MBCドラマ「その男の記憶法」

 

ドラマが終わってしまって、すっかり寂しくなってしまいました。

昨日は特番でもあるかなあ??と思って期待していましたが、放送されたのは来週から始まる新番組「コンデインターン」の方の特番でした。

 

ああ・・・

ホントに寂しい。。

 

この前、終了後の感想をあれだけ書きましたが、それでもまだまだ書き足りない気がします。

それで、ドラマを振り返りながらストーリーを書いてみることにしました。

 

ジョンフンとハジン二人の愛の物語として・・・

ですので、ドラマの内容をまだ知りたくない方は、ここからはご遠慮くださいね。

それから、まだまだ韓国語が不自由なため内容に誤訳や勘違いもたくさんあることと思いますが、そこは広い心でご容赦くださいませ。

 

では、早速スタートです♪

 

 

*ジョンフンの話・・・

 

僕の名前はイ・ジョンフン。

36歳。

HBNの報道局記者であり、「イ・ジョンフンのニュースライブ」のアンカーも務めている。

この番組は毎晩11時から放送されているニュース番組で、局の看板番組であり、全放送局のニュース放送の中で56週連続視聴率第1位を記録している人気番組でもある。

 

 

不幸なことに・・・

僕はとてもたくさんの事を記憶している。

 

一番古い記憶は赤い消防車だ。

高い棚の一番上に置いてあった消防車を取ろうとして台に上って手を伸ばしたらひっくり返ってしまい、その上、頭の上に消防車が落ちて来たため大泣きしてしまった。

母が駆け寄ってきて、泣いている僕を抱きしめてくれた事を覚えている。

 

それはまだ僕が言葉もしゃべれなかった頃の記憶だ。

だが、その頃の事は印象深い出来事しか覚えていない。

 

僕が正確に全部の事を記憶し始めたのは1990年2月11日からだ。

6歳だったその時から今までに見た事の全てを、僕は正確に記憶している。

 

 

今日も放送が終わった。

プロンプトが壊れ、原稿が目の前に流れない状態での放送となってしまった。

もちろん僕は原稿を全部覚えているから問題はないが、そんな事を知らない周りの連中は僕が放送事故を起こさないかと最後まで心配していた。

 

デスクに戻ると、後輩のチョ・イルゴンが、「お疲れ様でした。来週のゲストです」と言って書類を持ってきた。

 

「ニュースライブ」では、週に一度ゲストを迎えてインタビューするコーナーがある。

イルゴンが持ってきたのは来週のゲストのプロフィールだ。

 

それを見て思わず

「来週のゲストはヨ・ハジンなのか?」

と、僕は顔をしかめた。

 

「誰だかは知ってますよね?」

「映画に出てるぐらいはな。

ゲストを替えてくれって言っても無理だろ?」

「ダメですよ。局長の指示ですから」

 

イルゴンは何故か浮かれているが、僕は全く興味が湧かない。

 

 

家に帰るとテウンが来ていた。

 

テウンは精神科医で、僕の主治医でもあり唯一の友達だ。

過剰記憶症候群という先天性の病気である僕は、11歳の時からテウンの父である教授の治療を受け始め、今はテウンにそれが引き継がれている。

もちろん今はこれといった治療や投薬を受けている訳ではないのだが・・・

 

リビングに入ってみるとゴミが溢れてひどいことになっていた。

 

「ここは家か?まるでブタ小屋じゃないか」

「お前、何か食べる物を置いとけよ。これ全部俺が買って来たんだぞ」

「食べるのはいいが、片づけながら食べろよ」

「分かった、分かった」

 

「どうして毎晩うちに来るんだ?

病院から5分のところに自分の家があるくせに、わざわざ30分もかけてうちに来るなんておかしくないか?」

「今日はちゃんとした用があって来たんだ」

「用?どんな?」

「今日病院に来なかっただろ?

だから今日ここで寝て、明日そのまま病院に連れて行く」

「ああ、今日だったっけ?

忘れてたよ」

 

「忘れてた!?

俺が今まで聞いた冗談の中で一番面白いよ。

イ・ジョンフンが物忘れしたなんて。

ハハハ。

わざとじゃないか」

 

「行くって約束した覚えはないぞ。

医者のくせに患者の同意もとらないなんてもっての他だろ?」

「俺の父が主治医の時は1年に1回ずつきちんと検査を受けてたくせに、今は俺が主治医だからって差別するのか?」

「まあ、正直差別はしてるのかもな。

ユ教授は有名だし科学者だし・・

お前は町の・・・ちょっと大きな個人病院の院長なだけだろ?」

「だけどこの町の精神科病院では一番大きいんだぞ」

 

「分かった。

でも行かない」

「主治医の言う事を聞け。

俺がひっぱってでも連れていくぞ」

「何回やったって同じじゃないか。

この頭の中は。

これからだってずっとそうだ。

わざわざ検査してまでそれを確認したくない。

25年もやったんだから、もう終わりにしてもいいだろ?」

 

「・・・・。

もう25年になるのか・・・。

長い付き合いだな、俺たち。

そろそろ飽きそうだ。

ははは。」

 

「あっ、そういえばお前、ヨ・ハジンを知ってるか?」

「女優のヨ・ハジンか?

知らないやつなんているのか?」

「いや、個人的にだ。

来週のゲストがヨ・ハジンで、SNSを騒がせてるって聞いたから調べてみたら、お前をフォローしてたんだ」

 

「・・・・。

そうなのか?

知らなかったな。

フォローワーがたくさんいるから。

俺は人気があるんだ」

「ふん。ムカつくやつだな。

すぐにそこを片付けろよ。

追い出されたくなかったら」

 

そう言って、僕は寝室に入った。

服を着替えると、すぐにヨ・ハジンについてネットでリサーチを始める。

 

「10・20代が熱狂するスター ヨ・ハジン」

そんな見出しが躍っている。

 

でも出ている記事の内容はと言えば、どれもこれもくだらない内容ばかりだ。

 

「セットのために止めていたクリップピンを髪につけたまま登場。でもヨ・ハジンがすればそれが流行。クリップピン品切れ状態」

「ヨ・ハジンの唇と同色のリップスティック。発売と同時に売り切れ」

 

はぁ・・・

こんな女優が来週のゲストとは・・・

 

 

・・・・続きます。