こないだ、ある大御所コメディアンが言っていた。
「最近の若手芸人は、一発ギャグとか一発芸ばかりで深みがない。ギャグっていうものは突然生まれるものじゃなくて、コメディの中から生まれるものなんだ。自分が意図ととしてウケようとするものじゃない。」
このコメディアンはボクが小さい頃からテレビの第一線でお茶の間を笑わしてきた人物であるので、その言葉の意味がよく分かる。彼はいくつものギャグを持っているけれど、確かに全てコントの中で偶然発した(でてきた)ものが、人々の笑いを誘い、ウケるようになったのだ。それらのギャグは数十年経っても色あせることなく人を笑わせることが出来る。
同じ事が研究の世界でも言えるんじゃないだろうか。
昨今の研究の世界では論文至上主義のあまり、世の中にウケるような研究に走る研究者が多い。そうすれば研究費も獲得しやすくなるからだ。
しかし、本来研究という者は「世の中の誰もやっていない」、「オリジナリティのある」実験が研究と言えるべきだろう。それなのに今は、「この発見が将来どのような応用が利くか」とか、「この研究を行うことによって確実に成果が出るか」など、本来の目的とは違うような気がする。
本来は別の目的で行ってきた実験が、ある日突然別の新しい発見に繋がることは良くある。これまでノーベル賞を取ってきた研究も偶然の産物である者が多い。
だから、ちょっとは採算性の獲れないかもしれない研究であっても、じっくり時間をかけて研究できる環境が欲しいと思う今日この頃。