
🐕【79点】
犬好きが観ても全然楽しめない映画だが…
イタリアのさびれた海辺の町。娘と犬を愛する温厚で小心者の男マルチェロは、「ドッグマン」という犬のトリミングサロンを経営していた。馴染みの仲間たちと食事やサッカーを楽しむマルチェロだったが、その一方で暴力的な友人シモーネに利用され、従属的な関係から抜け出せずにいた。そんなある日、シモーネが持ちかけた儲け話を断りきれず片棒を担ぐ羽目になり、その代償として仲間たちの信用とサロンの顧客を失ってしまう。娘とも自由に会えなくなったマルチェロは、平穏だった日常を取り戻すべくある行動に出る。
『ゴモラ』のマッテオ・ガローネ監督による不条理ドラマ。カンヌ国際映画祭でマルチェロ役を演じたマルチェロ・フォンテが主演男優賞を受賞。イタリア国内の映画祭でも9部門を受賞した。
カンヌでグランプリを受賞した『ゴモラ』と同じく本作も実際に起きた事件が基になっているという。『ゴモラ』もそうだったように「イタリアにこんな場所があるんだな」と思わせるほどそのロケーションの雰囲気は映画向き。その様相はまるで南米や中東の廃墟のようでもある。
マルチェロは友人たちとも仲が良く一人娘と犬を愛する優しさを持つが、時に何を考えているか分からない掴みどころのない男でもある。そんなマルチェロにまとわりつく男がシモーネだ。まるで狂犬のようなシモーネは周囲からも敬遠される問題児で、仲間も真剣に「殺してしまおう」と口にするほど乱暴な男だが、マルチェロはこのシモーネと付かず離れずの関係を保っていた。
マルチェロはシモーネにコカインをせびられたり、泥棒を手伝わせたりさせられるが、散々な目に遭いながらその恩恵を受けることもある。観客が最後まで頭を悩ますのはそのマルチェロの心の内だろう。なぜシモーネの身代わりに刑務所にまで入るのか?なぜ災しかもたらさない男を受け入れるのかと。
この2人の関係性においては過去が語られないのでその心情は理解できないが、たった一つ言えることがあるとすれば、マルチェロにとってシモーネとは犬そのものではないか。手の付けられない狂犬ではあるが、飼育員さながら愛すべき犬だとしたら…迷いなくシモーネの命を救うことも納得できる。
本作の冒頭、劇中に登場する最も凶暴な犬を相手にマルチェロが奮闘するシーンがある。牙を剥いて吼えたてるその犬は今にも噛みつきそうな形相で迫るが、マルチェロは恐れることなく、怒鳴ることもなく、他の犬と同様に優しく冷静に接する。
物語の結末は想像通りだが、それは復讐と言えるものではなく、手に負えなくなった狂犬の息の根を止めるかの如くである。それは他の誰にもできない、マルチェロだけができることだったのかも知れない。多くの観客は最後の最後で『DOGMAN』のタイトルを噛みしめることになるはずだ。
#ドッグマン
#DOGMAN
#マッテオガローネ
#マルチェロフォンテ
#エドアルドペーシェ
#パルムドッグ賞受賞
犬好きが観ても全然楽しめない映画だが…
イタリアのさびれた海辺の町。娘と犬を愛する温厚で小心者の男マルチェロは、「ドッグマン」という犬のトリミングサロンを経営していた。馴染みの仲間たちと食事やサッカーを楽しむマルチェロだったが、その一方で暴力的な友人シモーネに利用され、従属的な関係から抜け出せずにいた。そんなある日、シモーネが持ちかけた儲け話を断りきれず片棒を担ぐ羽目になり、その代償として仲間たちの信用とサロンの顧客を失ってしまう。娘とも自由に会えなくなったマルチェロは、平穏だった日常を取り戻すべくある行動に出る。
『ゴモラ』のマッテオ・ガローネ監督による不条理ドラマ。カンヌ国際映画祭でマルチェロ役を演じたマルチェロ・フォンテが主演男優賞を受賞。イタリア国内の映画祭でも9部門を受賞した。
カンヌでグランプリを受賞した『ゴモラ』と同じく本作も実際に起きた事件が基になっているという。『ゴモラ』もそうだったように「イタリアにこんな場所があるんだな」と思わせるほどそのロケーションの雰囲気は映画向き。その様相はまるで南米や中東の廃墟のようでもある。
マルチェロは友人たちとも仲が良く一人娘と犬を愛する優しさを持つが、時に何を考えているか分からない掴みどころのない男でもある。そんなマルチェロにまとわりつく男がシモーネだ。まるで狂犬のようなシモーネは周囲からも敬遠される問題児で、仲間も真剣に「殺してしまおう」と口にするほど乱暴な男だが、マルチェロはこのシモーネと付かず離れずの関係を保っていた。
マルチェロはシモーネにコカインをせびられたり、泥棒を手伝わせたりさせられるが、散々な目に遭いながらその恩恵を受けることもある。観客が最後まで頭を悩ますのはそのマルチェロの心の内だろう。なぜシモーネの身代わりに刑務所にまで入るのか?なぜ災しかもたらさない男を受け入れるのかと。
この2人の関係性においては過去が語られないのでその心情は理解できないが、たった一つ言えることがあるとすれば、マルチェロにとってシモーネとは犬そのものではないか。手の付けられない狂犬ではあるが、飼育員さながら愛すべき犬だとしたら…迷いなくシモーネの命を救うことも納得できる。
本作の冒頭、劇中に登場する最も凶暴な犬を相手にマルチェロが奮闘するシーンがある。牙を剥いて吼えたてるその犬は今にも噛みつきそうな形相で迫るが、マルチェロは恐れることなく、怒鳴ることもなく、他の犬と同様に優しく冷静に接する。
物語の結末は想像通りだが、それは復讐と言えるものではなく、手に負えなくなった狂犬の息の根を止めるかの如くである。それは他の誰にもできない、マルチェロだけができることだったのかも知れない。多くの観客は最後の最後で『DOGMAN』のタイトルを噛みしめることになるはずだ。
#ドッグマン
#DOGMAN
#マッテオガローネ
#マルチェロフォンテ
#エドアルドペーシェ
#パルムドッグ賞受賞










