年末はこれを見ます!の一つ。
「KEIRINグランプリ」は、買おうが買うまいが見る。
たまにしか見ない競輪にあって大好きなコンビがいる。
先行 深谷知広選手(愛知)-番手 浅井康太選手(三重)
欲の皮がつっぱったのだろうか、仕掛けが遅くなり勝機を逸するみたいなことがよくあった。
グランプリ当日、TVの前で興奮した。
深谷選手は、かなり早い段階で先頭に立ち、私の大好きな先行逃げ切りパターンに。
「ブロック!」
「ブロック!」
と何度も発してしまった。
風圧を受け逃げ切りをはかる深谷選手を逃げ切らせるには、風よけの恩恵を受け、スリップストリームで体力温存中の浅井選手が後続選手の追い越しを許さんとするブロックが必要だ。
贔屓2選手のどちらかに優勝してもらいたい、できればワンツーフィニッシュを決めてもらいたい。
最終4コーナー、贔屓の深谷選手が先頭、続いて浅井選手もガッチリマーク。
興奮の、坩堝だ。
好事魔多し。
私は嫌な予感というか、嫌な挙動の選手を見逃さなかった。
案の定だ。
そのコースは空いていない、そのフォーム(乗車姿勢)で来たら危ないと思った矢先だった。
先頭で逃げていて一番安全なはずにもかかわらず、後続の無茶な走りのおかげで後続の落車(転倒)に後輪が巻き込まれ落車(転倒)した深谷選手。
原因を作った選手は担架で運ばれた。
泣けたのはここからだ。
優勝目前か上位入賞目前から、巻き込まれて転倒した選手が担架に乗らずに立ち上がった。
今、書きながら思い出し泣きをしている。
ある一定のラインに到達していれば自転車を携行できるが、そこに達していないと自転車に跨って進まなければならない。
深谷選手は、一定のラインに達していない。
深谷選手は、自転車に跨って再びゴールラインを目指した。
自転車が進まない。
それもそのはず、前輪のタイヤが外れてからまって進めない。
一生懸命にタイヤのからまりを正そうと、前輪が回るようにと手で直している姿を見て私は涙を流した。
背景にはものすごい傷やスリップ痕のついたバンク(坂のついた競輪用競技場)があり、こんな交通事故同様のあとにゴールを目指すなんてと涙は止まらなくなくなった。
自転車に跨り、つま先立ちで必死に一定のラインまで進む深谷選手。
乳酸も溜まりつま先立ちなんて辛かろうに。
自転車を携行してゴールした深谷選手は9人中8着でゴールして、待機していた担架で運ばれた。
蛮行は許さんぞという、気迫を感じた。
ワンツーならずだったが、番手(先行選手のすぐ後ろ・二番手)の浅井選手が、落車(転倒)せずに優勝してくれたことが救いだった。
深谷選手のレース後コメントは
「最低限の仕事はできた。 深谷コール が聞こえたのでゴールしたかった」
というもの。
深谷選手、よく頑張った!おつかれさまでした。
浅井選手、おめでとうございます!