「初心忘るべからず」

という言葉があります。

 

どれだけ上達しても、

学び始めた頃の謙虚な気持ちを忘れてはならないという教えです。

 

これは能を大成させた世阿弥という人が語った言葉ですが、

当時“初心”とは、「芸の未熟さ」を指していたんだそうです。

だから、初心忘るべからずという言葉は、

「どんな達人であっても未熟さがあると知り、驕ることなく精進せよ」

という意味だったんだとか。

 

 

確かに、人は未熟さを認めて初めて成長の一歩を踏み出せるので、

この言葉は的確な真理だと思います。

ただもう一つ、“初心”には大切な意味があります。

 

 

初心とは、純粋な心のことです。

「~ねばならない」「~べきだ」というフィルターを取っ払って、

ありのままの心で物事を捉えることです。

 

 

人は年を重ねると、

誰に言われたわけでもない使命感によって、

意思決定を行うようになります。

 

仕事を選ぶ時、、、

「より安定した職に就かなければならない」

 

事業を考える時、、、

「このサービスは、この顧客層をターゲットにするべきだ」

 

経営方針を決める時、、、

「市場はこのように動いているので、弊社としてはこうやって対処していかなければならない」

 

そうやって選ばれた答えが間違っているとは言いませんが、

あなたにとって本当の解ではないはずです。

 

 

一度過去の記憶を振り返ってみてください。

 

例えば夏休みの僕は、

やらなければならない宿題をそっちのけで、

朝からサッカーの練習をして、午後は友達と遊んで、

夜は大好きな天体観測をして過ごしていました。

 

傍から見たら似たような1日の繰り返しでも、

色鮮やかで新鮮な毎日を送ることが出来ていました。

 

 

仕事も同様です。

 

「小さい頃からの夢を叶えたい」

「仲間と一緒に面白いことをしたい」

「大好きなことをしたい」

 

そんな想いの詰まった仕事なら、

どんな困難も乗り越えて、

大きな成果と充実感を得られるはずです。

 

 

“童心”忘るべからず。

 

「~ねばならない」の枠を越えて、

純粋な心で自分と向き合ってみましょう。

あなたの本心に正直な“志事”が見つかるはずですよ。

 

 

ではまた。

 

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