アイラモルトの王者、ラフロイグ蒸溜所。

1815年ジョンストン兄弟によって設立された蒸溜所で、昨年2015年には創立200周年を迎えました。

アライドから2005年にジムビームが買収し、現在のオーナーはそのジムビームを買収したビームサントリーです。

200周年のボトルの情報が入れば仲間内で交換し、コンプリートを目指したのも記憶に新しいところです。
数々の記念ボトルがリリースされましたが、最長熟の目玉ボトルが、ラフロイグのオフィシャル史上二番目に長い熟成のこの32年でした。

土屋守さんのシングルモルトウイスキー大全には、『ラフロイグは1stフィルのバーボン樽しか使わないというこだわりがある』と記載されています。

しかしながら、勝負どころのスペシャルなものはシェリー樽を使ってくるイメージで、この32年もオロロソシェリーホグスヘッドで熟成されたという記載があります。

また、この32年だけUKを中心に出されたものと、北米で売られていたものと0.1%アルコール度数が違いました。

そうなると、中身が違うのか否か、気になるところです。
ウイスキー仲間にアメリカに行かれていた方がいて、お願いしてテキサスの酒屋さんで手配いただき、手に入れる事ができました。

先日、仲間内で今年200周年を迎えたラガヴーリンと、ラフロイグの200周年ボトルを揃えた持ち寄り会をやりました。

その際に並行輸入品の32年46.6%をお持ちいただいたのですが、せっかくの機会だし、信頼できるテイスターが揃っていたので、違いを体感したいと思い開栓しました。

結果、中身は同じものではないか、という一番つまらないオチになってしまいましたが(笑)、信頼できるテイスターの方々と検証できてよかったと思います。


【テイスティング】
アプリコットや淡いパッションフルーツのジャム、ラズベリーチョコレート、長熟のアイラに出る磨かれたキラキラしピート。
少しホエーのような酪酸感、アーシーなピートスモーク、少し出汁、オレンジカスタードクリーム、やさしいウッディネス、ネーブルのワタ。

余韻にも心地よく柔らかかいピートと、オレンジやマスカット、パッションフルーツなど、多彩なフルーツが押し寄せる。


46.7%の度数が示すように、アイラモルトやラフロイグに迫力を求める方には、少し物足りないかもしれません。
しかし、フルーティーで磨きあげられた80年代前半のラフロイグらしい完成度の高い、美しくはかない、ため息の出るような長熟ラフロイグです。

最後になりますが、オーナーが日本の企業なのに、このボトルは日本では正規販売がありませんでした。

日本の愛好家は熱心で海外から輸入していますが、日本でも買える状況をサントリーさんにはぜひつくってほしいと思います。


【Verygood!/Excellent!!】