詩を書き始めて三か月、ひとまず一つの詩が完成した。
新人賞にも応募した。
しかし、所詮素人のよちよち歩き。
あっさり落選した。
当たり前といえば当たり前である。
しかし、
折角苦心してつくりだした「私の詩」なのだから誰かに読んでほしい。
それだけである。
2026.02.04



~或る引きこもりと夏~

子供部屋より ただ 外界のひかりを みる

鈴の響きを まといたる
とおく 風の音 消えにけり

蝉は 幹に染みいりて
その声 樹液となりて あらわる

嘆けども
ただ 嘆けども
いまは 夏

いまはむかし
白き衣の 少女らと
からから ゆれる 縦笛の
山の こだまと とけにけり

やがて 出でたる 乙女らの
わずかに べにさす 白き頬
いまはただ かくれ かいまみる ばかり

嘆けども
ひとり あせばむ
いまは 夏

暑さの中を ただひとり
風の通いも 久しく絶えて
夕焼けだけが わが身を染むる
網戸の奥の けしきも 流れぬ

息を殺して ただ 時を
かちり かちりと 刻む音の
しみこむ壁のそのいろが
いま わずかに ほどけたるを
みる

嘆けども
こだまするのは
ただの 夏

嘆けども
いまか むかしか うつつか ゆめか
なお このへやの
夏は まだ 終わらぬ


【2025.07.11制作】