Lloyd Cole(ロイド・コール) - AntiDepressant
UKのネオアコ風ギターポップバンドのLloyd Cole & the Commotions (ロイド・コール&コモーションズ)はとても大好きなバンドでした。こちら にも以前書きました。
90年以降からUS(主にNYですね~)でソロで活動しているLloyd Coleの音楽も好きです。
今年、新作が出ましたね。好盤だった03年の「Music in a Foreign Language」以来の作品ですね。オリジナルでは7枚目になるのかな? 話題があまり入ってこない事が多いのですが、ソロになっても多作な人なので、たまにアルバムの抜けがあります。いつか、全部聴いてみたいです。
ジャケ画↓をクリックで試聴できます。
- Lloyd Cole
- Anti Depressant
Myspaceからも新作「AntiDepressant」から2曲聴けます。
↓
http://www.myspace.com/lloydcolemusic
MyspaceではCommotions時代の「Perfect Skin」、前作からも1曲聴けるのが嬉しいですね~。新作中の「I Am Not Willing」は69年のMoby Grape(モビー・グレイプ)のカバーです。
「AntiDepressant」の曲目
1. Young Idealists
2. Woman in a Bar
3. NYC Sunshine
4. Antidepressant
5. I Didn't See It Coming
6. How Wrong Can You Be?
7. Everysong
8. I Am Not Willing
9. Slip Away
10. Traveling Light
11. Rolodex Incident
Commotions時代はネオアコ風でカラッと爽快さも魅力的でした。「Perfect Skin」(PV
)、「Rattlesnakes」(PV
)、「Brand New Friend」(PV
)、「Lost Weekend」(PV
)、「Jennifer She Said」(超名曲!→PV
)など、名曲でした。
(各曲↑のPVをリンクしましたので是非!)
ソロになってからは、ストリングの効いた音や味のあるボーカルは変わらず魅力的ですが、その作品はなかなか「いぶし銀」と形容してよいほどの激シブなシティーポップ路線が続いていました。
91年のアルバム「Don't Get Weird on Me Babe」はシングル「She's A Girl And I'm A Man」(PV
←是非!)に代表されるような、なかなかポップな一面も垣間見えた一枚でしたが、それでもキャッチ-な曲はとても少なかったです。
それでも、彼のソロを聴くと、本当に音楽的に静かに「深化」していっていると言うか、常にメインストリームに背を向けながらも、良い曲を書こうという意気込みに溢れています。静かな情熱が持続しているという形容がピッタシですね。どの作品もとても落ち着いて聴ける良さがあります。
しかし、今回のアルバムはなかなか「いぶし銀路線」からは外れていないものの、なかなか「彼にしては」カラフルなイメージの曲が多いです。定番のストリングも明るい仕上がりです。
肝心の曲もMyspaceで聴ける「Young Idealists」、「Woman in a Bar」、「NYC Sunshine」もゆったりとミドルテンポの曲ながら、カラッとした仕上がりで、メロディーが立っている良い曲です。タイトルチューンの「Antidepressant」とかは久々にリズムの抑揚が心地良い、躍動感のある曲で聴き応えがあります。
ちょっと異国風なメロディーの「How Wrong Can You Be? 」やカントリーフレイバーな要素も見られてテンポの良い「Everysong」、カバーながら彼特有の都会のポップ色が現れていながらボーカルは優しさも垣間みれる「I Am Not Willing」が味があります。ギターとドラムの演奏もなかなかです。
荘厳な感じもする「Slip Away」の次は、カラッと淡々に歌っていながらも非常にテンポが良い「Traveling Light」というようにアルバム全体聴いても抑揚が感じられて、聴けば聴くほど味わいがあります。最後の「Rolodex Incident」も出だしのピアノの音も印象的ですが、モダンな雰囲気が貫く印象的なナンバーです。
00年のアルバム「The Negatives」からUS/UKのチャートから全く無縁なヒトになっていますが、音楽の方はソロになって以降も、向上心を持って聴き応えがある良作をコンスタントに出しているヒトです。今回のアルバムも過去の作品同様、繰り返し聴けば聴くほど、優しいメロディーが自然と耳に残る好盤です。今回はなかなか聴きやすいですし、是非聴いて欲しい1枚です。
近作は少しカラフルになったとはいえ、やはり普通に聴くと「いぶし銀」、「激渋」という印象は変わらず受けると思うんですけど、そんな地味な作風が続いていながらも、不思議とCommotions時代からの「青春の雰囲気」というか、彼の書く曲の持つ一種の「キラキラ感」は不変です。
「矛盾」していると思われるこの表現、実際聴いて貰えてちょっとでも同感していただければ嬉しいです。興味がありましたら是非、この意欲的な新作、聴いてみてください。試聴だけでも結構ですので。。
しかし、前 のCommotions時代の記事もそうでしたけど、どうもLloyd Coleのことを書くと「おセンチ」になっちゃいますねー。公開するのも恥ずかしいぐらいの若い文章ですけど、自然に出た文章ですので、恥ずかしながらアップします(笑。