東ハイランド、ブレチンの町にあるグレンカダム蒸溜所。

創業は1825年と古く、ブレンデッドウイスキー、バランタインの『魔法の7柱』といわれる重要な原酒の一つです。

オーナーは入れ替わりが激しかったようで、ハイラム・ウォーカー、アライド・ドメックと移り変わってきましたが、現在はブレンド会社のアンガス・ダンディー社が所有しています。

アンガス・ダンディーはシングルモルトでは傘下の会社からモンゴメリーやマキロップ・チョイスなどを出している会社です。

また、ブレンデッドウイスキー『クリーム・オブ・ザ・バーレー』の核になる原酒として使われていて、クリーミーな風味を持つグレンカダムを表す言葉としても使われています。

このボトルはそんなグレンカダムのボトラーから出されたもので、スコットランド最古のインディペンドボトラー、ケイデンヘッド社のもの。

日本向けに詰められもので、水橋という会社が販売元のため、『水橋のカダム』と呼ばれている、マニアには人気の高いウイスキーです。

水橋は他にもアードベッグやグレンオード、グレンダラン、タムナブーリンを出しているそうですが、そのうちのいくつかはレジェンダリーなボトルとなっています。

このグレンカダムは、ヴィンテージは1966年で、22年熟成、アルコール度数は56%のカスクストレングスでボトリングされています。

ホームのバーでグレンダランと二本同時に開栓されたので、久しぶりに飲む機会を得ました。


【テイスティング】
塩水を吹きかけたオレンジ、熟したネーブル、おしろいの粉、クリーミーな麦のテクスチャー、湿った和室の埃をかぶった古いタンスのウッディネス、少し線香のスモーク。
すみれの花、カスタードクリーム、ドライな白ワイン。

クリーム感のあるグレンカダムらしいテクスチャーとフルーツ感。
少しウッディネスが強めで、私は認識をしても厚みだと思いますが、人によってはパフュームと呼ぶ萌芽が奥にあります。

また、オールドらしいウッディネスがあり、麦の旨味も溢れた素晴らしいウイスキー。

このクオリティのシングルモルト、シングルカスクを約30年前に日本に引いた慧眼は素晴らしいと思います。


【Verygood!/Excellent!!】