$「天使の弁護士 成瀬領」VS「天才鍵師 榎本径」


熊田は榎本の無欲な行動(献血)に驚き

頭を殴られたような感覚に襲われ一点を見つめたまましばらく放心状態だった 


そして大きなため息をつき決心したのだ

青砥が戻ると彼は言った


「僕との婚約を解消してください」

「・・・」


「え、今なんて」

「僕との結婚はないです」

「婚約は白紙に戻してください」


「なぜなんですか?」


「理由は・・・」

「男としてあなたを幸せにできないからです」

「それは僕にとっても屈辱なんです」

「わかってもらえますか?」


「どう言う意味ですか」


「それを僕に言わせるんですか!」

「当たり前の夫婦生活が望めないんです」


「子供はどうするんですか」


「あなたの判断に・・・」

「いや、君のためには堕胎を選択するべきなんだ」

堕胎可能なギリギリのラインで、この熊田の提案に

純子は、意外な言葉を返した


「私、産みます!」「シングルマザーでも構いません」

「初めは、この妊娠に戸惑いました。でも、この子は成長しているんです」

「あなたの子供であると同時に、私の子供でもあるんです」

「例え、親でもこの子の命を奪う権利はないと思います」

「私、一人で育てます!」


「どうしても、というのなら」

「養育費は払わせてください」

「僕の・・・」 

たった一人の子供のために と言いかけて 熊田は言葉を飲んだ

「僕の・・・・責任において」

「さようなら」「すみません一人にしてください・・」

純子が病室を去った後、熊田の目から光るものが零れた


それから1時間後、熊田は芹沢に電話をかけた

「もしもし、熊田です。先日は有難うございました」

「先日、僕に輸血してくれた榎本さんの連絡先を・・」

「是非、教えていただきたいのですが」

「ええ、お礼とお願いがありまして・・・」

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さて、何をお願いするのでしょうか?というか何を考えているのか?

今後の明るい展開に期待してください!