今回はちょっと僕の仕事の紹介です。


 笑う門には福来たる。と諺にもあるとおり、

毎日をにこやかに過ごしていくことが、

家族や隣人と楽しく暮らしていく秘訣なんだと、

昔から云われております。


 本当に、よく 屈託なく笑う方にお会いしますと

元気が出てくるものです。


さて、今日は「カド」は「カド」でも、「角」の方の話題。


 僕たち男性でも気に入っているケース類などの角、

ぶつけてしまうと傷になって、とても残念に思った経験が

ある方も多いと思います。

いま、私たちの仕事場、皮革クリーニング&修理のバック部門に

寄せられる相談の中でも比較的に多いのが、

女性用の本革バックの角の擦り切れです。

長年の摩耗もありますが、自転車のカゴで引っかけたり、

コンクリートの壁に擦ってしまったなど、大変に困られている

女性の方々から、多様な物が寄せられてまいります。


 しかし、この「カド」はさすがに笑えませんね。


 残念ながら、素材回復力の強い「水での皮革丸洗い」でも

クリーニングだけではこういった傷は治すことができません。

よく勘違なさって洗うと傷まで治ってしまうと思い込まれる方も

いらっしゃいますが・・・、

照らしたり、すかしたりしてようやく見えるような小傷ならともかく、

組織が削れたものは洗って治るものではないことが、

冷静に考えれば、理解していただけると思います。


私たちはそれほどまでに愛着のある品物を任せて

頂ける事に矜持を待っていますし、修理後には

喜んで頂ける様に最善を尽くします。

お気に入りを破損して頭に血が昇ってしまっても、

深呼吸をして一度相談されてみては如何でしょうか?


そんな傷についても、なんとか皆様に笑顔を

取り戻してもらうべく、スタッフ一同知恵を絞って、

1点1点違う修理の工程を日々編み出しております。

以下に、代表的な修理例を紹介します。


1.先ず、洗浄だけで、回復できる限界をご紹介

 セカンドバック 洗浄前の画像↓

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↓写真 質感は向上していますが、右下のよれた部分は
完全には戻せません、それでもはみ出した繊維などを除去
してみたら、使い込んだ「いい感じ」になりました。

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*上記の場合は洗浄料金しか頂いていません。


2.次に、ちょっと手修理のかかるものです。
 なにかにこすりつけてしまったのでしょうか?
 中央のアクセントラインの、ど真ん中に黒い
 汚れが・・・

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この場合は洗ってみないと、どこまで回復するかわかりません。
この持主の方は幸運にも、洗浄だけで無事綺麗になりました。
洗浄で回復できないクスミなどは、修理対象となります。
もし少し色がクスンでいてもこの程度ならば、
大体、洗浄代+1500円程度の
修理で大丈夫です。

b394


4.次は、大変に古いボストンバック、以前ご紹介したものです。
 色をつけることで、かなり見栄えが良くなっています。
 部分の修理よりも、全体的に修理を施工して良くなる例です。

  ↓施工前
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洗浄代の他、塗装代金が掛りますが、結果オーライ
施工費用はお見積りで、御相談しながら施工を進めます。

b139 (2)

5.最後に完全な角当ての修理
 あちこちに同様の傷があり、見積もりで施工しました。
 ここ1か所で 2~3千円です。

080628_1226~0001

  いかがでしょうか?ほとんど見えなくなっていますし、
 欠損していた部分の素材の補強もしております。
 今度は少しくらいぶつけても白い部分は出て来ない
 はずです。

HPNX0045

以上、代表的な物をご紹介しましたが、まだまだいろいろ
施工できますので、興味のある方はぜひご連絡を
お待ちしております。


♪音楽関係♪のおつきあいをいただいている皆さんはこんな仕事やってるって

思わないかも・・・・


でも、あまり大々的に紹介してないから、興味があってたまたま見つけられ

ちゃったらよろしく!

そのうち、楽器修理編も出していくつもりですのでこうご期待。




題したとおり、モノは使い続けた後、使えなくなって捨てる。
という当たり前の循環の中に、

まるで、海岸に打ち寄せる波のように、絶えず生産と消費を
繰り返していまよね。


 良く「使い捨て」って言いますが、これは文字通り読むと

当たり前のことだと思うんです。
「使わず捨て」は、殺生になりますからいけませんが・・・


じゃあなんで、当たり前の使って捨てることを、「使い捨て」と言うのか???

わざわざ言うべきものでもないのに、どちらかというとその品物に対して
揶揄とか、ともすれば卑下した表現で使われます。なぜでしょう?


 この原因って、突き詰めれたら、人間が産業革命以来、段々と完成度の高い
多機な能製品を生み出したからに他ならないんじゃないかと思うんです。


 機械でも一つのことを一つの物にさせていれば構造も単純ですから、
修理して長期間にわたって使い続けられるけど・・・、

複数の事を一つの機械にさせるようになると、構造も複雑怪奇になり、

使っている人が、自分で直せないような物が多くなりますよね。


 そして直すことより購入した方が安く手に入るようになってくると、人は
そちらの方向に流されちゃうんじゃないかって思うんです。


 だから、今まで使われていた使えない物は、邪魔な存在となって

捨てられるしょぼんのです。


この最たるものが「使い捨て製品」なんじゃないかな。


つまり人の一生で、かかわる時間がすごく短いから、軽んじて扱われるモノ
として軽視されたり、ゴミ予備軍のように蔑視されちゃうわけです。


確かに「使い捨て」は便利ですし、なくてはならない物もあるけど、
現代の風潮ってなんか、全てにおいてこの利便性と経済効果の追求に

走り過ぎなんじゃないかと、時々疑問に思うことがあります。


 またこんな疑問を持つ人々も少なからず増えているようです。


 気に入った良い物を修理しながら長く使うことは少し不便だし、経済的にも

多少マイナスがま口財布右下矢印かもしれませんが、、修理する事で何所が壊れ易いのか?


どういう風に使うと長持ちするのか、なんて、物に対する造詣の深さと、

愛着が生まれると共に、その機能を手に入れようとする時に、どこに気をつけて
購入したらいいのか、モノを見る目が養われてくるように思います。

 と偉そうな講釈をしたところで・・・・

使い捨ての「靴」 をごみ箱から持って来て修理してみましたのでその紹介です。

 実は今回の画像の紹介は靴を取り上げて見ようと思い、これは知人の
レストランのサービスマンが履いていた靴をごみ箱から拾って修理 して
みたのですが、どうでしょう?
本当に捨てる文化って正しいのでしょうか?

ともども、無駄のない文明生活を送りたいですね。


[靴の洗浄と修理のご紹介]

まさにゴミ箱から拾い立ての ブッつぶれた靴・・・悲しい状態です。
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靴クリーニング を知人の工場のクリナーズファクトリーさんで丁寧に

行ってみたらあら不思議!?「靴」みたいな形に成ってます。
もう履けそうですね!

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そこで今度はカカトの履き口のラインを修正し、
カカトのけずれに傾斜板 という素材を使って地面と平行に
なるように修正しました。裏面は新品同様です。
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ざっと磨きをかけて、ごらんのとおり。
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履き口の歪みがありますが、木型を入れて2~3日
置くと普通に履けるシロモノになりますよ!

極端な例ですが、サイズが履けるモノなら皆さんの
ゴミもまだ一考の余地ありです。

ここで一言  「アナタハ、マダ捨テマスカ?」



さてと、最近忙しくて自分の修理作品をお見せできないのですが・・・・


仲間内で郡山市で修理を営むリファーレさんのお作品!


紹介します。


作業前

裏はボロボロ

表はハゲハゲ の靴 

結構いいところのブランド品です。
修理屋のブログ


作業後

もったいないので、

修理
修理屋のブログ

表面の光沢

裏面は墨も打って、新品同様です。


いやあ、職人技を見せつけられました。

僕もがんばろ!