そのウイスキーを初めて飲んだ日のことを覚えている。
当時兵庫の西宮で貧乏学生をしていた私は、
演奏するのはハードロックがメインだった。
ロックとウイスキーは切っても切り離せない。
その当時、
また、『スローハンド』と呼ばれ愛されるレジェンドは、ジム・
その名もサブロックという、
味も全然わからないし、
ただあるウイスキーのその名前と強烈な味わいは、
『You either love it or hate it』
ラフロイグだ。
それから15年ぐらいを経て銀座のBARで再会したラフロイグは
だが正露丸や歯医者だと言われたりするそれをおいしいと思えるようになった私は、
そしてある一本のラフロイグとの出会いでラフロイグに決定的にの
ウイスキーマガジンのテイスティングパネラーだったというデヴィ
その会社が創立5周年を記念して詰めた3本のうちの1本、
2010年にボトリングされたものだと言う。
色鮮やかなカワセミのラベルが印象的なボトルで、
すぐに探したがアウトターンが276本しかないボトルで、
そこで同じような20年から22年熟成のラフロイグを結構買った
熟成年が近ければ似たような味わいのものがあるのではないか、という考えからだ。
その時のラフロイグのヴィンテージは1990が中心だったと思うが、
その経験を通じて、
事実、そののちに出会った1988ヴィンテージには、全てではないがそれなりの確率で
結局そのボトルを買うために初めて海外のオークションに挑戦し、数年かけて都合4本を落札し2本を飲んだ。
あとの2本は去年ボトルを整理をしたときに見かけたので、いずれ飲む事を楽しみにしている。
だがしかし、
アンブレンデッド表記のオールドボトルや、
極めつけはもはや伝説の1974、31年のシェリーカスクだ。
そのウイスキーはフランスのウイスキー商社ラ・メゾン・ド・ウイスキーで、今や12,500ユーロで売られている。
思い起こすと、私がラフロイグを西宮北口で飲んだBARは大震災で失われている
ラフロイグがチャールズ皇太子からプリンス・オブ・
当時は全く気が付かなかったが、おそらく
その原体験があるからか、私はフルーティーなラフロイグに目がない。
ラフロイグの魅力はそれだけではないのは重々承知なのだが、
ただ、海外評価はそれほど私の評価と一致していないように思うし、
あいつ分かってないな、
SMAPや山崎まさよしも歌っていたではないか。
育ってきた環境が違うから、好き嫌いは否めないのだ。
夏がダメだったり、セロリが好きだったりする。
あくまでも私のラフロイグ体験からだが、
1988ヴィンテージはそのうちの一つで、
ダグラスレインを中心に出されたそのヴィンテージのフルーティー
あとは1997や1998、2001などもその類かもしれない。
今にして思うと2011年にボトリングされ、
そして、
灰にまみれたドライマンゴー、磯の香りと潮っぽいヨード、
淡くパッションフルーツ、じわじわと舌に重なるタール、
バーボン樽のスパイスと程よいオーク、
アフターには青めの桃のような果実に、きめ細やかな灰が重なっていく。
これぞバーボン樽で熟成されたザ・フルーティー・
私が1993ヴィンテージと聞いてイメージする味の典型に、王道感が備わっているのだ。
交差点でも夢の中でも、どっかにその姿を探した黄色いトロピカルフルーツ+灰が、ここにもある。
ちなみに同じように1993蒸溜の原酒が使われている、と言われている2015年詰めのフレンズ・オブ・
あれはフレンズ創設21年とその設立年にひっかけ
て、
味もそんな味がするように思うが、
それならきっとヴィンテージ表記するだろうしね。
でもあの200周年の2015年に出た一連のリリースは、ノンエイジのカーディスから32年までヴィンテージ表記は一本もないのだ。
目立たないようにあえて入れなかった線も有り得るのではないだろうか?
答えは出ない。
だが、飲んでそういう想像を巡らせるのも楽しいもんだ、と思っている。
しかし一つ不思議なことがある。
あれだけ強烈な印象を残し、
そんな話をBARでしたら、
きっと長く飲むとヨードやフルーツ、
最初に驚かされ、のめり込むきっかけとなった1stインプレッションが
これが『知る悲しみ』ってやつなのだろうか。
だからこそ、ウイスキーは飲むほどに不思議で面白い。
あなたは愛するだろうか?それとも憎むだろうか?という問いに対し、
ダイアナ妃と離婚し当時イメージが最悪だったチャールズ皇太子が、ラフロイグを愛するという共通点だけで、大好きだ!と思えるほどに、だ。
チャールズ皇太子といえば、英国でも猛威をふるうコロナウィルスに感染され、味覚障害を患われたと聞く。
感染後、少しして体調を回復されたあとも、味覚の障害が少し残ったという報道を見た。
今は治ってラフロイグを楽しんでおられるのだろうか?
同じラフロイグloverとして、チャールズ皇太子がラフロイグの味わいがわからなくならないよう、回復されている事を切に願ってやまない。
loverにとってこの味がわからなくなるなんて、人生の楽しみの何分の一かが失われるようなものなのだから。。。
【Very good!/Excellent!!】
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210209/00/zgmf-x10a19730730/71/f1/j/o0525108014893556300.jpg?caw=800)