■第一章
1200×600×450が最低サイズと呼ばれる所以
勘違いしないで欲しいのが、これはどちらかと言うとこのサイズなら飼育出来るよ!ではなくてこういう考え方で水槽サイズを選ぶといいんじゃない?っていうお話だから、記事を鵜呑みにせずに一旦咀嚼してから理解してもらえると良いと思う。(※私の書く考察は全てそうだと思ってくれて構いません。)
さて、タイトルにもあるように、アロワナ飼育者なら1度や2度は聞いた事あるであろう「最低サイズは1200×600×H450mm」と言う文言。
これの根拠を知らないままこの水槽で飼育すると後悔する人もかなりいると思う。だから今回書くことにした。
まず、この話の出処だけど某雑誌のアンケート結果と言うのが濃厚。(Q,アロワナは最低何センチ水槽から飼育出来ると思いますか?に対して)
もう少し掘り下げて、根本的にこの意見が支持されるようになった理由、つまり、どうやって割り出されたのかと言うと魚の体長の2倍の横幅、魚の体長の1倍の奥行、魚の体高の2倍の高さを基準に算出してショップやマニアが提唱していたと考えられる。
未知の魚を飼育する時の基準値が上記の公式なのだろう。これなら死亡リスクは下げられますよ、と言う経験則。
ただね、アロワナってのは輸入規制が解かれてからもう20年以上経つのよ。(※たしか’93年に輸入再開)
これを未知の魚と呼ぶのは無理あるっしょ。
しかもマニアも相当数付いて考察されまくってる魚だからね。
それらを踏まえて、私の意見だけ、完全に私の考え方だけで言う最低サイズは1500×750×H600mmです。
でも、これはあくまでも最大体長を狙った場合の飼育を推定して算出しているからね?
”例えば”餌の量を健康に害の無い程度に減らして、水温を過度に上げずにじっくり飼育する場合であれば1200×600×600mmでも飼育は十分可能だとも考えている。
一旦、仮の答えが出たところでこの章は終えよう。次章はこの盆栽飼育と呼ばれる飼育法について掘り下げてみようか。
■第二章
盆栽飼育は虐待?!
庭木を小さな鉢に植えて小さく育てる”盆栽”と似ていることからこのように呼ばれている。
別の呼び方だと「〆飼い」「ヒネさせる(ヒネた、ヒネる、など)」と言うのもある。
これに対して虐待であると言ったイメージが強い方も多いのではないだろうか?
私も昔はそう思っていた。そう昔は…。
そもそも、この飼育法の出処がどこなのか?という疑問だが、おそらく錦鯉ではないか?と私は思っている。
錦鯉の世界では、大きくなると柄が崩れる=価値が下がる個体も存在するため、わざと小さく飼育して仕上げる育成法が確立されている。
これによる健康被害は無いという判断が下され、品評会でも専門部門が設立されている。
即ち、自由と責任(過去記事参照)で触れた”健康的に寿命まで飼育する”と言う飼育の責任は果たせていると私は思う。
ただ、錦鯉とアロワナは別の魚であるのだから、これをそのまま流用しても上手く行くはずがない。
ただ、錦鯉とアロワナは別の魚であるのだから、これをそのまま流用しても上手く行くはずがない。
でも、最大体長まで育てることができない=飼育の責任が取れていない、と言うのは間違った認識ではないのか?と個人的には思ってしまうのだ。
更に付け加えると、最大体長まで育てたせいで、魚からすると水槽が窮屈に感じてしまい、結果ストレスを溜めてしまうのであれば、私は少し小さめで止めて飼育する方がよっぽど良いと思う。
ただ、この件に関して重要なことは、これを過度に提唱・信仰して「魚は水槽に合わせるから小さい水槽で大丈夫」と言うスタンスは極めて危険だし、タブーであるということ。
あくまでも魚のことを考えつつ、少し小さめで飼育する。そのためには水温や餌の種類、量を健康被害の無い程度に調整すると言うスタンスで行うことを推奨しているのだ。
当然だが大きければ大きい水槽の方が絶対にいいし、最大体長に近づけられる事に越したことはない。
そこだけは勘違いしないでね。
■第三章
許容範囲ってどのくらい?
錦鯉は同じ年、同じ腹の子であっても、飼育方法によっては100cm超~30cmと非常に幅広い体長差が出る。
アロワナは一体どのくらいが下限なのだろうか?
これは品種にもよるのだが、昨今のクロスブリードのせいでその辺も読みにくいと言うのが正直なところ。
一般的には…
紅龍→最大70cm
紅尾金龍(高背金龍)→最大65cm
過背金龍→最大60cm
黄龍→最大65cm
青龍→最大65cm
※最大とは一般的な最大サイズ
くらいでは無かろうか?※異論は認める。
基準として、65cm程度を今回は据えよう。※それが無いと始まらないからね!!
もちろん個体差もあるし、あくまでも私の経験則だが、1割程度は小さく締めても健康被害は出ないと思われる。
先日落としてしまった11歳の紅龍だが、死亡時の採寸で63cm(ヒゲ除く)であった。
純血種では無かったと思うが、これは最大体長70cmとすると1割程度小さいということになる。
目たれをしてしまってはいたが、その他の健康的影響は無かった。おそらくあと5年以上は本来であれば生きたであろう。
このことから、金龍系及び青龍・黄龍に関して言えば体長58.5cmくらいであれば問題無く飼育出来る可能性が高い。
これから逆算すると、アクリル水槽の板厚が13mmの場合、外寸奥行600mmの水槽の内寸は574mmであるから、少し狭いものの外寸奥行600mmでも飼育はなんとか可能であると考えられる。
と、言うことで、〆飼い前提の最低水槽サイズってW1200×D600mmでも間違いでは無いと思うんだよな。
因みに、よく「D450mmで飼育出来ますか?」という阿呆がいるが……もはや、それは言わなくても分かるだろレベル…。もっと言うとググるの下手なのかな?( ; ˘-ω-)レベルの話なので論外ですから言及しませんでした。
こういう質問も「水槽に合わせるから大丈夫」って言ってるレベルの低い飼育者(ストックマン?)がいるから出ちゃうのかなぁ???
さて、高さについては次の章で。
■第四章
高さ450?600?
これに関しても判断として難しいところはあるんだけれど、例えばよくいる「部屋が狭くて大きい水槽は置けない」って人。
でもこれは床面積の話だよね?
…ってことは、高さの言い訳にはならない訳だ。
だから、少しでも魚の負担を減らすために、高さ600mmを最低基準としても良いようにも思う。
でも、これまた錦鯉の話なんだけど、鯉の大きさって水深に依存するって言われてるんだ。
だから、少しでも魚の負担を減らすために、高さ600mmを最低基準としても良いようにも思う。
でも、これまた錦鯉の話なんだけど、鯉の大きさって水深に依存するって言われてるんだ。
これを魚全般に当てはまると仮定した場合、あえて高さを下げることによって、盆栽飼育の補助とすると言う考え方も出来てしまう。
だからこれに関してはかなり判断の難しいところなんだけど、やっぱり横幅、奥行と広く取っていない場合であれば、それだけで抑制は十分な気もするから、水質維持や泳ぎやすさを考えて高さ500mm以上は確保して欲しいなと思う。
当たり前だけど450mm以下は絶対NGだからね。これだと背中が出ちゃう可能性が非常に高い。
もし体表が乾燥すると、そこから細菌感染したりするし、多分泳がなくなる。
これは健康的な飼育とは到底呼べないからね。
■第五章
結局のところの最低サイズ
まあつらつらと書いたんだけど健康的な飼育且つ最大体長を狙わないと言う条件付きであればやはり1200×600×H500(450)mmが最低サイズって感じかなぁ?
今回書いてて思ったのは、結局意外と考えられて算出したのかな?って言うのと、最低サイズ=盆栽飼育(気味)なんだよってことを思った。
この盆栽飼育なんだよの部分も併せて広まれば、阿呆な質問者も減るだろうし、それならもう少し大きい水槽にしようかなって人もいると思うから、是非是非参考にしてほしい。
今回の記事は結構書いてても有意義だったし、世間との考え方の相違は少なかったように思います。自己満とか言うな(`・ω・´)ムッキー!
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