最近はなんでもかんでも値段が上がっているが、お酒の値段も例外ではない。

10数年前から買っていたのでその時の記憶があるからから、中でもウイスキーの値段の上がり方は凄まじく感じる。

値上りの要因は一つではなく、様々なことがあげられるため、世界情勢を鑑みるとそれは今後も続きそうだ。


私がよく買っていた頃は1本5万円のウイスキーといえば結構スペシャルなボトルだったが、今やその値段で売られているウイスキーは珍しくないように思う。

しかしボトルではなかなか手が出なくても、ウイスキーはbarなどでショットで飲めるのがいいところだろう。


5万のボトルを良心的な値付けのbarで飲むと、30mlのショットで5,000円位だろうか。

ハーフショットに対応してくれる店だとその半値で飲めるので、ウイスキーマニアは飲みたいボトルならその金額なら躊躇わずに支払う印象がある。

しかし、ウイスキーを飲まない人からすると、その値段でも30mlの液体としてはあり得ない価格だと思うかもしれない。


今のウイスキーの価格についていけず、少しドロップアウト気味の私の感覚も、徐々にそれに近づいているように思う。

今なら5,000円あったらあのワインやあのシャンパンのフルボトルを家でなら飲めるな、と考えてしまうのだ。

二日に分けて半分ずつ飲むとしたら、1万円のワインだって買える。

まあ1万円の酒を買おうと思う時点で、やっぱり一般的な人からみたら頭がおかしい人なのかもしれないが。


ワインも例に漏れずもちろん値段が上がっている。

むしろ投機対象にもなる一部の銘柄の上がり方は、ウイスキーよりも上かもしれない。

しかし、ワインLOVERはTPOでかなり安いワインも試して楽しむ人の割合が多く、印象的にはウイスキーLOVERより幅広く飲んでいる印象がある。


私も週5~6本と夕食に合わせてかなりの量のワインを飲むため、値段は切っても切り離せない。

気になるワインは少なくとも2本は買って、ボトル差がないか、どう変わっていくかを楽しんでいる。

その中から、ヴィンテージが変わっても繰り返し注文して楽しむワインが出てくる。

例えばこのスパークリングワインだ。


【シャトー・ド・ロレ クレマン・ド・ロワール ブリュット ノン・ヴィンテージ】


スパークリングワインの王者といえば、シャンパーニュだという事に異論がある方は少ないだろう。
フランスのシャンパーニュ地方でつくられ、使うブドウや作り方など、一定の条件を満たしたワインだけがシャンパーニュと名乗る事が許される。
そのため、フランスにはシャンパーニュ以外にもスパークリングワインが無数にある。

その中で代表的なものがクレマンだ。
シャンパーニュとは瓶内二次発酵という伝統的な製法を同じくしていて、現在は8つの地域のスパークリングがクレマンを名乗る事ができる。

このスパークリングはロワール地方のクレマンで、クレマン・ド・ロワールと呼ばれる。
この作り手シャトー・ド・ロレは、2004年からオーナーになったマリエル・アンリオンさんという女性がつくっているらしい。
マリエルさんは生粋のシャンパーニュっ子で、大手メゾンであるボランジェで働いていた事があるという。

シャンパーニュでは使われないシュナン・ブランというブドウをメインに、驚くほど飲み口がシャンパーニュに似ているワインに仕上げている。
安ウマスパークリングを探そうといろいろ試す中で、同じブドウ品種や同じ製法でも飲み口がここまで近いものはなかった。

輸入しているフィラディスというワイン商社の社員販売で、スパークリングの中でトップの売り上げを誇るという。
ちなみにフィラディスはそうそうたるシャンパーニュを扱っている会社だ。

シャトー・ド・ロレは三つのキュヴェが輸入されている。
一番ポピュラーなブリュット(辛口)、ドサージュと呼ばれるリキュール添加を行わないブリュット・ゼロ、シュナン・ブランに加えカベルネ・フランを15%使うブリュット・エル。
どれもおいしいが個人的には普通のブリュットがバランスがいいと思い愛飲している。

買う店によっては税前で1,800円強とウイスキーのハーフ・ショットの値段を出せばフルボトルが楽しめる。
様々な料理に寄り添いやすいというシャンパーニュの特徴も備えたクレマンで、和食や中華にも合わせやすい。

うまい酒を安く楽しみたいという人にはお勧めできる、家飲みが豊かになるクレマンだ。