前回のブログでWhisky Luxe2023に参加したという記事を書いた。


そのイベント当日に、いつもお世話になっているインポーターの社長から、アルカン主催のマスタークラスに代理で出てみない?とお誘いいただいた。

Whisky Luxeがどのように進行していくイベントか今一つ理解できていなかったので、タイムスケジュールを確認した。

すると、14時半に終わるセッションⅡで会場を出れば、マスタークラスに間に合いそうなスケジュールだったので快諾した。


アルカンなら新しく入れるシャンパーニュ、フィリポナのトップキュヴェ、クロ・デ・ゴワセとか出るのかな?と思ったら、ブルゴーニュのドメーヌ・シャンソンのマスタークラスだった。


フランスからエクスポート・ディレクターのヴァンサン・ワレ氏を迎え、シャンソンが得意とするボーヌのプルミエ・クリュを比較試飲するという。

こういう生産者来日イベントが増えてきていて、新型コロナウィルス感染症もいよいよ終焉を迎えているという事を実感する。


シャンソンは元々はボーヌに拠点を置くネゴシアンで、古くからワインを飲んでいる方はあまりいい印象を持っていないという。

しかし、1999年にシャンパーニュメゾン、ボランジェの傘下に入り、改革を行って品質が劇的に向上したと評価されている。

45haある自社畑の95%がプルミエ・クリュで、2009年からは全ての畑で有機農法を実践しているそうだ。

また、50haの畑をブルゴーニュのコート・シャロネーズ地区に買い足したと、ヴァンサン氏は話していた。 


作りの特徴としては100%全房発酵と、ブドウをコールドトンネルと呼ぶ特殊な冷却機で低温マセレーションを行う事。

ただ、全房発酵は熟成期間が長く必要になるため、100%はやめるそうだ。

新樽率は赤が30%、白は15%~20%で、一人のスター醸造家に依存するのではなくチームでワインをつくる、というポリシーでワイン作りを行っているらしい。


今回はシャンソンの誇るボーヌのプルミエ・クリュのテイスティングで、赤は同一の2017ヴィンテージの畑の違いを感じる事を目的としていた。

テイスティングアイテムは以下の通り。

 

1.ボーヌ・プルミエ・クリュ クロ・デュ・ロワ 2017

2.ボーヌ・プルミエ・クリュ グレーブ 2017

3.ボーヌ・プルミエ・クリュ シャンピモン2017


そして白は同じブルミエ・クリュのクロ・デ・ムーシュ・ブランの3つのヴィンテージの飲み比べだった。

テイスティングアイテムは以下の通り。


4.ボーヌ・プルミエ・クリュ クロ・デ・ムーシュ・ブラン 2017

5.ボーヌ・プルミエ・クリュ クロ・デ・ムーシュ・ブラン 2018

6.ボーヌ・プルミエ・クリュ クロ・デ・ムーシュ・ブラン 2020


どれも長熟しそうだが今飲んでもおいしく、価格帯もコート・ド・ニュイの赤や、白もムルソー、両モンラッシェほど値段が上がっておらず、穴場的なワインだった。
個人的には赤はグレーヴが、白は2020ヴィンテージが気に入った。

シャンソンのオーナーであるボランジェは代理店が変わったが、供給量が多く比較的リーズナブルなシャンソンの使い勝手の良さで、シャンソン単独でも取り引きを継続しそうだった。

正直にいうと、Whisky Luxeの方が先でこちらが後で良かったと思った。
ニューポットも含んだ若いウイスキーは今の完成度を求めるものではなく、飲み頃に差し掛かったグラン・ヴァンと比較するとさすがに分が悪い。

しかし、両方とも充実したイベントで、飲み応えがある満足度が高い一日だった。
長時間で分散したとはいえ、さすがに飲みすぎたのか家でワインを一本空けたら眠気が襲ってきて早い時間に寝てしまった。