杼得と毎週末を一緒に過ごす日々。
最近は、長ければ金曜日から日曜日の夜まで一緒に過ごし、月曜日の朝には一緒に家を出る。
マンションのエレベーターを手をつないだまま降りたち、一緒にドアマンに「
Good morning」と挨拶をし、ロビーを出る。若夫婦っぽくて私はなぜか誇らしい。
そして、角の交差点で別れを惜しみながらキスをして、私は地下鉄、彼はバスへと急ぎ足で向かう。
それぞれ会社に着くと、もう既に寂しくて、早速メールを交換し合う。
一歩、一歩確実に愛を深め、距離を縮め、求め合う私達。
降り注ぐ
ポジティブサインの中に見え隠れする若干の
ネガティブにはなるべく目を向けず、気にしないようにしているつもり。
しかし完全に頭から消し去ることは出来ない・・・。
それは・・・
合鍵デートし始めて一年近く、そして「アイラブユー」と囁き合い、大喧嘩も乗り越え、切っても切れない仲の私達。
最近は一週間の内、3日を彼の家で過ごす日もある。
そろそろ、「自由に出入り」してもよくない?週末滞在中は、私も一人で出かける時などには合鍵を使っている。だけど、それは唯一の「スペア・キー」であり、使い終わったら元の場所へ戻さないといけない・・・。
確かに彼の家はヨーロッパの友達などゲストの出入りも激しく、唯一のスペアキーを大切に保管しておくのは大事。
わざわざもう一つ合鍵を作りに行かないといけないわけだし・・・。
だけどたまに寂しいときがある。
彼の家は私の自宅よりも中心街・繁華街にある。
平日の夜にその辺で会社の人や友達と食事をしたりする場合もある。
わざわざ自宅へえっちらこっちら帰るより、目と鼻の先の彼の家に泊まりたい。
同僚などに、
「今日は彼の家?」と、あたり前のように聞かれると・・・。
「いや、今日は約束してないから・・・」「勝手に」出入りできない自分が悲しい。
また、12月の試験までガリ勉君の私は、平日の夜10時まで予備校の自習室で勉強をしている。
自習室は私の家の方面にもあるのだが、彼の家の近くにもある。
平日は彼もお互いに付き合いとか色々あるし、私も勉強があるから予定は立てにくいのだが、会いたくて、会いたくて仕方ない時は彼の家の近くの予備校で勉強して、ちゃんと終わってから彼の家へ行けばいいじゃないか。
彼が差し出してくれないのに、自分からは聞きにくい。
ちょっと聞いてみた。
「今日、貴方の家の近くの予備校で勉強する予定だから終わってから行って良い??」突然の不意打ち。彼は予定があるかもしれない。
なんと言うだろう・・・。
「**、今晩だけど、とっても会いたいよ。だけど、今日は食事に出かける予定があって、何時に帰るかはっきり分からない。だからあまり遅くまで待たせたくないから・・・。」ここは、「何で?」なんてプッシュしてはいけない・・・。
「わかった。貴方を急がせたくないわ。10時まで予備校で勉強している予定だったから、その後貴方と一緒に居られたらいいなと思って。食事の前には一度家に帰るの?」着替えに帰った時に先に会って、彼が出かける時に私は合鍵を借りて自習室に行って、後で会えばいいんだ! うふふ。
「うん、帰るよ。その前にちょっと寄る?8時頃にはディナーに出るけど。」「分かったわ。じゃあ向かう時に電話するね!」ここまで、まだ普通の会話・・・
その後
驚きのメッセージが!!!「Baby、上がってくる前にフロントでゲスト登録を毎回してくれる?なんか一部の来客で問題があったみたいで、新しいポリシーなんだ。」これは・・・
マジ?? 例えそうだとしても・・・
私は「来客」と言うか・・・、週末もずっと彼と出入りをし、月曜日の朝も夫婦のように出社していく、彼とほぼ同棲中の仲、顔だって覚えられているはず。正式にリースに名前が載っているか、いないかの問題で、身元だって割れているじゃないか・・・。
もしかして・・・
押しかけ防止! 彼なりの予防線・・・?
とりあえず適当に返事をしておいた。
そんな事忘れちゃうかもしれないじゃない。これまでやってなかったんだし。
本当に警備が厳しくなっていたとしたら、フロントの人に呼び止められるまでだし。その時はその時でチェックインすればいいよね。
普通にフロントを突破して、いつも通りまっすぐエレベーターへ。
彼のドアのベルを鳴らした。
笑顔だったか、
「あれ?下は?サイインした?」と言う彼。
きっと・・・
週末は「私の為」の時間で、それなりに心地よくなっていた。
だけど、平日の4日間は彼の自由気ままに出来る「
聖域」だったのかもしれない。
それを突然の、「近くに行くからそっちに寄るよ!」と言う襲来、そしてその内、いつでもかんでもかまわず押しかけ!となるのでは無いかと恐れたのか・・・。
ストーカー予防??Mi casa es su casa (私の家は貴方の家)
の精神からちょっと離れてるよね・・・。
かなりガードが固いって事?どうでしょう、私はストーカーなのでしょうか?