溺れる者に石を投げつける
新しい家族
ちっちゃい妹
ようこそ
そして、更なる裏切り
信用は崩れる物だ!
母が新しい家族の出産のために入院した。
私には、二つ上の姉と四つ下の弟がいる。
次の家族は、九つ下で男か女か?父も産まれるまで聞かないみたいだ。
弟はまだ五歳なので、母と一緒に病院で過ごすことになった。
家には、父と姉と私の三人になった。
ある雨の日、父が残業で帰りが遅かった。
定時の日は午後6:00頃に帰宅するのだが、この時間に帰って来なければ「残業」という暗黙のルールがあり、父が帰るまで夕食はお預けとなる。
ガラガラガラ!
父が帰ってきた!
・・・
しかし、いつもと様子が違う、肩を押さえながら玄関に倒れこむ。
「電話でタクシーを呼べ」
?
姉と戸惑っていると、父が言う
「電話ば持って来い」
痛いのか?苦痛に歪む顔で、声を荒げながら言う。
姉が言われるままに、電話を持ってくると、父は自分で電話をした。
「タクシーを一台」
「はい、はい、住所は・・・」
電話が終わると、更にどこかへ電話をする。
「おお、ひかり(仮名)か!今から病院に行くとばってん、A子とHば、見といてもらって良かね!?」
「おお、バイクで転んだったい」
どうやら転倒してケガをしたみたいだった。
数十分後にタクシーが家まで来た。
父は、叔母さんに私たちをお願いしておいたからと言うと、タクシーに乗り病院へと向かった・・・
更に数十分後に叔母さんが家に来てくれた。
小さい頃から良く遊んでくれていた叔母さんなので、むしろ父といるより楽しい(笑
晩ご飯を準備してくれた頃に、病院に行った父から電話が入った・・・
叔母さんが電話で父と話し、どうやら骨折していて、そのまま入院することになったみたいだった。
うるさい親がいない家も、一瞬は良かったが、姉と二人だけの家は淋しくもあった。
それから毎晩、叔母さんが夜は食事の準備をしに来てくれた。
家庭で、そんなアクシデントが発生する中、私は学校でイジメを受けていた・・・
叔母さんと一緒に、日曜に一度だけ両親が入院している病院へと面会に行った。
「産まれた」と電話が入ったからだ。
どうやら女の子だったみたいだが、面会時間には別室で検査中とのことで、この日は会えなかった。
毎日が「つまらない」の無限のループ・・・
下を向きながら帰る毎日・・・
一緒に帰る友達もいない・・・
数日後・・・
玄関まで帰ってくると・・・!
家の中から小さな声で「オギャーオギャア」と鳴き声が聞こえる!
『母が帰ってきた!』
慌てて玄関を開ける!
父も退院して来ていた。
これで、いつも?の家庭に戻った・・・小さな家族を除いて。
部屋に入ると、小さい布団に赤ちゃんが寝ている
側に行き、その小さな手に指を乗せると、力強く握り返してくれた。
生きようとする力を感じた・・・
そんなドタバタが、続いて落ち着きを取り戻したのは、あくまで家だけだ・・・
少林寺拳法の練習の日・・・
いつも通り練習が終わり、帰宅の準備をしていると。
「H!ちょっと来い」
先生が私を呼んだ。
先生の口からは、信じられない言葉が出てきた。
「H!お前、こないだイジメてたそうだな!」
??
『何を言ってるんだ?イジメられてるのは私だ!』
「あいつ等が言っとったぞ」
その先には、先生の後ろでニヤニヤしている「あいつ等だった」
『先生にまで!』
「僕はしとらんです」
「でも、あいつ等が皆、見たと言っとったぞ」
またしても信じてもらえない・・・
中立であるべき人たちが、子供の嘘に踊らされ、信じることよりも疑いから始まる発言の数々・・・
それが、どれだけ傷つけるか・・・大人なのに分からない
「本当にイジメをやってるなら、少林寺は続けさせられんばい」
『こいつも、ダメな大人か!』
「信じてもらえんならヤメる」
「そうか、だったら月謝を3ヶ月分持って来い」
『キタネェ!そう言ったらヤメないと思ってるのか!結局カネかよ!』
「解りました」
その日、帰宅した私は、母に事情を説明し、お金を貰い先生の家まで行き、ポストに投げ込んで帰った。
汚い・・・
醜い・・・
解せない・・・
不浄なる大人の理由・・・
もう誰も信じない・・・
期待もしない・・・
皆、キライだ・・・
キライだー!!!





