生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

この今のチューリッヒの現状に疎いスイス人も多いようで、そんなわざわざ高い授業料を払って塾に行かせる必要なんてない、という親も見かける。

特に、よその州の出身者は事情に疎いようだ。(そもそもほとんどの州では試験などなく、学校の成績が良ければ先生にギミに行くようすすめられ、進学したければそれに従う形をとる)

しかも、このように加熱した状況を嫌悪する傾向がある。

日本の都市部の中学入試の過熱ぶりなどと比べれば、全然まだまだ甘い、と私は思うのだが。(せいぜい半年塾に行く程度)

 

しかし家で親が見るというなら、本気で自分が対策する必要がある。

日本の中学入試の問題ほどではないが、こちらの試験も普通の学校に行っていて自然に解けるような代物ではない。

やはり専門の塾などにいって、解き方、文章の書き方など、指導してもらうのが一番効率よい。

 

自分の子供が本物のギフテッド・天才児だという100%(以上)の確信がない限り、子供を大学に行かせたいのなら、ギミ入試対策は怠ってはいけない。

私の意見では、天才児だったとしても塾くらい行かせて損はない、その後の教育は、ギミも大学もほとんど無料であるので、ここで一時的に数千フラン払ったとて長い目で見れば大した出費ではない。(塾の費用については以前の記事に書いた)

 

ただし、この国では別に大学に行かなくてもちゃんと手に職をつけて生きていけるので、大学に行くのが決して最善策というわけではない点は強調しておきたい。

ただ、試験には受からないレベルかもしれないが、勉強はしたい、となった場合に、日本のようにお金を払って高等教育を受けるというオプションはほとんどこの国には存在しない。

この点は、残酷な制度と言われればそうかもしれない。

スイス(ドイツ語圏全体)には公立の大学しかなく、それらに進学するにはギムナジウム卒業資格が必要だからだ。

要するに、税金で賄われている教育を受けるには、それに足る存在であることを自分で証明しなくてはならない(しかも競争的に)ということだ。

 

お金を払ってでも、となると、それはほとんど必然的に他所の国(イギリスやアメリカ)の大学に行くということになるし、それはつまり、高校からIBコースのある学校(ギミにもあるが、そうでないとしたら通常はインターナショナルスクール)に馬鹿高い学費を払う必要がある。

 

また、以前書いたように、大学に行ったからといって人生安泰なわけでもない。

卒業するには相当な覚悟と努力が必要なためだ。

 

子供の適性を見極め、どの道に進ませるか。

大学に行くにしても何を学ぶのか、行かないのなら、どういう職業訓練をするのが良いか。

ただ子供に勉強しなさいというよりも、それを見極め導いてやるのがスイスの親の役目のようだ。

 

 

今年もそろそろ、スイスの受験シーズンがやってくる。

日本だと大学受験以外にも節目節目に受験はありうるが、スイスでは受験はほとんど人生で一回きりの出来事で、ギムナジウム(大学進学用の4年ないし6年中高一貫校)に入るかどうかである。

 

チューリッヒ州では共通テストが行われ、合格基準が共通で決められている。

4−6年生の学校の評価も、ギミに入れるかどうかを大きく左右する。

なぜなら、選考の50%が学校の成績(ドイツ語と算数)、残り50%が試験の成績(こちらもドイツ語と数学)であるためだ。

全部平均して、4.8あたりが今の合格基準だ。(スイスは小学校から中学校まで共通して1から6の成績で、4が合格=60点、6が最高点=100点)

 

正直、試験自体(チューリッヒ州の共通テスト)は結構難しく、特に長文を書かせるドイツ語の記述式試験(1テーマA4一枚、5テーマほど出題)では減点方式(文法間違いで容赦なく減点される)のため、合格点4.8を試験のみで取るのは、おびちゃんの時の経験上、はっきりいって至難の業である。

4.8どころか、おびちゃんのときも少なくともドイツ語の方のギミ試験では4ちょっとだったと記憶している。

バイリンガル、いやセミトリリンガルもどきの彼は、生来なのかマルチリンガル環境の悪影響か、語学がそんなに得意ではない方で(今もフランス語で苦しんでいる)、塾どころか数年間ドイツ語の個人レッスン教師までつけて必死に底上げして、ようやくこの程度だった。

(かわりに算数ではそれを相殺するに余りある点数を稼いだことは、本人の名誉のために書き添えておく笑 語学能力と数学能力は、たいていの場合共存しない)

 

それを補うという意味で重要なのが、学校の成績である。

学校で6をもらっておくと、極端な話、試験の成績は4でも全然OK、余裕で合格点は超えている。

 

4で全然OKとはいっても、試験で4を取るのだってなかなか大変、塾などである程度訓練しない限り、普通に小学校に行っているだけではよほどの天才児以外(偏差値75超え)は取れなんじゃないかと思う。

そういう子は、学校ではどうせ6をもらうだろうから、特に何もしなくてもギミに合格するということになる。

うちは特に何もしなくても合格したよ〜というお子さんが周りにいたとしたら、その子は100人に1人以下、つまり上位1%以下のいわゆるギフテッドと思っていいだろう。

そうでない子は、なにか対策をしない限りギミ試験は合格できないというのが今のチューリッヒの現状であると、私は認識している。

 

過去にも書いたが、外国人が多いせい、オフィスワーカーが多いせいで、チューリッヒの教育熱は他の地域よりずいぶん高いらしい。全国平均では大学進学率20%ほどだが、チューリッヒ市とその周辺に限れば、倍とまではいわないが、もっと進学率は高いとおもう。

昔は、成績の良い子は学校で6をもらい、試験で(対策なしでも)4弱を取れば、合格点の4.5に達して自然にギムナジウムに入っていたのだと思う。

しかしそんなのどかな時代はとうに過ぎ去り、合格点は引き上げられ、親の側の教育熱は加熱している。

卵とヒヨコ、どっちかはわからないが、現実的には、昔なら自然に進学してた層(天才までは至らないが、上位20%には入る学業成績優秀層)が対策なしでは進学できなくなっていると思う。

更にその下の層まで参加して、親の必死な底上げ合戦が行われているためである。

 

 

 

 

 

 

今週辺りから、チューリッヒ周辺ではぼちぼちスポーツ休みに入る区域がある。

うち校区の休みはまだ先だが、少し早めにぶぶちゃんが前期(秋学期)の成績表を持ち帰ってきた。

6年生なら、この前期の成績はギミ入試の考査にも使われる重要事項である。

(ぶぶちゃんはまだ先)

 

5年生にもなると、成績はすべて1から6のスイス方式で数値化されてくる。

5よりかちょっと下あたりの4.8あたりが平均値で、4はギリギリ合格、4.5はまあOK、5は良し、5.5はすごく良し、6はパーフェクト!というのが大体の目安であると聞いたことがあるが、正直先生によって付け方がマチマチで統一性がないのではというのが私の正直な見解である。

ちなみに、大学の3−4年生の成績であれば、4はもっと頑張れ、4.5はあとちょっとは頑張れるでしょ、5は平均、5.5良し、6はブラボー!というのが私の長年の肌感覚で、ちょっと平均が上に寄って評価の幅が狭い感じである。

(1,2年生で単位が取れないと退学になるので、3,4年生はそれをくぐり抜けた優秀な層しか残ってないため、必然的に成績も上によりがち、というのは先輩方の見解)

 

ともあれ、すべての科目に数字が付けられてきた成績表。

我々両親がずっこけたのは、またまた兄弟揃って同じパターンをもらってきたこと。

つまり、体育(Sport)と図工(TTG)だけが6、という見覚えのあるパターンである。

兄弟揃って妙に器用で、TTGの先生(二人とも同じ先生)にものすごく気に入られている。

とくにおびちゃんのほうは器用であるだけでなくセンスも抜群だったらしく、在学時には絶賛・ほとんど偏愛されており、今回もぶぶちゃんの授業参観だというのに、おびちゃんは元気かギミでどうしてるか、本人(その日の参観対象のぶぶちゃん)そっちのけでその話題しか話してくれなかった。(とっくの昔に卒業したのに)

体育の方も、人並み外れた運動神経のおびちゃんほどではないが、ぶぶちゃんはそこそこ体も大きい方で、(当社比では劣るものの)比較的運動神経が良く運動するのが好きであるのが評価されたのであろう。

まあこの時点では、まだまだ他の科目は伸びる余地がある成績である。

先生の側も、よほどのことがないと6をつけてくれはしないのだが、それは今後6年生に向けて伸びていくという期待を込めてという意味もあるのだと思う。

 

今回、ぶぶちゃんが特に頑張ったのはフランス語で、前回よりアップしていた。

英語も、英語の保育園にも行かせていたおびちゃんと比べて何の英語教育の努力もしなかったわりに頑張っている。

本人曰く、youtubeで覚えたらしい。(子供に世界的人気のyoutuberはアメリカ人らしい)

相変わらず手間のかからない子である。

ゲーム動画などみても人生何の役に立たないのかと思ったが、そうでもないようだ。

スイスで若い世代は軒並み英語が得意なようだが、SNSのおかげなのか。

 

ともあれ、よく頑張ったぶぶちゃん。

来年に向けてさらに精進精進。