古稀を過ぎたトリトンのブログ -220ページ目

古稀を過ぎたトリトンのブログ

団塊世代よりも年下で、
でも新人類より年上で…
昭和30年代生まれの価値観にこだはります

 同年代の方はどうか記憶を辿つてみて下さい。
 小学4年生の頃、昭和40年頃のことです。私が母のお使いで父の酒の肴を頼まれ、国鉄立花駅前に出てをりました、たこ焼きの露店に向かひます。当時はまだお札だつた100円を財布に入れて。ちなみに、お札の肖像画は「板垣死すとも、自由は死せじ」の名言で有名な、自由民権運動の立役者=板垣退助でした。

 

 この100円で、たこ焼きが幾つ買へたと思ひますか?

 なんと、30個買へたのです。10円で3個ですわ!

 しかも、夜店の言はば酔客がお相手ですから、この値段は高価なほうだと申せませう。 これが小学校の近所などで、先生に隠れて禁じられた「買ひ食ひ」をするやうな子供相手の店ですと、10円で5個買へたのです!すなわち、100円で50個のたこ焼きが買へるといふ計算になります。但し厳密に言ひますと、10円で5個のお店の場合は、たこの代はりに竹輪を切つたものが入つてゐる場合が多く、看板にいつはり有り。「たこ焼き」を名のるのは不届きですね。


 でもそのやうな偽りは、今から思へば可愛いものです。 
 現在でも立呑み屋などへ参りますと、「蟹天ぷら」といふメニューがあり、堂々と蟹かまぼこの揚げたものを出してますから、正直こちらの方が罪深いかも。


 先年「ほこたて対決」といふ番組でも放映してをりましたが、蟹かまぼこは今や本物と区別がつかぬほど、色彩も味覚も接近してゐるさうです。コピー文化も、ここまで極めると立派な技術ですね。

 

 さて唐突に、話は大学のことに移ります。

 私の大学受験は1974年、この頃の国立大学の年間授業料は諸費を含めても7〜8万円程度でした。福祉関係の公立大学に行つてをりました同期生などは、何と年3〜4万円といふ驚異的な値段だつたのを覚ゑてをります。


 わが息子は一昨年、某地方国立大学に合格しました(ご免なさい、自慢話ではありません)。私が「お前、親孝行やな〜」と褒めてやりましたのは、ひとへに「国立大学は安い」といふ固定観念があつたからです。


 ところがどつこい!納付金の振替通知を見た私は仰天しました。初年度(1回生)の学費(諸費含む)は年90万円だつたのです。2回生以降は70万に下がりますが、それにしても驚きました。あわてて奨学金の手続きを急いだのは言ふまでもありません。

 

 後日気を取り直した私は、近所のたこ焼き屋さんでビールを注文致しました。メニューを見ると、8個400円と書いてあります。

 へ〜、1個50円もするんや。昔はなぁ、10円持つて行つたら3個も食べられたんやでー。何と15倍や!…と独り言を口走りました。

 

 さうです!たこ焼きと国立大学の学費は、ほぼ同じ倍率で上昇してゐたのでありました。
 この日、ビールの味はひとしお、ほろ苦いものでした。