いよいよ、青春ツアー感想の最終回です。と、言っても、もうあれから二週間覚えていることはどんどん減っていきます。しかし、磨かれてとても輝いています。

 

 メンバーが煽りたてました。「埼玉まだだ盛り上がれるのかー!」「女子はどうだー!」「次、男子ーー!」ももクロのライブでは必ずありますよね。しかし夏菜子ちゃんの「最後列ーーー!」続いて「後ろから10列目ーーー!」というヘンな煽りで会場は大爆笑。前から何列目にいるかはチケットで分かるのですが、後ろから数えて何列目にいるのかなんて分からないので、皆必死に数えたのでしょう数秒後にようやく雄たけびがあがりました。このくだりは夏菜子ちゃんの中で流行っているらしく他の会場でもやっているそうですよ。

 

 そういえば今回のライブ中にも、幾つかの告知があったのですが、春の一大事においてフットサル大会玉井杯が開催されることも告知されました。「参加したいなーと言う方いるのかなぁ、過去サッカーの大会でけっこうな結果を残された方いますかー?」との玉井さんの問いに、流石はサッカー王国の埼玉だけあって手を揚げられた方が数名いました。最初に答えたかたは県大会ベスト8と言う事で、会場から「おおっ!」という歓声が。しかし次の方が準優勝、最後に答えた女性が関東大会というのを受けて、あーりんがすかさず「ベスト8、霞んできちゃったねー」と悪い顔を見せ、「あーちゃん、そういう事は言わないの!」と他のメンバーに叱られるという、これまた、ももクロ流で御座いました(笑)

 そして先ほどの煽り、後ろから10列目の中に「ベスト8いたーーー」と嬉しそうにした、あーりん。どんなに遠くてもしっかり顔を見ているのですね。ベスト8君も、さぞかし嬉しかった事でしょう。

 

 アンコールは「BLAST!」でした。五人の時ももクロの完成形を見せたこの曲を外すこと無く挑戦してくれた四人。ともカッコ良かったです、夏菜子ちゃんは可愛い声もドスの効いた声も出せるので有安さんが抜けて力強さを表現する部分の殆どをカバーしていました。そして五人の時にこの曲で見せていた圧倒感は、強い意志を持ったがむしゃらさに変わっていました。

 

 ちょっと話は変わります。私は昨年末の「お台場フォーク村、フNs桃黒歌合戦」の円卓に座る事が出来たのですが、その時の印象に残っている事を。

 ゲストが歌っている時、カメラはメンバーを全く映していなかったと思います。その間も夏菜子ちゃんはずっと笑顔でした。目が垂れてて、それはそれは福福しい笑顔だったのです。その日は玉さんが司会をしていたので、夏菜子ちゃんの隣には左にあーりん右にれにちゃんが座っていて、あーりんは隣になれたのがよっぽど嬉しかったのか、ずっと夏菜子ちゃんにベタベタしていました。でも同じ位夏菜子ちゃんにベタベタするのが大好きな筈のれにちゃんがいっさいそうせず、この日ずっと俯いて歌に聞き入っていたのです。今から思うと有安さんの卒業を知らされた後だったのですね。そんな事をまったく知らなかった私は、メンバーの胸中を測ることもなく、れにちゃんの憂いを含んだ表情にも「ああ、れにちゃん大人になったんだな」とその美しさに見惚れるばかりでした。私が有安さんの卒業を知った時、真っ先に浮かんだのはこの日のれにちゃんの悲しそうな表情でした。

 

 有安さんの卒業という困難に立ち向かう四人の「青春」

 この日の最後の曲は「青春賦」でした。なんてふさわしい曲だった事でしょう。

 

 私はももクロの魅力を一言だけで言い表すならば「ドキュメンタリーとしての質の高さ」だと思っています。佐々木敦規氏は「ももクロを幼い頃から撮り続けていることは、良質のロードムービーを見ているのに似ている」と語っていました。そんなメンバーが一人一人成長しグループが完成していく姿をこの青春ツアーでも私は体感する事が出来たのです。このツアーが始まった2017年春に青春と名付けた誰かが有安さんの卒業を知っていたのかは分かりません。しかし、五人の完成形が成就されていった2017年の青春シーズン1、2。新たな船出を漕ぎだした2018年の青春シーズン3。なんと芳醇と冒険に満ちたツアーであることでしょう。まさしくこれは「青春」に他なりません。

 このタイトルを初めて知った時私は「?」が頭に浮かびました。全員が二十歳を超え大人に成り、アイドルとして一つの壁を越えなくてはいけない時に、なんか場違いな青臭いタイトルだと思ったのです。でも、「青春」でした。わくわくし、多幸感に満ち、でも哀しみも内包している「青春」に他ならなかったわけです。

 

 だらだらと、ちょびっとづつ書きなぐってきた埼玉青春の感想文もやっと終わりになりました、拙文お読みいただきありがとうございました。