ではない方で(今もフランス語で苦しんでいる)、塾どころか数年間ドイツ語の個人レッスン教師までつけて必死に底上げして、ようやくこの程度だった。
(かわりに算数ではそれを相殺するに余りある点数を稼いだことは、本人の名誉のために書き添えておく笑 語学能力と数学能力は、たいていの場合共存しない)
それを補うという意味で重要なのが、学校の成績である。
学校で6をもらっておくと、極端な話、試験の成績は4でも全然OK、余裕で合格点は超えている。
4で全然OKとはいっても、試験で4を取るのだってなかなか大変、塾などである程度訓練しない限り、普通に小学校に行っているだけではよほどの天才児以外(偏差値75超え)は取れなんじゃないかと思う。
そういう子は、学校ではどうせ6をもらうだろうから、特に何もしなくてもギミに合格するということになる。
うちは特に何もしなくても合格したよ〜というお子さんが周りにいたとしたら、その子は100人に1人以下、つまり上位1%以下のいわゆるギフテッドと思っていいだろう。
そうでない子は、なにか対策をしない限りギミ試験は合格できないというのが今のチューリッヒの現状であると、私は認識している。
過去にも書いたが、外国人が多いせい、オフィスワーカーが多いせいで、チューリッヒの教育熱は他の地域よりずいぶん高いらしい。全国平均では大学進学率20%ほどだが、チューリッヒ市とその周辺に限れば、倍とまではいわないが、もっと進学率は高いとおもう。
昔は、成績の良い子は学校で6をもらい、試験で(対策なしでも)4弱を取れば、合格点の4.5に達して自然にギムナジウムに入っていたのだと思う。
しかしそんなのどかな時代はとうに過ぎ去り、合格点は引き上げられ、親の側の教育熱は加熱している。
卵とヒヨコ、どっちかはわからないが、現実的には、昔なら自然に進学してた層(天才までは至らないが、上位20%には入る学業成績優秀層)が対策なしでは進学できなくなっていると思う。
更にその下の層まで参加して、親の必死な底上げ合戦が行われているためである。