アイラフェスも終わり、スコットランドに行っていたBarの方も続々と帰国してきている。
そこで買ってきた限定ボトルが各地のBarで開くのが、この時期の風物詩になっている。
アイラフェスはコロナで2年間中止となったが、今年は3年ぶりに開催されて大いに盛り上がったようだ。

先日いつもお邪魔する有楽町キャンベルタウンロッホで、久しぶりのスコットランドの様子を聴きながらいくつかの限定ボトルを飲んだ。
あまり時間もなかったため、じっくりと飲んだわけではないので、簡単な感想とレートを記載する。

◼️ボウモア 15年 1stフィルバーボンカスク アイラフェス2022 54.3%

2007年前後の蒸溜だと思われるが、2000年代頭にあった紙感やサロンパス感がなく、ピュアな果実味が出ている。
うっすらとパッションフルーツのようなフルーティーさもあり、これがスタンダードクラスで出てくるとしたら相当いい。
テンペストの1stバッチを洗練させ、パッションフルーツを足した感じ。
以前飲んだ2006のワインバリックのハンドフィルも、少し作りが変わって良くなっている印象があった。
2000年代後半蒸溜がメインとなるこれからのボウモアが楽しみになる一本。

【Verygood!!】
 


◼️カリラ 15年 アイラフェス2022 55.2%

カリラのフェス限定ボトル。
マスカットのような白ブドウ感があり、15年のアンピーテッドのような印象。
ヴァージンオークフィニッシュだが、余韻に少し感じる程度でその辺は予想に近い。
フルーティーでライトな良いアイラモルトではあるが、あまり印象に残らない仕上がり。

【Good/Verygood!】


◼️ラガヴーリン 12年 アイラフェス2022 57.7%

名品を生み出すラガヴーリンのアイラフェスボトル。
今年のはヴァージンオークフィニッシュの12年で、きれいにライトにまとまっていて、重厚感とインパクトに少し欠ける。
2018リリースの蒸溜所限定が売っていたらしく、それと並べて飲んだが、そちらはクラシカルなラガヴーリンだった。
そっちはディスティラリーチーム、こちらは蒸溜所マネージャーのクレジット。
ラガヴーリンは、イアン・マッカーサーやディスティラリーチームのクレジットが好みかも。

【Good/Verygood!】


◼️キルホーマン 16年 アイラフェス2022 52.1%

今回飲んだフェスボトルでは最長熟で、今まで飲んだキルホーマンとしても最長熟の16年もの。
さすがに複雑でうまみがあり、この蒸溜所の目指す味わいはこういう路線、ラガヴーリンとボウモアにハンドメイドの旨味を足したような味の路線なのだろうと思わされる。
このクラスのカスクストレングスがレギュラーで出てくるようになったら、アイラの勢力図が変わるように思う。
ただ、それは相当先になるだろうし、若いものを売る戦略の蒸溜所なので、そういうポートフォリオはもしかしたら実現できないのかもしれない。

【Verygood!】


◼️アードベッグ アードコア コミッティエディション 50.2% 

深煎りしたモルトを使ったアードコアのコミッティエディション。
強い苦味、煙さがありながら厚みというより若さのあるアイラモルトで、まさにお祭り的なウイスキー。
ストレートで飲む事を想定していないように感じた。
蒸溜責任者のビル・ラムズデンは、グレンモーレンジではチョコレートモルトを使った、シグネットという名ボトルを出している。
そういう路線のものをつくってほしい、と期待したくなる一本。

【Good/Verygood】

個人的にはボウモアの復権がより現実的に感じられ嬉しく思うし、キルホーマンも着々と足場を固めている印象だった。
ラガヴーリンはマネージャーが変わっている影響がまだ分からないが、より広いファン層を獲得するかもしれない。
また、ラフロイグのカーディス2022もできが良かったとの事で、届くのを待って開けるのが楽しみだ。


これ以外にも、蒸溜所限定やスペイサイドフェス向けのボトルなどが開いていて飲んだが、いいものが多かった。
やはり蒸溜所の今を感じられるオフィシャルの限定ウイスキーはいいな、と思う。

また、スコットランドではマスクをせず快適に過ごせたそうで、日本でも屋外は緩和される流れになりそうで、少しずつ以前と同じ日常が戻りつつある。

まだ飲めていないビッグなボトルも並んでいたので、近いうちにまたお邪魔して飲んでみたい。