「ぷはー!うまかったー!」

お腹もふくらみ、数日歩きっぱなしということもあり、すぐに眠気が空を襲った


「ほっほっほっ、疲れて眠たかろう。今日はもう寝るがいい。」


「ありがと・・・」


目をごしごししながら空はベリーが用意してくれた布団に潜り込んだ


オレンとベリーも風呂に入って寝る準備をしていた


そのとき


ドゴンっ!!



大きな爆音とともに激しい揺れが襲う



「な、何事じゃー!」


オレンとベリーは外に出てその音の原因を確認したと同時に怯えた


「こんなにイイ村があったなんてなー。ひひひ・・・こりゃアノ方に報告だなー。

・・・まあ少しくらい遊んでもいいよなー。

もう始めちゃってるけどね・・・」


なんとディアーボが森から空たちをつけていたのだ


オレンは村中に聞こえるような声で叫ぶ


「ディアーボじゃー!ディアーボが来たぞー!みんな逃げろー!」


近くにいた村のみんなは急いで家から出た


「う、うわぁー!ホントに来てるー!」


全速力でみんなは逃げて行く



ディアーボはギッとオレンを睨んだ


「あーあー…起こしちゃったよー。じっくりいきたかったのにー…

そういうことされるとムッとしちゃう…なっ!」


ディアーボは手から黄色く光る何かをオレンに向かって出した



それはオレンの頬をかすめ、オレンの家に直撃し


ドゴーン!


オレンとベリーは爆風で飛んだ


「ぐわー!」


オレンは倒れ、すぐにベリーの安否を確認した


「…くっ、べ、ベリー…大丈夫かっ?」


そう言われるとベリーは傷をいくつか負っているものの(コクリ)と頷き大丈夫ということを伝えた


そしてオレンは一つのことに気付く


「こ、小僧は?!空は?!」

そう叫ぶオレンの前にディアーボは立った


「あー、外しちゃったー。なんか家の中に誰かいたみたいだけどさー…だーーれも家から出た様子なかったよー。これじゃあ丸焦げだねー」


「そ、空…」


オレンは涙を流して空の名前を言った


「安心してよぉ。お前らもすぐ同じ場所にいくことになるしー」


そう言ってディアーボはオレンの顔に手をあてた



そのとき



ガラガラガラッ



「ふっあ~~~~~あー。むにゅむにゅ。」








「なっ…」




「なっ…」






「なにーーー!」
「なにーーー!」


オレンとディアーボがハモった




「うるさいな~…


あっれ~?なんで外で寝てんだろ~???


ん?



あーー!家壊れてるー!なんでなんでー?」


空はピンピンしていた



「お、おい。あ、あいつあの家にいて俺の気弾直撃したんだよな…?」


「そ、そのはずじゃが…」


オレンもベリーもディアーボもポカンとしている


空は周りを見渡しディアーボを見て、


「(もしかして…あいつ…)」


やっと状況を把握したようだ


「おいっ!ディアーボ!お前がこんなことしたのか!」


ディアーボは動揺しながらも(冷静ですよ)というような顔で答えた

「そ、そうだー。

お前なかなか頑丈なカラダしてるなー。」

空はディアーボの手の先にオレンがいることに気付く



「おいっ!ディアーボ!オレンじいちゃんから手を離せ!」


「い・や・だ~。ヒヒひひ…殺してやるよ~どうする~?助けにくるか~?」


それを聞くと空は立ち上がる


「当たり前だ!オレンじいちゃんは腹いっぱいにご飯食べさせてくれたんだ…優しくしてくれたんだ!


だから…



死なせない!」




~~~~っっっ




ドンッ!



「はあぁあぁぁー!!」



空を中心に竜巻のように風が舞い、



猿のような〈しっぽ〉が生えてくる



空の周りの風が辺りに一気に吹出すと激しかった風は静まりかえった



空は白銀の髪をなびかせ、上着を脱ぎ捨てる



「誰も…




死なせるもんか!」


-新生- DRAGONBALL-覚醒

とりあえずおじいさんは自分の名前がオレンという名前だということを明かし(?)、空に温かいご飯を出した


「・・・っということでわしのことはオレンじいちゃんと呼んでくれぃ。」


「うん。わかった。」


「よし。(満足気)

・・・そういやお前さんなんで西の都なぞという危ない場所へ行こうとしとるのじゃ?あそこに行って生きて帰ってきたものなど聞いたことないぞ。」


空はうつむき、数秒沈黙していた


そしてオレンの顔を見る


「カプセルコーポレーションに、用があるんだ。」




14年前、あの中からディアーボが産まれたと多くの非難を浴びた

しかしカプセルコーポレーションは人々にとってなくてはならないものであり、一人の科学者の単独行動ということで人々は目をつぶり、今でもつぶれることなく世にあるのだ




「カプセルコーポレーション?カプセルコーポレーションならこの村の隣の街にもあるぞ?」


「西の都じゃないと・・・元本社の地下に用があるんだ。」


「そこに・・・何があるんじゃ?」



「オレンじいちゃん、




ドラゴンボールって知ってる?」




「ゴールデンボール?なんじゃそれは?」


わざと間違えたなと思い、空はスルーした


「ドラゴンボールは全部で7個あるんだ。中に星が一粒から7粒まで入っているんだよね。」


「なんじゃ?数珠にでもするのか?」


「違うよー。その7つのドラゴンボールをあつめて呪文をとなえると、神龍・・・つまり龍の神様が現れてどんな願いでもひとつだけかなえてくれるんだ。」


「ほー!そいつはすごい!それがカプセルコーポレーションの地下にあるんじゃな?」


空は首を横に振った


「うーうん。ドラゴンボールはこの地球のいろんな場所に散らばってるんだ。カプセルコーポレーション地下にはドラゴンボールを探すためのレーダーが隠してあるんだ。どんな人が作るレーダーよりそのレーダーは正確なんだって。」


「ほえ~。しかしレーダーを探すだけでも命がけなのにそこからまたなんちゃらボールを世界中で探すとなると・・・かぁーー!」

空は笑顔で

「大丈夫だよ。なんとかなるよ。」


そう答えた

その笑顔を見るとなぜかオレンも信じてみたくなった

「 (しかし見たところまだベリーとあまり変わらない歳。あの<戦士>たちですらディアーボには敵わなかったんじゃ。こんな子供にできるはずがない。)


オレンは冷静になるとなんとかこの子を止める策を考えることにした


「まあ今日はここに泊まるといい。体を休めるのも大切じゃぞ。」


「うん。ありがと。けどその前に・・・」

「なんじゃ?」


「ご飯これじゃ足りない・・・」


眉をしかめる空にオレンは笑った


「ガッハッハッ。いいじゃろういいじゃろう。遠慮せずたんと食べい。この村はディアーボにまだ占領されておらんからの・・・」


ベリーも少し笑った


-新生- DRAGONBALL-空


「はぁ・・・お腹・・・空いたなぁ・・・」

一人の少年が森をさ迷っていた

「いつになったら目的地に着くんだろ。丸二日何も食べてないや。川もないから魚も食べられないし・・・もう動けないよ・・・」

少年はその場に座る


一休みし、立ち上がろうとしたそのとき、木の陰から生き物の気配が・・・

少年は息をのむ




ガサッ






少年は後ずさったが、その正体を確認して安心した


出てきたのは優しそうなおじいさんだ


「おいおい、いったいこんな森の中でどうしたんじゃ」


「西の都へ行きたいんだけど道に迷っちゃって・・・」


「西の都じゃと!?ここからでは歩いて行くような距離ではないぞ?なによりあそこはディアーボが拠点としとる場所じゃぞ。おぬしのような子供が行くことはわしが許さん!」


「別に会ったばかりのおじいさんに許してもらわなくてもいいもんね」

少年はムスッとした顔で言う


おじいさんは厳しい顔から優しい顔へ戻して言った

「ふっ、まあよい。とりあえず森を抜けたところにわしの家がある。どうじゃ?食べ物も食わしてやるぞ。こんか?」


少年は目をキラキラさせて応えた

「行く行くっ!」





一時間ほど歩くと、おじいさんの家に着いた。中に入ると10才くらいの女の子がいた

「おじゃましまーす」

少年があいさつすると

「・・・」

女の子はこっちを見るものの何も言わない

女の子を不思議そうに見ていると悲しげな表情でおじいさんが言った


「その娘は声が出ないんじゃ。2年前ディアーボに母親が目の前で殺されてからの・・・わしは身寄りのないこの娘を引きとったんじゃ。」


「そうなんだ・・・じゃあ僕といっしょだね。」

悲しげな笑みを浮かべて応えた


(そうか・・・この子も・・・)
おじいさんは悟った


少年は女の子に近づいて笑顔で手を差し伸べる



「ボクは空。よろしく。きみはー・・・」


「その娘はベリーじゃ。ちなみにわしは・・・」

「ベリーか。よろしくね。」

ベリーも手を差し出し、無表情で頭をぺこりと下げた


「 (わしの名前はいいのかなー・・・)」