みなさんこんにちは
今日は六十四卦のうち五番目の水天需について
・形から読み解く
水天需は、上が水、あるいは水の通る水路で、危険な低地☵で、下が昇り龍(天)☰です。
1、前に進もうにも、落とし穴や危険があって進めない形。
2、上の水に向かって下のエネルギーが昇っている形。
需を「需要」の需のように、「待つ」としてみると、
「進めずに待つ(1)」、あるいは、「力を蓄えて待つ(2)」という意味だと解釈できそうです。
・「待つ」について
第三番「水雷屯」は地の形に天の力が止まった。陰が陽を受け取った最初の段階とされています。
交わり、始まりの苦しみ、目が出る、殻を破るというイメージだと思われます。
始まりの苦しみは確かに「行き詰まり感」がありますが、どうも陰陽が混ざってからの自然な成り行きである感じがします。
つまり、同じ行き詰まりでも、自分から「待つ」ような状況ではないのです。
与えられた試練にじっくり取り組んでいて、はたから見ると進みが遅いように見えます。
それに対して、この卦は「敢えて待とう」としているように思われます。
・六つの物語を読む
易の各卦には①一つの場面における六つの立場、あるいは②一つの流れの六つの節々があります。
この卦では以下のようになっています。
水:つまり渦中
六陰「穴に落ちる。招かれざる客三名。敬んでもてなせば過ごせる。」
五陽「酒食して待つ。正しければ問題ない。」
四陰「血の池。穴から這い上がる。」
↑
天:災いを前にして踏みとどまる
三陽「水場に来た。野蛮な争いごとがある。」
二陽「砂場に来た。小言を言われるが問題はない。」
一陽「郊外にいる。いつも通りのスタンスを崩さない」
一では、困ったときこそ慌てない。するべきことをする。
二では、ちょっと水に近づいた。ちょっと危ないかな。
三では、だいぶ水辺だ。水辺の向こうの相手に会ったのかな。
四では、沈むのか。いや、なんで血の池にいるんだろう。
そこで二通りの解釈をしてみる。
①戦争の血だろうか。でも、もう争いもピークを迎えそうだ。
②この世を汚れた世界だとすれば、
この四はこの世を表しているのではないだろうか。
②の解釈が五に効いてくる。
②の解釈をすると、
五番、この渦中の中で、汚れながらも安定した場所を見つける。
それが飲食であらわされているのではないだろうか。
いや、開き直って快楽にふけっているのかもしれない。
だが、それに対してはこう反論できる。
それは、この五は上中下でいうと中位にいる。(四五六の五)
また、奇数の位置にあって陽である。
最後に六は、
このように荒波にもまれながらも安定した境遇をつかみ取る力を得たものには、
下の三つの陽爻が表すようなやんちゃな、難癖のある者たちがきても
うまく扱える知恵や力量があるということを表していると思われる。
まとめると
準備をして、それでも荒波にもまれて、その中で安定した、そこそこ楽しめる居場所を見つけ、そして荒波は消えはしないが
それにうまく処する知恵を身に着けていくという流れを表していると思われる。
・終わりに
こうかくと、
なんだ、当たり前のことじゃん。つまり、禍を転じて福と為すとかそういうことでしょ。
となってしまうが、
実は、自分はもっと深い意味をくみ取りのがしているのかもしれない。
まあそうあわてずに、だってまだ五十九卦ほど残っているのだから。
きっとあゆみ進めていくうちにまた見え方も変わるだろう。
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朱子学が好きなので、これを最近は読んでいます。