デザイン修正と料理の話。
デザインの世界では「初稿」というものがある。
初めて目にするデザイン案のことなのだが、
その前に構成案、ワイヤーフレーム、設計図などがあり、それらをもとにデザイナーにオーダーがなされデザイン案が生まれる。
この「構成案」「ワイヤーフレーム」「設計図」は非常に重要で、
これらがないとデザインしようがない。
デザインは全てオーダメイドだ。
これらはそのための注文書、オーダー内容と言える。
厳密には、それらがなくても作ることは可能なのだが、
デザインした後に、そもそもの注文内容が間違っていると、デザイン以前に内容が違うということになる。
そうなると、どんなに良いデザインが上がってきても内容が違うので作り直しになる。
その場合、作り直す分の代金は支払わなければならない。
デザインは掲載内容ではなく、「装飾」に該当する。
掲載内容が合っていて、デザインが違う場合は、もちろんデザインのやり直し。それは作り直すお金は発生しない。問題ない。
デザインが間違っていたのだから。
追加料金が発生することは、発注者もクリエイターもどちらも望んでいない。
なので、「デザインは良いけど、内容が違う」ということはあってはならないことなのだ。
これらは業界の専門的な話だが、レストランで料理を注文する時に置き換えると簡単に理解できる。
イタリアンにいき、カルボナーラを注文したとする。
カルボナーラが出てきた時に、「あれ、これじゃなくて、油で仕上げたサッパリ系の、、、あ!ペペロンチーノだ。ペペロンチーノください。」と頼んだ場合、ペペロンチーノを作り直さないといけない。
その時、お客さんはカルボナーラとペペロンチーノの2皿分の料金を払わないといけない。
カルボナーラを食べずペペロンチーノだけ食べたとしても。
当然だ。注文したのだから。
カルボナーラを頼んで、カルボナーラが来たのちに、ちょっと味にパンチがないから、胡椒をもらったり、チーズを追加でもらうのは問題ないはずだ。
チーズは少し追加料金が発生するかもだが、2皿分の料金とはならない。
このことがまさにデザイン業界でいうところの「修正」なのだ。
カルボナーラが出てきてからペペロンチーノを注文することは、「修正」ではなく、「追加オーダー」になる。
間違った「構成案」で注文してしまって、デザインが上がってきて、作り直させるのは当然「追加オーダー」になる。簡単な話です。