「風景が素晴らしいし、気持ちが落ち着くなあ。
ヒーリングエナジーを感じられるし」
「2時間一匹も釣れなかったわ。
どうして一匹も釣れないの?」
「新しいトラウマを作って前のトラウマを克服するタイプですか?」
「これじゃ、イライラするだけだわ。
近所に果樹園があるわ。処方を変えるわ。
散歩して、新鮮な空気を吸いましょう」
「僕が毎年どれぐらい歩いてるか知ってますか?」
「お寺があるわ。そこはどう?」
「僕が髪の短い男たちにいったい何ヶ月閉じ込められていたと思いますか?」
「じゃあ何がしたいの?」
「観察とか。
寒いし、魚も釣れないからちょっと休んで帰らない?
おやっ?部屋が1つしかないね。
・・・なんてね」
「こっちに入ってこないでね」
「じゃぁ一緒に部屋にいるってことだね」
「当然でしょう」
「男と一緒に寝ないって言ったじゃないか。
あの時病院で」
「それ私じゃないわ。その女は私よりももっと歳が若いんじゃない?だから何も分かってないのよ」
「だろ?
僕もあの女はほんとに気に入らない」
「あっ!かかった!」
「まだ話が終わってない。
魚か?僕か?」
「特殊部隊のくせに生魚も触れないの?
1度死にかけたくせに?」
「怪我しないよ。死なないよ。
だけど生魚は触れないよ」
「ハハハ。かわいいから許すわ。
開腹手術を始めます。メス!」
「ああ、血も涙もない女め」