*ハジンの話・・・・

 

代表がやって来た。

 

「おかずをいろいろ持って来たの。

食べる量を減らさないで、運動しなさい。

それでそれはアピタイザーで、本当の要件はこっちなの。

これを渡そうと思って来たのよ」

 

「台本ですね?

・・・・・!?

これ、ファン作家の台本じゃないですか!

私やります!絶対やります!やりたいです!」

 

「どんな台本か見てから決めなさいよ」

とハギョンが言った。

 

「そんな事どうでもいいじゃない。

ファン作家の作品なんだから。

私が絶対やります。

代表、早くそう返事してください。

返事を伸ばして、ほかの人を探されたりしたら困ります」

 

「そう言うと思って、台本をもらった時にすぐ言ったわよ。

やりますって」

 

「キャアー!どうしよう!

ファン作家の作品に出るのが夢だったのよー」

 

「それでどんな役ですか?

主人公なんですか?」

とハギョンが聞いた。

 

「当然主人公よ。

私、これを読んで鳥肌が立ったわ。

主人公の職業が、なんとニュースのアンカーなのよ」

「ニュースのアンカーですか?」

「視聴者のみなさん、こんにちは・・・・

ホントに運命みたいじゃない?

作家さんもそう思ったそうよ。

この役はあなたにぴったりだって」

「本当に?」

 

「そうなの。あなたにイメージがぴったりだし、アンカーのセリフについてはイアンカーに演技指導してもらえばいいから安心だって。

作家チーム、演出チームの諮問もお願いしたいって。

大丈夫よね?」

 

「イアンカーにですか?」

 

「すぐにミーティングをしたいって言ってたから、いつが良いかイアンカーに聞いてみて」

「イアンカーと一緒にですか?」

「そうよ。作家さんと監督さんと4人で」

 

思わず無言でハギョンに助けを求めた。

 

「出来ないって言ったらどうなりますか?

だってものすごくお忙しいから」

とハギョンが聞いてくれた。

 

「いくら忙しくてもしてくれないと。

彼女がドラマの初主人公をするんだから。

それに、同じ放送局のドラマでハジンが主人公をやるのに、イアンカー以外の人にお願いするなんて変じゃない?」

 

「そ、それはそう・・・ですね」

 

「何?

ひょっとしてケンカでもしたんじゃないわよね?

仲良くしなさいよ。

今のイメージを大事にしないと。

分かってるわよね?ハジン」

 

*****

 

代表が帰った後、ずっと台本を読んでいた。

 

「その顔は何?

台本、面白くないの?」

「すごく・・・」

「すごく?」

「面白い!」

 

「面白い?!」

 

「面白いってもんじゃなく、今までで一番面白い!

私絶対これやりたい。

でないと一生後悔するわ」

 

「うん。絶対これやろう」

「うんうん」

「それでイアンカーはなんて言うと思う?

オンニの演技指導に、ドラマの諮問に、カメオ出演までしてくれると思う?」

 

「ううん。”そんな事お断りです”って言うと思う」

「この前、ピンクモードだって言ってたじゃない」

「ピンクモードはホントだけど・・・・

アンカーがやってくれないせいでキャスティングがダメになったりしないわよね?」

 

「それはないでしょ。

キャスティングは遊びじゃないんだから。

でも一度よーく頼んでみたら?

監督さんや作家さんに良く思われてる方が良いじゃない?」

 

「うん・・・。

そうよ。

やってくれるわよ、たぶん。

最近私にすごく優しいから」

 

「そう?」

 

「うん。

やってくれるわよ。

やってくれる・・・

やってくれるわよね?

・・・やってくれるかな?」

 

 

・・・・続きます。