不溶物をろ過にて除去したいとき、セライトをよく用います。


しかし、セライトをうまく詰めないとたまにろ液に流出してしまうことがあり、やり直しになる場合があります。


ところで、みなさんはどのようにしてセライトを詰めてますか?



私は、ブフナーロートにセライトをダイレクトに入れ、適当な溶媒をかけ、吸引。


そして、平らなものでぎゅっと押し固めて終了です。


たいていの場合はこれでOKだと思います。



しかし、粒子が細かく、流出の恐れがある場合は、シリカゲルカラムのときみたいにセライトを溶媒に懸濁させスラリー状にしたものをブフナーロートに入れ、吸引。


その後ぎゅっと押し固めます。


この方法が一番確実かと思います。


問題はカラムと一緒できちんと空気が抜けているかどうかではないでしょうか。


空気が入っていると、そこから亀裂が走り、流出の原因になります。



また、使うロートの選択も重要だと思います。


まず、ガラスロートを用いた綿栓ろ過。


これはたいてい詰まり気味になり、流速が遅くなります。


桐山ロートも同じです。


これらに共通していることは穴が一つであるということ。


なので私はブフナーロートをよく使います。


グラスフィルターでもよいです。


ただ、グラスフィルターは汚れると洗うのが面倒なので、ちょっと・・。



あと、セライトを詰めるときの溶媒にも注意。


メタノールを用いると、メタノールしか流していないのになぜかろ液が黄色く色づくことがあります。


セライトに含まれている何かが洗い流されているようです。


酢酸エチルやクロロホルムでは大丈夫だった気がしますが、メタノール以外の溶媒でもそういう場合があります。


なので、詰めながらセライトを洗い流し、一度フラスコにたまった溶媒を捨てたほうが無難だと思います。



セライトに関して、なにかおススメ情報がありましたら是非コメントください。





11/29-12/2京王プラザホテルにてAIMECS11が開催されます。


AIMECS11とは毎年行われているmedicinal chemistry symposiumの国際学会です。


日本で行われるので、国際学会といえども大したことないのでは?と思うかもしれません。


が、今回のspeakerにはビッグな面々がそろってますよ。



その筆頭がE.J.Corey。


有機化学者ならだれもが知っているノーベル賞受賞者のコーリーです。


これだけでも行く価値はあるかもしれません。


日本でCoreyの講演を聞けるなんてめったにないですよね。



あとはK.C.Nicolaou。


天然物合成経験者なら誰もが論文を読んだことがあるでしょう。


Nicolaouはたびたび日本に来て講演してるので、Coreyほど珍しい感じではないですが、CoreyとNicolaouが揃うのはレアですよね。



個人的に興味があったのはこの2人ですが、他にも上村大輔先生、林雄二郎先生、上杉志成先生なども講演するようです。


東京開催ですし、これは行くしかない!!


と思ったのですが、参加費が高い!!


50000円だと!しかももう期限が過ぎているから55000円。当日だと60000円!


学生は安いですけどね。


これだから国際学会は・・・・。

私は普段後輩社員の指導をしています。


実験の指導が主です。


後輩社員の指導をしていて、最近思うことがあります。



若手社員にもいろいろなタイプがいます。


あまり口うるさく言わなくても自分から積極的にどんどん実験をしてくれる子。


実験のペースは遅いけど、確実に丁寧に実験を進めていく子。


実験はすごく早いけど少々雑な子。など。


どのタイプを好むかは人それぞれだとは思いますが、私が指導している子は残念ながら上記のどれにもあてはまりません。


『実験のペースも遅いし、雑で、あまり研究が進まない子』です。


別にさぼってるわけではないようですが、結果的にあまり進んでいないんですよね。


いろいろな要因があると思います。



・単純に知識、技術が不足。


・時間の使い方が下手(要領が悪い)。


・やる気、興味が感じられない。など。


それを指導しなければいけないのですが、なかなか難しい。


時には『自分でやってしまった方が早い』と思ってしまいます。


でもそれでは下の子が育ちません。


失敗も経験させて勉強させることも重要かとは思います。


それにしても見ててイライラする・・・・。


知識や技術は仕方ありません。


今から習得すればいいです。


でも、やる気だけでも見せてほしいな。



どこかの教授みたいにけちょんけちょんに怒ってもいいんですが、『なにくそ!』って思って頑張ってくれるとは限りません。


それでやる気をなくされ、会社に行きたくないと思われても困ります。


正直それくらいでやる気がなくなるなら最初から研究に来るな、と思ってしまいますが。


そんな葛藤があるのでどのように指導するべきか難しいんです。


まあ、試行錯誤しながら地道に指導していくしかないかもしれませんね。



その子がどんな子かは就職の面接だけではわかりませんから、人事部に文句を言っても仕方ないですが・・・・もう少しなんとかならないのかって思いますね。


以上、最近思うことでした。