戦前・戦中の結婚事情 | 太平洋戦争史と心霊世界

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恋人・美奈子との駅での別れ 



 何かバレンタイン っぽい話をと思い、戦前・戦時中の結婚にまつわる記事を載せました。σ(^_^;)

 

 戦前の日本人を見ると、みんな20代初めなど早い時期に結婚したのだろうと思ってしまいますが、昭和史の文献を読んでみるとそうでもなかったようです。


戦前の平均初婚年齢

(出典「子ども・子育て白書(平成22年度版)」)


 上記は1908(明治41)年から1942(昭和17)年までの男女の平均初婚年齢を出したグラフです。戦前戦後の一時期は統計が欠けています。戦前の初婚年齢は1930年代前半までは横ばいで、それ以降じわじわと年齢が上がってきています。

 

 これは今まで江戸時代から続いていた見合い結婚の習慣が、経済の発展や西洋文明の流入で薄れてきているためとされています。

 

特に1942(昭和17)年の男性の初婚年齢は295なので、驚くことに現代男性の初婚年齢(平均30.4歳)とほとんど変わりないです。しかし戦中の男性の晩婚化は出兵の影響も大きいです。

 

 戦中の1942(昭和17)年以降に男女とも急激に年齢が下がっているのは、戦地へ赴く男性を急いで結婚させようとの「取り決め婚」が多くなったためです。


戦後の平均初婚年齢 

 1947(昭和22)年の終戦直後の初婚年齢は男性・26.1、女性・22.9歳で、1942(昭和17)年の男性・29.5歳、女性・25歳よりも約2~3歳も低くなっています。

  これは終戦が来て生活を脅かされる心配が無くなり、復員者も戻ってきたので結婚ラッシュとなったようです。丁度団塊の世代の方々が生まれた年代ですね。

 

 その後結婚年齢は上がり続け、2007(平成19)年には男性・30.4歳、女性・28.6となっています。

 

 次に戦前の結婚の形態ですが、1933(昭和8)年の『赤坂時報』で当時の女学生に対し結婚観のアンケートを取っています。以外にも結婚の形はお見合いから恋愛結婚への傾向が見られます。

  まず女学生の分類は下の通りで、無記名回答です。(複数回答なので
100%を超える場合もある)

 

 

(A)東京市内の重役、地主、貴族階級の子女の多い女学校

 

(B)東京市内の中産階級以下の子女の多い某高等学校

 

 

 最初に結婚ですが、恋愛を経てからと答えたのが、Aが98Bは65。見合い結婚がよいと思う者はBでは33ありましたが、Aでは皆無でした。

 

 また女性が求める結婚の第一条件は高収入、第二には高学歴でした。「収入さえ多ければ容貌とか年齢の違い、素行等の点はあまり問題にしない」という女性が多く、一昔前も現代もある部分では、そう変わらなさそうな一面が見えます。Σ(・ω・ノ)ノ!

 

 また男性は「健康な、ほがらかな、感じのよい、家庭的な」女性を望んでおり、このあたりも現代とあまり変わらなそうです。

 

 山本五十六は35歳で結婚しましたし、文献を見ても32歳で独身の戦艦武蔵の軍医などの例もあり、インテリになるほど晩婚なのでしょうか。


作戦を練る山本長官 
山本五十六

 

女性でも28歳で独身という例を見つけましたが、彼女は女子大を卒業し、鎌倉の女学校で数学を教えていたというので、結婚の必要もなかったのかもしれません。他人が見た印象では、全然結婚をあせっているように見えないと書いてありました。
 

また戦時中は取り決め婚があった一方で、「いずれお国の為に死ぬから」と、結婚もせず、芸者のいる料亭通いもせずに戦死した海軍士官もいました。

 

戦時中はいつ死ぬかわからないからと、親にせっつかれて急いで結婚した人と(子供を残す目的もあったのでは)、どうせ死ぬんだから結婚しても仕方がないと思って独身を貫いた人と二極化したようです。